甘々顔総長様と地味顔女子

三三

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「すぐ集合かけます、後、未那さんにも連絡入れときます。」
慧って子は、今のこの状況をわかっていたかのようにすぐに対処を促している
何が起きているのかを把握している。
「ああ」
総長様はさっきから動かない。力なくその言葉だけを言うと手で自分の腕を掴んでる。
さっきから小刻みに震えている体を抑えようとしてる?

「あ、あの」 声が上手く出ない。
私はもしかしてとんでもない事しちゃった・・?

「俺。ああ、そのショップ付近から範囲広げて今すぐ動け、変わってなければあの車だ。ナンバーわかってんな。」
私の声なんか聞こえてない。
慧って子は電話口で相手に指示を出してた。
そして、すぐに
「あ、未那さん俺っす、実は・・」
次に電話をかけた相手。名前で、その電話の相手は長男様だとわかった。
慧って子は、その話の途中で、総長様の側から離れて行く。
そして離れた場所で何やら長男様と話しを続けていた。
総長様には聞かれたくないこと・・?

一体、この人達は何をそんなに焦っているの?なんで総長様は震えているの?
私はただ、さくらちゃんに喜んでもらいたかった、お母さんに会わせてあげたかった。
それはいけない事だったの?


「殺す」


「え」
今、総長さん、何か言った・・?

その時、総長様のスマホが鳴った。
すぐにそれに出る。スマホを持つ手はもう震えていない、

「ああ、わかった、俺のバイク乗ってきてくれ。」
それだけ言うとすぐに電話を切り、立ち上がった。
その立ち姿は背を向けているにも関わらず、すごいオーラで、

私はつい後ずさりしてしまった。
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