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ストライクゾーン広い人
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「誰かがやってくれるならば、私はやらないわね」
妻はそんな考えを持ってる。
「逆にやらないのならば、あんまりだと思うのよ」
その言葉が出ると、僕はにっこりしてしまう。
毎日仕事が増えないようにする仕事でさえも、気を抜くとオーバーワークになりそうで、肩も腰もお疲れぎみというやつだ。
「はい、休憩です」
「もう、そんな時間?」
「そうですよ、そちらに座って一休み、その間は、私が目を通しておきますから」
「…」
「なんです?」
「君も一緒に座ってくれないのかなって」
「あなたの代行出来るの、届けなしで出来るの私ぐらいなんですから、こういうとき活用してくださいよ」
そういって僕の椅子に座って、書類に目を遠し始めるが、少し寒かったらしい。
擦る素振りを見せたので。
「そこにある上着を…」
そこまでいいかけたときに、領主は立ちあがり、妻の背中にそっとかけた。
「ありがとうございます、これはこれはご親切に」
敬語なんだが、他人行儀は気になる。
「男性ものって暖かいんですよね」
「でも僕は女性ものも素敵だと思う、色がカラフルだし、そこは少し羨ましくもなる」
「色鮮やかなの好きですもんね」
「君は落ち着いたトーンを好むのかな?」
「汚れが目立たないので、今の時期は毛玉かな」
「相変わらず現実的なだな」
「それでも可愛らしい服には憧れたことはありまして」
書類を確認しながら、そんな話をする。
「へぇ~」
「どうも似合わない、モデルさんのようには当たり前ですが、ならないわけですよ」
「君の体型というか、似合うのはスッキリとしたシルエットではないかなとは思う」
「そうですね、服装を、礼服を選んでもらうと、そんな感じですよね」
「礼服もそうなんだけども、あんまり意見を言わないよね」
「言わないですね、ああいう場だとね。主役ならばまだしも」
「僕たちの結婚式は延期になっちゃったけども、ドレスとかは君の好きに決めていいとは思うよ」
領主が領主以前から知り合いの農園の収穫祭の場において、小さいながら結婚式を行うつまりでした。
「そういえばあれは非公式というか」
「そうだね、ああいう形でも挙げておきたいという、僕の気持ちが100%だったわけ。ああいう形ならば、自分達の要望がお金次第だけどもわりと通るし」
呼びたい人を呼べるとか、着たい衣装が身に付けれる。
「どうしても、だいたい色はこの辺で、形はこういうので、伝統的には~を守らなければいけませんからね」
「そうそう、伝統はいいものだよ。でもその~時としては窮屈だし、新しい門出というのは…だね」
こういう話になると、この領主、いつものようにスラスラと言葉が出てこないのである。
「どうなされましたか?」
口許に笑みを浮かべた領主妻が聞いてきた。
「正直、君がわかりましたというとは思わなかった。断られるかと思った」
「むしろ身内の集まりになるんだけども…でそういった式を挙げたいとは思わなかった」
「君は僕のお嫁さんですから」
「そうでしたね」
「そうでしたねって、傷つくな」
そこで飲み物を口にするが、もう空だなとカップの底を見つめていると、領主妻は、保温が出来る入れ物から、おかわりを注いでくれる。
「ありがとう」
「いえ、どういたしまして」
そういってまた作業に戻る。
「僕ってそんなに頼りない?」
「集中していると、私もそうですけども、周囲が見えなくなるものですよ」
「なんかな、それでも君は周囲が見えていて、さっと、今みたいに対応する」
「さすがに何もないところからお茶は出ませんよ、最近の保温容器は便利なんですよね。ただ…」
「なんだい?」
「コーティングされてないと、飲み物直接入れれないから、そうなると、お湯だけにして、茶葉は別にするとか。私ね、昔、そういうのわからなくて、せっかくのタンブラーをダメにしました」
「君でもそういうことがあるのか…」
「いや、私はそういう人ですって」
その後、臭いが染み付いてしまい。
「何を入れてたの?」
「舶来もののお茶です」
「へぇ~高そう」
「ただサンプルなんですよ。その時他に飲まないらしいので、よくいただいて飲んでました」
「君は意外と糊口を凌ぐ話が多い気がする」
「糊口を凌いでいたら、こうなったと思いますよ」
「将来、立身出世の話として語り継がれそう」
「そんなの広めるよりかは、今、辛い人を何とかしてほしいものです」
「それは確かに」
「若くても、環境がろくでもないと、育つものも育たないし、あれで結果が出るとは思わないでほしいな」
「でもそんな中で結果出しちゃう君という存在は、大きいというか」
「変なことに使われないでほしいかな」
「ああ、物事を好きに取ろうとする人はいるからね」
「います、います。だから旦那様はそういうのがないから、少し驚くところがある」
「君はそういうの望んでないでしょ?」
「望んでないけども、やらせる人はいますよ」
「そうなんだよね」
「旦那様は、このお立場になる前も、相当頑張っておられたと思いますが…」
「あれ?何か知ってるの?」
「まあ、最近ね、何をして来たのか気にはなりますが…本当にその…頑張ってこられたんですね」
「頑張るしかなかったからな…君じゃないけども、頑張ったらここにいた」
「その結果、私が妻なのは、ちょっとな…」
「なんでそう思うのさ」
「めっちゃ美人な妻、優秀な跡継ぎ、嫁に行くことは考えたくない娘とかの方がよくありません?」
「それは…」
「ほら、そういうのでいいんですよ、じゃなきゃ、なんで自分の人生こうなんだろうと思ってしまうじゃありませんか…」
「それはさ…う~んでも、君という人と出会える喜びは確実にあるんだよ」
「それはそれ、釣り合いが取れない、もっと世界で一番幸せになるとか、そう願ってくれないと」
「そういうもの…う~ん」
「どうしました?」
「こっちの世界に染まってるせいか、その君の描くような幸せな家庭とか、自分には縁がないのかもしれないとか、最近まで独身だったせいもあるだろうけどもさ」
「ここでさらっというのもなんですが、旦那様の今までは私とはまた違った苦労があり、その理解できない部分は、利害関係にはちょっと引くといいますか」
「その割には君は飛び込んできてくれたからな、躊躇はもちろんあっただろうし、それは本当にありがたい、僕は幸せものだよ」
「いや~あれは~本当に正直」
あっ、これは本当にドン引きしちゃってるやつだぞ。
「古い、伝統的な価値観があるからさ、それがとても大きいんだけどもね。相容れぬ何かは感じたし、それを引いても、あなたに対してあんまりだと思ったわけよ」
「思った以上に騎士道に則ってみたいな選択肢」
「かもね…」
「そういうの嫌いじゃないです」
「あら?そうなの?」
「あのさ、考えてたんだけどもさ」
「何かしら」
「僕とデートをしてくれませんか?」
「…」
「あっ、やっぱりダメか」
がっかりの顔をした後に、彼女を見ると。
「もしもし?」
「ぴゃい!」
「ぴゃい?」
「…」
話が止まってしまったので。
「どうかしたの?」
「旦那様はデートに慣れているかもしれませんけど、私は…その」
「あれ?もしかしてしたことがない?」
「ないです…」
「へぇ~」
「すいません」
「いや、それなら、それというか…」
あれ?待てよ、ということはだね?
「無花果とかは好き?」
「無花果ですか?そういえば旬ですよね」
「そう…無花果を使ったお菓子が出回る時期だからさ、それを食べに行かないかなと」
「いいですね」
「僕の好きなお菓子屋さんがあるんだけども、裏道にあってさ、そうは見えないけども、喫茶コーナーもあるんだよ」
「旦那様が薦めるところならばまず間違いない気がします」
「やっぱり美味しいものを食べてほしいし、らその時を忘れてほしくないんで…」
「旦那様」
「ん?何?」
「その~非常にいいにくいのですが」
「どうしたの?」
「そういう感じで、その他の方といいますか、女性とお付き合いしてたとは思いますがね」
その時領主は、あっ…みたいな顔をしていた。
「今まで言われたことはありませんの?」
「いや、全然ないかも…」
「それはそれでと言いますか…旦那様。正直、今の私はどうその話を伝えればいいかと」
「つまり僕はそういう感じで女性にアプローチをしていたと」
「はい、無意識なのか、狙ってかはわかりませんが、まあ、それを私は気になったと」
「ごめん」
「いえいえ、それは構いませんよ。そこはしょうがないといいますか」
「君に言われると、なんかこう、やってしまった感が増すんだよね」
「あ~、でもそれは私もその変なことに気づく方なんで」
「君のそれは大事にしなきゃダメだよ」
「でも言われたくないこともあるでしょ?」
「あるけどもね。僕のこれについては、そうですね案件です」
「ちなみに勝率は?」
「聞かないでください」
「高嶺の花だったのかな」
「それは…そのですね」
「こういう話は父親がいきなりしだして、シーンと場を静かにしたことあるから、免疫はございます」
「君の家族の話をたまに聞かせてくれるのはうれしいけども、出てくる話が、ちょっとどうかと思ってしまう」
「私もそれは思ってるし、こんな話、人にするのも初めてなものが多いですよ」
「そうなんだ」
「でも旦那様、その…お好きな方がいたのならば、頑張るしかないとは思いますが」
「これは昔の話だよ。そこは誓って!」
「いや~そうかもしれませんが、たぶん旦那様の好みからも私はかけ離れているので、書類上の夫婦、善き友人ぐらいの関係性で保っていただいた方がいいんじゃないですかね」
「それはもう嫌だな~悪いけども、伊達に日々を共にしてないぜ」
「そうなんですがね…」
「それとも遊んでいるとか思われている?」
「遊んでる時間があるならば、このお仕事は減らないですよ。だからそこは信頼はしておりますがね」
「それとも結婚の話がでて、よく知らないまま同意した変な、いや、優柔不断な男だと思ってるのかな?」
「変ではありますが、優柔不断ではないかな。ただ本当に好みは変わっているというか…こう私がいうのはなんですが、ストライクゾーン広い人だなって」
「そういうのは年々広くなるもんだよ」
寛容とは違うようです。
妻はそんな考えを持ってる。
「逆にやらないのならば、あんまりだと思うのよ」
その言葉が出ると、僕はにっこりしてしまう。
毎日仕事が増えないようにする仕事でさえも、気を抜くとオーバーワークになりそうで、肩も腰もお疲れぎみというやつだ。
「はい、休憩です」
「もう、そんな時間?」
「そうですよ、そちらに座って一休み、その間は、私が目を通しておきますから」
「…」
「なんです?」
「君も一緒に座ってくれないのかなって」
「あなたの代行出来るの、届けなしで出来るの私ぐらいなんですから、こういうとき活用してくださいよ」
そういって僕の椅子に座って、書類に目を遠し始めるが、少し寒かったらしい。
擦る素振りを見せたので。
「そこにある上着を…」
そこまでいいかけたときに、領主は立ちあがり、妻の背中にそっとかけた。
「ありがとうございます、これはこれはご親切に」
敬語なんだが、他人行儀は気になる。
「男性ものって暖かいんですよね」
「でも僕は女性ものも素敵だと思う、色がカラフルだし、そこは少し羨ましくもなる」
「色鮮やかなの好きですもんね」
「君は落ち着いたトーンを好むのかな?」
「汚れが目立たないので、今の時期は毛玉かな」
「相変わらず現実的なだな」
「それでも可愛らしい服には憧れたことはありまして」
書類を確認しながら、そんな話をする。
「へぇ~」
「どうも似合わない、モデルさんのようには当たり前ですが、ならないわけですよ」
「君の体型というか、似合うのはスッキリとしたシルエットではないかなとは思う」
「そうですね、服装を、礼服を選んでもらうと、そんな感じですよね」
「礼服もそうなんだけども、あんまり意見を言わないよね」
「言わないですね、ああいう場だとね。主役ならばまだしも」
「僕たちの結婚式は延期になっちゃったけども、ドレスとかは君の好きに決めていいとは思うよ」
領主が領主以前から知り合いの農園の収穫祭の場において、小さいながら結婚式を行うつまりでした。
「そういえばあれは非公式というか」
「そうだね、ああいう形でも挙げておきたいという、僕の気持ちが100%だったわけ。ああいう形ならば、自分達の要望がお金次第だけどもわりと通るし」
呼びたい人を呼べるとか、着たい衣装が身に付けれる。
「どうしても、だいたい色はこの辺で、形はこういうので、伝統的には~を守らなければいけませんからね」
「そうそう、伝統はいいものだよ。でもその~時としては窮屈だし、新しい門出というのは…だね」
こういう話になると、この領主、いつものようにスラスラと言葉が出てこないのである。
「どうなされましたか?」
口許に笑みを浮かべた領主妻が聞いてきた。
「正直、君がわかりましたというとは思わなかった。断られるかと思った」
「むしろ身内の集まりになるんだけども…でそういった式を挙げたいとは思わなかった」
「君は僕のお嫁さんですから」
「そうでしたね」
「そうでしたねって、傷つくな」
そこで飲み物を口にするが、もう空だなとカップの底を見つめていると、領主妻は、保温が出来る入れ物から、おかわりを注いでくれる。
「ありがとう」
「いえ、どういたしまして」
そういってまた作業に戻る。
「僕ってそんなに頼りない?」
「集中していると、私もそうですけども、周囲が見えなくなるものですよ」
「なんかな、それでも君は周囲が見えていて、さっと、今みたいに対応する」
「さすがに何もないところからお茶は出ませんよ、最近の保温容器は便利なんですよね。ただ…」
「なんだい?」
「コーティングされてないと、飲み物直接入れれないから、そうなると、お湯だけにして、茶葉は別にするとか。私ね、昔、そういうのわからなくて、せっかくのタンブラーをダメにしました」
「君でもそういうことがあるのか…」
「いや、私はそういう人ですって」
その後、臭いが染み付いてしまい。
「何を入れてたの?」
「舶来もののお茶です」
「へぇ~高そう」
「ただサンプルなんですよ。その時他に飲まないらしいので、よくいただいて飲んでました」
「君は意外と糊口を凌ぐ話が多い気がする」
「糊口を凌いでいたら、こうなったと思いますよ」
「将来、立身出世の話として語り継がれそう」
「そんなの広めるよりかは、今、辛い人を何とかしてほしいものです」
「それは確かに」
「若くても、環境がろくでもないと、育つものも育たないし、あれで結果が出るとは思わないでほしいな」
「でもそんな中で結果出しちゃう君という存在は、大きいというか」
「変なことに使われないでほしいかな」
「ああ、物事を好きに取ろうとする人はいるからね」
「います、います。だから旦那様はそういうのがないから、少し驚くところがある」
「君はそういうの望んでないでしょ?」
「望んでないけども、やらせる人はいますよ」
「そうなんだよね」
「旦那様は、このお立場になる前も、相当頑張っておられたと思いますが…」
「あれ?何か知ってるの?」
「まあ、最近ね、何をして来たのか気にはなりますが…本当にその…頑張ってこられたんですね」
「頑張るしかなかったからな…君じゃないけども、頑張ったらここにいた」
「その結果、私が妻なのは、ちょっとな…」
「なんでそう思うのさ」
「めっちゃ美人な妻、優秀な跡継ぎ、嫁に行くことは考えたくない娘とかの方がよくありません?」
「それは…」
「ほら、そういうのでいいんですよ、じゃなきゃ、なんで自分の人生こうなんだろうと思ってしまうじゃありませんか…」
「それはさ…う~んでも、君という人と出会える喜びは確実にあるんだよ」
「それはそれ、釣り合いが取れない、もっと世界で一番幸せになるとか、そう願ってくれないと」
「そういうもの…う~ん」
「どうしました?」
「こっちの世界に染まってるせいか、その君の描くような幸せな家庭とか、自分には縁がないのかもしれないとか、最近まで独身だったせいもあるだろうけどもさ」
「ここでさらっというのもなんですが、旦那様の今までは私とはまた違った苦労があり、その理解できない部分は、利害関係にはちょっと引くといいますか」
「その割には君は飛び込んできてくれたからな、躊躇はもちろんあっただろうし、それは本当にありがたい、僕は幸せものだよ」
「いや~あれは~本当に正直」
あっ、これは本当にドン引きしちゃってるやつだぞ。
「古い、伝統的な価値観があるからさ、それがとても大きいんだけどもね。相容れぬ何かは感じたし、それを引いても、あなたに対してあんまりだと思ったわけよ」
「思った以上に騎士道に則ってみたいな選択肢」
「かもね…」
「そういうの嫌いじゃないです」
「あら?そうなの?」
「あのさ、考えてたんだけどもさ」
「何かしら」
「僕とデートをしてくれませんか?」
「…」
「あっ、やっぱりダメか」
がっかりの顔をした後に、彼女を見ると。
「もしもし?」
「ぴゃい!」
「ぴゃい?」
「…」
話が止まってしまったので。
「どうかしたの?」
「旦那様はデートに慣れているかもしれませんけど、私は…その」
「あれ?もしかしてしたことがない?」
「ないです…」
「へぇ~」
「すいません」
「いや、それなら、それというか…」
あれ?待てよ、ということはだね?
「無花果とかは好き?」
「無花果ですか?そういえば旬ですよね」
「そう…無花果を使ったお菓子が出回る時期だからさ、それを食べに行かないかなと」
「いいですね」
「僕の好きなお菓子屋さんがあるんだけども、裏道にあってさ、そうは見えないけども、喫茶コーナーもあるんだよ」
「旦那様が薦めるところならばまず間違いない気がします」
「やっぱり美味しいものを食べてほしいし、らその時を忘れてほしくないんで…」
「旦那様」
「ん?何?」
「その~非常にいいにくいのですが」
「どうしたの?」
「そういう感じで、その他の方といいますか、女性とお付き合いしてたとは思いますがね」
その時領主は、あっ…みたいな顔をしていた。
「今まで言われたことはありませんの?」
「いや、全然ないかも…」
「それはそれでと言いますか…旦那様。正直、今の私はどうその話を伝えればいいかと」
「つまり僕はそういう感じで女性にアプローチをしていたと」
「はい、無意識なのか、狙ってかはわかりませんが、まあ、それを私は気になったと」
「ごめん」
「いえいえ、それは構いませんよ。そこはしょうがないといいますか」
「君に言われると、なんかこう、やってしまった感が増すんだよね」
「あ~、でもそれは私もその変なことに気づく方なんで」
「君のそれは大事にしなきゃダメだよ」
「でも言われたくないこともあるでしょ?」
「あるけどもね。僕のこれについては、そうですね案件です」
「ちなみに勝率は?」
「聞かないでください」
「高嶺の花だったのかな」
「それは…そのですね」
「こういう話は父親がいきなりしだして、シーンと場を静かにしたことあるから、免疫はございます」
「君の家族の話をたまに聞かせてくれるのはうれしいけども、出てくる話が、ちょっとどうかと思ってしまう」
「私もそれは思ってるし、こんな話、人にするのも初めてなものが多いですよ」
「そうなんだ」
「でも旦那様、その…お好きな方がいたのならば、頑張るしかないとは思いますが」
「これは昔の話だよ。そこは誓って!」
「いや~そうかもしれませんが、たぶん旦那様の好みからも私はかけ離れているので、書類上の夫婦、善き友人ぐらいの関係性で保っていただいた方がいいんじゃないですかね」
「それはもう嫌だな~悪いけども、伊達に日々を共にしてないぜ」
「そうなんですがね…」
「それとも遊んでいるとか思われている?」
「遊んでる時間があるならば、このお仕事は減らないですよ。だからそこは信頼はしておりますがね」
「それとも結婚の話がでて、よく知らないまま同意した変な、いや、優柔不断な男だと思ってるのかな?」
「変ではありますが、優柔不断ではないかな。ただ本当に好みは変わっているというか…こう私がいうのはなんですが、ストライクゾーン広い人だなって」
「そういうのは年々広くなるもんだよ」
寛容とは違うようです。
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