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おしゃべりは楽しい方がいい
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「じゃあ、行こうか」
「はい!」
覆木(おおうき)と螺殻(らがら)ミツが組合の駐車場を歩いていく。
「書類はもちろん」
「バッチリです!」
「正直助かるよ、うちはこういう細々とした書類が多い方だから」
「でもうちの事務所がなかったらとか言われると、嬉しいもんですね」
「そうだよね、最初は俺らは格好をつけただけだったのに、それが美学みたいになっちゃって、今じゃ信頼に繋がってるから、わからないものさ」
なんて話していると。
「ずいぶんと楽しそうですね」
組合の幹部とバッタリ。
後ろに控えている警護の人間は覆木達に一礼するのだが。
「楽しいよ」
「それはずいぶんと羨ましい」
トゲのある会話である。
「俺はおしゃべりは楽しい方がいいと思っているんだけども、そうじゃないなら、用件は手短にお願いできないかな」
「それも…」
その時、動いたのは覆木と警護の二人。
「ミツ!バックアップ」
「わかりました」
KCJの戦闘許可証を取得しているミツも戦闘に加わる。
車両の影に隠れた状態で、緊張感が漂う時間が流れると。
ガラスが割れた。
侵入者達が数名、どれほど力の差があるのかはわからないが、この街をまとめる組合ビルを襲撃してきたのだ。
「舐められてますね」
「本当だよ、抑止力ないとでも思ってるのかな」
「それなら、もっと締め上げませんと」
「…」
「なんですか?」
「原因はお前のそれじゃないの」
幹部に対しての嫌みを言い逃げするように覆木は動き、そこを狙われないようにミツはカバーをしたので覆木は移動に成功、そして同じようにミツを覆木はカバーし、位置を取るが。
「俺らが狙われているのかなって思ったけども」
「狙いは幹部さんたちですか」
「みたいね、明らかに、目線が向こうだけども」
そうなると楽だ。
こちらに注意力が削がれているのならば、後は当てればいいだけなのだから。
パス!
一人倒れた。
(あの距離から当てれるものなのか)
警護は驚いた。
覆木の持っている護身用では適正な距離というのは思ったよりも短い。
(確かに風もないが、それでも当てられるのか)
「予備の武装は?」
「ありますが」
その時幹部から言われた。
「本当は丸腰は好きじゃないんだけども、この仕事するなら、それぐらいの度胸がないと務まらないんだよ」
手慣れたように、警護の持っている予備の確認をした。
「何かおかしいですか?」
「いえ、警備を頼まれましたから、あまりこちらに自信がない方だと思ってました」
「そうなんだ、それは残念、そのイメージは大切にしたかったんですが」
スッと構えて、普通に当てた。
(えっ?)
「何をぼおっとしているんですか?それとも修羅場は平気な人なんですか?」
「すいません、すいません」
「でもそのぐらいじゃないと私の警護は務まりませんから、覆木さんがいるときに襲撃なんて、本当にバカなことを考える奴も、いや、向こうが運が悪いのかな」
「運ですか」
「あの事務所は運がいいんですよ、昔から、本当にビックリする、今回もね、やっと新人という穴をつくまで我慢したのに、まさか異世界から人員連れてくるなんて思いませんでした」
ため息をついている。
「でも人手不足は改善しなければ」
「そうですね、でも変えるにはギリギリまで苦しんでもらわなければダメだったんですよ」
バタバタとうるさくなってきたが、襲撃犯達が慌てているところをみると、これは彼らの敵、救援というやつなのだろうか。
後ろから撃たれたらしく襲撃犯が二人倒れた。
「ダメよ、こんなときに背を向けていたら、自分がいつも優位であるなんて考えたら、こうなっちゃうの!」
「たぶんこれ捨てゴマですよ」
瀬旭(せきょく)と水芭(みずば)であった。
「さて、逃げるか、自棄になるかどっちかな」
そんなことを瀬旭がいったところ。
「答えはどっちでもさせない」
「はい」
そういって覆木とミツが残りの相手を射抜くのであった。
「助かった」
「たまには良いところ見せないと」
「ミツさん無事?」
「はい、大丈夫です」
「俺には聞いてくれないの?」
「覆木さんは心配しなくても大丈夫ですから」
「瀬旭に対してぐらい、なんか辛辣じゃない?」
四人の合流に。
「ありがとうございました、おかげで助かりました」
幹部がツカツカと近づいてお礼を述べて、警備はお願い、まだ安全地帯にいてと慌てていた。
「構いません、俺らはいつもそうですから」
「それは実に羨ましいし、まっ、そんな突き通しができない私からは、複雑な気持ちはあります」
「あなたも人間みたいなところがあったんですね」
「コラ!水芭、お前な、すいませんね」
「いえ、少しムッとはしましたけども、水芭さんの言う通りですよ。なんだかんだで命を狙われことに私も興奮しているみたいだ」
「けども、こういうときにご自慢の警備たちはなんで動かないんですかね」
「それは私も知りたいし、大方、身近な誰かが裏切ったんでしょうね。あっ、書類は私が預かります、後できちんと目を通しますから」
「わかりました」
そういって幹部は何事もなかったかのように、移動をしてしまう。
「強い人ですね」
ミツがそういうと。
「あれぐらいの我の強さじゃないと、この世界は生きていけないからな」
「あいつ幹部になっても、腕は維持したままだったよ」
「すごいですよ、たぶん私より狙いも正確ですし」
「椅子に座って、肥えていただいた方が楽だったんですがね」
「水芭、今日は辛辣だね」
「覆木とミツが巻き込まれるってわかってなからだよ、こうなったの、いつもは優しい子なんだけどもね」
「えっ、ということは水芭さんも緊張していふとか」
ミツから純粋な目を向けられると。
「そうかな」
これを見ると、覆木も瀬旭もおぉとなる。
「さすがはミツだね」
「あれには誰も勝てないでしょ」
ここでまたバタバタと警備達がやってきたので、事情を詳しく説明したあとに、四人は帰路につくのだった。
「はい!」
覆木(おおうき)と螺殻(らがら)ミツが組合の駐車場を歩いていく。
「書類はもちろん」
「バッチリです!」
「正直助かるよ、うちはこういう細々とした書類が多い方だから」
「でもうちの事務所がなかったらとか言われると、嬉しいもんですね」
「そうだよね、最初は俺らは格好をつけただけだったのに、それが美学みたいになっちゃって、今じゃ信頼に繋がってるから、わからないものさ」
なんて話していると。
「ずいぶんと楽しそうですね」
組合の幹部とバッタリ。
後ろに控えている警護の人間は覆木達に一礼するのだが。
「楽しいよ」
「それはずいぶんと羨ましい」
トゲのある会話である。
「俺はおしゃべりは楽しい方がいいと思っているんだけども、そうじゃないなら、用件は手短にお願いできないかな」
「それも…」
その時、動いたのは覆木と警護の二人。
「ミツ!バックアップ」
「わかりました」
KCJの戦闘許可証を取得しているミツも戦闘に加わる。
車両の影に隠れた状態で、緊張感が漂う時間が流れると。
ガラスが割れた。
侵入者達が数名、どれほど力の差があるのかはわからないが、この街をまとめる組合ビルを襲撃してきたのだ。
「舐められてますね」
「本当だよ、抑止力ないとでも思ってるのかな」
「それなら、もっと締め上げませんと」
「…」
「なんですか?」
「原因はお前のそれじゃないの」
幹部に対しての嫌みを言い逃げするように覆木は動き、そこを狙われないようにミツはカバーをしたので覆木は移動に成功、そして同じようにミツを覆木はカバーし、位置を取るが。
「俺らが狙われているのかなって思ったけども」
「狙いは幹部さんたちですか」
「みたいね、明らかに、目線が向こうだけども」
そうなると楽だ。
こちらに注意力が削がれているのならば、後は当てればいいだけなのだから。
パス!
一人倒れた。
(あの距離から当てれるものなのか)
警護は驚いた。
覆木の持っている護身用では適正な距離というのは思ったよりも短い。
(確かに風もないが、それでも当てられるのか)
「予備の武装は?」
「ありますが」
その時幹部から言われた。
「本当は丸腰は好きじゃないんだけども、この仕事するなら、それぐらいの度胸がないと務まらないんだよ」
手慣れたように、警護の持っている予備の確認をした。
「何かおかしいですか?」
「いえ、警備を頼まれましたから、あまりこちらに自信がない方だと思ってました」
「そうなんだ、それは残念、そのイメージは大切にしたかったんですが」
スッと構えて、普通に当てた。
(えっ?)
「何をぼおっとしているんですか?それとも修羅場は平気な人なんですか?」
「すいません、すいません」
「でもそのぐらいじゃないと私の警護は務まりませんから、覆木さんがいるときに襲撃なんて、本当にバカなことを考える奴も、いや、向こうが運が悪いのかな」
「運ですか」
「あの事務所は運がいいんですよ、昔から、本当にビックリする、今回もね、やっと新人という穴をつくまで我慢したのに、まさか異世界から人員連れてくるなんて思いませんでした」
ため息をついている。
「でも人手不足は改善しなければ」
「そうですね、でも変えるにはギリギリまで苦しんでもらわなければダメだったんですよ」
バタバタとうるさくなってきたが、襲撃犯達が慌てているところをみると、これは彼らの敵、救援というやつなのだろうか。
後ろから撃たれたらしく襲撃犯が二人倒れた。
「ダメよ、こんなときに背を向けていたら、自分がいつも優位であるなんて考えたら、こうなっちゃうの!」
「たぶんこれ捨てゴマですよ」
瀬旭(せきょく)と水芭(みずば)であった。
「さて、逃げるか、自棄になるかどっちかな」
そんなことを瀬旭がいったところ。
「答えはどっちでもさせない」
「はい」
そういって覆木とミツが残りの相手を射抜くのであった。
「助かった」
「たまには良いところ見せないと」
「ミツさん無事?」
「はい、大丈夫です」
「俺には聞いてくれないの?」
「覆木さんは心配しなくても大丈夫ですから」
「瀬旭に対してぐらい、なんか辛辣じゃない?」
四人の合流に。
「ありがとうございました、おかげで助かりました」
幹部がツカツカと近づいてお礼を述べて、警備はお願い、まだ安全地帯にいてと慌てていた。
「構いません、俺らはいつもそうですから」
「それは実に羨ましいし、まっ、そんな突き通しができない私からは、複雑な気持ちはあります」
「あなたも人間みたいなところがあったんですね」
「コラ!水芭、お前な、すいませんね」
「いえ、少しムッとはしましたけども、水芭さんの言う通りですよ。なんだかんだで命を狙われことに私も興奮しているみたいだ」
「けども、こういうときにご自慢の警備たちはなんで動かないんですかね」
「それは私も知りたいし、大方、身近な誰かが裏切ったんでしょうね。あっ、書類は私が預かります、後できちんと目を通しますから」
「わかりました」
そういって幹部は何事もなかったかのように、移動をしてしまう。
「強い人ですね」
ミツがそういうと。
「あれぐらいの我の強さじゃないと、この世界は生きていけないからな」
「あいつ幹部になっても、腕は維持したままだったよ」
「すごいですよ、たぶん私より狙いも正確ですし」
「椅子に座って、肥えていただいた方が楽だったんですがね」
「水芭、今日は辛辣だね」
「覆木とミツが巻き込まれるってわかってなからだよ、こうなったの、いつもは優しい子なんだけどもね」
「えっ、ということは水芭さんも緊張していふとか」
ミツから純粋な目を向けられると。
「そうかな」
これを見ると、覆木も瀬旭もおぉとなる。
「さすがはミツだね」
「あれには誰も勝てないでしょ」
ここでまたバタバタと警備達がやってきたので、事情を詳しく説明したあとに、四人は帰路につくのだった。
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