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恋愛事情に問題アリ?⑱
恋愛事情に問題アリ?⑱
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さっきはびっくりしたなぁ
いきなり凪が来るんだもん!
凪、仕事・・途中で抜け出してきて大丈夫だったのかなぁ
でも・・
私のこと
心配してくれてたんだ/////
仙さんに頼んでおきながらも
あーして来てくれた。
もうそれだけで十分。
もうわがまま言わない。
こうやって愛されてるって実感できたから
このまま、2人で
ずっと
このまま
生きていこうね・・凪。
この先、何を言われようとしても
絶対に離れてなんかいかないからね私。
そんな幸せな気分でベッドの上をゴロゴロしてると
~~♪~~~~♪~~~~~♪
机の上でスマホが揺れてる。
「ん?有紀ちゃんかな~?今日、何も言わないで休んじゃっだからね。」
ピッと出て
「えへ♪今日休んじゃった。」
と明るく言う。
「元気そうじゃねぇか。」
「・・へ」
「なんも連絡なしに休んでっから、てっきり具合でも悪ぃと思ってたのによ。」
「えっ・・」
「なんか言う事ねぇの?」
「・・とぉ・・、有紀ちゃんじゃあ、ないよね。」
「ああ、間違いなく違うな。」
「ですよね~~♪あはははっ」
「はははははっ。てめ、ぶっ殺す!」
「ひ~~~~~~~~っ!!ごめんなさい安藤く~~~ん」
そう。
てっきり有紀ちゃんとばかり思っていたその電話の主は
実は安藤くんからで。
私の偽りの彼氏である。←私だけがそう思ってる
「つーことで。お見舞いに来た♪」
「・・・へ?」
「今、玄関前に居っから、開けて。」
「は?へっ///
えっと、あ、あのっ///」
凪も居ないのに勝手に家に男の子上げたりなんかしたら・・凪に怒られちゃう。
この頃、凪の機嫌は宜しくない。出来ればこれ以上、波風立たせたくないのだ。
「榎本も一緒だけど?」
「えっ?有紀ちゃんもっ?」
あ、なんだ。ソレ早く言ってよ!
有紀ちゃんも一緒なら
安藤くんと2人っきりになるよーなことないし。
「今、開けるから待ってて。」
そう言い、すぐにベッドから飛び降りた。
でも、この時間はまだ学校終わってないよね?
もしかして
2人してフケて来たのか??
ガチャッ。
「有紀ちゃ~・・」
玄関開けてすぐに有紀ちゃんにダイブする気満々で飛び出した
のに?
「アレ?」
その姿が無い。
そこに立っているのは安藤くんだけ。
??
「有紀ちゃんは?」
「アレ、ウソ。」
「へ?」
にっこり♪
「へ?」
その瞬間、バッと両肩を掴まれ私の体共々玄関の中に入ってきた。
「っえっ?!!安藤くん??!」
「死ぬかと思った。」
「へ?なに言っ・・??」
「舞が学校来ないなんて初めてだったから」
「あ・・」
う・・ん、私も初めてだよ。
学校休むなんて。
「それだけを楽しみに学校行ってんのに、」
「え?」
「あんま、つまんねぇから帰ってきちまった。」
「へぇぇぇぇ???!!って!!そんなんでいいのっ??」
「だって、あのままだと俺、確実に死んじまうもん。」
「うっ////!!」
かっ、可愛いっ///
その顔で、そのセリフは必殺ワザですか?!!
いくら凪一筋の私でもクラクラきちゃったじゃん//
なのにだ!
加えて
「チューして」
って・・。
「は?はぁあ////??」
「そしたら俺、復活するから。」
「いやいや///!!別に魔王じゃあるまいし復活しなくてもいいし!つか、出てってください。」
「あ?」
「ひっ」
既に魔王復活してるみたいですがっ??
いきなり顔つき変えた安藤くんは
「ヒデー言われようじゃね?舞は俺と会えなくてさみしくなかったワケ?」
「っ//」
両肩を掴んでた手を離したと思ったら、そのまま私の背の方でクロスする。
そのせいで、顔と顔の距離がぐっと縮まり
少しでも油断すればすぐに口元が触れてしまいそうなぐらいになる。
「――・・ぅ///」
おかげでしゃべることもできない。
それぐらい近いのだっ/////!!
「・・あのさ。
ホント言うと、ここに来た理由はさ。他にあるんだよね」
「?」
「・・その
舞の親父の・・
凪って人のことで確かめたい事があって。」
「え?」 凪?
安藤くんは、今ある顔の位置から少し感覚を開けて私にしゃべる空間をあたえてくれた。
「確かめるって何を?」
「-・・ん。あの人っていくつ?」
「へ?、な、んでそんなこと。」
「いいから。いくつなんだ?」
変なの。
「・・えと。
私が16でしょ。
凪が17歳の時の子だから・・」
「33歳か。」
「・・・33?」
「ああ、計算するとそうなるだろ?」
「・・」 そうだっけ・・
「にしては、若すぎね?」
「?」
言い方がなんかひっかかる。
わざと私に振ってくる
なにかを探っているような
なにかを知ってるような
「33歳であの外見はどー考えてもおかしいだろ?
ま、中にはマジで年齢よりはるかに若いヤツも居るけどさ。
あの人はどー見たってハタチか、ソレ前だ。」
「――??!!」
だから何が言いたいの?
ばかばかし。
「凪はかっこいいからそう見えるんでしょ。」
安藤くんの意味深な聞き方に
少しキレ気味でそう言うと、
「・・俺のチームの先輩がさ。あの人・・のこと知っててさ。
たまたまファミレスで溜まってた時に見かけたんだ、そこ通りすぎていく舞の親父の姿。」
「?
だから?」
「そっちの世界でめちゃくちゃ有名人らしいじゃん。」
-!!
「そ、そっちってどっちよ?もし、昔のことをいってるんだったら、暴走族の総長だったし有名になった事もあるんじゃないの?」
「昔?」
「うん。私がまだ小さいころだよ。」
「おかしい・・だろ。」
「え?」
「あの人
関東一でけぇ族≪愚RACE≫
今現在の、
総長だぞ?」
「・・・
え?」
「名前は
・・水南斗さんって言うらしい。」
水・・南斗・・?
どっかで聞いた
アレ?いつ?
「ウチのチームも傘下に入るみてぇだし。
直々の頭の顔、先輩らが見間違えるわけねぇ間違いねぇよ。
そうなると、
歳もやっぱ10代後半か20歳のハズ。」
・・どこで聞いたんだろ。
「大抵、そこまでの歳までしかしねぇからな。
その後は総代になるし。」
思い出せない・・
わからない
「ん?舞?」
「・・さっきから」
「?」
「なに言ってるのか全然わかんない。」
「っ、舞?」
「凪はそんな歳じゃないし、そんな名前でもない。
暴走族だってとっくに引退してるし?
絶対にありえない。」
「・・・でも、先輩らが見間違えるとは」
「違うよ。
凪は今も会社に
仕事に行ってるもん。
いつもスーツ着てネクタイしめていくもん
髪だって黒いし
それにそれにっ」
「あ、ああ、ごめん、舞。
この話はやめよう。もうわかったから」
「-!ホントに?
ほんとにわかってくれた?」
「・・ああ。」
そう言って、少し俯いた後、
安藤くんは再度離されていた距離を縮めてきた。
「?」
「んな話して悪かったよ。」
「・・うん。」
「それよりさ。もっと楽しいことしよ♪」
「え?」
「昨日の予約、おぼえてる?」
「っぇ・・//」 よ、予約・・?
「そ。あの予約」
「・・・」
「まさか、忘れたなんて言わねぇよな?」
「・・・」
「舞・・」
私の名を呼んだあと、安藤くんの唇が私の唇に触れた。
「――//」
なに?
さっきの話でまだ頭の中がぐるぐるしている
その中でのいきなりの行為。
頭が追い付かない
追い付いていけない。
頭がぼやける・・
頭の中が・・霞む
あれ・・?
この家はウチで。
あってる
で、
ここでキスしたのは凪とで。
え・・っと
じゃ
今・・ここに居るのは
誰?
凪?
アレ?でも凪はさっき会社に・・
じゃ、誰?
凪じゃないなら
誰?
あ・・
れ?
この言葉。
前にも言わなかったっけ。
どこでだっけ
いつだったっけ。
「凪・・」
咄嗟に出てしまった。
最愛の人の名。
でも
「俺、そんな名前じゃねぇよ。」
「――?!」
え?
「じゃ、誰?」
私の頭の中はまだ正常に動いてはいなかった。
「自分の彼氏のこともわかんねーの?」
「――?!」
え・・
だから
ソレ・・も
前に
聞いた。
でもすぐに
すぐに
言い間違いに気づいてくれたよね?
自分が凪だって
言ってくれたよね。
なんでそんなウソつくのって怒ったよね?私。
その時・・
凪の
顔が
綺麗な顔が
歪んで
・・っ
「・・ぇ」 ?
「舞、さっきから何言ってんだ?」
れ・・
「・・誰?」
「舞?!」
「やだ離れてヤダヤダヤダヤダ!!」
すごい声だったと思う
すごい力を出したと思う。
近くにあるものすべてをその人に投げつけてしまってたかもしれない
つい今まで接触していたなんて思えないほど
距離が開いていた。
「舞・・?」
「誰っ?」
「ソレマジで言ってんのか?」
「誰なの?っ、」
「舞、俺の事忘れたってーの?」
「誰??」
「ちょ、」
「誰?誰?誰?誰?誰?誰??」
「落ち着けって舞っ!」
その人は私の腕を掴んだ
「きゃぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~っっ」
「舞っ」
遠い
意識が遠のく。
暗い
真っ暗。
その中で
聞こえてきた
私の名を呼ぶ声。
≪舞≫
この声・・
さっきの人の声じゃない。
≪舞≫
ん・・やっぱり違う
誰だっけ?
≪舞≫
なつかしい
低くて
甘い
≪舞≫
あ・・これは
凪・・の声だ。
≪舞≫
アレ・・?でも
こんな声だっけ?
似てるケド・・少し違う。
でも
この声は・・
その声に導かれるようにして開かれていく瞼。
ここは
どこ?
「舞!」
あ・・
頭の中で聞いた声。
じゃ、この人が
凪?
「凪・・なの?」
「―・・ああ」
「舞っ」
また誰かに呼ばれた。
その方向を見てみると
そこには涙を流した有紀ちゃんが立ってた。
「有紀・・ちゃん。」
「良かった、気が付いて。も・・
安藤から連絡もらって時は焦ったよっ!」
泣きながら怒られた。
・・て
「あ・・んどうくん?」
って誰だっけ?
「安藤と一緒に居たんでしょ、その時いきなり舞が意識無くしたって
だから、私すぐに凪さんとこに連絡したんだよ」
「・・・」
有紀ちゃんもこの人のこと凪って呼んだ。
じゃ、やっぱり
凪なんだ。
もう一度、凪の方を向く。
でも
なんでか違和感。
「どうした?舞。」
相変わらず甘い声で優しい
なのになんでそう思うんだろ
「・・さっきね、
おかしなこと言われたの。
・・
凪が総長現役だって。」
「!」 「!」
「でね、歳もね、10代後半か、ハタチだって。
おかしいよね♪」
「・・そ、れはおかしいな。」
「でしょ?もしそれがホントだったら一体いくつの時の子だって話だよね。
笑っちゃう♪」
「笑えないよ。」
「え?」
「有紀っ、」
私と凪の会話にいきなり割って入ってきたのは有紀ちゃんだった。
「もう無理だよ!もうやめてよ!」
わけのわかんない事を言って声を荒げ泣き出す有紀ちゃん。
「どうした・・の?有紀ちゃん」
「ちっ。」
小さな舌打ちをして
凪は動き、有紀ちゃんの事を部屋の外へと連れ出して行ってしまった。
・・部屋?
え?
ここ
私の・・部屋だ。
あれ?
部屋に居たっけ?私。
さっきまで誰かとどこかに
あ。
玄関だ。
そうそう
玄関を開けたら、誰かが入ってきて
凪のことをそんな風に言ったんだ。
あれは誰だったんだろ。
シンと静まり返った部屋に1人残されて寂しくなった私は
今いま、出て行った凪たちを追うように部屋からでた。
廊下にもう2人の姿は無く
階段の傍まで行くとなにやら下の方から話声が聞こえてきた。
ああ。
たぶんリビングにでも居るんだ。
ゆっくり階段を降り始める
その時、
「水南斗さん!」
て、有紀ちゃんの声がした。
あ。またこの名前。
一体
誰の名なの?
階段を下り終え、リビング脇で足を止める。
なぜ止めたかわかんない。
そこには見たくないものがあるような気がして
足がすくんだのだ。
でも、それは目だけじゃなかった。
耳も塞がなければならなかった。
それに気づくのは
遅すぎた。
「凪さんは死んだのにっ!」
え
っ
「もう2年ですよ?」
え
「いつまで身代わりしてるんですかっ?」
え
「いくら凪さんの弟だからって、水南斗さんは関係ないじゃないですかっ!」
え・・
水南斗・・
弟
死んだ
凪・・
水南斗
誰
水南斗
凪・・
居る
凪。
「凪?」
やっと動き出した足でリビングに入り凪の姿を見つける。
「-!、舞、いたのかっ?」
「-っ」
そこに
凪の姿をみつけたのに
すぐに抱きつきたいのに
それは違うという声が聞こえるせいで、また足が止まってしまってた
なんで?
どうして?
目の前に居るのは凪でしょ
≪違うよ≫
凪じゃなきゃ誰だっていうの?
今までずっとずっと一緒に居たんだよ?
凪以外考えられないじゃん!
有紀ちゃん、そうだよね?凪だよね?
昔から凪の事知ってる有紀ちゃんだったら・・
あ・・れ?
有紀ちゃんといつからトモダチだったっけ?
昔から?
って・・いつから?
≪違うんだよ≫
ま、またあの声っ!
もうやめて!!
うるさい!!うるさい!!うるさい!!!
≪違う≫≪違う≫≪違う≫≪違う≫
うるさい!うるさい!!うるさい!うるさい!!!
黙れ~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!!!!
≪思い出して≫
え
ガクンと崩れ落ちフロアにペタンとへたり込んだ。
なぜだかわかんない。
体に力がはいらないのだ。
「舞、」
すぐに駆け寄ってきてくれる凪。
有紀ちゃんは来ない。
凪が傍に居る時は、決して私の心配はしない有紀ちゃん。
それは凪が
絶対に私のコトを守ってくれるって思ってくれてるから
その凪の手は私の腕に触れそれ以上倒れないよう支えてくれてる。
Yシャツの袖を捲ってるせいで左腕のタトゥ―が見えた。
このタトゥーは凪のもの
私がもっと小さいころ、
それを真似て自分の左腕にマジックで書いたことあった
その時、はじめて
凪に≪ダメだ≫って言われた。
何をしても否定したことなかった凪が、初めてそれだけはダメだって
私のちいさな手からマジックを取り上げたよね。
だから覚えてる。
絶対にこの腕は凪のなんだ。
だから、ここに
私の体を支えてるのも
凪に
間違い・・な
「舞」
・・ちが
・・う
ぐるぐるぐるぐる
ぐるぐるぐるぐる
頭の中が
ぐるぐるぐるぐる
何回も同じとこを回っている気がする。
またふりだしに戻ってしまった
でも
どこが始まりだったのかもわからない
入口も
出口も
ない
怖い
怖い
た
「・・すけて。」
怖いよ
「舞、大丈夫だ、俺が居るからっ、」
凪の腕を持つその人が私のことを
力いっぱい抱きしめてきた。
だから
あなたは
「誰?」
「っ、舞?」
「なんで凪の腕だけしかないの?」
「ま・・」
「凪から腕を抜き取ったの?
じゃ、凪は痛がってる、腕がなきゃ
血が出て
し、死んじゃう。」
「舞、っ」
更に強まっていく力
「もう死んでる。」
え
「有紀っ!」
え
そう声を出したのは
私とこの人から距離をとって立ってた女の子。
私と同じ歳ぐらいの・・
「誰?」
「は。
私のことも忘れたんだ」
そう言って鼻で笑われた。
なに?この子。
「ま、しかたないよね、所詮、私はあんたの見張り役として作り上げられたトモダチだもんね。」
「有紀っ!!」
え
この人。
さっきもこの子のこと有紀って言った。
ってことは
この子は有紀って名前なんだ。
でも、見張り役??って?
友達って?
「私のトモダチ?」
「そ。大親友って設定。」
「え」
「消えろ。」
「っ、」
その有紀って子に
低い声でそう言うこの人。
すごく鈍い眼光で睨みあげてる瞳。
あ・・この目
覚えてる。
そうだ。
この目って凪のと同じ。
て言うことは
目も凪から奪い取ったの?
「もう知らないからっ!」
いきなり有紀って子が大声を出してリビングから出ていってしまった。
「ちっ。」
その子が出て行っても
この人が舌うちしても
私の目は
食い入るようにその瞳を見ていた。
それに気づいたその人は
「どうした?舞。」
さっきの低い声とは違う優しい声で
さっきの鋭い眼光じゃなく優しい目でそう聞いてくる。
「その目どうしたの?」
「ぇ?」
「その目も凪から取ったの?」
「―!」
「だって、その目は凪のと同じ。
ううん、凪の目だもん。」
「・・俺が凪なんだから当前だろ。」
「え?凪?」
「ああ。」
「・・」
「舞?」
「・・
あのね、
腕も、目も凪なんだけど・・
・・
なんか違うの」
「――!」
「だから・・
あなたは
凪じゃない気がする。」
「!!」
「ねぇ、凪を帰して。」
「ぇ?」
「あなたなら知ってるでしょ?凪の居場所。
だって、凪から奪ったんだもん
その腕も目も。」
「―――」
「お願い、教えて。
今、どこにいるの?どこに隠したの?
凪を帰してっ!!帰してよっ!」
「っ、」
「凪、どこ?!凪っ!!」
「―っ、」
何も言わないその人の腕を外すと私は部屋中、家中を探し回った。
「凪、凪、返事してよ、」
1階には居ない。
姿が見当たらない。
だったら、
2階?
階段をかけあがると、まず目にはいってくる私の部屋。
覗いてもここにも凪は居ない。
んー・・と悩んでると
私の部屋の向かいにもう1つ部屋が。
「ここに居るの?凪っ、」
ドアを開けその部屋に入った。
途端に香る
甘い香り。
これは凪の付けてる香水の香り
じゃ、やっぱりここに凪がっ
「凪っ、居るんでしょ?凪っ、」
ベッドの掛け布団を剥いでも
クローゼットを開いて覗きこんでも
机の下にもぐっても
カーテンを開けても
そこに凪の姿は無かった。
ペタン。
そこに座り込んでしまう
あと・・どこを探せば凪を見つけることができるんだろう
どれだけ呼べば
あの愛おしい声を聴かせてくれるんだろう。
いきなり凪が来るんだもん!
凪、仕事・・途中で抜け出してきて大丈夫だったのかなぁ
でも・・
私のこと
心配してくれてたんだ/////
仙さんに頼んでおきながらも
あーして来てくれた。
もうそれだけで十分。
もうわがまま言わない。
こうやって愛されてるって実感できたから
このまま、2人で
ずっと
このまま
生きていこうね・・凪。
この先、何を言われようとしても
絶対に離れてなんかいかないからね私。
そんな幸せな気分でベッドの上をゴロゴロしてると
~~♪~~~~♪~~~~~♪
机の上でスマホが揺れてる。
「ん?有紀ちゃんかな~?今日、何も言わないで休んじゃっだからね。」
ピッと出て
「えへ♪今日休んじゃった。」
と明るく言う。
「元気そうじゃねぇか。」
「・・へ」
「なんも連絡なしに休んでっから、てっきり具合でも悪ぃと思ってたのによ。」
「えっ・・」
「なんか言う事ねぇの?」
「・・とぉ・・、有紀ちゃんじゃあ、ないよね。」
「ああ、間違いなく違うな。」
「ですよね~~♪あはははっ」
「はははははっ。てめ、ぶっ殺す!」
「ひ~~~~~~~~っ!!ごめんなさい安藤く~~~ん」
そう。
てっきり有紀ちゃんとばかり思っていたその電話の主は
実は安藤くんからで。
私の偽りの彼氏である。←私だけがそう思ってる
「つーことで。お見舞いに来た♪」
「・・・へ?」
「今、玄関前に居っから、開けて。」
「は?へっ///
えっと、あ、あのっ///」
凪も居ないのに勝手に家に男の子上げたりなんかしたら・・凪に怒られちゃう。
この頃、凪の機嫌は宜しくない。出来ればこれ以上、波風立たせたくないのだ。
「榎本も一緒だけど?」
「えっ?有紀ちゃんもっ?」
あ、なんだ。ソレ早く言ってよ!
有紀ちゃんも一緒なら
安藤くんと2人っきりになるよーなことないし。
「今、開けるから待ってて。」
そう言い、すぐにベッドから飛び降りた。
でも、この時間はまだ学校終わってないよね?
もしかして
2人してフケて来たのか??
ガチャッ。
「有紀ちゃ~・・」
玄関開けてすぐに有紀ちゃんにダイブする気満々で飛び出した
のに?
「アレ?」
その姿が無い。
そこに立っているのは安藤くんだけ。
??
「有紀ちゃんは?」
「アレ、ウソ。」
「へ?」
にっこり♪
「へ?」
その瞬間、バッと両肩を掴まれ私の体共々玄関の中に入ってきた。
「っえっ?!!安藤くん??!」
「死ぬかと思った。」
「へ?なに言っ・・??」
「舞が学校来ないなんて初めてだったから」
「あ・・」
う・・ん、私も初めてだよ。
学校休むなんて。
「それだけを楽しみに学校行ってんのに、」
「え?」
「あんま、つまんねぇから帰ってきちまった。」
「へぇぇぇぇ???!!って!!そんなんでいいのっ??」
「だって、あのままだと俺、確実に死んじまうもん。」
「うっ////!!」
かっ、可愛いっ///
その顔で、そのセリフは必殺ワザですか?!!
いくら凪一筋の私でもクラクラきちゃったじゃん//
なのにだ!
加えて
「チューして」
って・・。
「は?はぁあ////??」
「そしたら俺、復活するから。」
「いやいや///!!別に魔王じゃあるまいし復活しなくてもいいし!つか、出てってください。」
「あ?」
「ひっ」
既に魔王復活してるみたいですがっ??
いきなり顔つき変えた安藤くんは
「ヒデー言われようじゃね?舞は俺と会えなくてさみしくなかったワケ?」
「っ//」
両肩を掴んでた手を離したと思ったら、そのまま私の背の方でクロスする。
そのせいで、顔と顔の距離がぐっと縮まり
少しでも油断すればすぐに口元が触れてしまいそうなぐらいになる。
「――・・ぅ///」
おかげでしゃべることもできない。
それぐらい近いのだっ/////!!
「・・あのさ。
ホント言うと、ここに来た理由はさ。他にあるんだよね」
「?」
「・・その
舞の親父の・・
凪って人のことで確かめたい事があって。」
「え?」 凪?
安藤くんは、今ある顔の位置から少し感覚を開けて私にしゃべる空間をあたえてくれた。
「確かめるって何を?」
「-・・ん。あの人っていくつ?」
「へ?、な、んでそんなこと。」
「いいから。いくつなんだ?」
変なの。
「・・えと。
私が16でしょ。
凪が17歳の時の子だから・・」
「33歳か。」
「・・・33?」
「ああ、計算するとそうなるだろ?」
「・・」 そうだっけ・・
「にしては、若すぎね?」
「?」
言い方がなんかひっかかる。
わざと私に振ってくる
なにかを探っているような
なにかを知ってるような
「33歳であの外見はどー考えてもおかしいだろ?
ま、中にはマジで年齢よりはるかに若いヤツも居るけどさ。
あの人はどー見たってハタチか、ソレ前だ。」
「――??!!」
だから何が言いたいの?
ばかばかし。
「凪はかっこいいからそう見えるんでしょ。」
安藤くんの意味深な聞き方に
少しキレ気味でそう言うと、
「・・俺のチームの先輩がさ。あの人・・のこと知っててさ。
たまたまファミレスで溜まってた時に見かけたんだ、そこ通りすぎていく舞の親父の姿。」
「?
だから?」
「そっちの世界でめちゃくちゃ有名人らしいじゃん。」
-!!
「そ、そっちってどっちよ?もし、昔のことをいってるんだったら、暴走族の総長だったし有名になった事もあるんじゃないの?」
「昔?」
「うん。私がまだ小さいころだよ。」
「おかしい・・だろ。」
「え?」
「あの人
関東一でけぇ族≪愚RACE≫
今現在の、
総長だぞ?」
「・・・
え?」
「名前は
・・水南斗さんって言うらしい。」
水・・南斗・・?
どっかで聞いた
アレ?いつ?
「ウチのチームも傘下に入るみてぇだし。
直々の頭の顔、先輩らが見間違えるわけねぇ間違いねぇよ。
そうなると、
歳もやっぱ10代後半か20歳のハズ。」
・・どこで聞いたんだろ。
「大抵、そこまでの歳までしかしねぇからな。
その後は総代になるし。」
思い出せない・・
わからない
「ん?舞?」
「・・さっきから」
「?」
「なに言ってるのか全然わかんない。」
「っ、舞?」
「凪はそんな歳じゃないし、そんな名前でもない。
暴走族だってとっくに引退してるし?
絶対にありえない。」
「・・・でも、先輩らが見間違えるとは」
「違うよ。
凪は今も会社に
仕事に行ってるもん。
いつもスーツ着てネクタイしめていくもん
髪だって黒いし
それにそれにっ」
「あ、ああ、ごめん、舞。
この話はやめよう。もうわかったから」
「-!ホントに?
ほんとにわかってくれた?」
「・・ああ。」
そう言って、少し俯いた後、
安藤くんは再度離されていた距離を縮めてきた。
「?」
「んな話して悪かったよ。」
「・・うん。」
「それよりさ。もっと楽しいことしよ♪」
「え?」
「昨日の予約、おぼえてる?」
「っぇ・・//」 よ、予約・・?
「そ。あの予約」
「・・・」
「まさか、忘れたなんて言わねぇよな?」
「・・・」
「舞・・」
私の名を呼んだあと、安藤くんの唇が私の唇に触れた。
「――//」
なに?
さっきの話でまだ頭の中がぐるぐるしている
その中でのいきなりの行為。
頭が追い付かない
追い付いていけない。
頭がぼやける・・
頭の中が・・霞む
あれ・・?
この家はウチで。
あってる
で、
ここでキスしたのは凪とで。
え・・っと
じゃ
今・・ここに居るのは
誰?
凪?
アレ?でも凪はさっき会社に・・
じゃ、誰?
凪じゃないなら
誰?
あ・・
れ?
この言葉。
前にも言わなかったっけ。
どこでだっけ
いつだったっけ。
「凪・・」
咄嗟に出てしまった。
最愛の人の名。
でも
「俺、そんな名前じゃねぇよ。」
「――?!」
え?
「じゃ、誰?」
私の頭の中はまだ正常に動いてはいなかった。
「自分の彼氏のこともわかんねーの?」
「――?!」
え・・
だから
ソレ・・も
前に
聞いた。
でもすぐに
すぐに
言い間違いに気づいてくれたよね?
自分が凪だって
言ってくれたよね。
なんでそんなウソつくのって怒ったよね?私。
その時・・
凪の
顔が
綺麗な顔が
歪んで
・・っ
「・・ぇ」 ?
「舞、さっきから何言ってんだ?」
れ・・
「・・誰?」
「舞?!」
「やだ離れてヤダヤダヤダヤダ!!」
すごい声だったと思う
すごい力を出したと思う。
近くにあるものすべてをその人に投げつけてしまってたかもしれない
つい今まで接触していたなんて思えないほど
距離が開いていた。
「舞・・?」
「誰っ?」
「ソレマジで言ってんのか?」
「誰なの?っ、」
「舞、俺の事忘れたってーの?」
「誰??」
「ちょ、」
「誰?誰?誰?誰?誰?誰??」
「落ち着けって舞っ!」
その人は私の腕を掴んだ
「きゃぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~っっ」
「舞っ」
遠い
意識が遠のく。
暗い
真っ暗。
その中で
聞こえてきた
私の名を呼ぶ声。
≪舞≫
この声・・
さっきの人の声じゃない。
≪舞≫
ん・・やっぱり違う
誰だっけ?
≪舞≫
なつかしい
低くて
甘い
≪舞≫
あ・・これは
凪・・の声だ。
≪舞≫
アレ・・?でも
こんな声だっけ?
似てるケド・・少し違う。
でも
この声は・・
その声に導かれるようにして開かれていく瞼。
ここは
どこ?
「舞!」
あ・・
頭の中で聞いた声。
じゃ、この人が
凪?
「凪・・なの?」
「―・・ああ」
「舞っ」
また誰かに呼ばれた。
その方向を見てみると
そこには涙を流した有紀ちゃんが立ってた。
「有紀・・ちゃん。」
「良かった、気が付いて。も・・
安藤から連絡もらって時は焦ったよっ!」
泣きながら怒られた。
・・て
「あ・・んどうくん?」
って誰だっけ?
「安藤と一緒に居たんでしょ、その時いきなり舞が意識無くしたって
だから、私すぐに凪さんとこに連絡したんだよ」
「・・・」
有紀ちゃんもこの人のこと凪って呼んだ。
じゃ、やっぱり
凪なんだ。
もう一度、凪の方を向く。
でも
なんでか違和感。
「どうした?舞。」
相変わらず甘い声で優しい
なのになんでそう思うんだろ
「・・さっきね、
おかしなこと言われたの。
・・
凪が総長現役だって。」
「!」 「!」
「でね、歳もね、10代後半か、ハタチだって。
おかしいよね♪」
「・・そ、れはおかしいな。」
「でしょ?もしそれがホントだったら一体いくつの時の子だって話だよね。
笑っちゃう♪」
「笑えないよ。」
「え?」
「有紀っ、」
私と凪の会話にいきなり割って入ってきたのは有紀ちゃんだった。
「もう無理だよ!もうやめてよ!」
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「どうした・・の?有紀ちゃん」
「ちっ。」
小さな舌打ちをして
凪は動き、有紀ちゃんの事を部屋の外へと連れ出して行ってしまった。
・・部屋?
え?
ここ
私の・・部屋だ。
あれ?
部屋に居たっけ?私。
さっきまで誰かとどこかに
あ。
玄関だ。
そうそう
玄関を開けたら、誰かが入ってきて
凪のことをそんな風に言ったんだ。
あれは誰だったんだろ。
シンと静まり返った部屋に1人残されて寂しくなった私は
今いま、出て行った凪たちを追うように部屋からでた。
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階段の傍まで行くとなにやら下の方から話声が聞こえてきた。
ああ。
たぶんリビングにでも居るんだ。
ゆっくり階段を降り始める
その時、
「水南斗さん!」
て、有紀ちゃんの声がした。
あ。またこの名前。
一体
誰の名なの?
階段を下り終え、リビング脇で足を止める。
なぜ止めたかわかんない。
そこには見たくないものがあるような気がして
足がすくんだのだ。
でも、それは目だけじゃなかった。
耳も塞がなければならなかった。
それに気づくのは
遅すぎた。
「凪さんは死んだのにっ!」
え
っ
「もう2年ですよ?」
え
「いつまで身代わりしてるんですかっ?」
え
「いくら凪さんの弟だからって、水南斗さんは関係ないじゃないですかっ!」
え・・
水南斗・・
弟
死んだ
凪・・
水南斗
誰
水南斗
凪・・
居る
凪。
「凪?」
やっと動き出した足でリビングに入り凪の姿を見つける。
「-!、舞、いたのかっ?」
「-っ」
そこに
凪の姿をみつけたのに
すぐに抱きつきたいのに
それは違うという声が聞こえるせいで、また足が止まってしまってた
なんで?
どうして?
目の前に居るのは凪でしょ
≪違うよ≫
凪じゃなきゃ誰だっていうの?
今までずっとずっと一緒に居たんだよ?
凪以外考えられないじゃん!
有紀ちゃん、そうだよね?凪だよね?
昔から凪の事知ってる有紀ちゃんだったら・・
あ・・れ?
有紀ちゃんといつからトモダチだったっけ?
昔から?
って・・いつから?
≪違うんだよ≫
ま、またあの声っ!
もうやめて!!
うるさい!!うるさい!!うるさい!!!
≪違う≫≪違う≫≪違う≫≪違う≫
うるさい!うるさい!!うるさい!うるさい!!!
黙れ~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!!!!
≪思い出して≫
え
ガクンと崩れ落ちフロアにペタンとへたり込んだ。
なぜだかわかんない。
体に力がはいらないのだ。
「舞、」
すぐに駆け寄ってきてくれる凪。
有紀ちゃんは来ない。
凪が傍に居る時は、決して私の心配はしない有紀ちゃん。
それは凪が
絶対に私のコトを守ってくれるって思ってくれてるから
その凪の手は私の腕に触れそれ以上倒れないよう支えてくれてる。
Yシャツの袖を捲ってるせいで左腕のタトゥ―が見えた。
このタトゥーは凪のもの
私がもっと小さいころ、
それを真似て自分の左腕にマジックで書いたことあった
その時、はじめて
凪に≪ダメだ≫って言われた。
何をしても否定したことなかった凪が、初めてそれだけはダメだって
私のちいさな手からマジックを取り上げたよね。
だから覚えてる。
絶対にこの腕は凪のなんだ。
だから、ここに
私の体を支えてるのも
凪に
間違い・・な
「舞」
・・ちが
・・う
ぐるぐるぐるぐる
ぐるぐるぐるぐる
頭の中が
ぐるぐるぐるぐる
何回も同じとこを回っている気がする。
またふりだしに戻ってしまった
でも
どこが始まりだったのかもわからない
入口も
出口も
ない
怖い
怖い
た
「・・すけて。」
怖いよ
「舞、大丈夫だ、俺が居るからっ、」
凪の腕を持つその人が私のことを
力いっぱい抱きしめてきた。
だから
あなたは
「誰?」
「っ、舞?」
「なんで凪の腕だけしかないの?」
「ま・・」
「凪から腕を抜き取ったの?
じゃ、凪は痛がってる、腕がなきゃ
血が出て
し、死んじゃう。」
「舞、っ」
更に強まっていく力
「もう死んでる。」
え
「有紀っ!」
え
そう声を出したのは
私とこの人から距離をとって立ってた女の子。
私と同じ歳ぐらいの・・
「誰?」
「は。
私のことも忘れたんだ」
そう言って鼻で笑われた。
なに?この子。
「ま、しかたないよね、所詮、私はあんたの見張り役として作り上げられたトモダチだもんね。」
「有紀っ!!」
え
この人。
さっきもこの子のこと有紀って言った。
ってことは
この子は有紀って名前なんだ。
でも、見張り役??って?
友達って?
「私のトモダチ?」
「そ。大親友って設定。」
「え」
「消えろ。」
「っ、」
その有紀って子に
低い声でそう言うこの人。
すごく鈍い眼光で睨みあげてる瞳。
あ・・この目
覚えてる。
そうだ。
この目って凪のと同じ。
て言うことは
目も凪から奪い取ったの?
「もう知らないからっ!」
いきなり有紀って子が大声を出してリビングから出ていってしまった。
「ちっ。」
その子が出て行っても
この人が舌うちしても
私の目は
食い入るようにその瞳を見ていた。
それに気づいたその人は
「どうした?舞。」
さっきの低い声とは違う優しい声で
さっきの鋭い眼光じゃなく優しい目でそう聞いてくる。
「その目どうしたの?」
「ぇ?」
「その目も凪から取ったの?」
「―!」
「だって、その目は凪のと同じ。
ううん、凪の目だもん。」
「・・俺が凪なんだから当前だろ。」
「え?凪?」
「ああ。」
「・・」
「舞?」
「・・
あのね、
腕も、目も凪なんだけど・・
・・
なんか違うの」
「――!」
「だから・・
あなたは
凪じゃない気がする。」
「!!」
「ねぇ、凪を帰して。」
「ぇ?」
「あなたなら知ってるでしょ?凪の居場所。
だって、凪から奪ったんだもん
その腕も目も。」
「―――」
「お願い、教えて。
今、どこにいるの?どこに隠したの?
凪を帰してっ!!帰してよっ!」
「っ、」
「凪、どこ?!凪っ!!」
「―っ、」
何も言わないその人の腕を外すと私は部屋中、家中を探し回った。
「凪、凪、返事してよ、」
1階には居ない。
姿が見当たらない。
だったら、
2階?
階段をかけあがると、まず目にはいってくる私の部屋。
覗いてもここにも凪は居ない。
んー・・と悩んでると
私の部屋の向かいにもう1つ部屋が。
「ここに居るの?凪っ、」
ドアを開けその部屋に入った。
途端に香る
甘い香り。
これは凪の付けてる香水の香り
じゃ、やっぱりここに凪がっ
「凪っ、居るんでしょ?凪っ、」
ベッドの掛け布団を剥いでも
クローゼットを開いて覗きこんでも
机の下にもぐっても
カーテンを開けても
そこに凪の姿は無かった。
ペタン。
そこに座り込んでしまう
あと・・どこを探せば凪を見つけることができるんだろう
どれだけ呼べば
あの愛おしい声を聴かせてくれるんだろう。
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