甘々顔総長様と地味顔女子

三三

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メイクをし終わる頃には、さくらちゃんも戻ってくるだろう。
そんな風に思ってた。

でも、メイクが終わってその子にお礼を言った後も、なかなかさくらちゃんは戻ってこない。
丁寧だった彼女のメイクは結構時間かかっていた。(決して私の地味顔のせいでではない!
だから、あれからもう1時間近くたってる。
どうしたんだろ、昨日の時点では、会って話をするだけって、だから15分くらいで済むんじゃないかって。
ん―・・、まぁ、初めてお母さんと会うんだもんね。もっといっぱい一緒に居たくなっちゃったのかな。
でも、もうそろそろ、ここから出ないと、あの2人に怪しまれる。
慧って子は待つのに慣れてるっぽいから大丈夫だろうけど、総長様にソレが通用するかな。
そんな事を考えている最中だった
ドンッ!
思いっきり入口のドアが開いたかと思うと、店員のお姉さんからの
「困りますお客様っ、男性は入室禁止です!」との声が、
今・・
男性?って言った?

ま、まさか・・ね。

「おい、」

真後ろから声・・女の子しか居ないハズのこの場所で・・
男の人の声。
しかも、この声・・

「げ」

え?「げ?」
振り向いた私を見てそんな声を出したその人。

「なんて顔してやがる!」
「へ?」
それはまさに総長様で、メイクをした私の顔を指してそんな失礼な言葉を発した。
そんなに似合わないのか、
「あ、そんな事より、さくらはどこだ!」
そんな事ですか・・は。
あ!っと、し、しまった!まださくらちゃんキョロキョロと周りを見渡したけど、やはりまださくらちゃんは戻っていなくて、
「えと・・」返答できずにいた。

「まさか、さくら、どっかに行ってるのか?スマホも電源切ってっし、」
総長様は感がいい。
スマホは、お母様と会っている間、ジャマが入らないよう電源切っておくってさくらちゃん言ってた。
「んー」
どうしよう、ますます返答に困る。

「ここには居ねぇんだな。」
「う、あ、・・はい。」そこだけは誤魔化せない、ごめんさくらちゃん!

「とりあえずここ出るぞ」そう言って私の腕を掴むと、メイクショップから連れ出された。
さすがに周りの女の子達の騒ぎ立てる中には居ずらかったんだろう。
でも、異様に総長様の事を触ったりしてた子もいたよーな?

「あ、亜弥さん無事でした?」
お店から出ると、慧って子がすかさず総長様へ駆け寄ってきた。
「ああ、腕とかさわられたぐらいですんだ。」

腕?触られた?

「もっと、自覚してくださいよ!」
やはりこの人達の会話は理解が出来ん!
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