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新しい目標が見えたような気がした
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「じゃ、お手本を見せるから」
瀬旭(せきょく)はあまりこういう人ではない。
なんかいつも適当なのよ、あの人は…
付き合いが長くて深い人からはそういわれるような人間性を持っている。
だからこそ、学ぶために見せるというのは本当になかった。
「そこはあいつも大人になったんだと思うんだよ」
覆木(おおうき)は言う。
「でもミツが諦めずに追いかけてくれるのが一番嬉しいんだろうね」
仕事で向かった異世界、数少ない助力者それが螺殻(らがら)ミツであった。
「じゃあ、俺は迎えに行くから、何かあたたかいものをお願い」
「わかりました」
水芭(みずば)に任せて、二人を迎えに行く。
「すぐには出来ないものだから、頑張りすぎは体に毒だよ」
見本通りにはなかなか上手くいかないので、ミツは葛藤の中でガムシャラに動いている。
瀬旭は困っているようだ。
「でもどうしても覚えたいんですよね」
「はーい、そこまで」
「覆木~」
「お疲れ様です」
「そろそろ時間だから迎えに来たんだけども、何を悩んでいるんだい?」
「瀬旭さんに教えてもらったことが上手くできなくて」
「あ~そういうことか」
「はい、言っていることはわかるんですけども、実際にやってみると、どうしても動けない」
「こいつの真似ができたやつなんて、今まで存在しないよ」
「まぁ、そのぐらいオリジナリティ溢れる存在っていうのかな」
「真似しようとした奴らが才能さを感じて、どんどん離脱していくタイプかな」
「それは…わかります」
「それならいいところだけ取り入れちゃえばいいさ」
「そういうものですかね」
そこに何かの気配があった瞬間に、瀬旭よりも早く覆木が抜いた。
「ん~ごめん、ごめん、話の最中に」
「いいえ、問題ありません」
困っている顔のミツに、悔しそうな瀬旭。
「こっちも気づいていたんだからね!」
「そこは早い者勝ちじゃないかな」
もちろんミツも気がついた時には、反射的に動いたが、もうその時には決まってたというやつだ。
「瀬旭も俺も、誰かの真似をしてここまで来たわけじゃないんだ、そりゃあ影響は受けるけどもね、自分なりのやり方を見つけてここに立ってるってことさ…けどもさ、瀬旭、お前、本当に見積り下手だよね」
「そういうわけでもないんだけどもさ」
「とりあえず、今日は終了、戻るから、手を洗ってきなさい」
「はい、わかりました」
ミツが離れると。
「さっきの見積りの話になるんだもさ、ミツと二人だと、教えることにならないぐらい、昔から注意受けていた撃ちもらししないじゃん」
「そうだっけ?」
「そうだよ、ミツの腕だと、そのサポート、それこそ今までは水芭が、お前のその癖のフォローしてたから、そこを足掛かりにして、覚えてもらえたらって思っていたんだけども、ミツがいると、ミツの出番がないぐらい決めるからな」
「お父さんだからね、つい頑張っちゃうんだよ」
「それもわかるんだけどもさ、そうすると、ミツの勉強にならないでしょ!っていう話」
「でもさ、お父さんだと格好いいところを見せたい、うちのお父さんは本当にダメで、ゴロゴロして、よそのお父さんがうらやましいですよって言われでもしたら、三日は寝込める」
ミツの教育は進んではいるが、所々停滞しているのは、この教えている方の都合にもよるらしい。
「barを経営しているのは、悩んでいるよりは、美味しい食事や時間を提供した方がマシだからって、先代の教えですね」
先代はbarを担当していた、この事務所を立ち上げた時にいた人である。
「なんで腕をあげているのに、ジャガイモの皮を剥かされているんだろうなって思ったよ。食事がつくのはうれしいんだけどもね」
「水芭さんはお二人を見てどう思いますか?」
「あの二人の真似は出来ないって思うね、それよりかは二人のフォローに、あの人たちはすごいけども、完璧ではないから
ここに欲しいと思っているんだろうなとか、補給の時間を作るってことを意識したかな、そこから任せてくれるようになったって、あの人たちは超絶技術でいつも何とかしているんだよね、何とかなっているうちはいいけども、人生ってそういうものでもないからね…たださ」
「なんです?」
「もうここまで来ると、あの人たちが失敗するってことがもう起きないんじゃないかって感じてる」
「う~ん、それは~」
「目の前で見すぎたんだろうね、だからもしもその時が来たら、オレが一番ショック受けそう」
一番近くで見てきてしまった故の障害。
「じゃあ、私はその時までには、来てはほしくはありませんが、その時までに任せてもらえるようにはしたいですね」
その時みんなを支えるんだ。
新しい目標が見えたような気がした。
「そうだね。ジャガイモは蒸かし終わったからさ、二人を呼びにいって」
「わかりました」
ミツが二階に向かうと、水芭はその間にハムやキュウリなどを合わせて、ポテトサラダを作りきった。
「今日はなんなの?」
三人がやってくると。
「おすすめはポテトサラダですね」
「ジャガイモが熟成終わったんですよ」
「そうなんだよ、収穫してすぐのものもいいんだけども、低温熟成かけたものはとってもいいよ」
「水芭のことだから旨いもの作ったんだろうなってしか、話を聞いててもわからないけどもさ」
「そういうのはわかっていても、お口に出さない」
四人はいつものように食事を囲み始めた。
瀬旭(せきょく)はあまりこういう人ではない。
なんかいつも適当なのよ、あの人は…
付き合いが長くて深い人からはそういわれるような人間性を持っている。
だからこそ、学ぶために見せるというのは本当になかった。
「そこはあいつも大人になったんだと思うんだよ」
覆木(おおうき)は言う。
「でもミツが諦めずに追いかけてくれるのが一番嬉しいんだろうね」
仕事で向かった異世界、数少ない助力者それが螺殻(らがら)ミツであった。
「じゃあ、俺は迎えに行くから、何かあたたかいものをお願い」
「わかりました」
水芭(みずば)に任せて、二人を迎えに行く。
「すぐには出来ないものだから、頑張りすぎは体に毒だよ」
見本通りにはなかなか上手くいかないので、ミツは葛藤の中でガムシャラに動いている。
瀬旭は困っているようだ。
「でもどうしても覚えたいんですよね」
「はーい、そこまで」
「覆木~」
「お疲れ様です」
「そろそろ時間だから迎えに来たんだけども、何を悩んでいるんだい?」
「瀬旭さんに教えてもらったことが上手くできなくて」
「あ~そういうことか」
「はい、言っていることはわかるんですけども、実際にやってみると、どうしても動けない」
「こいつの真似ができたやつなんて、今まで存在しないよ」
「まぁ、そのぐらいオリジナリティ溢れる存在っていうのかな」
「真似しようとした奴らが才能さを感じて、どんどん離脱していくタイプかな」
「それは…わかります」
「それならいいところだけ取り入れちゃえばいいさ」
「そういうものですかね」
そこに何かの気配があった瞬間に、瀬旭よりも早く覆木が抜いた。
「ん~ごめん、ごめん、話の最中に」
「いいえ、問題ありません」
困っている顔のミツに、悔しそうな瀬旭。
「こっちも気づいていたんだからね!」
「そこは早い者勝ちじゃないかな」
もちろんミツも気がついた時には、反射的に動いたが、もうその時には決まってたというやつだ。
「瀬旭も俺も、誰かの真似をしてここまで来たわけじゃないんだ、そりゃあ影響は受けるけどもね、自分なりのやり方を見つけてここに立ってるってことさ…けどもさ、瀬旭、お前、本当に見積り下手だよね」
「そういうわけでもないんだけどもさ」
「とりあえず、今日は終了、戻るから、手を洗ってきなさい」
「はい、わかりました」
ミツが離れると。
「さっきの見積りの話になるんだもさ、ミツと二人だと、教えることにならないぐらい、昔から注意受けていた撃ちもらししないじゃん」
「そうだっけ?」
「そうだよ、ミツの腕だと、そのサポート、それこそ今までは水芭が、お前のその癖のフォローしてたから、そこを足掛かりにして、覚えてもらえたらって思っていたんだけども、ミツがいると、ミツの出番がないぐらい決めるからな」
「お父さんだからね、つい頑張っちゃうんだよ」
「それもわかるんだけどもさ、そうすると、ミツの勉強にならないでしょ!っていう話」
「でもさ、お父さんだと格好いいところを見せたい、うちのお父さんは本当にダメで、ゴロゴロして、よそのお父さんがうらやましいですよって言われでもしたら、三日は寝込める」
ミツの教育は進んではいるが、所々停滞しているのは、この教えている方の都合にもよるらしい。
「barを経営しているのは、悩んでいるよりは、美味しい食事や時間を提供した方がマシだからって、先代の教えですね」
先代はbarを担当していた、この事務所を立ち上げた時にいた人である。
「なんで腕をあげているのに、ジャガイモの皮を剥かされているんだろうなって思ったよ。食事がつくのはうれしいんだけどもね」
「水芭さんはお二人を見てどう思いますか?」
「あの二人の真似は出来ないって思うね、それよりかは二人のフォローに、あの人たちはすごいけども、完璧ではないから
ここに欲しいと思っているんだろうなとか、補給の時間を作るってことを意識したかな、そこから任せてくれるようになったって、あの人たちは超絶技術でいつも何とかしているんだよね、何とかなっているうちはいいけども、人生ってそういうものでもないからね…たださ」
「なんです?」
「もうここまで来ると、あの人たちが失敗するってことがもう起きないんじゃないかって感じてる」
「う~ん、それは~」
「目の前で見すぎたんだろうね、だからもしもその時が来たら、オレが一番ショック受けそう」
一番近くで見てきてしまった故の障害。
「じゃあ、私はその時までには、来てはほしくはありませんが、その時までに任せてもらえるようにはしたいですね」
その時みんなを支えるんだ。
新しい目標が見えたような気がした。
「そうだね。ジャガイモは蒸かし終わったからさ、二人を呼びにいって」
「わかりました」
ミツが二階に向かうと、水芭はその間にハムやキュウリなどを合わせて、ポテトサラダを作りきった。
「今日はなんなの?」
三人がやってくると。
「おすすめはポテトサラダですね」
「ジャガイモが熟成終わったんですよ」
「そうなんだよ、収穫してすぐのものもいいんだけども、低温熟成かけたものはとってもいいよ」
「水芭のことだから旨いもの作ったんだろうなってしか、話を聞いててもわからないけどもさ」
「そういうのはわかっていても、お口に出さない」
四人はいつものように食事を囲み始めた。
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