冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210

文字の大きさ
表紙へ
上 下
19 / 93
2巻

2-3

しおりを挟む
「おい、クライン。お前の言いたいことはわかった。訓練することに関しては俺も同意だ、だけどよ」

 やがて一人の男子生徒が、クラスの意見を総括するようにクラインに言った。

「でも、お前に仕切られるのには納得がいかねぇよ」
「はぁ? どういうことだよ?」

 クラインが教壇から、男子生徒を見下ろしながら言った。

「俺以外に誰がこのクラスを仕切れる? 帝国魔法学校は実力至上主義だ。力ある者が正義。このクラスで一番魔法の素養がある第二階梯の俺が勝たしてやると言っているのだから凡愚の貴様らは素直に従っておけばいい」
「俺たちが気になってるのは、それだよ。実力順でも、お前はこのクラスで一番じゃないだろ」

 そう言った男子生徒が俺の方を見る。
 俺はなんとなく嫌な予感がした。
 男子生徒が俺を指さして、クラインに告げる。

「お前より、明らかにルクスの方がこのクラスのリーダー役に適任だろうが」

 嫌な予感が的中した。
 クラインの視線が俺へと向けられる。

「はぁ? こいつが?」

 クラインは小馬鹿にしたような口調で言った。

「そんなわけないだろう? このクラスで一番強いのはこの俺だ」
「いやいや、何言ってるんだクライン?」
「お前、ルクスの魔力測定の結果を見てなかったのか?」
「ルクスはお前より圧倒的に魔力量が多いんだぞ?」
「ルクスは第三階梯以上。お前より上だ」

 俺が何か言う前に、クラスメイトたちから次々にそんな声が上がる。
 俺は口を挟むタイミングを完全に逃してしまった。
 クラインとクラスメイトたちが、俺を置き去りにして口論を始めてしまう。

「はっ。ルクスが俺より魔力が上だと? 笑わせるな。あんな鑑定結果があり得るはずがないだろうが」
「どういうことだよ?」
「あんなのは単なる水晶の故障だろ。それだけだ。ルクスの魔力量が多いということじゃない」
「いや、そんなことは……」
「俺は見たぞ! 水晶は確かに黄色く光ったんだ! あれは明らかに第三階梯クラスの魔力を示す色だった!」
「そうだそうだ! 俺も見たぞ!」

 クラスメイトたちがクラインに対して再び抗議する。
 だがそれでもクラインは、今日行われた魔力測定の結果を信じていないようだった。

「これだから凡愚どもは。魔法で劣るだけじゃなくて理解力まで乏しいときてる。いいか? あのリーザとかいう女も説明していただろ? 魔力量が第三階梯以上ってのは、歴史に名前が残るような伝説級の魔法使いの魔力量なんだよ! そいつが本当に伝説級の魔法使いに見えるか?」

 クラインが俺を指さしながら言った。
 クラスメイトたちが一斉に俺を見る。

「み、見える……か?」
「どうだろう……で、でも今朝ラーズ商会のカイザーを三重奏魔法で倒したって聞いたぞ……?」
「入学試験では的を破壊したって……」
「でも言われてみれば、確かに伝説級の魔法使いがそんなに簡単に現れるはずないか」

 みんなが疑いの目で俺を見る。

「ル、ルクスの実力は本物だよ!? 絶対にこのクラスで一番だから!」

 ニーナが慌てたようにそう言うが、それでもクラスメイトたちの疑念は払拭されないようだ。

「色々妙な噂があるようだが俺は騙されないぜ? 第七皇子のルクス様よ? もしあんたが本当に伝説級の魔力の持ち主ならそもそも無能皇子、なんてあだ名がつくはずもないしな」
「……」

 クラインが小馬鹿にしたような目で俺を見てくる。
 特に反論する必要性を感じなかったので、俺はクラインの言葉を黙って聞いていた。
 それに、このままクラスメイトたちが俺の実力に懐疑的になれば、リーダー役を振られることなく、面倒ごとを引き受けずに済む。このままクラインがリーダーになるのならそれで構わない。

「そ、そうだ! それならいっそ、ルクスとクラインで勝負してみたらどうだ?」
「お、それいいな! それだったら優劣がはっきりするしな!」

 だが、話は思いもよらない方向へ進み、いつの間にか俺とクラインが対決する流れになってきた。

「一騎打ち対決をして勝った方がこのクラスのリーダーになる! 実力至上主義の帝国魔法学校らしいやり方じゃないか!」

 一人のクラスメイトの提案に、たちまち賛同の声が広がっていった。
 流石に看過できず、俺は口を挟む。

「いや、待ってくれ。別に俺はそもそもこのクラスのリーダーになりたいわけじゃ」
「おい、逃げるのかよ、無能皇子」

 俺が断ろうとすると、俺の声を遮ってクラインが挑発してきた。
 小馬鹿にするような目で俺のことを見ながら、煽るような表情を浮かべている。

「いいじゃないか、一騎打ちでリーダーを決める。実に俺好みのやり方だ。一番手っ取り早くわかりやすい。あんたもそれなら文句ないだろ? 皇子様?」
「だから別に俺はこのクラスのリーダーになりたいとは一言も」
「はっ。そうやって逃げるのかよ、腰抜けが。俺に負けるのが怖いのか? 単に無能なだけじゃなくて度胸までないんだな? 皇子なら帝国民の手本となるべきだよな? 勝負から逃げるような腰抜けのくせに人の上に立とうとするなんて厚顔無恥もいいところじゃないか? 恥ずかしすぎて俺にはできないね」
「ちょ、ちょっとそんな言い方ないよ! ルクスの実力は本物で」
「だったらそれを証明すればいいだけだよな?」

 ニーナが俺を庇おうとするが、そんな彼女を手で制し、クラインは俺の元まで歩いてきた。
 俺に顔を近づけて詰め寄ってくる。

「こんな小さなクラスすら率いることができない奴が、帝国を統率できるはずがないよな?」
「……」
「あんたの力を見せてくれよ、皇子様。みんな、期待してるぜ?」
「……」

 俺はチラリと他の生徒たちを見た。
 クラインの言う通り、俺に期待の目を向ける生徒は多かった。
 彼らのほとんどはこの国の特権階級の子息子女であり、将来帝国において重要な役割を果たすことが予想される人材ばかりだ。
 そんな彼らの前で情けない姿を見せるのは、次期皇帝の座を狙う者としてはあまり印象が良くないかもしれない。

「どうなんだ? 勝負、やるのか? やらないのか?」
「わかった」

 俺はクラインの目を正面から見据えながら言った。

「勝負を受けよう。一騎打ちでこのクラスのリーダーを決める提案に、同意する」


   ◇ ◇ ◇


 魔法学校の敷地内にある訓練用の広場で、俺はDクラスの生徒たちに囲まれてクラインと対峙していた。
 別段俺自身はクラスのリーダーにこだわりはないのだが、あそこまでクラインに煽られて引き下がるとクラスメイトたちに意気地なしと思われてしまうかもしれない。
 今後のことを考えると、この戦いは受けた方がいいと思った。

「どっちが勝つと思う?」
「ル、ルクス皇子じゃないか?」
「クラインが勝つかもしれない……そうなったらDクラスのリーダーはあいつだ……」
「でも、もし今朝の魔力鑑定の結果が魔道具の故障なんかじゃなくて本物なら……クラインに勝ち目はないだろうな……」
「それはそうだが、ルクス皇子が本当に伝説級の魔力を持っているとはどうしても思えない……そんな皇子が一時でも無能皇子だなんて呼ばれるか?」
「それもここで明らかになるだろ。実技テストで的を破壊して試験官を倒したとか、ラーズ商会のカイザーを魔法で気絶させたとか、色々噂は聞いても俺はまだルクスの本当の実力を目にしていないんだ……」
「もし噂の数々が本当ならDクラスに配属されたのも謎だしな……」

 周囲にいたDクラスの生徒たちは互いにヒソヒソと会話しながら俺たちのことを見ている。
 期待の眼差しを向ける者。俺の実力に懐疑的な者。
 見た感じ半々といったところか。

「ルクス頑張って! ルクスなら絶対に勝てるよ!」

 ただ一人、俺に絶大な信頼を置いて応援してくれているのがニーナだ。
 落ち着いた表情で、俺の勝ちを確信しているかのようだった。
 俺はそんな彼女の声援に手を上げて応えてから、改めて十メートル程先に立っているクラインに向き直った。

「おい、ルクス。準備はいいか?」

 勝てるという自信があるのか、ニヤニヤとした余裕の笑みを浮かべていたクラインが俺にそう尋ねてきた。
 俺はそんなクラインに頷きを返す。

「ああ、いつでも構わない」
「ククク……このクラスの王は誰かってことを身をもって教えてやるよ」

 クラインは自分が負けることなど少しも考えていないようだ。
 周りを取り巻いているクラスメイトたちに命令する。

「おい誰か。審判をやれよ。始まりの合図を出せ」
「わ、わかった! 俺がやる!」

 一人の男子生徒が輪の中から出てきて、俺たちの間に立った。
 そして片手を高く振り上げ、俺たちを交互に見る。

「両者構えて……始めっ!」

 腕が振り下ろされ、勝負が始まった。
 俺もクラインも、勝負が始まって数秒の間は互いに出方を見ており、動きはなかった。
 緊張した数秒間の静寂のあと、クラインが煽るように言ってきた。 

「おい、ルクス。どうした? 来ないのか?」
「そっちこそ、何もしなくていいのか? 勝負はもう始まっている」
「はっ。俺が攻撃したらすぐに終わっちまうだろうが。先手は譲ってやるよ、皇子様?」
「それはこっちのセリフだ」

 俺は構えも取らず、ただその場に棒立ちになりながらクラインに言った。

「俺が先手を取ったらお前の反撃はない。だから……先手は譲る」
「……っ」

 俺の言葉がクラインに火をつけたようだ。
 彼の顔が真っ赤に染まっていく。 
 別に煽るつもりはなく事実を告げただけなのだが、クラインを完全に怒らせてしまったようだ。

「後悔すんなよ、無能皇子!」

 そう叫んだクラインが、次の瞬間魔法を撃ってきた。
 だが、その軌道はどう見ても俺の体を捉えていない。
 俺はその場から動かず、防御魔法も発動しなかった。
 クラインの魔法が俺の足元に着弾し、小さく爆発した。

「うおっ!?」
「速っ!?」
「えっ!?」
「すげぇ!」
「今の魔法か!?」
「なんという発動速度なんだ……」

 見物していたクラスメイトたちがざわついた。
 みんな、クラインが魔法を発動する速度に驚愕しているようだった。

「ククク……反応すらできなかったようだな? これが俺の魔法だ」

 クラインがドヤ顔でそんなことを言った。

「魔法名門のアルレルト家の中でも俺の魔法発動速度は歴代最強だ! おいルクス。正直に言えよ? お前今、俺の魔法を目視することすらできなかったんじゃないか?」
「いや、できていたが?」
「嘘をつくな。お前は棒立ちのままで反応すらできてなかったじゃないか」
ける必要がなかったから動かなかっただけだ」
「はっ。強がるなよ? 俺の魔法を認識すらできなかったくせに」

 俺は事実を言っただけなのだが、どうやらそれをクラインは強がりの嘘だと解釈したらしい。
 クラインが俺をせせら笑う。

「これでわかっただろ? 俺の実力が。今回はわざと外してやったが、その気になればお前の体に命中させることもできた。きっと俺が本気になれば、お前は何をされたのか認識すらできないうちに魔法を喰らって気絶することになるだろうな。俺が先手を取ればお前は防御魔法を展開すらできないまま負ける。だから先手を譲ってやるって言ったんだよ」
「……」

 クラインが格下に接するかのような態度で俺を顎でしゃくり、攻撃を促す。

「ほら、わかったらさっさと魔法を撃ってこいよ。一応皇子だからな? 魔法一発も撃てずに負けましたなんて学校中に広まったら恥だろ? 花を持たせてやるよ。お前の魔法を俺に見せてみろ」
「はぁ」

 俺はため息を吐いた。
 完全に勘違いをしているクラインだ。
 俺が口で何を言ってもおそらく信じないだろう。
 だったら実際に力を見せた方が早い。

「ほら、早く撃ってこいよ。俺の防御魔法に弾き返されるのが怖いのか?」
「……」
「こっちが先に魔法を使ったりはしないぜ? 俺は攻撃魔法だけじゃなくて防御魔法の発動速度においても最強だからな。お前の魔法発動を見てからでも十分に防御が間に合っ」

 バババァン!! 

「「「……っ!?」」」
「ふぁっ!?」

 何やらクラインがぺちゃくちゃしゃべっていたが、俺は気にせずクラインの足元に魔法を撃った。
 クラスメイトたちが驚いてのけぞり、クラインの口から素っ頓狂な声が漏れる。
 どうやらクラインは俺が三発同時に放った魔弾を認識すらできなかったようだ。

「い、今何が!?」
「爆発したぞ!?」
「なんだ今の!?」
「まさかルクスの魔法か!?」
「あ、あり得ねぇ……速すぎる……」
「に、認識すらできなかった……」
「何も見えなかったぞ……」
「どうなってんだ!?」

 クラスメイトたちからどよめきの声が漏れる。

「なな、何が!?」

 俺は爆発した自分の足元を見て取り乱しているクラインに声をかけた。

「おい、大丈夫か?」
「え……?」
「防御魔法。全然間に合ってなかったぞ?」
「え……? え……?」
「次は当てるからな? しっかりと防御しろよ?」
「ま、まさか……今のはお前の魔法……?」
「それ以外に何がある?」

 クラインが顔面蒼白で現実を否定するように首を横に振った。

「いやいや、あり得ないだろ……なんだ今の……もし本当にあれが魔法なら……アルレルト家最速の俺より全然……」
「おい、次の攻撃行くぞ」

 俺は魔法を使用した。
 クラインは慌てて防御魔法を展開しようとする。
 だが、間に合わなかった。
 バァン! 

「ぐわぁああああああ!?」

 クラインは俺の魔弾をまともに喰らって吹っ飛んでいった。
 もちろん威力は調整してある。
 数秒間宙を舞ったあと、クラインの体が地面に叩きつけられる。

「う、ぐぉおお……」

 呻き声を上げながら、倒れているクラインに俺はゆっくりと歩み寄る。

「な、何をした……お前……っ。この俺にっ」
「普通に魔法を発動しただけだが?」
「う、そをつくな……な、何も見えなかったぞ……」
「……そうか」

 はぁ、とため息を吐き、狼狽うろたえるクラインを見下ろしながら俺は言った。

「何をされたのかもわからずに倒されたのはお前の方だったな」
「……っ!?」

 クラインは悔しげな表情を浮かべ、必死に立ち上がろうとするが、結局体のダメージが思ったより大きかったのか、そのまま白目を剥いて気絶してしまった。


   ◇ ◇ ◇


 帝国魔法学校入学二日目。
 昨日同様、馬車で登校してきた俺が教室へ入ると、Dクラスのクラスメイトたちが一斉に俺の元に集まってきた。

「ルクスが来たぞ!」
「ルクスくんおはよう!」
「ルクスおはよう!」

 みんなが俺を取り囲み、口々に挨拶をしてくる。

「ああ、おはよう」

 俺は彼らに頷きを返しながら教室をぐるりと見回した。
 ほとんどの生徒が俺の元に集まってきている中で、一人だけ席に座っている生徒がいた。
 昨日一騎打ちをしたクラインだ。
 俺と目が合うと、気まずそうに視線を逸らして俯いた。
 どうやら昨日の勝負で完全にDクラスの生徒たちは俺をこのクラスのリーダーだと認めたようだった。
 俺は自分の周りにいるクラスメイトたちを見る。
 全員が俺に期待するような眼差しを向けていた。
 望んでこうなったわけではないが、リーダーになってしまった以上、全力を尽くすつもりだ。
 元々一週間後のクラス対抗戦では勝って上のクラスに上がろうと考えていた。
 クラスメイトの協力が得られればさらにやりやすくなるだろうし、上のクラスに上がるために最大限、今の立場を活用するのも手だろう。

「ルクスくん昨日はすごかったね!」
「ルクス……お前って本当に強かったんだな!」
「疑って本当に悪かった! このクラスのリーダーはお前だ!」
「ルクスがいれば俺たちクラス対抗戦で勝てるかもしれないぞ!」
「今日から一緒に頑張ろう? ルクスくん。私たちに魔法を教えてね?」
「ルクス。俺たちはお前についていくぜ。できることがあればなんでも言ってくれ」

 クラスメイトたちが希望に満ちた表情でそんなことを言ってくる。
 どうやら昨日の俺とクラインの勝負を見て、もしかしたら勝てるかもしれないと、絶望的だと思っていたクラス対抗戦に希望を持ち始めたらしい。

「ああ。みんなで頑張っていこう」

 自分の魔法鍛錬の時間が削られるのは少し痛いが、今日から一週間は彼らの魔法指導に時間を費やさなければならないだろう。
 短い期間でどれだけ教えられるかは定かではないが……

「おはよう、ルクス」
「ニーナか。おはよう」

 俺が自分の席に着くと、ちょうど今教室へやってきたらしいニーナが挨拶をしてきた。

「一日ですっごい人気者になっちゃったね、流石ルクス」
「そうか?」
「そうだよ! ……もー、みんな、すぐに手のひらを返して……ルクスが強いことなんて最初っからわかってたのに……」

 ニーナが少し頬を膨らませてそんなことを言う。
 俺の実力に懐疑的だったクラスメイトたちが、昨日の勝負を見て全員完全に手のひらを返した状況があまり面白くないのかもしれない。

「ニーナは最初っから俺を応援してくれていたもんな。ありがとう」
「……っ……う、うん、当然だよ」

 俺が昨日の声援のお礼を言うと、少し不機嫌そうだった表情は一転、頬が赤く色づいて挙動不審になる。
 そのままなぜかちょっとぎこちないニーナと会話をしていると、やがて担任教師のリーザが教室へとやってきた。

「お前ら席に着けー? 授業始めていくぞー」

 入学初日は魔力鑑定やカリキュラムの説明のみだった。
 二日目の今日から、いよいよ帝国魔法学校の本格的な授業が始まる。
 みんなリーザの声を聞いてすぐに席に着き、教材を机の上に並べ、緊張した面持ちで教壇の上に立つリーザを見る。

「全員いるな? よし、じゃあ今日から本格的に授業やってくぞー。ついてこれない奴は置いてくからなー。真面目に聞いとけよー」

 リーザは教室全体を見渡し、生徒たちの真剣な表情に一瞬満足そうに口元を歪めたあと、授業に入っていく。
 生徒たちは姿勢を正し、リーザの言葉を集中して聞きながら、ノートにペンを走らせる。

しおりを挟む
表紙へ
感想 119

あなたにおすすめの小説

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!

秋田ノ介
ファンタジー
 主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。  『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。  ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!! 小説家になろうにも掲載しています。  

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 連載希望のコメントをいただきましたので、 連載に向け準備中です。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。