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歩き出す総長様に連れられ、着いた先は大きな赤い鳥居の前。
「あの・・」
「ここ、結構有名な合格祈願の神社らしい」
と。
「え?」じゃ、今日私を呼び出したのって、ここに連れてくる為?なんで?
「お前、中3なんだろ?さくらから聞いた。」
「あーはい。」
「だから合格祈願しに連れて来た。慧から何も聞いてねぇ?」
「え?、ああ・・はい。」高校受験の合格祈願ってこと?
「ちっ、あいつを迎えに行かせたのが間違いだった、
朝、学校前でお前にも「今日、空けとけよ」って言っただろ?」
え?あ、あれ、気がしたんじゃなくて、そう言ってくれてたんだ。
でもなんで、わざわざ私の合格祈願なんかに連れて来てくれたんだろう。
ああホントダメだ。さっきの感情だけでいっぱいいっぱいなのに、この情報までは頭が追い付かない
一通り、お参りを終えると、さっさと売店の方へと行ってしまう総長様。
「?」
「まゆ」
「へ?」え?い、今、名前、呼ばれたっ?
今まで、お前だの、てめぇ{・・ひどい)だのとしか呼ばれてなかったのに、
「///!」本日、総長様への感情を認識したばかりなのに!いきなり、名前呼ぶ?
しかも呼び捨てっ!反則技しか持ちあわせてないんでしょーかっ!
「早く来い」
ハッ!「はい!」名前を呼ばれた事でワタワタししてた私は焦りながら総長様の側へと駆け寄った。
私が来たのを確認すると、すぐに売店に並べられている沢山置いてあるお守りを指さした。
お守り・・
「どれがいい?」
「え?」
総長様の言葉に顔を上げ、?顔を向けた。
「あー。そういえばお前、趣味悪かったな。あの弁当のチョイスといい」
「う!」そんなにあの時、私が選んだお弁当はダメダメだったんですかっ?!てか、
それよりも・・また、『お前』に戻っちゃった
「俺が選んでいいか?」
いきなりの申し出だった。
コクコクと思いっきり、縦に首をふる私。
「はは。じゃ、コレ」
笑いながら、1つのお守りを手にして、売店のお姉さんに渡している総長様
私はいつでも笑われてるな。
さくらちゃんもしょっちゅう、私を見て笑ってるし、そんなに面白い行動しているつもりは無いんだけどな。
はぁ、出来れば、お笑いなんかじゃなく、ドキドキするとか、ときめくよーな女の子でありたかったよ。
そうすれば、少しは期待とか持てたりもするのにな。
溜息をついている間に、お守りを買い終えていた総長様は、そのお守りを私の手に乗せた。
白の布地にブルーの糸で刺繡が入っててお守りとは思えない程オシャレだった。
本当に総長様はセンスがいい。私じゃ、こうはいかない。
「えあ、とっ、お金っ、」
「は?てめ、また」「ひぃっ!!」『てめ』に格下げですかっ?!!
そう言ったかと思うと、私の手を取り、売店から離れて行く。
入る時も見た、あの赤い鳥居が見えてくる。
そこで手は離された。
で、少し振り向いて
「恥かかせんじゃねぇって言ったろ」
と。
言葉は乱暴なのに表情は優しい。甘々で優しい。
ヤバい、感情が2乗で上書きされる。泣きそう。
「それに、お守りって人から貰うもんだからさ、自分で買ったってイミねぇの。」
ポタポタ・・
あ、しまっ・・涙が
「え?うわ、なんだ?」
私のいきなりの涙に総長様は驚いている。
「あ、ごめんなさ、・・っ」 バカバカ、総長様困ってるじゃない、なんで泣いてんの?
なんで涙が出てくるの?!!止まってとまっ・・
スッ。 え・・
指・・私の目の下に、
「///!!」
気付くと、総長様の指が手の平が私の目の下から頬にかけて覆っていた。
「なんで泣いてる、」
その上、心配そうな顔を向けて優しい言葉までかけてくれる。
そんな事されたら。余計・・
「うっ・・う」涙が出てくるじゃん!
ギュ。「へ」
なに?いきなり顔から手を離したかと思った瞬間、総長様の胸の中に引き込まれている。
「拭えるもんなんて持ってねぇから、ここ使え」
そう言ってシャツに顔を埋められた。
はあああ/////これで落ちない女の子いるかっ?!!!いるのかっ??!
も・・倒れそ・・
もう十分です。
絶対に叶わないこの感情を持つている子はいっぱいいる。
ソレに気づいても、伝える事も出来ない、私もその一人。
でも、お話できた。・・こうして触れたりできた。
「俺の言い方が悪いから、怖がらせちまったか、」
優しい言葉までもらった。
「あ、りがとう・・ございました」
「ん?」
総長様の胸元から顔を離して、やっと言葉を出せた。
これ以上は私にはもったいない贅沢。
だからの過去形。
「受験、がんばれよ」
総長様は普通にお守りのお礼だと思ってくれたらしい。
それでいいんだ。
それ・・なのに
「で、なんで泣いたんだ?」
と続ける。
せっかく整頓ができ始めてきた私の感情など全く無視して、当の本人はケロリである。
くぅ、格が違いすぎる!
ならばこうだ!
「目にゴミがはいっただけ」本当の事なんて言うもんか!
「ちゃんと取れたのか」
そう言って顔を顔をっものすっごく近づけてっ、綺麗な瞳が私の目にロックオン!
ひいっ、目のパーツすら格違い!!もう勘弁してくださ――いっ!!
て?あれ?こんな近づいて気づいた。
総長様の目元の後ろの方に・・傷痕がある。痕の大きさからいってかなり深く切ったのではと思えるほどの
私の眼球はそっちの方へ動いていた。
それに気づいたのか、「なに?」総長様の眼球も同じ方向に動く。
「目の後ろの傷、喧嘩ですか?」
何気に聞いただけだった。
傷なんて暴走族の総長までやっているんだったら当たり前にあるんだと。
でも、その言葉に総長様の瞳は曇った。
?なんだか、この反応・・あの時、お母さんの話題になった時のさくらちゃんと似てる。
「あ、あの」たまらず声をかけると、
「ま、そんなもん」と笑顔で言われた。
かわされたと思った。きっと聞いてはいけない事だったんだ。
「あの・・」
「ここ、結構有名な合格祈願の神社らしい」
と。
「え?」じゃ、今日私を呼び出したのって、ここに連れてくる為?なんで?
「お前、中3なんだろ?さくらから聞いた。」
「あーはい。」
「だから合格祈願しに連れて来た。慧から何も聞いてねぇ?」
「え?、ああ・・はい。」高校受験の合格祈願ってこと?
「ちっ、あいつを迎えに行かせたのが間違いだった、
朝、学校前でお前にも「今日、空けとけよ」って言っただろ?」
え?あ、あれ、気がしたんじゃなくて、そう言ってくれてたんだ。
でもなんで、わざわざ私の合格祈願なんかに連れて来てくれたんだろう。
ああホントダメだ。さっきの感情だけでいっぱいいっぱいなのに、この情報までは頭が追い付かない
一通り、お参りを終えると、さっさと売店の方へと行ってしまう総長様。
「?」
「まゆ」
「へ?」え?い、今、名前、呼ばれたっ?
今まで、お前だの、てめぇ{・・ひどい)だのとしか呼ばれてなかったのに、
「///!」本日、総長様への感情を認識したばかりなのに!いきなり、名前呼ぶ?
しかも呼び捨てっ!反則技しか持ちあわせてないんでしょーかっ!
「早く来い」
ハッ!「はい!」名前を呼ばれた事でワタワタししてた私は焦りながら総長様の側へと駆け寄った。
私が来たのを確認すると、すぐに売店に並べられている沢山置いてあるお守りを指さした。
お守り・・
「どれがいい?」
「え?」
総長様の言葉に顔を上げ、?顔を向けた。
「あー。そういえばお前、趣味悪かったな。あの弁当のチョイスといい」
「う!」そんなにあの時、私が選んだお弁当はダメダメだったんですかっ?!てか、
それよりも・・また、『お前』に戻っちゃった
「俺が選んでいいか?」
いきなりの申し出だった。
コクコクと思いっきり、縦に首をふる私。
「はは。じゃ、コレ」
笑いながら、1つのお守りを手にして、売店のお姉さんに渡している総長様
私はいつでも笑われてるな。
さくらちゃんもしょっちゅう、私を見て笑ってるし、そんなに面白い行動しているつもりは無いんだけどな。
はぁ、出来れば、お笑いなんかじゃなく、ドキドキするとか、ときめくよーな女の子でありたかったよ。
そうすれば、少しは期待とか持てたりもするのにな。
溜息をついている間に、お守りを買い終えていた総長様は、そのお守りを私の手に乗せた。
白の布地にブルーの糸で刺繡が入っててお守りとは思えない程オシャレだった。
本当に総長様はセンスがいい。私じゃ、こうはいかない。
「えあ、とっ、お金っ、」
「は?てめ、また」「ひぃっ!!」『てめ』に格下げですかっ?!!
そう言ったかと思うと、私の手を取り、売店から離れて行く。
入る時も見た、あの赤い鳥居が見えてくる。
そこで手は離された。
で、少し振り向いて
「恥かかせんじゃねぇって言ったろ」
と。
言葉は乱暴なのに表情は優しい。甘々で優しい。
ヤバい、感情が2乗で上書きされる。泣きそう。
「それに、お守りって人から貰うもんだからさ、自分で買ったってイミねぇの。」
ポタポタ・・
あ、しまっ・・涙が
「え?うわ、なんだ?」
私のいきなりの涙に総長様は驚いている。
「あ、ごめんなさ、・・っ」 バカバカ、総長様困ってるじゃない、なんで泣いてんの?
なんで涙が出てくるの?!!止まってとまっ・・
スッ。 え・・
指・・私の目の下に、
「///!!」
気付くと、総長様の指が手の平が私の目の下から頬にかけて覆っていた。
「なんで泣いてる、」
その上、心配そうな顔を向けて優しい言葉までかけてくれる。
そんな事されたら。余計・・
「うっ・・う」涙が出てくるじゃん!
ギュ。「へ」
なに?いきなり顔から手を離したかと思った瞬間、総長様の胸の中に引き込まれている。
「拭えるもんなんて持ってねぇから、ここ使え」
そう言ってシャツに顔を埋められた。
はあああ/////これで落ちない女の子いるかっ?!!!いるのかっ??!
も・・倒れそ・・
もう十分です。
絶対に叶わないこの感情を持つている子はいっぱいいる。
ソレに気づいても、伝える事も出来ない、私もその一人。
でも、お話できた。・・こうして触れたりできた。
「俺の言い方が悪いから、怖がらせちまったか、」
優しい言葉までもらった。
「あ、りがとう・・ございました」
「ん?」
総長様の胸元から顔を離して、やっと言葉を出せた。
これ以上は私にはもったいない贅沢。
だからの過去形。
「受験、がんばれよ」
総長様は普通にお守りのお礼だと思ってくれたらしい。
それでいいんだ。
それ・・なのに
「で、なんで泣いたんだ?」
と続ける。
せっかく整頓ができ始めてきた私の感情など全く無視して、当の本人はケロリである。
くぅ、格が違いすぎる!
ならばこうだ!
「目にゴミがはいっただけ」本当の事なんて言うもんか!
「ちゃんと取れたのか」
そう言って顔を顔をっものすっごく近づけてっ、綺麗な瞳が私の目にロックオン!
ひいっ、目のパーツすら格違い!!もう勘弁してくださ――いっ!!
て?あれ?こんな近づいて気づいた。
総長様の目元の後ろの方に・・傷痕がある。痕の大きさからいってかなり深く切ったのではと思えるほどの
私の眼球はそっちの方へ動いていた。
それに気づいたのか、「なに?」総長様の眼球も同じ方向に動く。
「目の後ろの傷、喧嘩ですか?」
何気に聞いただけだった。
傷なんて暴走族の総長までやっているんだったら当たり前にあるんだと。
でも、その言葉に総長様の瞳は曇った。
?なんだか、この反応・・あの時、お母さんの話題になった時のさくらちゃんと似てる。
「あ、あの」たまらず声をかけると、
「ま、そんなもん」と笑顔で言われた。
かわされたと思った。きっと聞いてはいけない事だったんだ。
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