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結局、その部屋には、さくらちゃんと2人っきりになった。
そこで、私は色々と聞く事となる。
実はさくらちゃんちは、離婚していて、お父さんしかいないってコト。
そのお父さんは海外出張中で家にいないってコト。
それと、総長さんの上にはもう一人、大学に通っているお兄さんがいるコト。
つまり、さくらちゃんちは実質、3人の兄弟で住んでいるのだと。
ここのマンションに引っ越してきたのは、さくらちゃんが中学2年生になるのと同時で、
その際に私と同じ、今の中学に転校してきたという
「あの慧っ子は?すごく仲いいみたいだけど、転校前からの知り合いなの?」
「慧とは前の中学でも一緒だったよ、」
「え?」
「なんでか、慧もこっちの学校に転校したきたんだよ~」
「へ?」それは・・もしかして、さくらちゃんを追ってきたってこと??!
「あ、あの、その理由って聞いてみた?」
「わかんない、ソコは慧、何にも言わないから、でも、お兄ちゃんは知ってるんじゃないかな?前の学校の時もお兄ちゃん達とつるんでいたし。」
まぁ、そうは言っても聞けないけどね。
慧って子にはもちろんだけど、総長様になんておこがましくて聞けない。興味本位で聞くなとかって言われそうだし。それは考えないようにしよ。
「ねぇねぇ、まゆさんの事も教えてよ~」
今度は、さくらちゃんが私に質問してきた。
「ん?なに?」
「さっきの傷の手当とかってどっかで習ったの?すごくビックリしたんだけど!」
って。
「あ、あれは、ウチのお母さんが看護師で、私は小さい頃からあれぐらいの処置とかは教えられていたの。」
「え~お母さん、看護師さんなんだぁ!すごい!」
「え?そ、そうかな//」自分の親を褒められるとやっぱ嬉しい。
「うらやましい・・」
あ。
そうだった、さくらちゃんちには、お母さん居ないんだった。
それなのに私ったら。なんて無神経・・
落ち込んでいる私に
「お兄ちゃんには内緒なんだけどね」
と、
いきなりそんな事を言って立ち上がったと思うと、私の手を引いてリビングから連れ出された。
廊下に出ると右にもフロアが見え、そこにも扉がある。
その扉を開けて連れていかれた場所は、
「わぁ//かわい//」
そこは明らかに女の子の部屋。
ピンクと白で覆われている壁、いっぱいフリルが付いたカーテン
「私の部屋へようこそ」
にっこりと笑ってその部屋と同化するさくらちゃんを見て
本当におとぎ話に出てくるお姫様かと思った。
しばらく見とれていると、さくらちゃんは白い机の一番上の引き出しを開け、手を奥の方に入れて何かを取り出そうとしている。
?
その手に掴んでいたモノ
「写真?」
「うん。」
誰のだろう
「私のママの」
「え」
そう言って見せてくれた写真の中にはとても綺麗な女の人が写っていた。
目元がとってもさくらちゃんに似てて・・
必然的に総長様とも似てた。
「綺麗な人だね、さくらちゃんと似てる。」
私のその言葉に、さくらちゃんは少し頬を赤めて笑った。
そうだよね。いくら離婚していても母親だもんね。
「お母さんとは会ったりしてないの?」
今や離婚は珍しくない、結構頻繁に交流している親子もいる。
そんな感覚で聞いてしまった。
なのに
「・・一度も会ったことない。」
と、返答したさくらちゃん。表情が曇ってる。
本当に私って無神経すぎる!
「あ、っと、ご、め・・」
「ふふ。大丈夫だよ、まゆさん」
逆に慰められてしまっていた。
何やってんの、私の方が先輩だっていうのに。
「でも、コレ持ってるって、お兄ちゃんには絶対、内緒だからね。」
写真をまた引き出しの奥にしまい込みながらそう言った言葉に違和感。
「なんで?」
「・・」黙り込んでしまっているさくらちゃん
私、また無神経なことを聞いてしまった?
「お兄ちゃん達、ママのことを聞くと黙るし、怒るし。この写真だってたまたま引っ越しの時に見つけたの。パパと一緒に写ってたのもあったし、亜弥兄ぃとも似てたから絶対にこの人がママだと思って、お兄ちゃん達には内緒で前のお家から持ってきたものなの。」
「・・」
「ママの写真なんて持っているなんて知れたらきっと捨てられちゃう。」
なんで、お兄さん達はお母さんの事を教えてやらないのかはわかんないけど
「・・ん。わかった。言わないよ」そう答えた。
「私達、2人の秘密ね♪」
約束を交わした私達は又、リビングへ戻っていった。
そこで、私は色々と聞く事となる。
実はさくらちゃんちは、離婚していて、お父さんしかいないってコト。
そのお父さんは海外出張中で家にいないってコト。
それと、総長さんの上にはもう一人、大学に通っているお兄さんがいるコト。
つまり、さくらちゃんちは実質、3人の兄弟で住んでいるのだと。
ここのマンションに引っ越してきたのは、さくらちゃんが中学2年生になるのと同時で、
その際に私と同じ、今の中学に転校してきたという
「あの慧っ子は?すごく仲いいみたいだけど、転校前からの知り合いなの?」
「慧とは前の中学でも一緒だったよ、」
「え?」
「なんでか、慧もこっちの学校に転校したきたんだよ~」
「へ?」それは・・もしかして、さくらちゃんを追ってきたってこと??!
「あ、あの、その理由って聞いてみた?」
「わかんない、ソコは慧、何にも言わないから、でも、お兄ちゃんは知ってるんじゃないかな?前の学校の時もお兄ちゃん達とつるんでいたし。」
まぁ、そうは言っても聞けないけどね。
慧って子にはもちろんだけど、総長様になんておこがましくて聞けない。興味本位で聞くなとかって言われそうだし。それは考えないようにしよ。
「ねぇねぇ、まゆさんの事も教えてよ~」
今度は、さくらちゃんが私に質問してきた。
「ん?なに?」
「さっきの傷の手当とかってどっかで習ったの?すごくビックリしたんだけど!」
って。
「あ、あれは、ウチのお母さんが看護師で、私は小さい頃からあれぐらいの処置とかは教えられていたの。」
「え~お母さん、看護師さんなんだぁ!すごい!」
「え?そ、そうかな//」自分の親を褒められるとやっぱ嬉しい。
「うらやましい・・」
あ。
そうだった、さくらちゃんちには、お母さん居ないんだった。
それなのに私ったら。なんて無神経・・
落ち込んでいる私に
「お兄ちゃんには内緒なんだけどね」
と、
いきなりそんな事を言って立ち上がったと思うと、私の手を引いてリビングから連れ出された。
廊下に出ると右にもフロアが見え、そこにも扉がある。
その扉を開けて連れていかれた場所は、
「わぁ//かわい//」
そこは明らかに女の子の部屋。
ピンクと白で覆われている壁、いっぱいフリルが付いたカーテン
「私の部屋へようこそ」
にっこりと笑ってその部屋と同化するさくらちゃんを見て
本当におとぎ話に出てくるお姫様かと思った。
しばらく見とれていると、さくらちゃんは白い机の一番上の引き出しを開け、手を奥の方に入れて何かを取り出そうとしている。
?
その手に掴んでいたモノ
「写真?」
「うん。」
誰のだろう
「私のママの」
「え」
そう言って見せてくれた写真の中にはとても綺麗な女の人が写っていた。
目元がとってもさくらちゃんに似てて・・
必然的に総長様とも似てた。
「綺麗な人だね、さくらちゃんと似てる。」
私のその言葉に、さくらちゃんは少し頬を赤めて笑った。
そうだよね。いくら離婚していても母親だもんね。
「お母さんとは会ったりしてないの?」
今や離婚は珍しくない、結構頻繁に交流している親子もいる。
そんな感覚で聞いてしまった。
なのに
「・・一度も会ったことない。」
と、返答したさくらちゃん。表情が曇ってる。
本当に私って無神経すぎる!
「あ、っと、ご、め・・」
「ふふ。大丈夫だよ、まゆさん」
逆に慰められてしまっていた。
何やってんの、私の方が先輩だっていうのに。
「でも、コレ持ってるって、お兄ちゃんには絶対、内緒だからね。」
写真をまた引き出しの奥にしまい込みながらそう言った言葉に違和感。
「なんで?」
「・・」黙り込んでしまっているさくらちゃん
私、また無神経なことを聞いてしまった?
「お兄ちゃん達、ママのことを聞くと黙るし、怒るし。この写真だってたまたま引っ越しの時に見つけたの。パパと一緒に写ってたのもあったし、亜弥兄ぃとも似てたから絶対にこの人がママだと思って、お兄ちゃん達には内緒で前のお家から持ってきたものなの。」
「・・」
「ママの写真なんて持っているなんて知れたらきっと捨てられちゃう。」
なんで、お兄さん達はお母さんの事を教えてやらないのかはわかんないけど
「・・ん。わかった。言わないよ」そう答えた。
「私達、2人の秘密ね♪」
約束を交わした私達は又、リビングへ戻っていった。
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