浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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お肌が綺麗になるダンジョン

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「クリスマスはどうしでした」
「クリスマスが何事もなく、当たり前のように終わるとは思わなかった」
KCJの職員がこう聞いてくるのは訳もある。「やっぱり転移してしばらくは様子見ないと怖いですからね」
帰還してももう一回召喚されるパターンもあるらしい。
それこそ呪いの類いは…
無念の、ここで終わってしまうのか。そういう転移被害者が出ている場合、それはほとんどの場合、そんな人たちはいるとされているが、そういう人たちは、自分達より後に来た召喚被害者に恨みを持っていたりする。
お前も召喚されてしまえとかもそうだし、帰還したとなると、自分は帰れないのにお前たちは帰るのかという。感情的な理由で恨み始めたりした。
「それでも世界を隔てる壁は、そんな恨みでは越えられないんだよね」
その壁の前では、チリの1つらしい。
しかしその壁を越えるほどの強い力ならば、帰還した被害者の元に災いを起こす。
「連れて帰っちゃうとかね、まあ、サンタいると、それも防げるけども」
おっ、また召喚されちゃったか、大丈夫、サンタさんが助けに行くよ
そこで呪いを発見した場合。
「良い子の元にはサンタさんが来るんだよ」
俺の元には来なかったな。
「ごめんね、間に合わなくて」
どんどんと呪いは荒くなり、それをサンタは引き受ける。
言葉も聞くに聞けない罵詈雑言になっているようだか、サンタは平然としていた。
「それでいいかな?」
その返事でまた罵詈雑言なのだろうか、静電気みたいなのがバチパチ起きている。
「はっはっはっ」
向こうは死したことを恨んでいる、何故に迎えに来なかったのか、訴えているようだ。
「君はもうとんでもないことをしたのはわかってるのかな?関係ない子を再召喚させてしまった、強制異世界転移させるというのはとても問題になっていてね、相手が人ではない場合ももちろん、元人であっても、断固として我々は引かないということになってるんだ。それが増長させるという意見もあるがね」
おとなしく異世界転移されろというのか。
「被害にあったことない奴はのんきだよ、どういうことなのかわからないんだから」
加護はあったとしても微々たるものであることは多く、ほぼサバイバルとされている。
「元々勉強も人付き合いもうまくいっているという、性格の持ち主が帰還しやすいとか、身も蓋もないデータが残ってるよ。そういう人たちはその後も、召喚された世界関連のお仕事についたりして上手くいっていることは多いね」
資源見つかりました、企業の開発担当が今後契約のために訪れたいとのことで、現地を案内していただけませんか?
普通の資源も金になるが、レア資源が見つかったすると、とんでもない金になることもある。
それこそ狭い範囲ではなく、世界まるごと1つが対象になるのだから、そこが詳しいというのは有利にしか働かない。


「もしもお前のところも見つかったら、大金持ち決定だな、そうしたらKCJはどうするんだ?」
人が住んでいる、人でなくても生物がいるのならば高確率で何かあるので、帰還するということはその当たりくじを握っているようなもの。
「やめないよ、やめてもさ…今ようやく慣れてきたのにな」
「そうか、勤勉であることは大事だぞ」
「それはそう思う」
「大抵の人間は金の使い方を知らん」
「あ~」
「心当たりはあるのか」
「大金得ます、仕事やめます、お酒とか美味しいもの食べます、体壊しましたがってやつ」
「あぁ、お金ではどうしようもない状態、現代医学ではどうしようもなりませんっていう症状にまでなったのか」
「そう、KCJって魔法関係もあるじゃん」
「魔法ってなんだろうな?」
「今の私たちが科学とか学校で習ってきたこととは別のやり方で、現象とか解明とか結果を出してきたって感じなのが、魔法の世界だね。なんかさ、私たちが心臓とか肺とか呼んでいる名称からして違うところもあるらしい」
「そういわれればわかりやすいな」
「もっと理解するのならば、私たちが学んで来ていることと魔法の世界を同じぐらい勉強してて、橋渡しする人が現れないと、難しいって言ってたよ」
「東洋医学にもあったな」
「そうそう、私もそういうの思い出した、なんで効果があるのかわかってないとか。だから例えにそっちみたいに西洋医学も詳しい人が英語とか日本語で発表しなければ、たぶん理解は進まないんですよっていってたけども」
「ここ数年では難しそう」
「情報処理能力は上がっているんだけどもね」
彼女は十年ぶりのスマホの機能に驚いたりもしている。
「ユメトキボウともお話したりはしているんだけどもね、わからないことの方が多いですっていってた」
「あのAIは…本当に今のAIとは違うんだな」
「そういうものなの?」
「ユメトキボウしか見てないならばそうは感じないかもしれないが、あのモデルは今一般的に使われているモデルとは異なるぞ」
そうですかね、私たちは普通のAIですよ。
「私はその十年こっちの世界にいなかったじゃん、だから言葉が、日本語でも話しているのに、昔の癖で話すと通じないんだよね、KCJの人はまだ大丈夫なんだけども。前に聞いてた、異世界から帰ってくると、交遊関係が狭くなりがちは当たってるんだなと」
「俺がいればいいだろう」
「まあ、そうですが」
「…いいのかよ」
「何を今さら。あっ、話は続けるよ、異世界から帰還したことによるストレスと、私も呪いの影響はあるかもしれないから、本来ならば慣れたら、いろんなところに行ってもらうもそうなくて、どっか行くって行ってもその日のうちに帰ってくる距離かな、ダンジョンパトロールがメインになるかもしれない」
メメミヤさんと行った砂地のあそこかもしれない。
「ダンジョンは地形が変わるところもあるんだけどもさ、どんな風に変わるのかなって思ってたんだよね」
ガコンガコンと壁でも動くのかなって思っていたが。
「雪とか砂みたいな感じで、雪タイプは降ったかなって思ったら、いきなり道が歩きづらくなる、いや、足がとられるわけ、メメミヤさんがいなかったら、移動するだけ、そこから戻るだけでも疲れていたね」
靴だけじゃどうしようもないらしい。
「メメミヤさんは砂とか雪とかあんまり歩くというか、泳ぐのは得意じゃなかったんだけども」
お肌が綺麗になるから、いいわね。
「まさかのエステ感覚だったわ」
ダンジョンから戻ってきたら、鏡の前にいるなと思っていたら、気に入ったらしい。
「他のサメさんたちも、お肌が綺麗になるダンジョンですって?私も連れてく?って感じで」
彼女を挟むように前後にサメを引き連れて、ダンジョンパトロールに行ったりしました。
「無敵オプションかな」
「あぁ、それは言われたわ」
本体を守るように周囲には無敵のオプションが旋回して。
「しかも歩いているとさ、私が見つけてない何か、驚異、魔物かな、発見しているので」
あれ?一匹足りないぞと思って探すと、サメの後ろ姿が見える。
「メッ」
【何かいるので確認してくるだそうです】
大丈夫かな?と思ってると。
【こういうときは五分待ってみてください】
五分ね、ダンジョンで待つのも落ち着かないなって思ってると、帰ってきた。
返り血ではなく、返り泥がついてたので、戦闘はしたらしい。
拭き取ろうとしたら。
「メッ」
【それはダンジョンから出たらお願いします】
だそうだ。
「このサメがはぐれてどっかに行くで、近くにいる驚異度がわかるといいますかね」
一匹だけ向かう、他のサメは表情に変化なしから始まって。
「二匹が反応している場合は、踏み込み過ぎたかなって思って戻るもん」
ダンジョンはこの世に内包されている異世界みたいなものだ。
「ダンジョンマスターという存在の夢みたいなもんで、そこには人間性が出るみたいだね。私が歩くのはまだ危険性がないもの、中には危険きわまりないものがあるんだって、後はダンジョンは川にはないという言葉があって」
「川にできたら、サメが許さないとかか?」
「ああ、そうそう、そんな感じだね」
うちの縄張りに何かできました?
聞いてない、潰すぞ。
こんな感じで実際には川にもダンジョンはできるのだが、川にはサメたちがいるので、すぐに破壊される。
「それでも例外はあるらしいよ」
川にもある、サメにも耐えているダンジョンなので難易度はご想像ください。
「名前はヘルシーダンジョンっていうんだけども」
「健康的な、いや、そういう意味じゃないな」
「地獄の海ってことらしい」
「やっぱりな、サメの感性からするとそれっぽいなって」
「だよね、サメの方でも犠牲者が出たので、それを知ったサメたちからは大人気で」
「人気のポイントが人間たちとは違う」
「そう、なんかサメさんたちって、やっぱり野性的だからね、その昔はサメ同士で戦っていた、川が血で染まった時期があったんだけども」
勝敗がついた後は、その群れで暮らしていけばいいと思うじゃん?
そうもいかないよはサメの本能である。
「喧嘩して、一族から分かれて、新しい川やKCJに来てるらしい」
「KCJか川扱い」
「これはサンタの影響もあって」
とても強い人がいますね。
いいですね、本気出せる人間。
「サメちゃん、クリスマスだからさ、俺らお仕事があるんだよ」
それを聞くと、え~遊んでくれないの?という表情をしたサメたち。でも一匹が手伝えば早く遊んでくれるということを気づいたのである。
実際に手伝うと…
「そうなの?ありがとう」
あれ?
「サメちゃん、今日も頑張ってくれたね、美味しいもの夕食に食べようね」
あれ?
「好きな子とかいるの?俺はいるんだけども、どうしたらいいと思う?」
あれれ?
なんかわからないけども一緒にいると楽しいぞ。
サンタと寝食を共にすることで得られる喜びに気づいてしまったようだ。
「次の年から自主的にトナカイカチューシャや、ツリーの星をつけたサメたちが集まった、そこがレッドノーズな始まりであったと」
「なんで最後のサンタ、サメに恋の相談しているんだ」
「そのぐらい気を許してたんじゃないかな」
サッ
クリスマスは確かに二人にとって大事な日だけども、その日はお仕事だから、それを理解してくれる彼女だったら、もう結婚してもいいんじゃないの?
「意外と恋愛相談が的確なんだが」
「だよね、私もそう思ったよ。クリスマスの1ヶ月前ぐらいには新しいサンタの入団試験が神社で行われると」
「和洋折衷すぎないか?」
「人口減の影響っていってたよ」
久しぶりにお名前が出るが、浜薔薇の近所にある神社は、年男が新しいしめ縄などを運ぶ役割があるが、年男の人数が揃わなくなってしまい、そこから屈強なサンタたちが運ぶようになった。
その時期、本来は武芸の奉納仕合も行われていたが、それも近年では簡略されていたので、じゃあ、新しいサンタを確かめる奉納仕合にしたらいいんじゃないと?
サンタとして活躍するのに推奨される戦闘能力は、KCJの戦闘許可証でも上層とされている。
理由は元々上層の人間がサンタになった、そのサンタに勝たなければサンタになることを許されない方式にしているからだ。
「ただな、これ、神社に奉られている存在も歓喜してるっぽいんだよね」
いままではそこまでご利益あるのかな?っていう感じだったのだが、サンタ試しを行うようになってから。
「たぶんそっちからの力だと思います」
そういった今までは起きたことはないのに、急に不思議なことが起きた。
最初はなんでそうなのかはわからなかったが、年数を掲げるにつれて、おそらくそのせいだろうということがわかってきた。
「そういう不思議なことが起きたら、報告してくださいっていう話だったんだ」
だから浜薔薇も奥さんがいなくなったし、もう年だし、店も閉めるかなって思っていたら、なんか昔評判を聞き付けて、耳掃除をしに来た若いのが、店閉めちゃダメですよって押し掛け弟子にきたってのも、その影響かね。

…やった!これで伏線回収できたじゃん!

「ん?何か言ったか?」
「いえ、何も」
おおっと、つい心の声が漏れてしまった。
それではみなさん、メリークリスマス!
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