浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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まあまあ好き

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「おはようございます」
「おはよう」
いわゆるオフィス1に女は現れた。
「昨日はお疲れ様」
「いや、そんなに気にすることはないさ」
「数字にもきちんと現れているぞ」
「高温注意報だっけ?」
「そう、加護が起きたところだけ、周囲の気温とは違う」
(そういえばそんな感じところあったな)
そこはタンメンと水族館が有名だと思います。
「勝浦みたいだな」
「あっ、そこのことを言おうとしてたわ」
「だよな、あそこはやっぱり有名だし、でもまあ、ここまで気温差がきっちりあると、観光地としては夏の間は賑わいそうではあるよ」
「観光施設あるんだっけ?」
「知る人ぞ知るって扱いだな」
「それだと…今のうちからそういうホテルとか誘致するとか?」
「後は民泊とかな」
「あれ、もしかして?」
「いい物件が安くでてたよ」
「抜け目ないね」
「まっ、向こうも手放したかったみたいよ、空き家問題の解決になるんだから、良かったじゃないか」
「私がやらなくなったらどうするんだい?」
「えっ?やめんの?」
「頭の中でそろばん弾くなよ」
「悪いな、つい弾いた」
「もうしょうがないね」
「現実問題としてどうなの?」
「どうなのとは?」
「たまたま力を貸してくれているけども、あくまで非常勤じゃない?俺としてはずっと居てくれると、大変ありがたいのですがね」
「懐が潤うから」
「それは否定しない、うん、あるな」
「でもそれだけじゃない」
「まあな、あいつが気に入ってるからもある」
「なんでああなっているの?」
借りてきた何とか状態である。
「わからん!」
「わからんか」
「わからんな、付き合いはそこそこあったが、あいつがああなったのは始めてみた」
「でも言い寄ってくる、それこそあの容姿でもあるし、いるだろう?」
「いるな、いるが…今までの感じだとな…迷惑そうにしてたというか、ありがとうねとかは言う感じではあるが、向こうが好意を持っているのを無下にしない程度には弁えている奴ではあるよ」
「そんな感じはする」
「ただやっぱり一線は引いているからな、むしろ森羅万象の一柱とも言える存在で、そういうのがない方が珍しいとは思う」
「だからつきあい方を気を付けなければならないんだがね」
「そういう意味では貴女は本当に…」
笑いながら言われる。
「よく生きてましたね」
「たまにそう言われるんだよな、なんというか、私は人の欲望を刺激してしまうのかもしれないね」
「自覚はあるの?」
「あっ、冷蔵庫のこれ?飲んでいい?」
「ああ、いいぞ」
お茶を選び、蓋をあけながら。
「最初は私が悪いのかなって思ったんだけども、今もそういうのに陥らずに上手く言っている人達もいるから、人による、そういうしかないんだけどもさ」
「前男くんさ」
もちろんこの言い方は彼女が前に生活を共にした男性のことだ。
「大変なことになってるよ」
「でしょうね」
「聞いたときは七つぐらい禁則踏んでいると思われるだったじゃん」
「あれから改めて考えて、昨日の夜少し話したときに、12は踏んでいるのかなって」
「俺が数え直したら13だったぞ」
「13?」
「公衆衛生」
「あっ…、えっ、それ、うん、あるね、そこを突かれる可能性はある」
「俺ならそこも尽くし、やんないけど」
「なんで?」
「やったら、貴女の信頼度が落ちるからですよ」


「でもあなたは、こう…危ういのを楽しんでいるところはあるよ」
「そう思います?実際に楽しんですよね」
「破滅を実際にしたら嫌だから、寸前で楽しんでいるのが何ともね」
「こればかりは、あいつと関わった時点でね、俺の人生は変わってしまったので、もうしょうがないでしょ」
「罪な男だね」
「多少差はあれ、力と言うのは色んな事を起こしてしまうものだからな」
「それこそ最近だと人魚の歌かな」
「なんですか?それ」
「最後まで聞くと人魚と言うか、魚にされるんだけどもね、人間は歌が始まると『逃げる』ということを忘れてしまうんで、結局最後まで聞いてしまうし。一番まずいのは、心が弱っている人は魚にならなくても囚われるとかね、あの歌でしか救われない心があると言われたら、さすがは人魚、魅了という力を持ってる存在だわなとは思う」
「そんなにいい歌なのですか?」
「私がこの姿ならば、その歌は魅力的に聞こえるんだよね、例え本性が別にあったとしても、そうではない、そんなはずはない、なんて失礼なことを言うんだぐらいの」
「がっつり落ちているじゃないですか」
「人だったら危なかったね」
「それで惑わされていたら…あれ?もしかしてそれって、失恋状態だから効果でてます?」
「あ~言われてみれば、なるほど、そうか…それは危なかった、もしもこれで落ちていたら…私…どうなっていたんだろう、正気になったときに、絶対に後悔するじゃないか」
「とりあえず俺も人魚の歌は注意しますよ」
「あなたはあんまりハマらない気がする」
「何故です?人の心がわからないからとかでは?とか?」
「いいや、これから面白いことが起きると思われるのに、それを捨ててまで、一回の誘惑には落ちないと思う」
「当然じゃないですか、そんなものにハマるなんて…」
「ハマる人はハマるんだよ」
この間まで一緒にいた人とかね。
「それ関連について面白いというか、似たような事を起こした人が出ましたよ」
「はぁ?」
「そっちの方が悪質ですがね」
「…」
「見ます?」
「概要だけ見せて」
「今、まとめますね」
お茶を飲みきる前に、概要は出来上がった。
「どうぞ」
「ありが…うわ…」
「ねっ、ひどいでしょ」
「これは…聞き返したくなるね」
「わからないところがあれば詳しく説明しますよ」
「いや、いいよ…しかし、せっかくの力をこのように私利私欲で使ってはいけない、そう教わるものではないのかな」
「ええ、それは…、それは間違いなく、だからこそ、約定でギュウギュウに縛り付けるんですよ」
「でもさすがにこれは、度が過ぎている」
「と思いますね。本当にこれはたまたまなんですよ、探そうとして探していた話ではなかった、もちろん前男さんの関連は必要なものは調べておりましたが、それとは別口に、それを考えると運命的とすら言える」
ちょうど休憩を取り、何か食べよう、何を食べようか何て言うときに。
「この話を他のテーブルで話してたんですよね、本人たちは笑い話にしてましまけども、食事そっちのけでそのまま裏を取ったら、本当だったと」
「そんなことあるんだ」
「そういう話はあまり表には出ませんからね、看板に泥を塗ってしまった話でもありますから」
「そうなんだよ、でも間違いなく、問題は起こしたから、本当にそういうのはさ、ギリギリになって、向こうが耐えれなくなってから、迷惑かけます、ごめんねと共に知らされるんだよね」
「そういう奴等って一体何を考えているんでしょうね」
「自分のことだけでしょ?」
「だからあなたがムシられる危険性があったわけですし」
「ムシるかムシらないかわからないけども、頼んできそうだったよね」
「もし頼まれたら」
「気持ち悪いなって」
「実際にいいそうですか?」
「それはわからない、でも考えたら、それだけで嫌な話だし、ありえる可能性のひとつなのが本当に嫌だな」
「あなたがここにいることは後悔させませんよ」
「…」
「おや、やはり俺が言うのではダメですかね」
「ダメじゃないけどもさ~」
「じゃあ、なんです?」
「本当に運命ってわからないよ、気落ちしてすぐに君らと知り合いになったわ、儀式関係を手伝うというか、あれ、あのまま穴が開いた状態で行っていたらどうなっていたの?」
「それはわからない、正直俺も指摘されるまで気づかなかったし、貴女が慌てて、それはやめてくれ~って来なかったら、そのままやってたと思うし」
「そこまで悪いことにはならないけども、良いことには決してならないんだよね」
「だろうね、そしてそれを知ることもなかった」
「そうそう、そちらの考え方でいうならば機会損失というやつだ、まっ、そこまで見えている人間はそうそういないがね」
「その言い方だといるんですか?」
「いるね、一人はかなり遠くを見ていた、もう一人もなかなかいい線言ってたんじゃないかな」
「へぇ~貴女からそんな評価をもらえる人間って誰ですか?」
「えっ?有名人だよ」
そこで二人の名前をあげると。
「うわ~普通に人間界での有名人だぞ」
「そう言ったじゃないですか」
「ちなみに俺は?」
「まだ手元を見てる」
「手元ね~」
「足元でもいいけどもね、というか、あんまり未来を見たいとは思ってないじゃん」
「今が楽しいから、それがずっと続けばいいな、そのぐらいだからな」
「その方がいいさ、未来が見えるのは、いいことばかりではないよ、備えるぐらいがちょうどいいのさ」

「何をしているの?」
「人間の嫌なところを厳選して、彼女に見てもらおうかと思いまして」
「そんなことに熱心になってどうする?」
「そうしたら俺を見てくれるかな…」
「バカだね」
「そうですかね」
「そういうのを見せても、あいつはね、見ないぞ」
「ですかね?でもやってみなければ」
「やめておきなさい」
「一応は…はい」
「一応は余計だが、とりあえず止まったな」
「そうですが…」
「今回のことは俺も色々と思うところはあるんだ」
「聞きましたよ、貴方も改めて挨拶に行ったと」
「話早いね、ただまあ、共通の知り合いにだけね」
「何て言ってたんですか?」
「笑ってたよ」

じゃあ、もらっていくから。
久しぶりに来てそれかよ。
そうだよ。
まっ、しょうがないか。
しょうがないってことで!
寂しくなるね。
寂しいとか、そういう気持ちがわかるんですか?
そういうところさ、影響受けていると思うんだけども。
すいません、貴方は昔から、人を寄せ付けないところがあったから。
それはお互い様では? 
そうですが…
でも良かったとも思ってる。
良かったですか…
あのままよりはずっと、でもまさかさ、迎えに行ったと聞いたときは、えっ?お前、そんな奴だっけ。
自分でもビックリですよ、まっ、迎えに、いや、久しぶりにこっちの顔を見たとき、えっ?何でですか?って顔してて。
そりゃあするね。
その日は世間話で終わりましたけどもね。
いつわかったの?ええっと彼女が知っちゃったのってそれから数日後でしょ?
そうです。色んな話から、ああ、そうかって気づいたみたいですからね。そこから急いで離れる準備して、そのままとりあえずどこかへなんてね。そこで話しかけるのが一番辛かった。だってそれで先に知ってたことがわかるでしょ。
なんで言ってくれなかったんだって泣き叫ばれるとか。
そうだったらどうしよう…現実はそうじゃなかった、そうじゃなかったから良かった。さすがに俺じゃ、泣き叫ぶ女を連れてはいけない。
そういうの得意じゃないものね。
ないですね、むしろ得意なやつは…まあ、いますが、俺はそうじゃないし、そうだったら、俺の元に一旦は来てほしいなんてのも言えなかったと思う。
本当さ、あいつは何してくれてんの?
さあ、さすがに、本当にこっちもビックリで…
だよな、話を聞いたとき、間違ってもそういうことをするようなやつだとは思わないよ。
だから、ショックなんですよ、今回のことはね…
それはわかる。
とりあえず、あいつはこっちが連れてきますよ。
ああ、せっかく面白かったのに。
たぶんそれ言ったら、喜びますよ。
そっか…、あっ、書き記しについてはどうすればいい?
好きにすればいい。
それは断言、代わりに答えてもいいの。
変なことにはならないでしょ?それこそ彼女のだけではなく、他のものも扱っているわけだから、取り扱いを間違えるということはないでしょ。
あれ、面白かったんだよ。
そうですか…
うん、あの子は、人が見ているものとは違うものを見ているんだなと、よくわかったよ。
それでも俺が連れてきますよ。
バカだな、誰も取りはしないよ。
そう言ってしまいたくなる。
惜しい相手ではあるよ。
そっちに二人いるんだから、それで我慢しなさいよ。
そことは毛色が違うんだけどもね。
そりゃあね、夕陽に当たるとね、白さがより際立つんですよ。
そういう意味じゃなくて、世話を焼いたりするのも上手だったから、それこそ経験を積ませてくれてありがとね、俺じゃそれは出来なかったから。
そんなことないでしょ。
そんなことあるんだよ。
それで今、どんな感じです?
どんな?たぶん影響出るとしたら、少しばかり先だろうね。
でしょうね、それを見越してこっちも動いているんで。
その点に関してはさすがだよ。それも俺にはできないことだ。
出来ることの方がなんでも少ないものですよ。
そうだけどもね。やっぱり話するのは面白いな。
そうですか?
ああ、こういう感じで話をする相手は貴重になってしまった。
話す相手をもっと作るといいのに。
そんな相手が1人、一ゴンいなくなったんだよ。
一ゴンって怪獣みたいですね。
でもどっちかっていうと、子犬とかそんなだと思う。


今日は風が気持ちいいぜ!
で空をゴロンゴロンするタイプ。

葉っぱまみれになっていた。
ちょっとお転婆がすぎませんかね!
いいじゃん、いいじゃん、元気で。
そうなんですがね、色々とね、注意はしているんですよね。
なんて?
そう言うことは言わない!ってね。
それであれか…
何か辛辣な事を言われましたか?
心がないからそうなんですね!とか、一番はあれかな、人の心を理解できたのですか?って驚かれたり。
あ~それは俺も思ったことある。
酷くない?…というか、ああいう感性はお前の影響か。
そういうつもりはない。
でも受けてるじゃん。
何度も言いますが、そういうつもりはない。俺の前でそういうことをいったら、注意してます。
例えばなんて?
例えば?
苦虫を噛み潰した顔になり。
それこそ、これから何が起きるのか、そのリスクを話し合ったときに、やっぱりその…言いにくいことってあるでしょ?
あるね、躊躇う言葉はたくさん出てくる。
それをこっちが言わないのに、「ああ、○○か」とかズバッと言ったときに、コラ!ってやります。
やっていることがお父さんだ。
お父さん?いや、娘は俺には、あ~でもな、嫁に出す父の気持ちみたいなのは味わったかな。
その時何て言ったの?
う~ん、まあ、それこそ、名前が出たとき、えっ?どう言うことってなったし、詳しく聞いたら、それは…になって、でもきちんと手順は踏んでるし…ぐらいでしたが。
最初から上手く行かないなら賛成もしないよね。
そう!それ!でも早すぎた。
それは俺も思う。えっ?まさか、それが正直に出ちゃったし。
ですよね。こんなことあるんだ、本当に世の中どうかわからない。
そうだね。
やっぱりあなたと話すのは面白いな。
それは俺もそう思うよ。
では、この辺で。
もうちょっと話そうよ。
それもいいんですがね、本当に話が終わらない気がするし。
それもいいじゃない。
あなたもこれから忙しくなる。
そうなんだよな、本当さ、まさか抜けるとは思わなかった。
やっぱり戦力として考えてたんだ。
俺の理解者って思ったよりも貴重だよ。
そうでしょうね、それはわかります。
だから本当にもう少しとは言わないけども、いや、十分やってくれた、やってくれたが…徐々に影響は出てくるし、怖いのは、それがなんでなのかみんなわからないことだ。
だからこのタイミングなんですよ。わかったときには遅いというか、その絶妙を見抜いて来たんで、もしここで居なくなったことが大騒ぎになり、無理やり縛り付けようとしたら…まあ、問題は起きたが、安泰にはなる。までは持っていけたでしょうね。
そこまで先を読める奴がいないってことか、どのぐらい読んでいる奴がいるの?
何人かは読んでますよ。
そいつらの総取りか、それは上手くやったね。
そうですかね?
そうだよ、本来ならば接点を持つことも、助力を得ることも難しい相手なわけだしさ。実際に寸前まで色々とやってくれてたようだからな。
やってましたね、それはそのまま残してきたし、潰すことはないようです。
えっ?潰さないの?
それを上手く使える人がいないのならば、そのままでいいって。
へぇ~そうなんだ。
狙ってみます?代わりに手に入れたいとか?
嫌だよ、俺には間に合ってるし。残していったもの、それこそ力が強すぎるから、制御できない人間が触ったら飲み込まれるだろ?
でしょうね。俺もそれは思います。
それが出来る人間は限られているんだよ。それにさ、それ…元はあいつのために用意してたんだろ?
そうですね。
そういう贈り物はさ…
元カノからの高価値がある贈り物って思うと…
触れれないでしよ。
ですが、まあ…上手く加工してとか?
加工ね…下手に加工したらやっぱりまずそう。
あ~そういえば前に聞いたとき言ってたな。
なんて?
どうやって作ってるの?って聞いたら、「省エネです!」って答えて。加護とかそういうのを作るとき、細かく設計しているっぽいんですよ。
職人技だから?
いや、これが一番想定外の使われ方をしたときに、使われなくなるって。
えっ?
「ふっはっはっはっ、強く言い返せないから、せめてもの仕返し」って。
強く言い返せないからってところに苦労が見える。
あ~思い出したかも、自分がやらないと、三年ぐらいでだいたい途切れて、終わるんですよねって。
三年って、もう年数とかわかってるんだ。
長持ち出来るものは自分の力では無理なんで、それでも嫌な思いはさせてもらったけども、更新できなくて三年ぐらいなら…まあ、いいんじゃないかなって、その時にはきっとこちらのことは忘れているか、今の原因が自分だとは気づかないだろうってね。
本当に切ってはいけない存在なんじゃないの?
でしょう、ここまで言うのだから、切らない方が良かった。
本当にバカだよ、なんであんなことをしたんだよ、止める奴はいなかったのかよ。大変なのはわかってるけど、それでも諦めないでほしかった。
…その辺はあいつも言ってた。こういうところを見ると、言葉の影響、確実に俺らなんですけど。
知らない間に子育てしてたな。
その言い方は…でもいたら、色んな跡目を兼任して一時期任されられてたでしょうね。
そうだな、任せられるから、休めるんだよ。
そちらもお忙しいこって。
そうだね…忙しいよ。
じゃあ、もうそろそろ行きますよ。
行っちゃうの?
小学生みたいな言い方しないでくださいよ。
そうもなるさ。
たぶん会うことはもうないです。
えっ?そうなの?
接点ありますか?
ないけどもさ、寂しくない?
俺は寂しくないです。
やっぱり酷いな。
貴方は側にいる人たちを大事にするべきであって、我々に気をかけている場合ではないでしょう?
それでも…
ダメです。
ダメかぁ…
じゃあ、彼女は連れてきます。いや~すいませんね、そっちの大事な役目奪っちゃって。
本当だよ、じゃあ元気でな。
そんな貴方が誰かを気にかけるだなんて…
酷い言われ方してる。
そのぐらいあなたは孤高なんですよ。
そんなことないのにな。

どうしたのさ。
話が終わるのがちょっと嫌だなって。
それは俺もだよ。
ルー~ルルル~
しんみりしたところに着信メロディ。
ちょっとさ、今、いいところなの。何?いや、それは今さ、連絡してこなくていいんじゃないかな。
はっはっはっ早く帰ってやれよ。
いやね、今ね、久しぶりに話せてるとか、いい感じなのよ。そこにさ、それ今じゃなきゃダメなの?大事なことだって、それは俺にとっては大事なことじゃなくて、どうでもいいことなの!
連絡を強制終了。
帰ったら?
いや、せっかくだし。
せっかくだけども、ここで終わるのが俺ららしいよ。
そうですね…ああやっぱり貴方は口が上手い。
それはお互い様じゃないか。
減らず口!
もっといい悪口ないの!
くぅ~こいつは…
おっ、やるか!
ファイティングポーズ。
あの子を理由にここに来たけども、俺の方が貴方と話したかったんだな。
そんなこと言ったら、あの子は泣くよ。
大丈夫ですよ、理解してくれます。
本当に?
たぶんね…世の中思い通りにはならないな。
なったらつまらない。
貴方ははそう言うそんな人だ。
そんなにさ、話したかったのならば、もっと来れば良かったじゃないか。
そこまでね、素直じゃないんです。
そこは素直を出そうよ。
では行きます。
じゃーね。
本当に軽い人だな…

「積もる話は終わりまして?」
「見てて、わざわざ連絡を入れたでしょ」
「ええ、それこそ、人ならば会話をしただけで障りますからね」
「その時は無理やりにでも頼む、俺はそう言うことはしたくない」
「そうですか…」
「そうだよ、バカだな、本当に心がわからないんだ」
「そこは、その…男の意地と言うやつもあると思いますから、なかなかね、私では止めれないところがあるし、出来れば悔いがないようにというのはあります」
「悪い、半分以上出汁に使った」
「構いませんよ」
「怒らないか…」
「怒りませんね、何を今さら」
「バカだよ」
「そうですね」
「頼むからもうバカなことはしないでくれよ」
「したくて、してるというか、起きているわけでは…」
「ごめん」
「いえ…」
「傷は癒えてないとは思うけども」
「この日数でならば、悪くはないんじゃなですか?それこそ自分を、我を忘れて暴れていることも考えられたわけですから」
「そうなら俺では止められない」
「無理ですね」
その時とても悲しそうな目で私を見るだろう。
「私はね…」
「…」
「もっと上手く行くと思ってたんですよ」
「…」
「それが行かなかったというだけの話だ」
「…」
「ご清聴ありがとうございました」
「そこまで、割りきることはない」
「でも割り切らなきゃ」
「それでもだ、無理にその痛みや悲しみを止めるとどうなるかわからないから、悲しみや痛みはそのままでいいんだよ」
「そのままですか…」
「その方が治りが早いからな」
「そのままにしておくのは嫌だな」
「なんで?」
「その傷を見るたびに、触れるたびにあの人のことを思い出すじゃないか」
「まだ好き?」
「まあまあ好き」
「まあまあか…あいつも可哀想だな、もうまあまあな存在になってやがる」
「そういうつもりはないんですけどもね」
「それでいいのさ」
「それはそれで残酷な」
「今回したことはそれぐらいだし、お前さんは決して当人には言わなかったしな、そこにはビックリした、もっとさ、キーキー言うのかと思っていたが…」
「私がわざわざ言わなくても、これからの人生がきついのは決まっているのですから、言わなくていいでしょ」
「優しいな」
「そうでしょうか?」
「そうだよ、責め立てたほうがいい場合もある、今回のはそれだ」
「それはわかりますよ」
「でもしなかった」
「私が言ってももう無理でしょ」
諦めの色が瞳に滲む。
「それでも言うかだ」
「バカなことをした人になんてバカなことをしたんですか?って、言うことほどバカなことはない」
「だけどもさ、それでも言い訳ぐらいはね」
「ろくな言葉が出てきませんよ」
「だろうが、聞いてほしい、男側の立場からすると」
「えっ?何を聞くんです?自分はとても大変だった、可哀想だったからどうか許してほしいとでも?」
「…それをそのまま言えば良かったんだよ」
「すいません…熱くなりました」
「いいんだって、心が壊れているわけではないのがわかったしな」
「壊れたら楽なのでしょうか?」
「やめてくれ」
「すいません」
「そんなものは見たくない」
「はい」
「特に他の男に壊されたものなの」
「えっ?」
「お前さんは魅力的だよ、気づいてないかもしれないが、十分さ、それがわからないほど俺も鈍感ではない」
「あっ、そうだったんですか」
「なんでこういう子が、まあ、話を聞いたら納得したが、本来ならばお前さんはこうではなかったの、なんかおかしいことになってこうやっているだけであり…」
「それが問題なのでは?」
「そうなんだけどもさ…そうなんだけども…本当にこの辺はよくわからん、よくわからないことしかわからない」
「それは私も」
「ただわかるのは、あのタイミングでなければこれは起きてないと言うことだ」
「そこはね、思いますよ」
「運命は酷いことするな~」
「そうですかね」
「そうだよ、こんなに悲しい、苦しい思いをさせるならばって思わないの」
「思えないですね」
「本当に悪い男もいたもんですね、誠実そうな顔してさ!」
「いや~あれはね、騙されちゃいますよ。だからこそ残念です」
「無理して割りきらなくてもいい」
「知ってます、でも、それでもそう言わせてください」
「お前さんが泣いているとあいつは知らないだろうな」
「涙を見せたことあんまりないんで」
「それでも心を許したか」
「許しました、私に触れてほしいと願いました」
「えっ?大胆!」
「こういう話は言いたくない~」
「え~ちょっとどういうこと?意外なんですけど」
「なんで急に聞きたがりになるんですか」
「意外過ぎたから、あ~でも、これは言われたら、来るわな、男の方は参っちゃうと思う」
「そうですかね」
「そうだよ、俺は言われたことないもん、うわ、嘘、マジで?ありえねえ、そんなことになってたなんてさ~」
ゴロンゴロン
「これ、あっちに無理やり忘れさせて正解だわ、下手に覚えていたら、その後の人生に尾を引くこと間違いなし」
「そうでもないのでは?きっと新しい出会いがありますよ」
「この会話を聞かせてやりたい、確実にヌワ~ってなると思うから」
「ならないでしょ」
「なるね!というか、お前さんは想像以上に、怖いわ、何この子、地味っ娘だと思いきや、男心に爪を的確にたてるし、俺なら耐えれん」
「恋愛とはそういうものでは?」
「そういうのはしたことありません!」
「え~」
「ないよ、そこまでのは、しかし、お前さん、そこまでやってたのか…もはや相手が可哀想にすら思える」
「さっさと忘れているんじゃないですかね」
「あれは何度も言うが、忘れない、忘れさせてもらえない、たぶん似たような事が起きたら、過ると思う」
「まさかぁ」
「そのぐらい大きいことをした」
「それならなんでこんなことに?」
「そこなんだよな~」
「理由はもうどうでもいいですよ、聞いても無駄だ」
「そうか」
「ええ、私はその人と共に居ようとしたが、それは出来なくなったということでしょ?」
「だから割り切るなよ」
「その割には、私と話をして、噛み砕かせようとしている」
「消化不良は辛いぞ」
「食道炎って痛いよね」
「なんでゴンなのに食道炎になってんだよ!」
「ビタミンって大事かな」
「ビタミン不足になるなよ」
「知らないうちになってた、バテてたら、これを飲むといいと口の中にビタミン剤を入れられて、水で飲んだら、夕方には元気に!」
「それで元気になるゴンもどうなんだろう」
「単純な作りだからじゃないかな」
「それはそうかもしれない」
「ひゃふーとか夕方には言ってましたからね、いや~体力って大事ですね」
「それでゴンとしてはどうなの?これから」
「しばらくは今、渡された仕事を、役回り大事にしようかなって、向こうも私みたいなのに慣れているみたいですし」
「…それで君のことを気になって、たまに俺のところに話に来るあの子についてはどう思ってるの?」
「よくわからないですね」
「可哀想」
「えっ?こっちは心にダメージ食らっている状態なんで、出来ればそっとしてほしい、親切だなぁとは思いますが」
「その親切はお前さんだからだよ」
「そうですかね、身内には優しい感じの方ですよ」
「かもしれないけども…」
「…」
「まだ難しいか」
「本気っぽいなはわかる、わかるからこそ、気軽に返事をするのはなんか違う」
「それならそれでいいさ」
「あの方も誰かに恋をすればいいんだけども」
(うわ…)
「そうすれば私の今の辛さわかるかもしれない」
(…)
「お前さんな」
「えっ?なんですか?」
「それは絶対に言っちゃだめ!」
「ああ、そうですね、センシティブな話題ですもんね」
(そういうことじゃないけどもさ)
「もっとお話する機会は設けるから、うちにはきちんと戻ってきなさいよ」
「いいんですかね?」
「なんだよ、追い出されるとか思ってんの?」
「少しは…」
「あのね…」
「だって居ても…」
「そんなことない」
「そうですか」
「お前さんが信望者だって知ってるからな、信望者が俺のところにいても何もおかしくない」
「私などが信望者だなんて…そうではありますが、そうであることで何か不便があるのでは?」
「ない!」
「言い切りますね」
「そりゃあね、それこそ何を今さらだ、俺の信望者として長いことだし、それは事実だろう」
「まあ、そうですね」
「それならば俺は信望者に対して何かをする必要がある」
「バカだな」
「バカだよ」
「そこは意地なんて張らなくても」
「いいの!男の子だから!」
「なんで嫁さんいないんですか?」
ガクン。
「なんてダメージ受けているんですか?」
「お前が的確に抉りに来るからだよ!」
「そんなに気にしているのならば…」
「そんな余裕がなかったの!」
「そうですか…」
「そうだよ、…漫画を見なきゃ」
「あっ、はい、本当にすいません」
ふらふらと部屋に閉じ籠ったために。
(酷いことを言ってしまった、私は八つ裂きにされても仕方がない、あ~本当に私はダメなやつなんだな)
とネガティブになっていたところ
「読め!」
背後にいつの間にか立たれていた。
「えっ?」
「俺の今おすすめ、厳選漫画だ、それを読め」
「あっ、はい」
「大丈夫だ、また何とかなる」
彼女はそれを言われると、なんだかなという表情をした後に。
「本当にあなたも不器用な人だな」
漫画がたくさん入った袋を受けとった。



 
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私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

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