恋愛事情に問題アリ?

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恋愛事情に問題アリ?⑪

恋愛事情に問題アリ?⑪

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な・・っ、なんで?

いつもは帰りの時間、もっと遅いのにっ
つか?
ま・・まずい

これは非常にまずい。

こんな姿、凪に見られちゃうなんてっ
最悪!
誤解されちゃう!!!

「も//ちょ、離れてっ//」
力づくで離れようとしてもなんつったって両腕でがっしり組まれてるから
その腕すらほどけやしねぇぇ~~~~~

そ・れ・な・の・に・だ!!

私がこんなに必死なのに
当の安藤くんは
「ちわ~っ。」
まさにKY(←古っ)な発言と笑顔だ!、
うぬぉぉぉぉ~~~~~~~
別のイミでヤバいぞ!!


「殺す。」

「へ?」
「は?」

その言葉と同時に大音量で割れて散る玄関先に置いてあった陶器の傘立て。
猫の形で可愛かったのに。
いまや、その原型はどこにも無い。
つか、そんなのに気を取られてる場合ではない。
私の真横にいつの間にか、見慣れた大好きな腕が伸びてた。

≪ダンッ≫
鈍い音と逆方向に引っ張られる私の体。
あまりに一瞬のことで
目も頭もついていかなくて


「・・っ痛ってぇ。」

なぜか足元の方から聞こえてきた安藤くんの声に
やっと我を取り戻した私の脳みそ。

そこに見えたものは
片方の頬をおさえ、玄関から延びる廊下に尻もちをつく恰好で倒れてる安藤くん。
口元からは血が滲んでた。
で、私はと言うと。
襟元がなんだか窮屈で。
それは凪が私の首根っこを掴んでたからで、
しかも、しっかりと位置は凪側へと移動されてたわけで。

「な・・凪?」
恐る恐る口を開くのと同時に、首が楽になった。
つまり、凪が私から手を離したってこと

離したってことは
向かっていく所があるってこと。
向かっていくとこって言ったら、

やっぱ

それは目の前で倒れている安藤くんの元であって。

「ぐあっ!」
そのお腹に減り込ませた足は靴を履いたままだった。

「―っ!」

「ぶっ殺す。」

うっわぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~/////
マジギレしてるよ~~~~~~~~~っ凪っ!!!
どうしよっどうしよっどうしよっ!!


「っ、俺ら、付き合ってますから」

「あ?」
「は?」

私まで声を上げてしまったじゃないかっ!

「彼氏が自分の女、抱きしめるくらいフツーじゃねぇっすか!」
「!!」

「ふわぁぁ///」
あ、安藤くんなんつーこと言い出すんだい??!!

「そっちだって、好きな女、抱きたいと思わねーすか?」
「・・・」

うっわ~~~~~/////
だからっ、安藤くん何言ってくれちゃってるわけ~~~~~~??!!!

「俺は舞の事、大好きなんで、これからもこーゆうことしてぇ、つか、しますから!」
「!」

ひ~~~~~~~~~~~~~っ!!!!
火に油注いでるよっ!!!
ヤバいって!凪がキレたら止められないんだって!仙さんしか止められないんだって!
そう言ってたも~~~~ん!!!そして今、ここに仙さん居ないも~~~~ん


「帰れ。」

「・・」

「え?」
さっきよりもハードなバトルが始まるのかと思いきや、意外にもそんな言葉が凪の口から出た。

そして、履いてた靴を脱ぐと、廊下をスタスタと歩いてリビングへと消えてしまった凪。
そこに残された私と安藤くん。

とりあえず・・

「大丈夫?あの・・今日は帰って。」
凪のいう事を聞く。

「・・だな。」
安藤くんも同意して、立ち上がってくれた。

ヨロッとバランスを少し崩す体を支え玄関を出ると、
「かなり喧嘩慣れしてんな。舞んとこの親父」
と?いきなりそんな事を言い出す安藤くん。

「は・・ぁ・・」
そりゃ・・なんてったって総長さんですから/// 元。だけど

「俺、今まで喧嘩、負けた事ねぇのにさ。」
「え・・」
「くそっ、」
キレイな顔を歪ませそう悔しがった。

しかたないよ。
凪は無敵だもん。
なににおいても完璧なんだよ。
私が好きになるイミわかるでしょ?
コレ、口には出して言えないけどね。

血の滲んだ口元を痛そうにしながらも笑顔を見せる安藤くんを
門のとこまで見送ると、すぐに家の中に入り、凪が居るであろうリビングに駆け込んだ。

案の定、
長ソファに座ってる凪。
私からは背中しか見えない。

絶対に、凪は誤解してるハズ。
だから、絶対にその誤解を解かなきゃいけない!!
「あ、あの、凪っ、」

「・・・」

「な、凪?」

返事がない・・
後ろにいるから、凪の表情も見えない。

やっぱ、まだ怒ってるんだ。

「凪、あの・・聞いて。」

「・・・」

「その・・安藤くんとは、」

「どこまでしたんだ?」

「え??」
わ、凪、しゃべった!
て?!
え?
「な、なに?」

「付き合ってんだろ?」
「あ、いや、だからソレは、」
「怒ってねーよ。」
「え?」
「舞ももう16だもんな、彼氏の1人や2人居てもおかしくねぇよな。ま、あいつってーのは気に入らねーケド。はは。」

「あ、あの凪、」

「ああ、、やっぱいいや。彼氏とどこまでいったなんて事、聞く方が野暮だよな。
悪ィ。今の忘れてくれ。」

「―・・」

「あいつ殴っちまったのも悪かった。その、
なんだ。いきなりだったし。
大事な娘のあーゆうの見るの、だからつい・・な。」

「!」
・・っに、よ、ソレ。

「あ、まぁそんなんだから舞も気にしないでくれ。
じゃ、俺、先に風呂入るな。」


・・なによっ、 凪。


私の隣を何事もなかったように通り抜けて行こうとする。
その腕を掴んだ。
「!」
「・・」
「離せよ、」
「・・ヤダ。」
「頼むから。」
「・・ヤダって言ってんじゃん!」
「・・」
「なんでそんな事言うの?なんでいきなりなんでもわかって風に!理解ある父親みたいなフリするの?おかしいよ!凪!昨日言ったじゃん!
私に彼氏ができるの嫌だって!それなのにどうしていきなりっ、」

「―っじゃぁ!なんであいつと付き合ってんだ!」

「!!」

「俺が嫌だって言ったから、言えなかったんだろが?!本当はもっと前からできてたんだろ?!言えや!隠し事なんかしてんじゃねぇぞ!」
「っぅ!」
「んだ、これ。
めちゃくちゃかっこ悪ぃな俺。娘の彼氏に嫉妬かよ、は。」
「ぅ・・っ」
「抑えようとしたのに・・
―・・まだまだだな俺も。ちっ、」
「え・・」
「こういう事言うから、お前もなんも言えなくなるんだよな。
わかってんのに。くっそっ。」
「?」 な・・ぎ?
「今のも忘れてくれ。わかってんだ、俺のエゴでいつまでもお前を縛ってんの・・間違ってるって事ぐれぇ。」
「-っ?!!」
「お前はこれからいっぱい恋愛して結婚して家庭を持って行くのに。
それを俺が邪魔すんのは・・おかしいな。
どう考えても間違ってるよな。
俺は・・娘の幸せを何よりも願ってやんなきゃいけねぇのに。」

「!!」

「・・怒鳴って・・悪かった。」
「・・・」
「・・風呂入ってくる。」
「・・間違ってなんかない。」 
「?」

「そんな幸せだったら願ってなんかほしくない!」 

「っ?!」

「私は、・・
私はっ、」

な、なに言おうとしてるの私。

「恋愛も結婚も、」 

ダ、ダメだってばっ、それ以上は・・っ

「凪としかしたくないのっ!
凪に幸せにしてもらいたいんだよ!」 

「!!」

あ・・
っ、ああっ
い・・
言っちゃった。
ついに言ってしまった。

感情がっ・・ブレーキきかない、
止められなかった。
ずっと封印していた本音を。


「なに・・言ってる。」

ほらね。、
・・やっぱりな反応。
完璧、凪にひかれちゃってる。

「冗談もたいがいにしとけ。」
「っ」
冗談なんかじゃ全然ないし。冗談でこんなカミングアウトできないってーの!
「っつたく。仮にも俺は親だぞ。それに彼氏も居んのに、。」
「ウソだもん」
「だよな。」
「安藤くんと付き合ってないもん」
「そうだな。
・・・っは??」
「あ、付き合ってるんだけど」
「わけわかんねーぞ!」
「それにはワケがあるんだって。」
「ああ??」
「凪を守るためなんだよ!」

「・・・
悪ィ・・よくイミがわかんねぇんだが?」

「あ、ああ//その順を追ってお話するとですねぇ、」
もう告白もしちゃったし、今さらもう凪を好きだという事は隠さなくてもいいし
で、
今までに至る経緯を話した。

「はぁ・・っ」

え?なんで溜息つかれるのだ?

「まぁ、なんとなくはわかった。」
さっすが凪♪読解力ある~~♪
とっても昔はヤンキーだったなんて信じられないよ~~♪

「明日、有紀ちゃんを家に呼べ。」
「へ?なんで?」
「いいから。言う通りにしてくれ。」
「う・・ん、わかった。」
実はわかってないけど。

「で・・」

「ん?」

「さっきの・・はマジで言ってんのか?」
「え?さっきの?」

「・・その・・俺と舞の事をあいつが、んな誤解するくれー、俺のこと。
つーか、俺としかって・・。」

「////!!!」
ハッ!!そうだ!私、今今、告白しちゃったんだ!!
いつも妄想で告白してたから、免疫付きすぎてたっ!!
リアで告ったこと、忘れてたぁぁぁぁ~~~~~~~~///////


「まぁ、親としては、娘に愛されてるつーのは嬉しい限りだけどな、はは。」
「!」
結局・・そうやってはぐらかされるのか・・。
やっぱり、娘としか私を見てくれないんだ。
この一世一代の大告白も
ただのファザコン娘のたわごととしか受け止めてくれてないんだね凪。


それから凪はすぐにお風呂に入りに行った。
その間に、いつもの様に、夕飯を作り始める私。
いつもと変わらない。
玄関先の猫ちゃん傘縦が粉々になっている以外は普段と全く変わらない。

その猫ちゃん傘縦も私が夕飯を食べ終えて、お風呂に入っている間に
凪がキレイに片づけていた。
だから、本当にさっき起きたことが夢だったみたいにフツウだ。

リビングの長ソファでふつーにTVを見ている凪。

なんだかさみしい。

だから、
≪ポテンッ≫
「ん?」

「くっついていい?」
凪の隣に行って、凪の腕にもたれかかった。
「ああ。」
そんな行動もふつーに受け入れてくれる凪。
ドキドキすらしてくれない凪。
私は、今でも、こんなにドキドキしてるのに。

なんだか、こんなに近くでくっついてても
結局、さみしいという気持ちまでも変わんなかった。

気づくと、朝で。

自分のベッドで寝てた。
多分、あの後、ソファで寝ちゃった私を凪が連れてきたくれたんだろう。
昨日は意外に疲れてたのかもしれない。

時計を見てトロトロといつものごとく学校へ行く準備を始めた。
下の階に行くと、
やっぱり凪は既に出かけていて居ない。
はぁ・・っ
と一つ溜息をついて、
またトロトロとパンを焼き、カフェオレを入れる。

そして、トロトロと学校に向かった。
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