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それは愛されすぎでしょ
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ピッ
「ん?どうしたの?」
伽羅磁(きゃらじ)がシャドウスワローを撫でる。
ピッ
「ああ、どうしてボタンを秋澄(あきすみ)に持ってもらいたかったって?」
ピッ
「う~ん、これはこちらの世界の験担ぎだったりするんだけどもね、そういう時って何かしら意味があるんだよ」
ピッ
「なんて言えばいいのかな、その人に悪いことが起きる場合、身代わりになって愛用の品がどっかにいくとかっていうのは、結構あるんだよ。たぶんボタンはそれじゃないかと思ってる」
この辺の話はわりと聞ける話でもある。
「あれ?帽子忘れてませんでしたか?」
「ないよ」
「ないか…」
しょうがないという形で、カウンターの席に座った。
「何?無くしたの?」
「そうなんですよ、水芭(みずば)さん。まあ、何時ものといえば、何時ものなんですが」
「あ~それか」
このお客さんの場合は、悪いことが愛着の品の紛失で避けれるタイプ。
「でも今日は冷静だね」
「一昔前は毎回毎回慌てていたんですがね」
「だよね」
ああああ、すいません、私はさっき来たときにポーチ忘れてませんでしたか?
「最初はそういう人だと思ってたよ」
「あれは続けてそういうことが起き続けたんで、メンタルがわりとやられていたんですよね」
「それは大変だったね」
「こういう状態ですから、普通の生活はまず無理ですから」
「でもだいたいこうすれば少なくなるっていうのはわかって来たんでしょ?」
「はい、それはそうなんですが」
それこそ社会奉仕をするがこの人の場合はキーである。
「世の中を恨みそうな状況になって、社会奉仕をして救われるっていうのがね、なかなか理解しがたいですよ」
しかも原因はこの人ではない、血縁者関係で事が起きてしまっているらしい。
「生まれてきたことが罪みたいな話も、たまに遊び半分で言われてましたが、実際にそうだと笑えないものがあります」
「でもこっちの世界はそういうのまだ受け入れてくれるし、社会奉仕が終わるまではこっちにいるとしても、普通の世界で暮らしていけるとなったら、どうするか、考えればいいよ」
「まだ遠い話ですね」
「だね、あっ、それなら気分転換しようよ、ケーキ焼いたんだけども、カボチャのバターケーキ」
「美味しいそう」
「結構自信作でもあるんだよ」
「じゃあ、それお願いします」
「ちょっと待っててね」
すると厨房の窓にサメが姿を見せた。
そしてすぐに水芭の端末に帽子の写真が送られてくるのだが、ズタズタに切り裂かれている。
ため息をついた後に、今見たものを悟られないような明るさで。
「飲み物何がいい?おすすめは温かい方の紅茶、ひき立ての豆のアイスコーヒーもいいかな」
「ここはどんどん美味しいものを用意してくれる」
「そりゃあ、だって美味しいってさ、強いんだよね」
「強いですか…」
「今みたいな時でもさ、あっ、美味しい!っていうので幸せな気分になってくれたりするじゃない?」
「そうですね」
「でしょ、だから俺はこの事務所にbarがあって良かったよ、美味しいものを食べてもらえるし」
「それならレストランの方が良かったんじゃないですか?」
「そうなると、何が本業かわからなくなちゃうよ」
今でも、barや、怪異などを対処する事務所の職員でかなりの仕事量をこなしていたりする。
「そういえば前に言われてましたね、水芭さんがいなくなったら、回らなくなるって」
「みんな、大袈裟だな」
でも実際にそうです。
「barだけ経営しても、やっぱり上手くいかなかったと思うんだ、ここはやっぱり事務所の関係者がメインだから、トラブルも少ないし。ほら今の世の中、食料品って高いけども、それも抑えられるし」
「ここの値段って、時が止まってますよね」
「だよね、値上がりすることになるのかな?って何回か思ったんだけども、そのたびに常連さんが」
大丈夫か!!!!!
「野菜とか肉とか、キロで持ってくる」
「それは愛されすぎでしょ」
「今では人だけじゃなくてサメくんたちも持ってくるよ」
「えっ?サメって食べ物を誰かに分けることってあるんですか?…いや、お腹減ってる人とかを助けることはある話は聞いたことはありますけども」
「なんかうちに持ってくると、調理されて美味しくなるってことで」
「ああ」
お客さんは納得した。
忍ジャメ達の屯所に弟弟子はカボチャのバターケーキを持ってきた。
険しい顔をする兄弟子姉弟子。
しかし、ケーキの箱をあけると、一瞬キラキラした目を見せるが。
すぐに忍ジャメとしての覚悟を思い出す。
「サッ」
それでは切り分けさせていただきます。
弟弟子はホールをナイフで綺麗にカットし、真中(ただなか)は、ケーキに似合うように用意した皿に取り、それぞれの前に置いた。
「サッ」
まずは私めが食べさせていただきます。
そこで忍ジャメ達の視線の中、サメくんはフォークで取り分けて、お口にパクり、熱いお紅茶もクイ!っといただき。
「サッ」
大変、美味しかったです。どうぞ兄弟子姉弟子もお食べになってください。
そういうと、それならばと忍ジャメ達は食べ始めるのである。
ただ忍ジャメ頭領は、こんなことになってるのを知らず。
「もっと気楽に食べればいいのに」
特にサメなので、飲食物の制限はないので、謎の格式ある行為で食べなくてもいいのになとは思うのだが。
「サッ」
いえいえ、そういうわけにも行かないのです。
そこは譲れないというのである。
「水芭さん、今日もありがとうございました」
「いいんだよ、あっ、食器はそこに置いてくれるといいよ」
「わかりました」
「それで帽子の件は?」
「あれは…やはりその人を狙った感じですかね、他の血縁者の方は、自暴自棄になって恨まれることをまだ続けてますから、その余波といいますかね」
「距離は取ってもまだ続くか」
「そうですね…しかし、あの帽子は酷かったですね、ちゃんと指定の処分はさせていただきましたが」
「わざとやってるから、あれは帽子だけ狙ったわけじゃないよ」
「そう思います、頭とか首とか怪我しなくて良かって」
「彼女は彼女で真面目に仕事してくれるから、長く働いてくれるなら、ずっとしてほしいぐらいの人材なんだよな」
「俺がいうのはなんですけども、何かあったとしても酒とか、ギャンブルとかに溺れないでここまで来てる人は本当に珍しいんで、大事にした方がいいでしょうね」
真中は一度酒に溺れたことがある。
「健康診断の数値は?」
「ちゃんとキープしてます、若干減らしたぐらいです」
「よくやったじゃないか」
「サメくんいるからでしょうね。俺はいつも聞かれるたびにそう答えてます」
ただこの時の答え方が、健康維持にはサメが効く!みたいな、この人は何を言ってるんだろうな?って言い方なので、サメ愛好家ぐらいしか喜ばないのである。
「ん?どうしたの?」
伽羅磁(きゃらじ)がシャドウスワローを撫でる。
ピッ
「ああ、どうしてボタンを秋澄(あきすみ)に持ってもらいたかったって?」
ピッ
「う~ん、これはこちらの世界の験担ぎだったりするんだけどもね、そういう時って何かしら意味があるんだよ」
ピッ
「なんて言えばいいのかな、その人に悪いことが起きる場合、身代わりになって愛用の品がどっかにいくとかっていうのは、結構あるんだよ。たぶんボタンはそれじゃないかと思ってる」
この辺の話はわりと聞ける話でもある。
「あれ?帽子忘れてませんでしたか?」
「ないよ」
「ないか…」
しょうがないという形で、カウンターの席に座った。
「何?無くしたの?」
「そうなんですよ、水芭(みずば)さん。まあ、何時ものといえば、何時ものなんですが」
「あ~それか」
このお客さんの場合は、悪いことが愛着の品の紛失で避けれるタイプ。
「でも今日は冷静だね」
「一昔前は毎回毎回慌てていたんですがね」
「だよね」
ああああ、すいません、私はさっき来たときにポーチ忘れてませんでしたか?
「最初はそういう人だと思ってたよ」
「あれは続けてそういうことが起き続けたんで、メンタルがわりとやられていたんですよね」
「それは大変だったね」
「こういう状態ですから、普通の生活はまず無理ですから」
「でもだいたいこうすれば少なくなるっていうのはわかって来たんでしょ?」
「はい、それはそうなんですが」
それこそ社会奉仕をするがこの人の場合はキーである。
「世の中を恨みそうな状況になって、社会奉仕をして救われるっていうのがね、なかなか理解しがたいですよ」
しかも原因はこの人ではない、血縁者関係で事が起きてしまっているらしい。
「生まれてきたことが罪みたいな話も、たまに遊び半分で言われてましたが、実際にそうだと笑えないものがあります」
「でもこっちの世界はそういうのまだ受け入れてくれるし、社会奉仕が終わるまではこっちにいるとしても、普通の世界で暮らしていけるとなったら、どうするか、考えればいいよ」
「まだ遠い話ですね」
「だね、あっ、それなら気分転換しようよ、ケーキ焼いたんだけども、カボチャのバターケーキ」
「美味しいそう」
「結構自信作でもあるんだよ」
「じゃあ、それお願いします」
「ちょっと待っててね」
すると厨房の窓にサメが姿を見せた。
そしてすぐに水芭の端末に帽子の写真が送られてくるのだが、ズタズタに切り裂かれている。
ため息をついた後に、今見たものを悟られないような明るさで。
「飲み物何がいい?おすすめは温かい方の紅茶、ひき立ての豆のアイスコーヒーもいいかな」
「ここはどんどん美味しいものを用意してくれる」
「そりゃあ、だって美味しいってさ、強いんだよね」
「強いですか…」
「今みたいな時でもさ、あっ、美味しい!っていうので幸せな気分になってくれたりするじゃない?」
「そうですね」
「でしょ、だから俺はこの事務所にbarがあって良かったよ、美味しいものを食べてもらえるし」
「それならレストランの方が良かったんじゃないですか?」
「そうなると、何が本業かわからなくなちゃうよ」
今でも、barや、怪異などを対処する事務所の職員でかなりの仕事量をこなしていたりする。
「そういえば前に言われてましたね、水芭さんがいなくなったら、回らなくなるって」
「みんな、大袈裟だな」
でも実際にそうです。
「barだけ経営しても、やっぱり上手くいかなかったと思うんだ、ここはやっぱり事務所の関係者がメインだから、トラブルも少ないし。ほら今の世の中、食料品って高いけども、それも抑えられるし」
「ここの値段って、時が止まってますよね」
「だよね、値上がりすることになるのかな?って何回か思ったんだけども、そのたびに常連さんが」
大丈夫か!!!!!
「野菜とか肉とか、キロで持ってくる」
「それは愛されすぎでしょ」
「今では人だけじゃなくてサメくんたちも持ってくるよ」
「えっ?サメって食べ物を誰かに分けることってあるんですか?…いや、お腹減ってる人とかを助けることはある話は聞いたことはありますけども」
「なんかうちに持ってくると、調理されて美味しくなるってことで」
「ああ」
お客さんは納得した。
忍ジャメ達の屯所に弟弟子はカボチャのバターケーキを持ってきた。
険しい顔をする兄弟子姉弟子。
しかし、ケーキの箱をあけると、一瞬キラキラした目を見せるが。
すぐに忍ジャメとしての覚悟を思い出す。
「サッ」
それでは切り分けさせていただきます。
弟弟子はホールをナイフで綺麗にカットし、真中(ただなか)は、ケーキに似合うように用意した皿に取り、それぞれの前に置いた。
「サッ」
まずは私めが食べさせていただきます。
そこで忍ジャメ達の視線の中、サメくんはフォークで取り分けて、お口にパクり、熱いお紅茶もクイ!っといただき。
「サッ」
大変、美味しかったです。どうぞ兄弟子姉弟子もお食べになってください。
そういうと、それならばと忍ジャメ達は食べ始めるのである。
ただ忍ジャメ頭領は、こんなことになってるのを知らず。
「もっと気楽に食べればいいのに」
特にサメなので、飲食物の制限はないので、謎の格式ある行為で食べなくてもいいのになとは思うのだが。
「サッ」
いえいえ、そういうわけにも行かないのです。
そこは譲れないというのである。
「水芭さん、今日もありがとうございました」
「いいんだよ、あっ、食器はそこに置いてくれるといいよ」
「わかりました」
「それで帽子の件は?」
「あれは…やはりその人を狙った感じですかね、他の血縁者の方は、自暴自棄になって恨まれることをまだ続けてますから、その余波といいますかね」
「距離は取ってもまだ続くか」
「そうですね…しかし、あの帽子は酷かったですね、ちゃんと指定の処分はさせていただきましたが」
「わざとやってるから、あれは帽子だけ狙ったわけじゃないよ」
「そう思います、頭とか首とか怪我しなくて良かって」
「彼女は彼女で真面目に仕事してくれるから、長く働いてくれるなら、ずっとしてほしいぐらいの人材なんだよな」
「俺がいうのはなんですけども、何かあったとしても酒とか、ギャンブルとかに溺れないでここまで来てる人は本当に珍しいんで、大事にした方がいいでしょうね」
真中は一度酒に溺れたことがある。
「健康診断の数値は?」
「ちゃんとキープしてます、若干減らしたぐらいです」
「よくやったじゃないか」
「サメくんいるからでしょうね。俺はいつも聞かれるたびにそう答えてます」
ただこの時の答え方が、健康維持にはサメが効く!みたいな、この人は何を言ってるんだろうな?って言い方なので、サメ愛好家ぐらいしか喜ばないのである。
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