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『瞬塵の死神』
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ラッシュ・スピンアウト……彼の持つ属性は【砂嵐】。砂を風に乗せて自在に操る事が出来る【土】と【風】の特性を持つ『複合属性』だ。
「いくぜ……『砂塵脚』!」
その場で放った回し蹴りと共に砂塵は巨大な砂嵐と化して前方の敵へ襲いかかる……さらには砦全体を覆い尽くした。
「うおっ……なんだっ! この砂嵐っ!」
唐突に吹き荒ぶ砂埃に、リンタルは目を覆う。
そして、数秒の後……砂嵐は去り、視界が晴れた。
「な、なんだったんだ。今のは……。 !? なっ……そんなっ!!」
リンタルの目の前に映ったのは、つい先程まで砦に居た、全ての賊の死体と武器を収めながら悠然と立つラッシュの姿だった。
「どーよ。これが瞬塵と言われる技の1つ、【砂塵瞬殺撃】だ。しまったな……勢い余って砦の賊ほとんど殺っちまった。ま、いーか。あとは掃討戦といこうや」
フィアーズ・ローエンドの中では1番腕が立つリンタル。だが、ラッシュとの力量との差を感じ、手を震わせていた。
「あ、あの一瞬で、10匹以上を……? 化け物だ……」
ラッシュに聞こえないよう1人囁くリンタル。一方、スクエは細い目を、いつもより少し開けてラッシュを見据える。
(砂塵で視界を眩ませた隙を突いての接近後、常に移動しながら二刀流で複数体を両断……その流れのまま二刀を投擲し遠方の敵を斬首。その間、貫手と隠し暗器のコンビネーション……戻ってきた刀を使って……アカン。このボクでも全部は見切れんかったわ。一朝一夕の技やない、鍛練の積み重ねにより成せる……まさに神業)
スクエは、パチパチパチと拍手を送る。
「すんばらしい!! 参りましたっ! 全くもって何が起こったかすら分からん神業! 感動で涙がっ……、いやこれ砂が目に入ったんかな……。 とにかく最高でしたっ!」
「ダハハ! また今度見せてやるよ。よし、砦に突入してブレインワームの巣を見つけて潰せ。成虫になると厄介だぞ」
──その後、少数の賊を掃討し敵を殲滅。卵がびっしり詰まった部屋を焼き払い砦を制圧した。
「あとの戦利品回収は任せる。ワームの巣は気持ち悪いが魔石が埋まってるから、しっかり回収しとけよ。……あと、スクエ以外の3名は宿舎の部屋と馬小屋の清掃を命じる。次に命令違反したら……分かってんな?」
ラッシュの圧に黙って頷くザッカス達。アライズが抜けて以降の雑用雑務は、ほったらかしだったので部屋も専用の馬小屋も酷い有り様なのだ。
「明日は別のクエストかダンジョンを攻略していくか。しばらくは俺が斡旋してやるよ。じゃ、またな」
砦の中庭に4人を残して消えるラッシュ。
「ほんなら、巣から魔石集めましょ。みんなでやれば、すぐ終わ……」
ドスッ。
「ぐっ……! がはっ……?!」
スクエの鳩尾にリンタルのボディブローが、めり込む。
「お前1人でやってろ、ゴマスリ野郎」
「ゲホッ……! 痛ぁ~……。急になんなんすかリンタルさん……勝利のハイタッチの場所間違えてますよ?」
「つまんねーんだよゴミカス!! 殺すぞコラァ!」
ゴッ! バキッ!
溜まった怒りを吐き出すかの様に、スクエを暴行するザッカス。
「ぐぁあっ……! な、なんなん……? 今回、ボクのお陰で楽できましたやん……」
「調子乗んなカス!」
ネチカルの電撃がスクエを襲う。
「ぐぁぁぁっ!」
……その後も、ザッカス達は無抵抗なスクエに暴力を加え続けた。吐血と鼻血でスクエの顔面は血塗れであった。
「ガハッ……ガハッ……ゲホッ……!」
膝をついて咳き込むスクエ。
「ヒョロガリの癖に、まぁまぁ丈夫じゃねーか。こりゃ痛ぶり甲斐あるぜ。ギャハハ」
「ゲホッ……ヒョロガリて……。ボク、脱いだら凄いタイプなんやけど、見ます?」
「誰が見るか。雑魚がイキがるなっ!」
「あぐぁっ!」
リンタルの蹴り上げによって、スクエは仰向けに倒れる。
「ガハッ……。はぁ……。これがキミらの本性かいな」
「今更気付いても遅いんだよゴミカス! ネチカル、あれを頼むぜ。……オイ、雑魚野郎。もう逃げられねぇぞ」
ネチカルが取り出したのは『罪人の印』という魔力によって貼り付けられる刻印である。それを刻まれた者は何処に居ようと場所を特定され、全能力が下がるデバフまでも付与されてしまう。
それが、今まさにスクエの身体に施行されていったのだった……。
「終わったぜ。ギャハハ! お前はもう、逃げられねぇ!」
「ラッシュに告げ口しようとしても、すぐ分かるからな」
「下層のゴミカスに、味方は居ねぇんだよ!」
「……キミ達ラッシュさんに、だいぶビビってるんやなぁ……」
ザッカスは、スクエの顔面を踏みつける。
「ぶっ!」
「黙れよクソカス。ラッシュなんてな、俺の兄貴にかかれば一瞬で殺せるんだよ。無駄な足掻きすんじゃねぇぞ、泣き縋るしかできねぇ雑魚が……!」
「ああ、そうだ。所詮、お前なんてザッカスの兄貴が帰ってくるまでの玩具だ。それを弁えとけ」
「長生きしたかったら、従順な犬になる事だな! とりあえず、ここの回収と部屋の掃除は完璧にしとけよ? 出来なかったらブチ殺すぞ! ギャハハ!」
……倒れたスクエを置き去りにして、ザッカス達は笑いながら帰還していった。
──誰も居ない砦で、天を仰ぐスクエ。
(……なるほど。こうして暴力で陥れた相手を奴隷にしてから、ジワジワと痛ぶって、追い込んで楽しむんか……)
スクエはムクッと上半身を起こす。
「アホやなぁ。ボクみたいな危ない奴は、さっさと殺すのが正解やで」
全身怪我でボロボロにも関わらず、スクエは軽々と立ち上がる。
「まずは、このボクが受けた痛みを返させてもらうで。そっから先はキミら次第や……この感じだと、期待出来るオチになりそーやけどな」
スクエは指で五芒星の印を目の前に描き、念じた。
「陰陽術、悪業罰示式神……復讐者施行開始」
砦に吹き荒ぶ風の音が、不吉な旋律を奏でる。まるで、ザッカス達の『終わりの始まり』を迎える序曲かの様に……。
「いくぜ……『砂塵脚』!」
その場で放った回し蹴りと共に砂塵は巨大な砂嵐と化して前方の敵へ襲いかかる……さらには砦全体を覆い尽くした。
「うおっ……なんだっ! この砂嵐っ!」
唐突に吹き荒ぶ砂埃に、リンタルは目を覆う。
そして、数秒の後……砂嵐は去り、視界が晴れた。
「な、なんだったんだ。今のは……。 !? なっ……そんなっ!!」
リンタルの目の前に映ったのは、つい先程まで砦に居た、全ての賊の死体と武器を収めながら悠然と立つラッシュの姿だった。
「どーよ。これが瞬塵と言われる技の1つ、【砂塵瞬殺撃】だ。しまったな……勢い余って砦の賊ほとんど殺っちまった。ま、いーか。あとは掃討戦といこうや」
フィアーズ・ローエンドの中では1番腕が立つリンタル。だが、ラッシュとの力量との差を感じ、手を震わせていた。
「あ、あの一瞬で、10匹以上を……? 化け物だ……」
ラッシュに聞こえないよう1人囁くリンタル。一方、スクエは細い目を、いつもより少し開けてラッシュを見据える。
(砂塵で視界を眩ませた隙を突いての接近後、常に移動しながら二刀流で複数体を両断……その流れのまま二刀を投擲し遠方の敵を斬首。その間、貫手と隠し暗器のコンビネーション……戻ってきた刀を使って……アカン。このボクでも全部は見切れんかったわ。一朝一夕の技やない、鍛練の積み重ねにより成せる……まさに神業)
スクエは、パチパチパチと拍手を送る。
「すんばらしい!! 参りましたっ! 全くもって何が起こったかすら分からん神業! 感動で涙がっ……、いやこれ砂が目に入ったんかな……。 とにかく最高でしたっ!」
「ダハハ! また今度見せてやるよ。よし、砦に突入してブレインワームの巣を見つけて潰せ。成虫になると厄介だぞ」
──その後、少数の賊を掃討し敵を殲滅。卵がびっしり詰まった部屋を焼き払い砦を制圧した。
「あとの戦利品回収は任せる。ワームの巣は気持ち悪いが魔石が埋まってるから、しっかり回収しとけよ。……あと、スクエ以外の3名は宿舎の部屋と馬小屋の清掃を命じる。次に命令違反したら……分かってんな?」
ラッシュの圧に黙って頷くザッカス達。アライズが抜けて以降の雑用雑務は、ほったらかしだったので部屋も専用の馬小屋も酷い有り様なのだ。
「明日は別のクエストかダンジョンを攻略していくか。しばらくは俺が斡旋してやるよ。じゃ、またな」
砦の中庭に4人を残して消えるラッシュ。
「ほんなら、巣から魔石集めましょ。みんなでやれば、すぐ終わ……」
ドスッ。
「ぐっ……! がはっ……?!」
スクエの鳩尾にリンタルのボディブローが、めり込む。
「お前1人でやってろ、ゴマスリ野郎」
「ゲホッ……! 痛ぁ~……。急になんなんすかリンタルさん……勝利のハイタッチの場所間違えてますよ?」
「つまんねーんだよゴミカス!! 殺すぞコラァ!」
ゴッ! バキッ!
溜まった怒りを吐き出すかの様に、スクエを暴行するザッカス。
「ぐぁあっ……! な、なんなん……? 今回、ボクのお陰で楽できましたやん……」
「調子乗んなカス!」
ネチカルの電撃がスクエを襲う。
「ぐぁぁぁっ!」
……その後も、ザッカス達は無抵抗なスクエに暴力を加え続けた。吐血と鼻血でスクエの顔面は血塗れであった。
「ガハッ……ガハッ……ゲホッ……!」
膝をついて咳き込むスクエ。
「ヒョロガリの癖に、まぁまぁ丈夫じゃねーか。こりゃ痛ぶり甲斐あるぜ。ギャハハ」
「ゲホッ……ヒョロガリて……。ボク、脱いだら凄いタイプなんやけど、見ます?」
「誰が見るか。雑魚がイキがるなっ!」
「あぐぁっ!」
リンタルの蹴り上げによって、スクエは仰向けに倒れる。
「ガハッ……。はぁ……。これがキミらの本性かいな」
「今更気付いても遅いんだよゴミカス! ネチカル、あれを頼むぜ。……オイ、雑魚野郎。もう逃げられねぇぞ」
ネチカルが取り出したのは『罪人の印』という魔力によって貼り付けられる刻印である。それを刻まれた者は何処に居ようと場所を特定され、全能力が下がるデバフまでも付与されてしまう。
それが、今まさにスクエの身体に施行されていったのだった……。
「終わったぜ。ギャハハ! お前はもう、逃げられねぇ!」
「ラッシュに告げ口しようとしても、すぐ分かるからな」
「下層のゴミカスに、味方は居ねぇんだよ!」
「……キミ達ラッシュさんに、だいぶビビってるんやなぁ……」
ザッカスは、スクエの顔面を踏みつける。
「ぶっ!」
「黙れよクソカス。ラッシュなんてな、俺の兄貴にかかれば一瞬で殺せるんだよ。無駄な足掻きすんじゃねぇぞ、泣き縋るしかできねぇ雑魚が……!」
「ああ、そうだ。所詮、お前なんてザッカスの兄貴が帰ってくるまでの玩具だ。それを弁えとけ」
「長生きしたかったら、従順な犬になる事だな! とりあえず、ここの回収と部屋の掃除は完璧にしとけよ? 出来なかったらブチ殺すぞ! ギャハハ!」
……倒れたスクエを置き去りにして、ザッカス達は笑いながら帰還していった。
──誰も居ない砦で、天を仰ぐスクエ。
(……なるほど。こうして暴力で陥れた相手を奴隷にしてから、ジワジワと痛ぶって、追い込んで楽しむんか……)
スクエはムクッと上半身を起こす。
「アホやなぁ。ボクみたいな危ない奴は、さっさと殺すのが正解やで」
全身怪我でボロボロにも関わらず、スクエは軽々と立ち上がる。
「まずは、このボクが受けた痛みを返させてもらうで。そっから先はキミら次第や……この感じだと、期待出来るオチになりそーやけどな」
スクエは指で五芒星の印を目の前に描き、念じた。
「陰陽術、悪業罰示式神……復讐者施行開始」
砦に吹き荒ぶ風の音が、不吉な旋律を奏でる。まるで、ザッカス達の『終わりの始まり』を迎える序曲かの様に……。
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