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建物を揺らすような強い風
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「白万(はくまん)さん、泉呼(せんこ)さん、珈琲のクリームどうしますか?」
「その聞き方は…お菓子でも作ったの?」
「そうなんですよ」
忍ジャメの里では栗のシーズンを迎えたため、早朝、忍ジャメが事務所を訪ねてきました。
そしてそれを受けとる水芭(みずば)。
「えっ?サメからなの?」
「そうですが?」
「サメが食べ物を分けてくれるというのは、珍しい話ですからね」
「気に入られることをしたの?」
「そういえば一度作ったお菓子を喜んでましたね」
その時も栗のお菓子であった。
栗の匂いはするが、見たこともないから、忍ジャメ達はただじっと見ているが。
兄弟子も姉弟子も食べないのだろうか?とサメくんこと、弟弟子がパクッと食べた。
パァァァ
顔が明るくなり。
美味しい!
しかも使われている栗は、もぐもぐ…イタリアの美味しい奴だ。
それを見た忍ジャメ達がよし食べるぞとみんなで食べたところ、彼らは彼女らは美味しいものを知ってしまったのだ。
「栗は美味しいから好きだが、人間に渡すとさらに美味しいものになるっていうのを学んでしまったようです」
「だって水芭さんの料理は美味しいから、このクリームと栗だから、モンブランでも作ったの?」
「いえいえ、シュークリームですが」
「それは注文できるんですか?」
「珈琲に特製クリームを使うかどうか、それを聞いているお客さんの分は特別にありますよ」
「商売が上手ね、では私と、泉呼さんは?」
「俺も食べたいです」
「二人分をお願いね」
「かしこまりました、少々お待ちください」
「ミツちゃんが来たみたいよ」
「待ってたよ、おミツ!」
「今日は私じゃなくて、二人ともこっちだよね」
そういって持ってきてくれたのは、水芭の作ったシュークリーム(栗)である。
「もう甘い匂いしてる」
「中は水芭さんの特製生クリームと栗ペーストだね、さっき職員室にも置いてきたから、みんなで食べよう」
「でもさ、これ作ったってことだから、ミツちゃんも忙しかったんじゃない?」
「栗の下処理もほぼ機械任せっていってて、今日はいつも通りだったよ」
洗浄から加熱、面倒くさい栗の処理も、このクリピュア家庭用にお任せください。
「こういうときに、お金の力を、すごさを感じるわ」
「自分でやると栗は面倒くさいものね」
「それはすごくわかる」
栗ご飯のために皮を剥くと、面倒くさくなり、もうこれでいいんじゃないのかと。
「食べたくなる」
「それ考えると買えるってすごいことだよね」
それではいただきます!
「あっ」
「これは」
「美味しいですよね」
「おミツは羨ましい、美味しいご飯をお菓子を毎日食べれるんだもの」
「お菓子はともかく、ご飯は本当に美味しいです」
「事務所のバーって会員制ってことにはなってるけども、あそこは有名だしね」
「えっ、そうなの?」
「建物も特徴的というか、普通に行きたくなるから、でも会員、部外者は実質立ち入れないってやつだし」
「そこは…その…実際に危ないことはありますからね」
「あっ、やっぱりあるんだ」
「うん。最初はさ、なんでこんな素敵なお店、他の人も来たいんじゃないかなって思ってたんだよね。でもやってくるのは…そのいいお客さんばかりではないから」
「酔っぱらいとか?」
「武装が必要になるお客さん」
「あっ、それは普通の人は来れないわ」
「この学校だと傘目先生は、私がいないときには来てるみたいだけども、その時にも何かあったらしくてさ、次の日、お店は休みになってて、店内は焦げ臭く、昼過ぎの授業で先生は髪が短くなってた」
「焦げたのかな」
「かもしれないね」
「だから、こうしてテイクアウトするぐらいがちょうどいいかなって私は思うよ」
「入店は出来ないのは残念だけども、定期的にこうやって食べれるなら大歓迎だよ」
「そうなんだよね。こういったら、なんなんだけども、特に私は…」
楽しいと感じると、かけられている呪いが反応して、厄介なことが引き寄せられるので。
ガタガタガタガタ…
建物が揺らすような強い風の音がすると、さっきまで普通に話していたミツの同級生は、気分を悪そうにする。
「大丈夫だよ、ここにはミツちゃんもいるしさ、先生たちも備えてくれているから」
「うん、そうなんだけどもね。でもさ、やっぱり、私は普通じゃないんだなって思っちゃうんだよな」
「おやつの時間を邪魔しないでくれる?」
傘目は剣を抜く。
因縁に呼び寄せられたものは数多の何かではあるが、呪いのせいで言葉が通じることもない。
「だから切るしかないんだけどもさ」
切断上手な傘目でもこいつらの相手をするのは少し嫌だ。
嫌悪感が残るような臭いを漂わせる。それは食事をしていたのならば、中断するような悪臭で…
「これをしょうがないとか、我慢しろという人の心も俺には理解できないがね」
この学校はワケありの子達が多い、こんな話はたくさん、それこそありふれている。
こんな学校に勤めるなんて、変わっているなとか言われるけども、勤めている人間達は、そのありふれている不幸を容認できないからこそ選んでいた。
「その聞き方は…お菓子でも作ったの?」
「そうなんですよ」
忍ジャメの里では栗のシーズンを迎えたため、早朝、忍ジャメが事務所を訪ねてきました。
そしてそれを受けとる水芭(みずば)。
「えっ?サメからなの?」
「そうですが?」
「サメが食べ物を分けてくれるというのは、珍しい話ですからね」
「気に入られることをしたの?」
「そういえば一度作ったお菓子を喜んでましたね」
その時も栗のお菓子であった。
栗の匂いはするが、見たこともないから、忍ジャメ達はただじっと見ているが。
兄弟子も姉弟子も食べないのだろうか?とサメくんこと、弟弟子がパクッと食べた。
パァァァ
顔が明るくなり。
美味しい!
しかも使われている栗は、もぐもぐ…イタリアの美味しい奴だ。
それを見た忍ジャメ達がよし食べるぞとみんなで食べたところ、彼らは彼女らは美味しいものを知ってしまったのだ。
「栗は美味しいから好きだが、人間に渡すとさらに美味しいものになるっていうのを学んでしまったようです」
「だって水芭さんの料理は美味しいから、このクリームと栗だから、モンブランでも作ったの?」
「いえいえ、シュークリームですが」
「それは注文できるんですか?」
「珈琲に特製クリームを使うかどうか、それを聞いているお客さんの分は特別にありますよ」
「商売が上手ね、では私と、泉呼さんは?」
「俺も食べたいです」
「二人分をお願いね」
「かしこまりました、少々お待ちください」
「ミツちゃんが来たみたいよ」
「待ってたよ、おミツ!」
「今日は私じゃなくて、二人ともこっちだよね」
そういって持ってきてくれたのは、水芭の作ったシュークリーム(栗)である。
「もう甘い匂いしてる」
「中は水芭さんの特製生クリームと栗ペーストだね、さっき職員室にも置いてきたから、みんなで食べよう」
「でもさ、これ作ったってことだから、ミツちゃんも忙しかったんじゃない?」
「栗の下処理もほぼ機械任せっていってて、今日はいつも通りだったよ」
洗浄から加熱、面倒くさい栗の処理も、このクリピュア家庭用にお任せください。
「こういうときに、お金の力を、すごさを感じるわ」
「自分でやると栗は面倒くさいものね」
「それはすごくわかる」
栗ご飯のために皮を剥くと、面倒くさくなり、もうこれでいいんじゃないのかと。
「食べたくなる」
「それ考えると買えるってすごいことだよね」
それではいただきます!
「あっ」
「これは」
「美味しいですよね」
「おミツは羨ましい、美味しいご飯をお菓子を毎日食べれるんだもの」
「お菓子はともかく、ご飯は本当に美味しいです」
「事務所のバーって会員制ってことにはなってるけども、あそこは有名だしね」
「えっ、そうなの?」
「建物も特徴的というか、普通に行きたくなるから、でも会員、部外者は実質立ち入れないってやつだし」
「そこは…その…実際に危ないことはありますからね」
「あっ、やっぱりあるんだ」
「うん。最初はさ、なんでこんな素敵なお店、他の人も来たいんじゃないかなって思ってたんだよね。でもやってくるのは…そのいいお客さんばかりではないから」
「酔っぱらいとか?」
「武装が必要になるお客さん」
「あっ、それは普通の人は来れないわ」
「この学校だと傘目先生は、私がいないときには来てるみたいだけども、その時にも何かあったらしくてさ、次の日、お店は休みになってて、店内は焦げ臭く、昼過ぎの授業で先生は髪が短くなってた」
「焦げたのかな」
「かもしれないね」
「だから、こうしてテイクアウトするぐらいがちょうどいいかなって私は思うよ」
「入店は出来ないのは残念だけども、定期的にこうやって食べれるなら大歓迎だよ」
「そうなんだよね。こういったら、なんなんだけども、特に私は…」
楽しいと感じると、かけられている呪いが反応して、厄介なことが引き寄せられるので。
ガタガタガタガタ…
建物が揺らすような強い風の音がすると、さっきまで普通に話していたミツの同級生は、気分を悪そうにする。
「大丈夫だよ、ここにはミツちゃんもいるしさ、先生たちも備えてくれているから」
「うん、そうなんだけどもね。でもさ、やっぱり、私は普通じゃないんだなって思っちゃうんだよな」
「おやつの時間を邪魔しないでくれる?」
傘目は剣を抜く。
因縁に呼び寄せられたものは数多の何かではあるが、呪いのせいで言葉が通じることもない。
「だから切るしかないんだけどもさ」
切断上手な傘目でもこいつらの相手をするのは少し嫌だ。
嫌悪感が残るような臭いを漂わせる。それは食事をしていたのならば、中断するような悪臭で…
「これをしょうがないとか、我慢しろという人の心も俺には理解できないがね」
この学校はワケありの子達が多い、こんな話はたくさん、それこそありふれている。
こんな学校に勤めるなんて、変わっているなとか言われるけども、勤めている人間達は、そのありふれている不幸を容認できないからこそ選んでいた。
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