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悪魔ではありませんよ
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あ~もうやってられるか。
これを声に出して叫びたくなっていた時だ。
「お久しぶりです」
知り合いの声がした。
「勾飛(まがとび)さん…」
「最近この辺で見かけてはおりましたが、その~今日は特に」
「もう全然ダメダメなんで、見なかったことにしてくださいよ」
「それなんですがね…」
ここは喫茶店なのだが、いきなり風景が変わっていった。
(魔法…)
「すいません、とてもあなたに失礼なことをしていると思ってます」
「その先は私から話すよ、すまんね、こうでもなければベットから出れなくて」
「お体が悪いと聞いてましたが、えっ?どういう理由なんですか?」
初老の男が向かいに座る。
「君と話をしたくて、ずいぶんと今の仕事に不満が溜まっているみたいだからさ」
「なんですか?勧誘ですか?それとも悪巧み?」
「どっちもかな」
「ろくでもない話ですね」
「そんなもんじゃない」
「それを、はい、そうですね!って笑顔で答えられるほど、出来た人間ではありませんよ」
「後は、久しぶりに話をしてみたくて」
「話ですか」
「うん、話、最近そっちはどうしているのかなって、心配はしていた」
「あんまり上手く行ってませんよ」
「でも君が頑張ってるのは知っているし、どんな時でも投げ出さないのは評価高いよ」
「そうですか?ありがとうございます」
「何があったのさ」
「いつものことですよ、こちらの立案がボツになり、採用されるアイディアはおそく上手くはいかないと思われる、まあ、ここまで行くと、上手くはいってほしくないですね」
「君がそんなことを言うだなんて、相当だね」
「私もそこまでお人好しではありませんよ」
「それでいいんだよ、前から思っていたんだが、優しすぎるというか、手ぬるい」
「ぬるいでしょうね」
「仕事は本当にできるのにね」
「誉めても何も出ませんよ」
「君は頑張ってるよ、でもそれは報われてる?」
「今のところは、まあまあ」
「本当に欲がないな」
「あれですか、私に力を貸してほしいってことですか?」
「そう」
「いいですよ」
「安請け合いして大丈夫?こっちが言うのもなんだけども」
「どっちにしろ、あそこでは芽は出ることもないんじゃないかなって思ってますよ」
「評価されたいの」
「いや、そんなに」
「じゃあ、何?」
「わかってるくせに」
「知ってるけどもね、相変わらず酷いね」
「そうですね、たぶん向こうは逃げ切れる、逃げ切ったと思ってますよ」
「面白くない話だね」
「そうですね、面白くはない話です」
「すんごい怒ってるでしょ、世の中というか、この世のありとあらゆるものに、それ、もう少しで無関心になっちゃうから」
「燃え尽きてですか?」
「そう、わかってるじゃない、そうなったらダメだよ」
「わかってるなら…」
「だからチャンスを持ってきた」
「チャンスですか?」
「そうチャンスだよ、君のような力がいるんだ、だからこれは君にしか出来ない」
「悪魔の誘惑みたいですね」
「よく言われる、でも本物は、もっと優しいから、それと気づかないから」
「うわ~そういう状況に会いたくない」
「すんごい肯定するんだよね、君は全然悪くないんだよ、認めてくれない奴が悪い、君だってわかってるだろうって」
「その例文聞いただけで嫌だな」
「嫌だって感じているうちはいいんだって、これに関して、『そうかな』って揺らいだらダメ」
テスト前に、勉強しなくても大丈夫さ、君はできるもん!みたいな感じ。
「逆に君はなんで嫌だと感じれたの?こういってはなんだけども、囁きに身を任せた方がいい場合もある」
「好きな人は好きなんじゃないんですかね、私は嫌ですが」
「どうして」
「本当に悪魔の手先とかじゃないんですか?大丈夫なんですか?」
「悪魔ではありませんよ」
勾飛は口を開いてくれた。
「ほら、勾飛くんもそういってるし」
「今は勾飛さん身内でしょ、身内の言葉は判断する基準にはなりませんよ」
「それもそうですね、でもまあ、私は知り合ってしまった時間はあなたより少ないですが、この人は癖はありますが、信頼はできるタイプですね」
「確かに味方だと心強いんだけどもね」
「昔の話とか聞かされてた?」
「聞かされてましたよ、ああは見えても、若いときはとんでもなかった」
「本当のことだから否定はしないよ」
「何をしようとしているんですか?って聞くのも怖い」
「断ってもいいよ、これから起きることは断ったとしても何かの影響は出ないと思ってる。この話をしているのはね、そういう場所にいて、そこの職場から移籍しても、元の職場にあまり影響を与えない人間であり、そして現状に不満を持っているってことが大事なの、ほら、不満を持っているときに、いい話を持っていったら、胡散臭いけども藁にもすがるで聞いてくれるし」
「一歩間違ったら大問題ですよね」
「そこは保険もあるし、倒れてから、私がアイシスを立ち上げたのはしょうがない、そんな理由じゃないから、私怨があるの」
「それを真顔で言わないでくださいよ、…えっ?私怨?あなたに喧嘩を売ったバカがいたってことですか、そいつ誰ですか」
「協力したら教えてあげる、聞いたら納得の相手だよ、じゃあ、私はこれで、後は勾飛くん」
「わかりました」
シュルリと喫茶店の背景に戻っていく。
「返事は今でなくてもいいので」
「ああ、そうしてもらえると、さすがに頭がいっぱいになるよ」
「ではこちらは奢らせていただきます」
そういって勾飛は伝票を片手に会計に向かった。
これを声に出して叫びたくなっていた時だ。
「お久しぶりです」
知り合いの声がした。
「勾飛(まがとび)さん…」
「最近この辺で見かけてはおりましたが、その~今日は特に」
「もう全然ダメダメなんで、見なかったことにしてくださいよ」
「それなんですがね…」
ここは喫茶店なのだが、いきなり風景が変わっていった。
(魔法…)
「すいません、とてもあなたに失礼なことをしていると思ってます」
「その先は私から話すよ、すまんね、こうでもなければベットから出れなくて」
「お体が悪いと聞いてましたが、えっ?どういう理由なんですか?」
初老の男が向かいに座る。
「君と話をしたくて、ずいぶんと今の仕事に不満が溜まっているみたいだからさ」
「なんですか?勧誘ですか?それとも悪巧み?」
「どっちもかな」
「ろくでもない話ですね」
「そんなもんじゃない」
「それを、はい、そうですね!って笑顔で答えられるほど、出来た人間ではありませんよ」
「後は、久しぶりに話をしてみたくて」
「話ですか」
「うん、話、最近そっちはどうしているのかなって、心配はしていた」
「あんまり上手く行ってませんよ」
「でも君が頑張ってるのは知っているし、どんな時でも投げ出さないのは評価高いよ」
「そうですか?ありがとうございます」
「何があったのさ」
「いつものことですよ、こちらの立案がボツになり、採用されるアイディアはおそく上手くはいかないと思われる、まあ、ここまで行くと、上手くはいってほしくないですね」
「君がそんなことを言うだなんて、相当だね」
「私もそこまでお人好しではありませんよ」
「それでいいんだよ、前から思っていたんだが、優しすぎるというか、手ぬるい」
「ぬるいでしょうね」
「仕事は本当にできるのにね」
「誉めても何も出ませんよ」
「君は頑張ってるよ、でもそれは報われてる?」
「今のところは、まあまあ」
「本当に欲がないな」
「あれですか、私に力を貸してほしいってことですか?」
「そう」
「いいですよ」
「安請け合いして大丈夫?こっちが言うのもなんだけども」
「どっちにしろ、あそこでは芽は出ることもないんじゃないかなって思ってますよ」
「評価されたいの」
「いや、そんなに」
「じゃあ、何?」
「わかってるくせに」
「知ってるけどもね、相変わらず酷いね」
「そうですね、たぶん向こうは逃げ切れる、逃げ切ったと思ってますよ」
「面白くない話だね」
「そうですね、面白くはない話です」
「すんごい怒ってるでしょ、世の中というか、この世のありとあらゆるものに、それ、もう少しで無関心になっちゃうから」
「燃え尽きてですか?」
「そう、わかってるじゃない、そうなったらダメだよ」
「わかってるなら…」
「だからチャンスを持ってきた」
「チャンスですか?」
「そうチャンスだよ、君のような力がいるんだ、だからこれは君にしか出来ない」
「悪魔の誘惑みたいですね」
「よく言われる、でも本物は、もっと優しいから、それと気づかないから」
「うわ~そういう状況に会いたくない」
「すんごい肯定するんだよね、君は全然悪くないんだよ、認めてくれない奴が悪い、君だってわかってるだろうって」
「その例文聞いただけで嫌だな」
「嫌だって感じているうちはいいんだって、これに関して、『そうかな』って揺らいだらダメ」
テスト前に、勉強しなくても大丈夫さ、君はできるもん!みたいな感じ。
「逆に君はなんで嫌だと感じれたの?こういってはなんだけども、囁きに身を任せた方がいい場合もある」
「好きな人は好きなんじゃないんですかね、私は嫌ですが」
「どうして」
「本当に悪魔の手先とかじゃないんですか?大丈夫なんですか?」
「悪魔ではありませんよ」
勾飛は口を開いてくれた。
「ほら、勾飛くんもそういってるし」
「今は勾飛さん身内でしょ、身内の言葉は判断する基準にはなりませんよ」
「それもそうですね、でもまあ、私は知り合ってしまった時間はあなたより少ないですが、この人は癖はありますが、信頼はできるタイプですね」
「確かに味方だと心強いんだけどもね」
「昔の話とか聞かされてた?」
「聞かされてましたよ、ああは見えても、若いときはとんでもなかった」
「本当のことだから否定はしないよ」
「何をしようとしているんですか?って聞くのも怖い」
「断ってもいいよ、これから起きることは断ったとしても何かの影響は出ないと思ってる。この話をしているのはね、そういう場所にいて、そこの職場から移籍しても、元の職場にあまり影響を与えない人間であり、そして現状に不満を持っているってことが大事なの、ほら、不満を持っているときに、いい話を持っていったら、胡散臭いけども藁にもすがるで聞いてくれるし」
「一歩間違ったら大問題ですよね」
「そこは保険もあるし、倒れてから、私がアイシスを立ち上げたのはしょうがない、そんな理由じゃないから、私怨があるの」
「それを真顔で言わないでくださいよ、…えっ?私怨?あなたに喧嘩を売ったバカがいたってことですか、そいつ誰ですか」
「協力したら教えてあげる、聞いたら納得の相手だよ、じゃあ、私はこれで、後は勾飛くん」
「わかりました」
シュルリと喫茶店の背景に戻っていく。
「返事は今でなくてもいいので」
「ああ、そうしてもらえると、さすがに頭がいっぱいになるよ」
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