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キミ、才能あるわよ
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「どうしたの? ボーっとして……怪我でもしてるのかしら?」
その美女は僕よりも背丈が高く……そして胸までもSランク超えの大きさ……見た事のない衝撃に見惚れてしまい、僕は固まっていた。
「あっ……! す、すいません! あまりの美しさに固まってしまって……!」
「あらあら、お上手ね♪ でも残念! 私、人妻なの」
そう言って左手の薬指に光る指輪を見せられる。……そう聞いて余計、魅力的に見えてきました……。
「そ、それは残念だなぁ~……。じ、じゃなくて! 助けていただき、ありがとうございます!! い、今のは魔法ですか? 凄い威力ですね……一撃でマンティコアを倒すなんて……!」
「うーん……でも私、さっき目覚めたばっかりで本調子じゃないのよね。さっき放ったやつはホントだったら、ここら一帯全部消滅させれるんだけど……」
さっき目覚めた?今、もう夕暮れだけど……夜型なのかな?しかも、ここら一帯消滅できるとか……。嘘か本当か、どちらにせよ……この女性、色々とヤバい人なのでは。
しかし、近道を塞がれて下山には2日はかかる上に道中はモンスターだらけ……僕1人なら確実に死ぬしかない。どうにかして協力してもらわないと……。
「……助けて頂いた上に、厚かましいですが……良かったら一緒に下山してくれませんか? それにお互い1人では危険じゃないかと」
「あらっ、良いわよ。前と地形が変わってて道も分からないし案内してくれると助かるわ」
「よ、良かった! 地図があるので僕について来て下さい!」
「モンスターも出るのよね……これで、私の武器を作るわ」
そう言って女性はマンティコアの残骸から骨を抜き……。
「【武器生成】……うん、これでいいかな」
女性が手に持った骨は一瞬にして、白く輝くロングソードへと変化した。
「便利なスキルですね!」
「そうでしょ! さ、行きましょ~」
♦︎
道を進んでいくと、早速レッドゴブリンが現れた。基本体のグリーンゴブリンより強く獰猛な奴だ。
僕は戦闘態勢に入ると同時に詠唱を開始、女性とゴブリンが剣を交える前に呪文を発動した。
「【攻撃強化】!」
術により女性の攻撃力が20パーセント上昇。彼女は見事な剣捌きによりダメージを受ける事無く、ゴブリンに幾度と斬撃を浴びせて葬った。
……魔法だけで無く、剣技も素晴らしい……一体何者なのだろう。そういえば名前を聞きそびれたな。もしかしたら有名人かも知れない。
女性は、剣を見ながら、何か少し考えている……そして僕の方を振り返り問いかけた。
「……今の魔法は何?」
「攻撃力を上げる魔法です……。あ、あのすいません……僕、属性持ってなくて……こんな補助魔法しか使えないんです、本当にごめんなさい……」
怒られたと思い、僕は条件反射で謝罪した。
「え~っと、謝らなくても良いのよ。怒ってる訳じゃなくて……今の魔法には『属性の力』が感じられ無かったから……こんな魔法は初めてだと思ったの」
「そ、そうだったんですか……」
「これって凄い事なのよ……属性を利用しなければ魔法の発動は理論的に不可能、それは補助魔法も例外じゃないわ。……キミ、名前は?」
この魔法が褒められた……!幼い頃にシスターマリアに褒められて以来、何年ぶりの出来事だろうか……!
「アライズ……です」
「アライズ……これからはアライ君と呼びましょうか。私の事は師匠と呼ぶよーに」
「し、師匠?」
「そう! アライ君に興味が湧いたから鍛えてあげる事にしたわ! 下山する頃には一皮二皮剥けてるわよっ♪」
こんな美女に鍛えて貰えるなら、そりゃあ剥けるでしょうよ……でも、僕は下を向いていた。
「……ありがたいですけど、僕なんて……どうせ補助魔法しか出来ない無能ですから……」
「そんなんじゃダメよっ!」
女性……いや、師匠の一喝にビクッと直立してしまう。
「いい!? 自分がダメだと思ってる者に、未来は無いの!」
巨大な胸をブルンブルン揺らして向かってくる師匠。何だろう……怒られてるのに、ドキドキする……。
そして師匠は僕の頭に手を置いた。
「……きっとキミの才能を見抜けない愚か者達の所為で、自己肯定が出来なくなってるのね。大丈夫、私がアライ君の才能を伸ばしてあげる……任せなさい」
「ハ、ハイ……!」
初めて会ったばかりなのに、この優しい声を聞くと全てを委ねたくなってしまう……。
ガサッ。
「ゲギャッ」
そんな雰囲気を、ぶち壊す汚らしい声。離れた草むらから再びレッドゴブリンが。しかも次は見たところ外皮が強化され、鎧を装備している『アーマードタイプ』……一筋縄じゃいかなそうだ。
「それじゃ、早速……実戦指導といきましょうか」
師匠の期待に応えてみせるんだと、胸が高鳴る。
そうだ……僕は、無能なんかじゃ……ない!
その美女は僕よりも背丈が高く……そして胸までもSランク超えの大きさ……見た事のない衝撃に見惚れてしまい、僕は固まっていた。
「あっ……! す、すいません! あまりの美しさに固まってしまって……!」
「あらあら、お上手ね♪ でも残念! 私、人妻なの」
そう言って左手の薬指に光る指輪を見せられる。……そう聞いて余計、魅力的に見えてきました……。
「そ、それは残念だなぁ~……。じ、じゃなくて! 助けていただき、ありがとうございます!! い、今のは魔法ですか? 凄い威力ですね……一撃でマンティコアを倒すなんて……!」
「うーん……でも私、さっき目覚めたばっかりで本調子じゃないのよね。さっき放ったやつはホントだったら、ここら一帯全部消滅させれるんだけど……」
さっき目覚めた?今、もう夕暮れだけど……夜型なのかな?しかも、ここら一帯消滅できるとか……。嘘か本当か、どちらにせよ……この女性、色々とヤバい人なのでは。
しかし、近道を塞がれて下山には2日はかかる上に道中はモンスターだらけ……僕1人なら確実に死ぬしかない。どうにかして協力してもらわないと……。
「……助けて頂いた上に、厚かましいですが……良かったら一緒に下山してくれませんか? それにお互い1人では危険じゃないかと」
「あらっ、良いわよ。前と地形が変わってて道も分からないし案内してくれると助かるわ」
「よ、良かった! 地図があるので僕について来て下さい!」
「モンスターも出るのよね……これで、私の武器を作るわ」
そう言って女性はマンティコアの残骸から骨を抜き……。
「【武器生成】……うん、これでいいかな」
女性が手に持った骨は一瞬にして、白く輝くロングソードへと変化した。
「便利なスキルですね!」
「そうでしょ! さ、行きましょ~」
♦︎
道を進んでいくと、早速レッドゴブリンが現れた。基本体のグリーンゴブリンより強く獰猛な奴だ。
僕は戦闘態勢に入ると同時に詠唱を開始、女性とゴブリンが剣を交える前に呪文を発動した。
「【攻撃強化】!」
術により女性の攻撃力が20パーセント上昇。彼女は見事な剣捌きによりダメージを受ける事無く、ゴブリンに幾度と斬撃を浴びせて葬った。
……魔法だけで無く、剣技も素晴らしい……一体何者なのだろう。そういえば名前を聞きそびれたな。もしかしたら有名人かも知れない。
女性は、剣を見ながら、何か少し考えている……そして僕の方を振り返り問いかけた。
「……今の魔法は何?」
「攻撃力を上げる魔法です……。あ、あのすいません……僕、属性持ってなくて……こんな補助魔法しか使えないんです、本当にごめんなさい……」
怒られたと思い、僕は条件反射で謝罪した。
「え~っと、謝らなくても良いのよ。怒ってる訳じゃなくて……今の魔法には『属性の力』が感じられ無かったから……こんな魔法は初めてだと思ったの」
「そ、そうだったんですか……」
「これって凄い事なのよ……属性を利用しなければ魔法の発動は理論的に不可能、それは補助魔法も例外じゃないわ。……キミ、名前は?」
この魔法が褒められた……!幼い頃にシスターマリアに褒められて以来、何年ぶりの出来事だろうか……!
「アライズ……です」
「アライズ……これからはアライ君と呼びましょうか。私の事は師匠と呼ぶよーに」
「し、師匠?」
「そう! アライ君に興味が湧いたから鍛えてあげる事にしたわ! 下山する頃には一皮二皮剥けてるわよっ♪」
こんな美女に鍛えて貰えるなら、そりゃあ剥けるでしょうよ……でも、僕は下を向いていた。
「……ありがたいですけど、僕なんて……どうせ補助魔法しか出来ない無能ですから……」
「そんなんじゃダメよっ!」
女性……いや、師匠の一喝にビクッと直立してしまう。
「いい!? 自分がダメだと思ってる者に、未来は無いの!」
巨大な胸をブルンブルン揺らして向かってくる師匠。何だろう……怒られてるのに、ドキドキする……。
そして師匠は僕の頭に手を置いた。
「……きっとキミの才能を見抜けない愚か者達の所為で、自己肯定が出来なくなってるのね。大丈夫、私がアライ君の才能を伸ばしてあげる……任せなさい」
「ハ、ハイ……!」
初めて会ったばかりなのに、この優しい声を聞くと全てを委ねたくなってしまう……。
ガサッ。
「ゲギャッ」
そんな雰囲気を、ぶち壊す汚らしい声。離れた草むらから再びレッドゴブリンが。しかも次は見たところ外皮が強化され、鎧を装備している『アーマードタイプ』……一筋縄じゃいかなそうだ。
「それじゃ、早速……実戦指導といきましょうか」
師匠の期待に応えてみせるんだと、胸が高鳴る。
そうだ……僕は、無能なんかじゃ……ない!
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