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恋愛事情に問題アリ?⑭
恋愛事情に問題アリ?⑭
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~~~♪~~~~♪~~~~~♪~~~~~♪~~~♪
~~♪~~~~~~~~♪~~~~~♪~~~♪
スマホ・・鳴ってる。
凪かな?
ううん、凪はもう私から離れて行っちゃったんだもん
かかってくるワケない。
有紀ちゃんかなぁ・・
そうは思っても、ディスプレイを見る気もおこらない
鞄の中でむなしく鳴っているだけだ。
もうどうだっていい。
「てめ、出ろよ。」
「ん?」
駅前の植え込み脇に腰を下ろしている私の頭上からそんな声が降ってきた。
見上げると。
そこには安藤くんが居た。
つか、呼び出したから居るのだ。
「『駅前に居る』って言っただけで切りやがって、正確な位置わかんねぇだろ?
だからさっきからかけてんのに!出やしねぇ!」
現れたと同時にマシンガンのごとく言葉を吐き出す安藤くん。
「あ・・ごめん。」
あの空間に居たくなくて、
1人で居れなくて・・呼び出したくせに
着信の相手が、安藤くんかもってのは想定は無かった。
「で?どこ行く?。」
「え・・・あ・・
・・ん・・・お腹すいた」
そういえば・・何も食べてない。
「ぶ。了解。じゃ俺のおススメな場所連れてく♪」
と言い、笑って手をかざしてくる。
その手を取れば・・楽に立ち上がることできただろうに
あえてその手を無視し、自力でその場から立ち上がった。
一人で立ち上がりたかった。
そんな私に、安藤くんは少し困惑した顔をしたが、
すぐに
「こっち♪」
と、笑顔を見せて、取らなかった手を今度は強引に掴んで繋がれてしまう。
私のさっきの行動がイミなくなるんですが?
そして着いた先は、
こじんまりとした洋館風のレストラン。
てっきり、ファミレスあたりだろうと思っていた私は驚いた。
だって、よくファミレスでお仲間さんと騒いでる姿を何度も見たことあったし
そこがたまり場になってるって噂も聞いていたから。
「ん?どうした?ここ、味だけは保障できるぜ?」
「は・・あ」
「ふん。信用してねぇな。ま、喰ってみりゃわかるって。」
そう言ってまた手を強引に引っ張られ、店内に入っていく。
ドアにかかってる鈴が鳴ると同時に
店内から「いらっしゃいま~・・・お?めずらしいな♪」
と、なんだか、親しげな声が返ってきた。
この時点でもうここは顔なじみのお店なんだということが理解できる。
厨房らしき場所から、腰に巻いてる黒く長いエプロンをした男の人が出てきてこっちに近づいてきた。
体格のいい・・まさにお父さんって感じの人。
ああ。凪もこんな感じだったら、
恋い焦がれたりなんてしなかっただろうに。
と失礼ながら思ってしまった。
「彼女か?」
シェフらしきその人は、ふぃに私の方をチラッと見て、安藤くんにそう問いかける。
「ああ。」
即答する安藤くん。
当たり前か。
私にとっては偽りでも、安藤くんにしたら正真正銘付き合ってるんだもんね。
「ほぉ、お前が彼女紹介するなんて初めてだな。」
「え・・?」
「っわ?親父っ!んな余計な事、言ってんじゃねぇ//!」
「ええっ??お、親父??て?え?」
「あ?知らずにつれてこられたか?ははっははっ♪」
そうやって豪快に笑う
ってことは肯定。
「っえ?じゃ、あの本当に安藤くんのお父さんですか?」
に・・似てない。
「はは・・今、似てないとか思っただろ?」
素早く私の心を読み取るおじさんシェフ!さすが!年の功!!←おい
「こいつは、母親似だからな♪」
「あ・・」 そういう・・ことか。
お母さん似かぁ・・
そりゃ、さぞかし美人なお母様だろうなぁ。
「うっせぇな、んなことどうでもいいから今日のおススメ2つ!」
「可愛くねーガキだな~ね、・・っと、名前なんて言うのかな?」
ハッ!
「あ、す、すいません///!舞香、佐江島舞香っていいます。」
うわ~っ///初めて会う人には挨拶&自己紹介しなきゃいけないっていつも凪に言われてたのに~~~///ヒンシュクもんだぁ~~~
顔を真っ赤にしてそれだけ言うと、
大きくて重い手の平が頭の上に乗っかってきた。
「―」
「こいつの事、よろしくな、舞香ちゃん♪」
気づくと頭をナデナデしてもらってた。
~~~~~~///////
ど、どこのお父さんもこうやって頭を撫でる習慣があるのかな。
凪も
いつも私の頭を撫でてくれてた。
それってさ
つまり
・・単に、お父さんという肩書上の習慣でしてくれてただけなのかな・・
・・
まぁ
・・もう撫でられることも、触れてさえもくれないだろうけど。
またどよ~んとしたキモチになりそうな時、
「勝手に、俺の女に触ってんじゃねぇよ!」
その安藤くんの罵声で吹っ飛んだ。
「へぇ・・」
なにやら含みのある笑みを見せた後、私の方をまっすぐ見、
「どうやら、舞香ちゃんの事は本気みたいだな♪」
「え?」
「~~///腹へったっつてんだろ////!」
いつもの安藤くんらしくない
全く余裕の見えない安藤くんは自分でもそれがわかるのか、
苛立ちを隠せないみたいで近くにあった椅子をガンッと蹴とばした。
「ははっ、こりゃ、店が壊される前に作るかな~♪」
安藤くんのお父さんのシェフさんは、そう言って笑いながら、厨房へと入って行ってしまった。
姿が見えなくなってもまだ、収まらないのか、
安藤くんはドカッと椅子に座り、むくれている。
怒鳴りすぎてなのか?その顔は真っ赤だった。
私もこのまま立っているのは不自然で。
安藤くんが座ってるテーブル席の真向いに座った。
むくれているから口を開かない
つか?そもそもむくれている理由がわかんない。
ただ、単にお父さんに彼女を紹介したのは初めてだってだけ・・で。
んんん???
アレ?
私と付き合う前は彼女とか居たよね?
数えきれないくらい居たよね?
だって安藤くん、モテるもん、イケメンだもん
いつもクラスの中心人物で人気あるもん
・・なのに
お父さんに紹介したの初めてって・・
なんかおかしくない??
「あ・・のさ。」
「・・・」
ちっ。返事もしやしない。
「今までいっぱい彼女居たよね?」
「は?」
お。やっと声出した!
「安藤くんのことだから、紹介する女の子たちが多すぎてここに連れて来られなかったのかなぁ・・って。だから、お父さんもあんな事、言ったのかなって。」
どう?図星でしょ。
「ばか?」
「はぬ?」
くぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~
今日は何度、この言葉を聞いたであろう!
いや、今日に限らずだがっ
だがっ
さすがにこれだけ連発に聞かされると
さすがに私も黙っていられない。
「ばっ、バカバカ言わなくてもいいでしょ!そりゃ、私はバカですよっ!
んでもってっ、んでもって・・っ・・」
ぅくっ・・
凪に嫌われても変わらず好きでいる大バカですよ
「ほいお待たせ。」
このタイミングで運ばれてきた料理。
しかも、お父様じきじきにだ。
ここは他に店員はいないのですかっ?!!
こんなキレてる姿、出来れば!見られたくなかったです!
「そんなに声を荒げるほど腹が減ってたのか?はははっ♪」
わざとなのか・・本当にそうおもったのかはわかんない。
お父様のその笑顔が
重重な空気を一気にかき消してくれた。
「は・・あ、
・・大きい声をあげてすいません///」 まじで申し訳ないです・・
「他に客は居ないから、存分大声出してくれてかまわないからね。ほら、冷めないうちに食べなさい。」
・・なんて優しいんだろ。
外見は別として(←失礼だろ
中身は凪とどっこいどっこいなくらい優しい人。
その優しいお父様はそれだけ言うとさっさとまた厨房へと引っ込んでしまった。
目の前に置かれてあるのは
ハンバーグ。しかも上にはスクランブルエッグにデミグラスソースがのっかってる
紛れもなく食欲を誘う香りを醸し出してた。
前を向くと、安藤くんは既に食べ始めてた。
・・じゃ、
「いただきます・・。」
横に置かれてる細長いバスケットの中からナイフとフォークを取り出し
ハンバーグを一口大に切る。
それを口に入れた途端、
「-!!!」
ほっ、
ほっぺが落ちるかと思った!
マジでほっぺが痛い!!
これが、ほっぺが落ちるほど美味しいってイミの語源かっ?!と納得するくらい頬が痛い!ヤバい!美味しい!!
そんな私を見て、
「俺の言ったことホントだったろ?」
とさっきのむくれ顔ではなく笑顔で言ってきた。
「うん//。ホントに美味しい////すごい!どうやったら、こんな味になるの??うわ///
どーしよ、これ凪にも・・っ、」
「-」
「あ・・なんでもない。
え・・と、安藤くんはいいね。こんな美味しいもの毎日食べられて♪」
つい凪の名前を出してしまったことでバツが悪くなった私は話を切り変えた。
だが
安藤くんはそんなに甘くなかった。甘いのは笑顔だけだった。
絶品のお父様ハンバーグをキレイに食べ終わるかどうかのとこで
安藤くんはいきなり私の二の腕あたりを掴んで持ち上げた。
その反動で、椅子から立ち上がらされる状態になる私。
「っえ、安藤くん?」
「出るぞ。」
「えっ?」
そんなっ、これじゃ、まるで食い逃げでもするのかのようじゃんっ?!
ちゃんと、挨拶した帰りたいよ
お父様のお店なんだからさ・・っ
そんな心配をよそに
さっさとお店の外へと連れ出されてしまった。
「えっと、安藤くん、いいの?何も言ってこなくて。
それに、お金っ、今の・・払うからいくら?」
「は?」
「安藤くんは自分の親だからいいだろうけど、私の分はちゃんと払わなきゃ。」
「・・・」
「ね、いくら?」
「今までさ・・」
「え?」
「女に金なんか出させた事、ねぇんだよね。俺。」
「えっ?」
「俺んちの家訓的なもんでさ、女の子に金払わすような恰好悪い男にだけはなるな。って
親父に散々言われ続けて育ったせいかもしんねぇけど。実際、母さんも親父と付き合ってる頃は一回も払ったことないらしいし?だから、俺も今までどんな女だろうとぜってぇに金は受け取ったことなんかねぇ。それが彼女だったら尚更受け取れねぇつーの」
・・安藤・・くん
「う・・でもなぁ・・」
「俺を恰好悪ィ男にしたいわけ?」
「えっ//?そんなまさかっ、ていうか、どうしたって安藤くんは恰好悪くなんてならないでしょ。」
「は?」
「だって、顔だってイケメンだし、背も高いし、スタイルいいし、それに・・」
「それに?」
「こうやって急に呼び出しても理由とか一切聞かないでいてくれる優しさも持ってるしね。へへ♪」
「!」
「ごめんね。」
「-、んで、謝る?」
「だって・・っ、結局、1人で居られないから、こうして安藤くんのこと呼び出したり
して、周りを巻き込んでる。すごく自分勝手すぎることしてるから・・」
「それでも俺は嬉しかったんだからいんじゃね?」
「え?」
そう言って笑う顔はキレイな上に優しくて・・
・・やっぱり
安藤くんは優しい人だと改めて思う。
そして、こんな人だから皆に人気あるのも頷ける。
「ありがと///」
「お礼言うのは早いんじゃね?」
「え?」
「もしかしたら下心ありかもよ?」
「ぷっ♪なにソレ、」
「それに俺、優しくなんてねーし。
理由聞かなかったのだって、大体、想像つくことだったからから聞かなかっただけ。」
「え?想像ついた・・・・って?」
「ああ。どうせ、あの最強親父と喧嘩でもしたんだろ?」
「ぅ///!」なんと!
「で、榎本んとこに行こうと電話したら、彼氏とラブラブ中で、とっても来てくれとはいえなかったってとこだろ?」
「ぅぐ///!!」 そこまでっ?!!
「そして、やっと出てきたのは俺ってわけだな。」
ひ~~~~~/////
「-っ///、っあ、あの、安藤くんっ・・その//」
「ちっ。
マジで図星だったか。
出来れば少しは違うという言葉を期待してたんだけどな。まさか、彼氏の俺が1番じゃなく、最後だったなんてな。はぁ・・マジ凹むし。」
そうやってズンズン早足で前に進んで行く。
街灯の明かりが届かないところでいきなりしゃがみ込んでしまう安藤くん!
ど、どうしよっ!
私、すごく失礼なことしちゃった?よね?
仮にも彼氏だってのにっ(><)フツウなら真っ先に呼ぶのは彼氏なのにっ///
「ご、ごめん!安藤くんそんなつもりじゃ・・」
しゃがみ込んでる安藤くんに駆け寄り、同じようにしゃがんで袖に軽く触れた。
グイッ
「え・・」
その瞬間、
安藤くんの腕が私の首に回って、肩を掴まれていた。
声を上げる間もなく引き寄せられてしまってた。
いくらそこが街灯の明かりが届かない場所でも、真っ暗なワケじゃない。
しかも、近距離だったら・・っ
その・・こんなに近距離に安藤くんのキレイな顔がある///!!
切れ長の二重の瞳が私のことを捉えて離さない
こ・・・
これ以上、この瞳に支配されるのは
「む、無理っ///」
と、叫んでた。
「俺も無理。」
へっ?
「―っう///!」
っっ??
引き寄せられてた顔の位置が
くつっいてる。
つまり
私は
安藤くんにキスされてたのだ。
唇と唇が重なってるだけのキス。
凪のあのキスとは違う。
「目ぇくらいつぶれよ。」
すぐに離れた唇がそう言う。
つい今、触れあった唇からそんな言葉が・・っ
「――っう////、あっ////」
やっと理解できたその言葉に恥かしくて両手で顔を覆った。
「初チューだな♪」
嬉しそうな声でそんなことを言う安藤くんとは反比例に
「~~~~///////」
めちゃくちゃ凹む私。
凪以外の人に
キスされちゃったっ、
いや、凪ともさっき初めてキスできたんだけどね。
しかも、ものすっごいキスだったんだけどねっ
でもね
私的には、凪のキスは永久保存しておきたかったわけ
今、安藤くんにキスされたことによって凪のものが一つ消されてしまったカンジがして。
ああ・・やっぱ
凹む。
「まだ、俺の事、好きになってくんねーの?」
「えっ?」
崩れ落ちてる私に、安藤くんはそう聞いてきた。
でも、その質問は
・・おかしくない?
私も安藤くんのこと、好きだから付き合うことにしたって思ってたんじゃないの?
「質問のイミがわかんない」
今のキスのこともあって私は少々ネガティブになってた。
「ん?」
「だって・・、自信満々で、誰からも好かれてる安藤くんのセリフとは思えなくて。」
こうやって平気で強引なキスとかできるくらいだし?
「は?」
「私が・・安藤くんのこと、好きかどうかなんて、全然気にならないと思ってた。」
だから、私の意思なんて関係なくキスできたんだろーし?←しつこいぐらい引きずってるあたり。
「・・・」
「安藤くん、モテるし、・・その
はっきり言うとね。今、こうして付き合ってるケド、すぐに安藤くんは私のコトなんて興味なくすと思ってる。
だったらね、キモチの確認とかなんて必要ないんじゃ・・」
「誰が・・っ?」
「へっ?」
「誰が、気にならねぇって?」
「へぇえっ??!!」
「誰が興味なくすだって??」
「ひぇぇっ!!」
「ざけんなっ!!」
「ひゃぁっ!」
いきなり立ち上がると脇のガードレールを思いっきり蹴り上げた安藤くん!
なっ、なに??
なにが起きたのだっ?!!
「舞が初めての彼女なのによ。んなテキトーなコト思うわけねぇだろ!」
「・・へ、ぇ」
・・・ぇ・・
今っ、
「――っ、ええっっ?!!」
「んだよ、おかしいかよ。」
「えっ、あ、いやそんなことはっ、ってえ??」
再度、驚く。
「・・・」
「・・・」
そして沈黙。
目に映るのは
その・・安藤くんなんだけど
安藤くんじゃないみたいな?
あ、わかりやすく言うと
い・つ・も・の
安藤くんじゃないって事。
まるで、子どもが拗ねたような表情で私のコト、見てる。
「安藤くん・・ウソついてる。」
「だっ、―れが!ウソついてんだ!」
「だっ、だってだっておかしいじゃん!どう考えたっておかしいよ!」
「おかしくなんてねぇだろが?!」
「おかしいよ!安藤くんだよ?めちゃくちゃモテまくってて誰からも好かれてる人気もんの安藤くんだよ?」
「-っ、それ、過大評価しすぎだろ。」
「ううん!そんな事ないもん!有紀ちゃんだって言ってたし、・・その、安藤くんは女の子の胸とか見慣れてる・・って、あの時だってそう言ってたじゃん。」
「ああ、それか。ちっ、あいつロクな事言いやがらねぇな。」
「ほら、やっぱりホントだったじゃん。」
「ばーか、誤解すんな。つか、
軽蔑されそーだから言わね。」
「は?なにそれ?軽蔑されるようなことしてたの?」
「・・・」
「ねぇ、黙るの禁止。」
「・・じゃ、ぜってぇ、ひかね?」
「え?あ、う、ん・・あ、でも事と次第によってはひくかも。」
「じゃあ、無理。言わね。」
「あ~~~っ、ウソウソ!ごめん!絶対にひかないからっ!」
「マジで?」
「うんうんマジで」 うっわぁ~、めっちゃ疑ってるよその目っ、
つか、そんな言い出しにくいくらいの事ってどんなんだい?
ひくよりも何より、気になるじゃんかっ!
「勝手に入れるんだよ。」
「へ?」
今度はムスッとした顔になってそんな事を言った。
「・・なにを?」 全くイミがわからないのですが?
一体なにを入れるというのだ??
「俺のモン。」
「へぇ・・」
ああ、俺の・・モ・・ね。
―――・・・
「は///??!」
「ちっ。」
私の声と顔を見て、舌打ちを打つ安藤くん。おい。
「えーっと//?そ、それは、つまり・・」
よく聞き直さないと理解できない。
もしかしてそれは・・
っうええええっっ~~~~~~~~~~~~っっ/////!?????
なんだかやっと頭が追い付いてきだした。
「えっ?あのっ//」
「んだ?」
「っえっ?なに?今の話って・・そのつまり??女の人の方から/////」
「さっきから、そう言ってんだろ?つか、やっぱ、どーでもいい女の話なんてしたくねぇ~~」
「ええええっ?ど、どーでもいいって?!!どーでもよくないんじゃない??!!」
「はあ?俺は自分が好きになった女にしか興味ねぇし、つか、フツウそうじゃね?」
「え?でも・・いくら女の人の方からって言っても、えと・・////結局は・・したってコトでしょ?」
その状況はもはやソレしかないよね
「・・
・・まぁ。」
「・・最低。」
「っ!だ、さっきぜってぇひかねぇっつたよな?!」
「そ、そりゃ、言ったケドっ!」
「ケドなんだよ、っ、やっぱ失敗した、言うんじゃなかったっ、くっそっ」
頭を抱え込んでまたもやそこに沈みこんでしまう安藤くん。
そのまま、なんも言わなくなっちゃった。
「あ・・あの、ごめん。ひかないって言っておきながら・・さ。
その、なんていうか、同じ女としてはさ、なんだかそーゆうのどうかなぁなんて思っちゃったりしてさ。」
「どーゆうイミ?」
あ、ちゃんと聞いてくれてる。
「んーとね、
やっぱりそういう事をするっていうのは・・安藤くんのことを好きなわけで。」
「・・で?」
「だから、出来ればね、安藤くんにもね、
・・・好きになってほしかったからなんじゃないかなって。」
「!」
「だって、女の子だよ?平気に見えて、結構心臓バクバクもんだったんじゃないかなぁ」
「・・・」
「で、期待もしてたと思う。」
「-・・だったらなに?」
「そーゆう事したあと、何も思わなかったの?安藤くんは。」
「別に。」
「はぁ・・
あのね、別に女の人と何をしてようがそれをどうこう言ってんじゃないの!」
「じゃあ、なんだよ」
「そーゆう女の人たちのキモチを軽くとってることが最低だって言ってるの!」
「-!!」
「もっとさ、」
「じゃ、そいつら全員と付き合えば良かったんか?キモチもねぇのに?」
「ぅ!だから、っ、そんな」
「そーいう事だろ。」
「う~~~~~~~~~~っ////」こんの屁理屈単細胞め~~~~
「ボランティアじゃあるまいし、それこそ、あいつらに失礼だろ。」
「ぅ」
「付き合う気なんかねぇんだから、それをちゃんと早めにわからしてやった方がいいんじゃね?
変に優しくして期待させちまう方がよっぽど酷なんだよ!、後々、苦しむのはあっちだ。」
「う」
せ・・正論だ。
ケド・・
「ま、今はそいつらとしてねぇし、もういいだろ?」
「え?そうなの?」
「そうだろ!彼女居んのになんで他の女とヤらなきゃいけねぇんだ。」
「ああ・・」
そっか。
そうだよね、
彼女できたんだもんね・・
てっ!!「――っ!!」
彼女は私じゃんかっっ!!
「ん?どうした?」
「///っあのさ、今まではそういう事してたじゃん?」
「ん?」
「・・その・・今はしてないじゃん?」
「ああ。」
「えーっと・・
男の人って、いきなりそういうのしなくても平気なのかなぁ?って」
「・・・」
「あ///その別に変なイミじゃなくてね、」
「平気なわけねーじゃん。」
「ぅえっ?!」や、やっぱり?
「なに?させてくれんの?」
「~~~っ/////!!!」 なんつーストレートっ!!
そういうんじゃないからっ!!も~~~~//////
「あ、あのね///っ・・」
「・・舞
・・俺のこと好きじゃねーのに?」
「っえっ?!」
あ・・んどうくん?
「好きでもねー男に抱かれてもいいの?」
「//っ―?!!」
「俺が今までの女にしてきたことを今度は俺がさせられるのか、は。」
キレイな安藤くんの顔が一瞬歪んだ。
でも、すぐに
「-・・ああ、今わかった。、そうか、こんな感じか。
こういう気持ちをわかれって舞は言いたかったんだな。」
そう言って、笑った。
目は
笑っていなかった。
「安藤・・く・・」
「俺も・・
それでもいいや。お前の事、抱きてぇ。」
「――!!」
その時、
目が・・寂しく笑った
あん・・どうくん
「ま、今日はソレ予約っつーことで♪
送ってくわ。」
「えっ?」
「こんな時間に1人で家から出たことないだろ?」
「あ・・うん。 え?なんでわかるの?」
「ふ。舞は俺の周りに居る女たちとは違うからな。」
「?」
あ、そう言えば
ずっと引っかかってた事がある。
それは
「ね、ちょっと聞きたいんだけど・・」
「ん?」
既に歩き始めていた足を止め、私の方に向きなおした安藤くん。
「あ・・のね。
・・安藤くんは、どうして私なんかと付き合う気になったの?」
「は?」
「えっと///だから、安藤くんの周りに居る子たちって、私なんかよりずっと可愛いしスタイルもいいでしょ?なのに、その・・なんで私なのかなぁ・・って。」
あの日、言われてからずっと
抱いてた疑問。
「・・・」
う・・黙り込んだぞ??
やっぱ、言えないのかっ?
言えないほどどーでもいい内容なのかっ?!!
「・・単純に」
「?」
「可愛いって思ったから。」
「へ?//私、可愛くなんてないよ」
そんな事、言われたの初めてで
顔が赤くなるっ//
「そういうトコ」
「え?//」
「舞ってさ、今どきの女と違うじゃん?あざとくない。」
「へ?」
「俺らのクラスの女共や仲間の女たちはさ、いつも、どっか嘘くせぇ顔しててさ。
正直、信用できね。
その点、舞は、いつも無邪気っつーか」
「は・・ぁ・・」
それってつまりガキっぽいってコトじゃ・・
「いつも素でさ。男の視線なんて気にもしないで笑ってた。ホントウケる。」
なにやら悪口にしか聞こえないんですがぁ
「だから、こいつは、
舞は、ウソもなんもないヤツだなって思った。」
「-・・ぇ」
「俺、ここらでチーム作ってっからさ、まぁまぁ顔売れてるんだよね。」
「あ」
ああ、だから、歩いているだけであんなに色んな人が話かけてきてたんだぁ
うん納得。
「舞が言うモテるってのは、そんな俺の肩書とか、外見とか?が、目当てで寄って来てるだけ」
「・・」
「正直、付き合ってもいいかなって女も居たんだ。でもそいつがまさにソレ。」
「え」
「俺の側に居ることで、自分も同じ位置に居ると勘違いしてさ。俺の仲間達を好き放題使っては悪さしやがって、んで、後始末は俺。まぁ、俺の事は使ってもいいんだけど、仲間まで使うとかはダメだろ?ソレを伝えたら、・・なんて言ったと思う?」
「?」
「じゃ、付き合わない、彼女になる意味ないって。」
「ぇ、・・」
「結局、そいつにとって、その地位が欲しかっただけで
それが手に入れば、俺じゃなくても誰でも良かったってコト」
「――!!」
「すっかり騙された。普通に俺の事を好きになってくれたんだと・・思ってたから」
「・・っ、」
「だけど、違ったんだ。ホント女ってあざといよな。
そんなくだらないコトの為に平気で嘘つく。平気で俺に抱かれる。」
「-、」
「そいつとはすぐに距離おいたよ、でも
それ以来、女のそういうあざとさがわかるようになっちまって、まともに誰かと付き合おうなんて思わなくなったんだ、いつもテキトーに遊んで終わりって感じで。」
「-」
「でもさ。
高校入った時、
見つけちゃったんだよね。」
「え?」
「お前を
・・舞の事を。」
―??
「さっきも言ったけどさ、や、マジで驚いたね。口元を隠さず大口開けて笑ってる女」
「は?」
「しかも、この時代にすっぴんかよって?!化石かっ?!とも思ったよ。」
「あ・・のねっ///」
それ、ホント失礼じゃない??女としての魅力無しってことじゃん!
まさに悪口のオンパレードじゃん!
く~~~
「あの榎本と親友っつーのも驚いたけど。」
「ん?なんで?」
「あいつ外見派手だろ・どこに居ても目立つ。加えて口も悪い。」
「あ・・うーん。」
「あんなケバいのと舞じゃ、なんだか釣り合わないっつーか。」
「・・どうせ私は地味ですよ。」
「わ!//ばか、んな事言ってねぇだろ?!」
「気をつかわなくていいです。ぐす」
「あ~~~っ////だから、俺が言いたいのは
榎本は毒だけどっ!舞は・・その//キレイすぎててっつーか・・」
「え・・・キレイ?私が?
・・それは何かの間違いなのでは・・」
さっきから、可愛いとか、キレイとか、今まで生きてきた中で並べられたコト無い言葉の数々に顔が赤くなるよりも青くなっていた。。
「間違いじゃねーし。つか、
俺からしたら、そう見えんだからしょうがねぇだろ///!信じろ!」
「う//」
これは・・さすがに赤くなるっ///
「あー話が逸れたっ!くそ榎本のせいだっ!
とにかく!それから、俺はずっと舞のことが気になってたワケ!」
「っへ//?え?・・それからって・・
その高校入った日?」
「そ。正しくは教室だけどな。」
「あ」 そっか。同じクラスだもんね。
・・「え?そんなに見てた?私のこと?え?全然わかんなかった!」
「つーことは、舞は俺にはなんも興味なかったって事だよな?」
「-っ//」
「ははっ♪そーゆとこも好きなんだって♪」
「え?」
「だって、俺の顔には興味が無いってことだろ?」
「・・あ」 いや・・その
「俺の外見も地位も関係ねぇっつー事だろ?」
「あ・・」 のですね。
「だったら、本当の俺自身を知ってくれようとすっだろ?」
「ぅ・・」
私はただ・・
「舞に好きになってもらえれば俺、やっと自分のこと好きになれそうなんだ。」
「っえ?・・自分のこと嫌いなの?」
「ああ。嫌い。こんなんだからホントのもんが何も近づいてきてくれねぇと思ってる。」
そう言い切った目はまっすぐに私を捉える。
でも・・
そんなこと言われても
困るよ。
・・
私は・・
別に安藤くんの期待に応えれてたわけじゃない。
ただ・・
凪の事が好きで
凪のことしか見えてなかっただけなんだよ。
そんな話をしながら歩いていたせいか、
知らぬ間に家へと着いてしまってた。
明りがついてる。
消して出たのに、その明りが点いているってことは
凪が居る
ってこと。
どうしよ。
まだ、顔合わせずらい。
家の前で動かなくなった私を安藤くんは心配してくれたんだろう。
「うちなんか、しょっちゅう喧嘩してんぞ?」と手を差し伸べてくれた。
「・・う・ん」
その手を取ると
「大丈夫。なんか言われたら守ってやっから。」
にっこり笑ってそう言ってくれる。
でも
これ以上安藤君に迷惑はかけられない、
そう思った私は勇気を振り絞って玄関まで行った。
~~♪~~~~~~~~♪~~~~~♪~~~♪
スマホ・・鳴ってる。
凪かな?
ううん、凪はもう私から離れて行っちゃったんだもん
かかってくるワケない。
有紀ちゃんかなぁ・・
そうは思っても、ディスプレイを見る気もおこらない
鞄の中でむなしく鳴っているだけだ。
もうどうだっていい。
「てめ、出ろよ。」
「ん?」
駅前の植え込み脇に腰を下ろしている私の頭上からそんな声が降ってきた。
見上げると。
そこには安藤くんが居た。
つか、呼び出したから居るのだ。
「『駅前に居る』って言っただけで切りやがって、正確な位置わかんねぇだろ?
だからさっきからかけてんのに!出やしねぇ!」
現れたと同時にマシンガンのごとく言葉を吐き出す安藤くん。
「あ・・ごめん。」
あの空間に居たくなくて、
1人で居れなくて・・呼び出したくせに
着信の相手が、安藤くんかもってのは想定は無かった。
「で?どこ行く?。」
「え・・・あ・・
・・ん・・・お腹すいた」
そういえば・・何も食べてない。
「ぶ。了解。じゃ俺のおススメな場所連れてく♪」
と言い、笑って手をかざしてくる。
その手を取れば・・楽に立ち上がることできただろうに
あえてその手を無視し、自力でその場から立ち上がった。
一人で立ち上がりたかった。
そんな私に、安藤くんは少し困惑した顔をしたが、
すぐに
「こっち♪」
と、笑顔を見せて、取らなかった手を今度は強引に掴んで繋がれてしまう。
私のさっきの行動がイミなくなるんですが?
そして着いた先は、
こじんまりとした洋館風のレストラン。
てっきり、ファミレスあたりだろうと思っていた私は驚いた。
だって、よくファミレスでお仲間さんと騒いでる姿を何度も見たことあったし
そこがたまり場になってるって噂も聞いていたから。
「ん?どうした?ここ、味だけは保障できるぜ?」
「は・・あ」
「ふん。信用してねぇな。ま、喰ってみりゃわかるって。」
そう言ってまた手を強引に引っ張られ、店内に入っていく。
ドアにかかってる鈴が鳴ると同時に
店内から「いらっしゃいま~・・・お?めずらしいな♪」
と、なんだか、親しげな声が返ってきた。
この時点でもうここは顔なじみのお店なんだということが理解できる。
厨房らしき場所から、腰に巻いてる黒く長いエプロンをした男の人が出てきてこっちに近づいてきた。
体格のいい・・まさにお父さんって感じの人。
ああ。凪もこんな感じだったら、
恋い焦がれたりなんてしなかっただろうに。
と失礼ながら思ってしまった。
「彼女か?」
シェフらしきその人は、ふぃに私の方をチラッと見て、安藤くんにそう問いかける。
「ああ。」
即答する安藤くん。
当たり前か。
私にとっては偽りでも、安藤くんにしたら正真正銘付き合ってるんだもんね。
「ほぉ、お前が彼女紹介するなんて初めてだな。」
「え・・?」
「っわ?親父っ!んな余計な事、言ってんじゃねぇ//!」
「ええっ??お、親父??て?え?」
「あ?知らずにつれてこられたか?ははっははっ♪」
そうやって豪快に笑う
ってことは肯定。
「っえ?じゃ、あの本当に安藤くんのお父さんですか?」
に・・似てない。
「はは・・今、似てないとか思っただろ?」
素早く私の心を読み取るおじさんシェフ!さすが!年の功!!←おい
「こいつは、母親似だからな♪」
「あ・・」 そういう・・ことか。
お母さん似かぁ・・
そりゃ、さぞかし美人なお母様だろうなぁ。
「うっせぇな、んなことどうでもいいから今日のおススメ2つ!」
「可愛くねーガキだな~ね、・・っと、名前なんて言うのかな?」
ハッ!
「あ、す、すいません///!舞香、佐江島舞香っていいます。」
うわ~っ///初めて会う人には挨拶&自己紹介しなきゃいけないっていつも凪に言われてたのに~~~///ヒンシュクもんだぁ~~~
顔を真っ赤にしてそれだけ言うと、
大きくて重い手の平が頭の上に乗っかってきた。
「―」
「こいつの事、よろしくな、舞香ちゃん♪」
気づくと頭をナデナデしてもらってた。
~~~~~~///////
ど、どこのお父さんもこうやって頭を撫でる習慣があるのかな。
凪も
いつも私の頭を撫でてくれてた。
それってさ
つまり
・・単に、お父さんという肩書上の習慣でしてくれてただけなのかな・・
・・
まぁ
・・もう撫でられることも、触れてさえもくれないだろうけど。
またどよ~んとしたキモチになりそうな時、
「勝手に、俺の女に触ってんじゃねぇよ!」
その安藤くんの罵声で吹っ飛んだ。
「へぇ・・」
なにやら含みのある笑みを見せた後、私の方をまっすぐ見、
「どうやら、舞香ちゃんの事は本気みたいだな♪」
「え?」
「~~///腹へったっつてんだろ////!」
いつもの安藤くんらしくない
全く余裕の見えない安藤くんは自分でもそれがわかるのか、
苛立ちを隠せないみたいで近くにあった椅子をガンッと蹴とばした。
「ははっ、こりゃ、店が壊される前に作るかな~♪」
安藤くんのお父さんのシェフさんは、そう言って笑いながら、厨房へと入って行ってしまった。
姿が見えなくなってもまだ、収まらないのか、
安藤くんはドカッと椅子に座り、むくれている。
怒鳴りすぎてなのか?その顔は真っ赤だった。
私もこのまま立っているのは不自然で。
安藤くんが座ってるテーブル席の真向いに座った。
むくれているから口を開かない
つか?そもそもむくれている理由がわかんない。
ただ、単にお父さんに彼女を紹介したのは初めてだってだけ・・で。
んんん???
アレ?
私と付き合う前は彼女とか居たよね?
数えきれないくらい居たよね?
だって安藤くん、モテるもん、イケメンだもん
いつもクラスの中心人物で人気あるもん
・・なのに
お父さんに紹介したの初めてって・・
なんかおかしくない??
「あ・・のさ。」
「・・・」
ちっ。返事もしやしない。
「今までいっぱい彼女居たよね?」
「は?」
お。やっと声出した!
「安藤くんのことだから、紹介する女の子たちが多すぎてここに連れて来られなかったのかなぁ・・って。だから、お父さんもあんな事、言ったのかなって。」
どう?図星でしょ。
「ばか?」
「はぬ?」
くぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~
今日は何度、この言葉を聞いたであろう!
いや、今日に限らずだがっ
だがっ
さすがにこれだけ連発に聞かされると
さすがに私も黙っていられない。
「ばっ、バカバカ言わなくてもいいでしょ!そりゃ、私はバカですよっ!
んでもってっ、んでもって・・っ・・」
ぅくっ・・
凪に嫌われても変わらず好きでいる大バカですよ
「ほいお待たせ。」
このタイミングで運ばれてきた料理。
しかも、お父様じきじきにだ。
ここは他に店員はいないのですかっ?!!
こんなキレてる姿、出来れば!見られたくなかったです!
「そんなに声を荒げるほど腹が減ってたのか?はははっ♪」
わざとなのか・・本当にそうおもったのかはわかんない。
お父様のその笑顔が
重重な空気を一気にかき消してくれた。
「は・・あ、
・・大きい声をあげてすいません///」 まじで申し訳ないです・・
「他に客は居ないから、存分大声出してくれてかまわないからね。ほら、冷めないうちに食べなさい。」
・・なんて優しいんだろ。
外見は別として(←失礼だろ
中身は凪とどっこいどっこいなくらい優しい人。
その優しいお父様はそれだけ言うとさっさとまた厨房へと引っ込んでしまった。
目の前に置かれてあるのは
ハンバーグ。しかも上にはスクランブルエッグにデミグラスソースがのっかってる
紛れもなく食欲を誘う香りを醸し出してた。
前を向くと、安藤くんは既に食べ始めてた。
・・じゃ、
「いただきます・・。」
横に置かれてる細長いバスケットの中からナイフとフォークを取り出し
ハンバーグを一口大に切る。
それを口に入れた途端、
「-!!!」
ほっ、
ほっぺが落ちるかと思った!
マジでほっぺが痛い!!
これが、ほっぺが落ちるほど美味しいってイミの語源かっ?!と納得するくらい頬が痛い!ヤバい!美味しい!!
そんな私を見て、
「俺の言ったことホントだったろ?」
とさっきのむくれ顔ではなく笑顔で言ってきた。
「うん//。ホントに美味しい////すごい!どうやったら、こんな味になるの??うわ///
どーしよ、これ凪にも・・っ、」
「-」
「あ・・なんでもない。
え・・と、安藤くんはいいね。こんな美味しいもの毎日食べられて♪」
つい凪の名前を出してしまったことでバツが悪くなった私は話を切り変えた。
だが
安藤くんはそんなに甘くなかった。甘いのは笑顔だけだった。
絶品のお父様ハンバーグをキレイに食べ終わるかどうかのとこで
安藤くんはいきなり私の二の腕あたりを掴んで持ち上げた。
その反動で、椅子から立ち上がらされる状態になる私。
「っえ、安藤くん?」
「出るぞ。」
「えっ?」
そんなっ、これじゃ、まるで食い逃げでもするのかのようじゃんっ?!
ちゃんと、挨拶した帰りたいよ
お父様のお店なんだからさ・・っ
そんな心配をよそに
さっさとお店の外へと連れ出されてしまった。
「えっと、安藤くん、いいの?何も言ってこなくて。
それに、お金っ、今の・・払うからいくら?」
「は?」
「安藤くんは自分の親だからいいだろうけど、私の分はちゃんと払わなきゃ。」
「・・・」
「ね、いくら?」
「今までさ・・」
「え?」
「女に金なんか出させた事、ねぇんだよね。俺。」
「えっ?」
「俺んちの家訓的なもんでさ、女の子に金払わすような恰好悪い男にだけはなるな。って
親父に散々言われ続けて育ったせいかもしんねぇけど。実際、母さんも親父と付き合ってる頃は一回も払ったことないらしいし?だから、俺も今までどんな女だろうとぜってぇに金は受け取ったことなんかねぇ。それが彼女だったら尚更受け取れねぇつーの」
・・安藤・・くん
「う・・でもなぁ・・」
「俺を恰好悪ィ男にしたいわけ?」
「えっ//?そんなまさかっ、ていうか、どうしたって安藤くんは恰好悪くなんてならないでしょ。」
「は?」
「だって、顔だってイケメンだし、背も高いし、スタイルいいし、それに・・」
「それに?」
「こうやって急に呼び出しても理由とか一切聞かないでいてくれる優しさも持ってるしね。へへ♪」
「!」
「ごめんね。」
「-、んで、謝る?」
「だって・・っ、結局、1人で居られないから、こうして安藤くんのこと呼び出したり
して、周りを巻き込んでる。すごく自分勝手すぎることしてるから・・」
「それでも俺は嬉しかったんだからいんじゃね?」
「え?」
そう言って笑う顔はキレイな上に優しくて・・
・・やっぱり
安藤くんは優しい人だと改めて思う。
そして、こんな人だから皆に人気あるのも頷ける。
「ありがと///」
「お礼言うのは早いんじゃね?」
「え?」
「もしかしたら下心ありかもよ?」
「ぷっ♪なにソレ、」
「それに俺、優しくなんてねーし。
理由聞かなかったのだって、大体、想像つくことだったからから聞かなかっただけ。」
「え?想像ついた・・・・って?」
「ああ。どうせ、あの最強親父と喧嘩でもしたんだろ?」
「ぅ///!」なんと!
「で、榎本んとこに行こうと電話したら、彼氏とラブラブ中で、とっても来てくれとはいえなかったってとこだろ?」
「ぅぐ///!!」 そこまでっ?!!
「そして、やっと出てきたのは俺ってわけだな。」
ひ~~~~~/////
「-っ///、っあ、あの、安藤くんっ・・その//」
「ちっ。
マジで図星だったか。
出来れば少しは違うという言葉を期待してたんだけどな。まさか、彼氏の俺が1番じゃなく、最後だったなんてな。はぁ・・マジ凹むし。」
そうやってズンズン早足で前に進んで行く。
街灯の明かりが届かないところでいきなりしゃがみ込んでしまう安藤くん!
ど、どうしよっ!
私、すごく失礼なことしちゃった?よね?
仮にも彼氏だってのにっ(><)フツウなら真っ先に呼ぶのは彼氏なのにっ///
「ご、ごめん!安藤くんそんなつもりじゃ・・」
しゃがみ込んでる安藤くんに駆け寄り、同じようにしゃがんで袖に軽く触れた。
グイッ
「え・・」
その瞬間、
安藤くんの腕が私の首に回って、肩を掴まれていた。
声を上げる間もなく引き寄せられてしまってた。
いくらそこが街灯の明かりが届かない場所でも、真っ暗なワケじゃない。
しかも、近距離だったら・・っ
その・・こんなに近距離に安藤くんのキレイな顔がある///!!
切れ長の二重の瞳が私のことを捉えて離さない
こ・・・
これ以上、この瞳に支配されるのは
「む、無理っ///」
と、叫んでた。
「俺も無理。」
へっ?
「―っう///!」
っっ??
引き寄せられてた顔の位置が
くつっいてる。
つまり
私は
安藤くんにキスされてたのだ。
唇と唇が重なってるだけのキス。
凪のあのキスとは違う。
「目ぇくらいつぶれよ。」
すぐに離れた唇がそう言う。
つい今、触れあった唇からそんな言葉が・・っ
「――っう////、あっ////」
やっと理解できたその言葉に恥かしくて両手で顔を覆った。
「初チューだな♪」
嬉しそうな声でそんなことを言う安藤くんとは反比例に
「~~~~///////」
めちゃくちゃ凹む私。
凪以外の人に
キスされちゃったっ、
いや、凪ともさっき初めてキスできたんだけどね。
しかも、ものすっごいキスだったんだけどねっ
でもね
私的には、凪のキスは永久保存しておきたかったわけ
今、安藤くんにキスされたことによって凪のものが一つ消されてしまったカンジがして。
ああ・・やっぱ
凹む。
「まだ、俺の事、好きになってくんねーの?」
「えっ?」
崩れ落ちてる私に、安藤くんはそう聞いてきた。
でも、その質問は
・・おかしくない?
私も安藤くんのこと、好きだから付き合うことにしたって思ってたんじゃないの?
「質問のイミがわかんない」
今のキスのこともあって私は少々ネガティブになってた。
「ん?」
「だって・・、自信満々で、誰からも好かれてる安藤くんのセリフとは思えなくて。」
こうやって平気で強引なキスとかできるくらいだし?
「は?」
「私が・・安藤くんのこと、好きかどうかなんて、全然気にならないと思ってた。」
だから、私の意思なんて関係なくキスできたんだろーし?←しつこいぐらい引きずってるあたり。
「・・・」
「安藤くん、モテるし、・・その
はっきり言うとね。今、こうして付き合ってるケド、すぐに安藤くんは私のコトなんて興味なくすと思ってる。
だったらね、キモチの確認とかなんて必要ないんじゃ・・」
「誰が・・っ?」
「へっ?」
「誰が、気にならねぇって?」
「へぇえっ??!!」
「誰が興味なくすだって??」
「ひぇぇっ!!」
「ざけんなっ!!」
「ひゃぁっ!」
いきなり立ち上がると脇のガードレールを思いっきり蹴り上げた安藤くん!
なっ、なに??
なにが起きたのだっ?!!
「舞が初めての彼女なのによ。んなテキトーなコト思うわけねぇだろ!」
「・・へ、ぇ」
・・・ぇ・・
今っ、
「――っ、ええっっ?!!」
「んだよ、おかしいかよ。」
「えっ、あ、いやそんなことはっ、ってえ??」
再度、驚く。
「・・・」
「・・・」
そして沈黙。
目に映るのは
その・・安藤くんなんだけど
安藤くんじゃないみたいな?
あ、わかりやすく言うと
い・つ・も・の
安藤くんじゃないって事。
まるで、子どもが拗ねたような表情で私のコト、見てる。
「安藤くん・・ウソついてる。」
「だっ、―れが!ウソついてんだ!」
「だっ、だってだっておかしいじゃん!どう考えたっておかしいよ!」
「おかしくなんてねぇだろが?!」
「おかしいよ!安藤くんだよ?めちゃくちゃモテまくってて誰からも好かれてる人気もんの安藤くんだよ?」
「-っ、それ、過大評価しすぎだろ。」
「ううん!そんな事ないもん!有紀ちゃんだって言ってたし、・・その、安藤くんは女の子の胸とか見慣れてる・・って、あの時だってそう言ってたじゃん。」
「ああ、それか。ちっ、あいつロクな事言いやがらねぇな。」
「ほら、やっぱりホントだったじゃん。」
「ばーか、誤解すんな。つか、
軽蔑されそーだから言わね。」
「は?なにそれ?軽蔑されるようなことしてたの?」
「・・・」
「ねぇ、黙るの禁止。」
「・・じゃ、ぜってぇ、ひかね?」
「え?あ、う、ん・・あ、でも事と次第によってはひくかも。」
「じゃあ、無理。言わね。」
「あ~~~っ、ウソウソ!ごめん!絶対にひかないからっ!」
「マジで?」
「うんうんマジで」 うっわぁ~、めっちゃ疑ってるよその目っ、
つか、そんな言い出しにくいくらいの事ってどんなんだい?
ひくよりも何より、気になるじゃんかっ!
「勝手に入れるんだよ。」
「へ?」
今度はムスッとした顔になってそんな事を言った。
「・・なにを?」 全くイミがわからないのですが?
一体なにを入れるというのだ??
「俺のモン。」
「へぇ・・」
ああ、俺の・・モ・・ね。
―――・・・
「は///??!」
「ちっ。」
私の声と顔を見て、舌打ちを打つ安藤くん。おい。
「えーっと//?そ、それは、つまり・・」
よく聞き直さないと理解できない。
もしかしてそれは・・
っうええええっっ~~~~~~~~~~~~っっ/////!?????
なんだかやっと頭が追い付いてきだした。
「えっ?あのっ//」
「んだ?」
「っえっ?なに?今の話って・・そのつまり??女の人の方から/////」
「さっきから、そう言ってんだろ?つか、やっぱ、どーでもいい女の話なんてしたくねぇ~~」
「ええええっ?ど、どーでもいいって?!!どーでもよくないんじゃない??!!」
「はあ?俺は自分が好きになった女にしか興味ねぇし、つか、フツウそうじゃね?」
「え?でも・・いくら女の人の方からって言っても、えと・・////結局は・・したってコトでしょ?」
その状況はもはやソレしかないよね
「・・
・・まぁ。」
「・・最低。」
「っ!だ、さっきぜってぇひかねぇっつたよな?!」
「そ、そりゃ、言ったケドっ!」
「ケドなんだよ、っ、やっぱ失敗した、言うんじゃなかったっ、くっそっ」
頭を抱え込んでまたもやそこに沈みこんでしまう安藤くん。
そのまま、なんも言わなくなっちゃった。
「あ・・あの、ごめん。ひかないって言っておきながら・・さ。
その、なんていうか、同じ女としてはさ、なんだかそーゆうのどうかなぁなんて思っちゃったりしてさ。」
「どーゆうイミ?」
あ、ちゃんと聞いてくれてる。
「んーとね、
やっぱりそういう事をするっていうのは・・安藤くんのことを好きなわけで。」
「・・で?」
「だから、出来ればね、安藤くんにもね、
・・・好きになってほしかったからなんじゃないかなって。」
「!」
「だって、女の子だよ?平気に見えて、結構心臓バクバクもんだったんじゃないかなぁ」
「・・・」
「で、期待もしてたと思う。」
「-・・だったらなに?」
「そーゆう事したあと、何も思わなかったの?安藤くんは。」
「別に。」
「はぁ・・
あのね、別に女の人と何をしてようがそれをどうこう言ってんじゃないの!」
「じゃあ、なんだよ」
「そーゆう女の人たちのキモチを軽くとってることが最低だって言ってるの!」
「-!!」
「もっとさ、」
「じゃ、そいつら全員と付き合えば良かったんか?キモチもねぇのに?」
「ぅ!だから、っ、そんな」
「そーいう事だろ。」
「う~~~~~~~~~~っ////」こんの屁理屈単細胞め~~~~
「ボランティアじゃあるまいし、それこそ、あいつらに失礼だろ。」
「ぅ」
「付き合う気なんかねぇんだから、それをちゃんと早めにわからしてやった方がいいんじゃね?
変に優しくして期待させちまう方がよっぽど酷なんだよ!、後々、苦しむのはあっちだ。」
「う」
せ・・正論だ。
ケド・・
「ま、今はそいつらとしてねぇし、もういいだろ?」
「え?そうなの?」
「そうだろ!彼女居んのになんで他の女とヤらなきゃいけねぇんだ。」
「ああ・・」
そっか。
そうだよね、
彼女できたんだもんね・・
てっ!!「――っ!!」
彼女は私じゃんかっっ!!
「ん?どうした?」
「///っあのさ、今まではそういう事してたじゃん?」
「ん?」
「・・その・・今はしてないじゃん?」
「ああ。」
「えーっと・・
男の人って、いきなりそういうのしなくても平気なのかなぁ?って」
「・・・」
「あ///その別に変なイミじゃなくてね、」
「平気なわけねーじゃん。」
「ぅえっ?!」や、やっぱり?
「なに?させてくれんの?」
「~~~っ/////!!!」 なんつーストレートっ!!
そういうんじゃないからっ!!も~~~~//////
「あ、あのね///っ・・」
「・・舞
・・俺のこと好きじゃねーのに?」
「っえっ?!」
あ・・んどうくん?
「好きでもねー男に抱かれてもいいの?」
「//っ―?!!」
「俺が今までの女にしてきたことを今度は俺がさせられるのか、は。」
キレイな安藤くんの顔が一瞬歪んだ。
でも、すぐに
「-・・ああ、今わかった。、そうか、こんな感じか。
こういう気持ちをわかれって舞は言いたかったんだな。」
そう言って、笑った。
目は
笑っていなかった。
「安藤・・く・・」
「俺も・・
それでもいいや。お前の事、抱きてぇ。」
「――!!」
その時、
目が・・寂しく笑った
あん・・どうくん
「ま、今日はソレ予約っつーことで♪
送ってくわ。」
「えっ?」
「こんな時間に1人で家から出たことないだろ?」
「あ・・うん。 え?なんでわかるの?」
「ふ。舞は俺の周りに居る女たちとは違うからな。」
「?」
あ、そう言えば
ずっと引っかかってた事がある。
それは
「ね、ちょっと聞きたいんだけど・・」
「ん?」
既に歩き始めていた足を止め、私の方に向きなおした安藤くん。
「あ・・のね。
・・安藤くんは、どうして私なんかと付き合う気になったの?」
「は?」
「えっと///だから、安藤くんの周りに居る子たちって、私なんかよりずっと可愛いしスタイルもいいでしょ?なのに、その・・なんで私なのかなぁ・・って。」
あの日、言われてからずっと
抱いてた疑問。
「・・・」
う・・黙り込んだぞ??
やっぱ、言えないのかっ?
言えないほどどーでもいい内容なのかっ?!!
「・・単純に」
「?」
「可愛いって思ったから。」
「へ?//私、可愛くなんてないよ」
そんな事、言われたの初めてで
顔が赤くなるっ//
「そういうトコ」
「え?//」
「舞ってさ、今どきの女と違うじゃん?あざとくない。」
「へ?」
「俺らのクラスの女共や仲間の女たちはさ、いつも、どっか嘘くせぇ顔しててさ。
正直、信用できね。
その点、舞は、いつも無邪気っつーか」
「は・・ぁ・・」
それってつまりガキっぽいってコトじゃ・・
「いつも素でさ。男の視線なんて気にもしないで笑ってた。ホントウケる。」
なにやら悪口にしか聞こえないんですがぁ
「だから、こいつは、
舞は、ウソもなんもないヤツだなって思った。」
「-・・ぇ」
「俺、ここらでチーム作ってっからさ、まぁまぁ顔売れてるんだよね。」
「あ」
ああ、だから、歩いているだけであんなに色んな人が話かけてきてたんだぁ
うん納得。
「舞が言うモテるってのは、そんな俺の肩書とか、外見とか?が、目当てで寄って来てるだけ」
「・・」
「正直、付き合ってもいいかなって女も居たんだ。でもそいつがまさにソレ。」
「え」
「俺の側に居ることで、自分も同じ位置に居ると勘違いしてさ。俺の仲間達を好き放題使っては悪さしやがって、んで、後始末は俺。まぁ、俺の事は使ってもいいんだけど、仲間まで使うとかはダメだろ?ソレを伝えたら、・・なんて言ったと思う?」
「?」
「じゃ、付き合わない、彼女になる意味ないって。」
「ぇ、・・」
「結局、そいつにとって、その地位が欲しかっただけで
それが手に入れば、俺じゃなくても誰でも良かったってコト」
「――!!」
「すっかり騙された。普通に俺の事を好きになってくれたんだと・・思ってたから」
「・・っ、」
「だけど、違ったんだ。ホント女ってあざといよな。
そんなくだらないコトの為に平気で嘘つく。平気で俺に抱かれる。」
「-、」
「そいつとはすぐに距離おいたよ、でも
それ以来、女のそういうあざとさがわかるようになっちまって、まともに誰かと付き合おうなんて思わなくなったんだ、いつもテキトーに遊んで終わりって感じで。」
「-」
「でもさ。
高校入った時、
見つけちゃったんだよね。」
「え?」
「お前を
・・舞の事を。」
―??
「さっきも言ったけどさ、や、マジで驚いたね。口元を隠さず大口開けて笑ってる女」
「は?」
「しかも、この時代にすっぴんかよって?!化石かっ?!とも思ったよ。」
「あ・・のねっ///」
それ、ホント失礼じゃない??女としての魅力無しってことじゃん!
まさに悪口のオンパレードじゃん!
く~~~
「あの榎本と親友っつーのも驚いたけど。」
「ん?なんで?」
「あいつ外見派手だろ・どこに居ても目立つ。加えて口も悪い。」
「あ・・うーん。」
「あんなケバいのと舞じゃ、なんだか釣り合わないっつーか。」
「・・どうせ私は地味ですよ。」
「わ!//ばか、んな事言ってねぇだろ?!」
「気をつかわなくていいです。ぐす」
「あ~~~っ////だから、俺が言いたいのは
榎本は毒だけどっ!舞は・・その//キレイすぎててっつーか・・」
「え・・・キレイ?私が?
・・それは何かの間違いなのでは・・」
さっきから、可愛いとか、キレイとか、今まで生きてきた中で並べられたコト無い言葉の数々に顔が赤くなるよりも青くなっていた。。
「間違いじゃねーし。つか、
俺からしたら、そう見えんだからしょうがねぇだろ///!信じろ!」
「う//」
これは・・さすがに赤くなるっ///
「あー話が逸れたっ!くそ榎本のせいだっ!
とにかく!それから、俺はずっと舞のことが気になってたワケ!」
「っへ//?え?・・それからって・・
その高校入った日?」
「そ。正しくは教室だけどな。」
「あ」 そっか。同じクラスだもんね。
・・「え?そんなに見てた?私のこと?え?全然わかんなかった!」
「つーことは、舞は俺にはなんも興味なかったって事だよな?」
「-っ//」
「ははっ♪そーゆとこも好きなんだって♪」
「え?」
「だって、俺の顔には興味が無いってことだろ?」
「・・あ」 いや・・その
「俺の外見も地位も関係ねぇっつー事だろ?」
「あ・・」 のですね。
「だったら、本当の俺自身を知ってくれようとすっだろ?」
「ぅ・・」
私はただ・・
「舞に好きになってもらえれば俺、やっと自分のこと好きになれそうなんだ。」
「っえ?・・自分のこと嫌いなの?」
「ああ。嫌い。こんなんだからホントのもんが何も近づいてきてくれねぇと思ってる。」
そう言い切った目はまっすぐに私を捉える。
でも・・
そんなこと言われても
困るよ。
・・
私は・・
別に安藤くんの期待に応えれてたわけじゃない。
ただ・・
凪の事が好きで
凪のことしか見えてなかっただけなんだよ。
そんな話をしながら歩いていたせいか、
知らぬ間に家へと着いてしまってた。
明りがついてる。
消して出たのに、その明りが点いているってことは
凪が居る
ってこと。
どうしよ。
まだ、顔合わせずらい。
家の前で動かなくなった私を安藤くんは心配してくれたんだろう。
「うちなんか、しょっちゅう喧嘩してんぞ?」と手を差し伸べてくれた。
「・・う・ん」
その手を取ると
「大丈夫。なんか言われたら守ってやっから。」
にっこり笑ってそう言ってくれる。
でも
これ以上安藤君に迷惑はかけられない、
そう思った私は勇気を振り絞って玄関まで行った。
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