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社畜とファンタジーの相性は抜群なんですよ
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「くっくっよく来たな」
「あなたは何者なんですか?」
「謎の研究所のものといえばわかるだろうか、それで君には選択を与えよう、どちらかを選びたまえ」
スポットライトが当たる。
「Aと書かれた扉にはSD1539がいる
隣のBという扉にはそれ相応の謝礼、君が仕事をやめて新しい道を歩むぐらいにはなるだろう、どっちかを選ぶといい」
迷うことなく、TさんはAの扉を選んだ。
その奥にはSD1539こと、黒舌さんがいた。
「あれ?向こうを選ばなかったのかい?」
「なんでそんなことをいうんですか?僕に来てほしくなかったんですか?」
「テルさんの幸せを祈っている、その言葉は以前言ったと思うけどもさ、だからこそ、まとまったお金を選んだ方がよくないかとも私は思ったよさ」
「愛する黒舌さんを失うことになっても?」
「そこはやっぱり私は蛇だからさ」
「お金じゃ黒舌さんは換算できない」
「でもさ、そこは現実見たらどうだろうか、テルさんは会社で苦労しているわけだからさ」
「それはそうです、でも大事なのは僕があなたを好きだってことですから!初めての時なんて可愛かったじゃないですか、手とか震えてました、そこを握って安心させて」
ボッ
黒舌さんは瑠璃色をしているのだが、それが照れの赤を足してしまい、体の色が変わった。
「テルさん、そういう誤解されるようないいかたを!」
こちらはこの間したチューでのことです。
それ以外の意図は決してありません。
「婚姻色じゃん!」
「うわ~」
研究所の人たちはマイクをオンにしたまま慌てているようだ。
「コンインショク?」
「黒舌さんのその色、結婚を意識しちゃったって奴ですよ」
「結婚を!誰が!」
「それは…ね…」
Tさんは嬉しそうである。
そのまま研究所の人たちが、部屋までやってきて。
「すいません、写真を撮影していいですか?」
「どうぞ」
「実物で見ると、やっぱり違うな」
なんて言われながら、たくさん撮影されたあと。
「すいません、いきなりTさんにこんなことをしてしまいまして」
「いえ、大丈夫です、覚悟はしていますから」
そこでTさんはチラッと黒舌さんを見た。
「もう家に帰ってもよろしいですか?」
黒舌さんがいうと。
「構いませんよ」
研究員は婚姻色のデータに大喜びしている。
まるで出入りの業者、営業みたいな顔してTさんは研究所から出てきたが、隣には人間に化けた黒舌さんこと、梗原瑠梨(きょうはら るり)がいる。
「バス停があるんだけども、これで長いこと待たされるなら、お金はかかるがタクシーだね」
「急に僕も連れてこられましたからね」
「ごめんね」
「何いってるんですか?」
「不快な思いをさせたと思うからさ」
「大丈夫ですよ、これはちゃんと意味がある試しという奴ですよ」
「それは確かにそうなんだけどもね」
「瑠梨さんのこと、裏があると思っていたのかなって」
「たぶんね、やっぱりお金があると人は変わるというからね」
特にSD1539は話してみればこいつ簡単に騙せるんじゃないかと、悪い考えが浮かぶやつがいるのではないかとされている。
「何もしゃべらずに、舌をチロチロさせて、ただ座っているだけでお披露目とかされていたからな」
商店街の店主たちは大抵その姿しか見ていない。
「自分の身を守るためにそうしておけってね」
「じゃあ、なんで僕には優しかったんですか?」
「わかんないよ、あの日私の背中にテルさんは落ちてきた」
どうしようと思ったけども。
「怯えるわけではなく、泣くわけでもなく」
「あの時、将来も何も考えてなかったからかもそれない、この間言われたんですけどもね、社畜とファンタジーの相性は抜群なんですよ」
「えぇ、そんなこと言われると困っちゃうよ」
バスが来るまでには時間があるから、二人は待つことにした。
「だったらなおのこと、さっきお金を選んでも良かったんじゃない?」
「そうしたら僕の人生に瑠梨さんがいなくなるじゃないか」
「お金さえあれば、人生は変わるし、また誰かを好きになるんじゃないかな、趣味に生きるのも楽しいとは思うよ」
「どうしてそんなに拒絶するんですか?この話題になると」
「やっぱり私があぁだからね、商店街の人たちとTさんは違うし」
「どこか違うんですか?」
「ええっと、変な意味じゃなくて、商店街に関わらなくても生きていけるからな」
「瑠梨さんは何か離れられないとかあるんですか?」
「一応私はその正体から、商店街作りの風水っていうのかな、町作りの基礎にも関わっていて」
「えっ?」
「ええっとね、寝床あるじゃん、あの場所がそうなんだよ、聞いたことがないかな、四神相応とかさ」
「あっ、ファンタジーで出てくるやつ、青龍とか朱雀とか」
「そうそうあの商店街ってさ、そういうのをモリモリに考えられている土地に作られているの」
「えっ?でも瑠梨って何になるんですか?」
「あ~それね、今のテルさんみたいに迷ってた」
蛇?竜?
「で、結局どうなっているんですか?」
「北東と南南東に組合のビルを中心にして繋げることで、どっちもを実現」
北東が青龍と玄武の間、南南東が辰と巳の間という意味らしい。
「それでいいんだ」
「さすがに詳しくはわからないけども、あの商店街は今もその手の専門家、アドバイザーはいるから」
「へぇ、そうなんだ」
「私の名字もそこから来ているんだ」
名前を梗原(きょうはら)シャコという。
「名字が珍しいから、その名前を名乗ると、自動的に親類に見られるけどもさ。たぶん向こうはそれも狙っているのかなと思うけど…」
「どういう人なんですか?」
「ええっとその人は襲名制なんだ、初代はこの間テルさんと食事をしたホテルの建築家さん、今は三代目だったはず、ただあの辺も取り決めが私たちが生まれる以前に決められているから、知らないこともかなり多いかな」
「瑠梨さん…」
「ごめんね、難しいこといっぱい話しちゃったよ」
「バス遅いですね」
「そ、そうだね」
えっ?バスが来るのは何分だっけ?と時刻を確認しようとすると、テルは瑠梨の手を握った。
「あなたは何者なんですか?」
「謎の研究所のものといえばわかるだろうか、それで君には選択を与えよう、どちらかを選びたまえ」
スポットライトが当たる。
「Aと書かれた扉にはSD1539がいる
隣のBという扉にはそれ相応の謝礼、君が仕事をやめて新しい道を歩むぐらいにはなるだろう、どっちかを選ぶといい」
迷うことなく、TさんはAの扉を選んだ。
その奥にはSD1539こと、黒舌さんがいた。
「あれ?向こうを選ばなかったのかい?」
「なんでそんなことをいうんですか?僕に来てほしくなかったんですか?」
「テルさんの幸せを祈っている、その言葉は以前言ったと思うけどもさ、だからこそ、まとまったお金を選んだ方がよくないかとも私は思ったよさ」
「愛する黒舌さんを失うことになっても?」
「そこはやっぱり私は蛇だからさ」
「お金じゃ黒舌さんは換算できない」
「でもさ、そこは現実見たらどうだろうか、テルさんは会社で苦労しているわけだからさ」
「それはそうです、でも大事なのは僕があなたを好きだってことですから!初めての時なんて可愛かったじゃないですか、手とか震えてました、そこを握って安心させて」
ボッ
黒舌さんは瑠璃色をしているのだが、それが照れの赤を足してしまい、体の色が変わった。
「テルさん、そういう誤解されるようないいかたを!」
こちらはこの間したチューでのことです。
それ以外の意図は決してありません。
「婚姻色じゃん!」
「うわ~」
研究所の人たちはマイクをオンにしたまま慌てているようだ。
「コンインショク?」
「黒舌さんのその色、結婚を意識しちゃったって奴ですよ」
「結婚を!誰が!」
「それは…ね…」
Tさんは嬉しそうである。
そのまま研究所の人たちが、部屋までやってきて。
「すいません、写真を撮影していいですか?」
「どうぞ」
「実物で見ると、やっぱり違うな」
なんて言われながら、たくさん撮影されたあと。
「すいません、いきなりTさんにこんなことをしてしまいまして」
「いえ、大丈夫です、覚悟はしていますから」
そこでTさんはチラッと黒舌さんを見た。
「もう家に帰ってもよろしいですか?」
黒舌さんがいうと。
「構いませんよ」
研究員は婚姻色のデータに大喜びしている。
まるで出入りの業者、営業みたいな顔してTさんは研究所から出てきたが、隣には人間に化けた黒舌さんこと、梗原瑠梨(きょうはら るり)がいる。
「バス停があるんだけども、これで長いこと待たされるなら、お金はかかるがタクシーだね」
「急に僕も連れてこられましたからね」
「ごめんね」
「何いってるんですか?」
「不快な思いをさせたと思うからさ」
「大丈夫ですよ、これはちゃんと意味がある試しという奴ですよ」
「それは確かにそうなんだけどもね」
「瑠梨さんのこと、裏があると思っていたのかなって」
「たぶんね、やっぱりお金があると人は変わるというからね」
特にSD1539は話してみればこいつ簡単に騙せるんじゃないかと、悪い考えが浮かぶやつがいるのではないかとされている。
「何もしゃべらずに、舌をチロチロさせて、ただ座っているだけでお披露目とかされていたからな」
商店街の店主たちは大抵その姿しか見ていない。
「自分の身を守るためにそうしておけってね」
「じゃあ、なんで僕には優しかったんですか?」
「わかんないよ、あの日私の背中にテルさんは落ちてきた」
どうしようと思ったけども。
「怯えるわけではなく、泣くわけでもなく」
「あの時、将来も何も考えてなかったからかもそれない、この間言われたんですけどもね、社畜とファンタジーの相性は抜群なんですよ」
「えぇ、そんなこと言われると困っちゃうよ」
バスが来るまでには時間があるから、二人は待つことにした。
「だったらなおのこと、さっきお金を選んでも良かったんじゃない?」
「そうしたら僕の人生に瑠梨さんがいなくなるじゃないか」
「お金さえあれば、人生は変わるし、また誰かを好きになるんじゃないかな、趣味に生きるのも楽しいとは思うよ」
「どうしてそんなに拒絶するんですか?この話題になると」
「やっぱり私があぁだからね、商店街の人たちとTさんは違うし」
「どこか違うんですか?」
「ええっと、変な意味じゃなくて、商店街に関わらなくても生きていけるからな」
「瑠梨さんは何か離れられないとかあるんですか?」
「一応私はその正体から、商店街作りの風水っていうのかな、町作りの基礎にも関わっていて」
「えっ?」
「ええっとね、寝床あるじゃん、あの場所がそうなんだよ、聞いたことがないかな、四神相応とかさ」
「あっ、ファンタジーで出てくるやつ、青龍とか朱雀とか」
「そうそうあの商店街ってさ、そういうのをモリモリに考えられている土地に作られているの」
「えっ?でも瑠梨って何になるんですか?」
「あ~それね、今のテルさんみたいに迷ってた」
蛇?竜?
「で、結局どうなっているんですか?」
「北東と南南東に組合のビルを中心にして繋げることで、どっちもを実現」
北東が青龍と玄武の間、南南東が辰と巳の間という意味らしい。
「それでいいんだ」
「さすがに詳しくはわからないけども、あの商店街は今もその手の専門家、アドバイザーはいるから」
「へぇ、そうなんだ」
「私の名字もそこから来ているんだ」
名前を梗原(きょうはら)シャコという。
「名字が珍しいから、その名前を名乗ると、自動的に親類に見られるけどもさ。たぶん向こうはそれも狙っているのかなと思うけど…」
「どういう人なんですか?」
「ええっとその人は襲名制なんだ、初代はこの間テルさんと食事をしたホテルの建築家さん、今は三代目だったはず、ただあの辺も取り決めが私たちが生まれる以前に決められているから、知らないこともかなり多いかな」
「瑠梨さん…」
「ごめんね、難しいこといっぱい話しちゃったよ」
「バス遅いですね」
「そ、そうだね」
えっ?バスが来るのは何分だっけ?と時刻を確認しようとすると、テルは瑠梨の手を握った。
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