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死ぬ前に美味しいものを食べさせてくれてありがとう
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お酒に酔った真中(ただなか)は、サメとサメが険悪な雰囲気に出くわした。
(なんだ、決闘か何かかな?)
河川ザメは気性の荒い種族である。
それこそ、戦うとなれば、どちらかが命が尽きるまで…とはいうが、実際は買って残っても、その傷が元で…と、両方死んでしまうということが多いようだ。
プイ!
喧嘩しそうになったが、しなかった。
「そうそう、仲良くが一番だよ」
そこでサメ達は人間に気づいた。
この人間はいわゆるお酒によっている状態なので、やけに明るい。
「サメちゃん、サメちゃん!」
さっきまでの緊張感に和んだサメの一匹がそばにやってきた。
「おうおう、よく来てくれた、ツマミぐらいなら食べれるだろう、これな、俺のおすすめ!」
そういって干物の魚をくれたのだが、食べたことがない味であった。
「これは北海道、北の方で取れる魚でな、今はないが、マヨネーズをつけても美味しいんだよ」
「サッ」
「気に入ったかな?」
いや、この時サメの言葉がわかってない真中にサメは。
「死ぬ前に美味しいものを食べさせてくれてありがとう」
といったのだが。
「サメは遠くからは見たことあったが、こんなに近くで見るのは初めてだよ、なかなかに可愛らしい、いや、男前だね」
全然サメの言葉をわかってるわけではなかった。
「いや~仕事が大変で、お酒に逃げちゃってるわけなんですがね、他の人はそういうのに全然気づいてなくて、とっても悲しいんですよ、でもね、バレるのも嫌なんですよね!サメちゃん、俺はどうすれいいのかな?」
「サッ」
サメの方は人間の言葉はわかってるので、この人間はかなり危ういのではないかと感じている。
人間からすると真中さんは酒クズですねってぐらい、酒癖が悪い。
「サッ」
この時、サメは少し考えた。
そして…
「サッ」
こちらの負けでいいから、勝負はしないと相手に伝えた。
「サッ」
あの人間のせいだろうということで、相手も納得した。
サメだけならばこんな決着の付け方はしないのだが、人間がいるなら、このように引くこともある、そこもまたサメの魅力というサメ玄人たちもいた。
負けたので、群れから追い出されることになったが、この酔っ払った人間をどうにか帰さなければならないと思ったら。
「サメくん、俺の家にいって、干物を炙って、マヨネーズつけて食べようよ」
と自分から案内してくれた。
のだが、真中は昨夜の事を忘れていて。
「酔っぱらってどっからかサメを連れてきてしまった」
慌てたという。
「サッ」
「ごめんよ、勝手に連れてきてしまって、ああ、俺はなんということを」
KCJの支部について、どこの川から来たサメなのかと聞かれると、帰る川はないと伝えたので。
「責任は取らせていただきます」
河川ザメは勝手につれてきてはいけない、などという決まりはないし、もしも真中が引き取らなくても、KCJがしっかりと見つけてくれるだろうところを、自分のせいだからと、酒の失敗、その戒めということで、家族として迎え入れた。
現在は忍ジャメとして、兄姉弟子など他のサメとも関わりを持つことができたこともあり、かなり稀有な状態であった。
生まれ育った川以外に受け入れられるということは、ほぼない、喧嘩になる。そのため群れから追い出されたサメは、一人で生きるか、その状態で自分のパートナーを見つけて新しい群れを作るのだが、それができる前に自然摂理に負ける。
「ただ人間、日本人がいると話はかなり変わってきますから」
日本人とサメは映画業界ならず、生活的にもずっと長らく身近であった。
人間の前だと喧嘩をするのを抑えたり、後悔なんかをする姿を見ることができる。
これは彼ら彼女らの方が人間が大好きで、彼ら彼女らからすると、人間が悲しい顔をしているで止まるらしい。
「サメくんがうちに来るまで、サメは一度喧嘩を始めるとトコトンやるのは知らなかったからな」
「サッ」
「それがサメだからって言われちゃうと、弱いけどもさ、俺からするとそこまでは喧嘩しないでほしい、もしもそれでサメくんがいなくなったりしたらさ…あ~考えるだけでダメだわ、俺はこの世界に関わったときから、あまり長生きはできないと思ってるんだ」
「サッ!」
「そんなにびっくりしないでくれよ、でもさ、自衛が出来る力が身に付いてないならば、やっぱり長期生存率っていうのかな、低かったりするもんなんだよ」
「サッサッ!」
「大丈夫、命を捨てる真似はしないからさ」
「サッサッ!」
「あ~こういうことさ、あんまり他の人には言えないんだよな、心配させちゃうっていうのかな?でもそれが俺の紛れもない現実なんだよねな」
怪異からの頼みごとが始まり、そこから能力に目覚め、生活のためにこちらの世界に生きていくことを決める。
「もっと自衛できるミラクルパワーが備わってくるのかと思ったんだけどもさ、それは残念ながらなさそうだ」
「サッ!」
「転職は考えてないな、居心地いいし、俺いないと友達困るし、心配してくれてありがとうな」
「真中さんどうしたんですか?」
螺殻(らがら)ミツがbarにやってきた真中に尋ねるのは、真中にぴったり引っ付いて離れなくなっているサメくんのせいである。
「ちょっとご機嫌ナナメなところがあってね、こんな日もあるさ」
その後、他の忍ジャメたちにも伝わったところ。
「サメくんがいない時にも必ず他の忍ジャメ達が…なんかこう、知らない間に酒で失敗したのかな?」
忍ジャメが過保護気味になっていることの心当たりが、真中には酒しかなかったのであった。
(なんだ、決闘か何かかな?)
河川ザメは気性の荒い種族である。
それこそ、戦うとなれば、どちらかが命が尽きるまで…とはいうが、実際は買って残っても、その傷が元で…と、両方死んでしまうということが多いようだ。
プイ!
喧嘩しそうになったが、しなかった。
「そうそう、仲良くが一番だよ」
そこでサメ達は人間に気づいた。
この人間はいわゆるお酒によっている状態なので、やけに明るい。
「サメちゃん、サメちゃん!」
さっきまでの緊張感に和んだサメの一匹がそばにやってきた。
「おうおう、よく来てくれた、ツマミぐらいなら食べれるだろう、これな、俺のおすすめ!」
そういって干物の魚をくれたのだが、食べたことがない味であった。
「これは北海道、北の方で取れる魚でな、今はないが、マヨネーズをつけても美味しいんだよ」
「サッ」
「気に入ったかな?」
いや、この時サメの言葉がわかってない真中にサメは。
「死ぬ前に美味しいものを食べさせてくれてありがとう」
といったのだが。
「サメは遠くからは見たことあったが、こんなに近くで見るのは初めてだよ、なかなかに可愛らしい、いや、男前だね」
全然サメの言葉をわかってるわけではなかった。
「いや~仕事が大変で、お酒に逃げちゃってるわけなんですがね、他の人はそういうのに全然気づいてなくて、とっても悲しいんですよ、でもね、バレるのも嫌なんですよね!サメちゃん、俺はどうすれいいのかな?」
「サッ」
サメの方は人間の言葉はわかってるので、この人間はかなり危ういのではないかと感じている。
人間からすると真中さんは酒クズですねってぐらい、酒癖が悪い。
「サッ」
この時、サメは少し考えた。
そして…
「サッ」
こちらの負けでいいから、勝負はしないと相手に伝えた。
「サッ」
あの人間のせいだろうということで、相手も納得した。
サメだけならばこんな決着の付け方はしないのだが、人間がいるなら、このように引くこともある、そこもまたサメの魅力というサメ玄人たちもいた。
負けたので、群れから追い出されることになったが、この酔っ払った人間をどうにか帰さなければならないと思ったら。
「サメくん、俺の家にいって、干物を炙って、マヨネーズつけて食べようよ」
と自分から案内してくれた。
のだが、真中は昨夜の事を忘れていて。
「酔っぱらってどっからかサメを連れてきてしまった」
慌てたという。
「サッ」
「ごめんよ、勝手に連れてきてしまって、ああ、俺はなんということを」
KCJの支部について、どこの川から来たサメなのかと聞かれると、帰る川はないと伝えたので。
「責任は取らせていただきます」
河川ザメは勝手につれてきてはいけない、などという決まりはないし、もしも真中が引き取らなくても、KCJがしっかりと見つけてくれるだろうところを、自分のせいだからと、酒の失敗、その戒めということで、家族として迎え入れた。
現在は忍ジャメとして、兄姉弟子など他のサメとも関わりを持つことができたこともあり、かなり稀有な状態であった。
生まれ育った川以外に受け入れられるということは、ほぼない、喧嘩になる。そのため群れから追い出されたサメは、一人で生きるか、その状態で自分のパートナーを見つけて新しい群れを作るのだが、それができる前に自然摂理に負ける。
「ただ人間、日本人がいると話はかなり変わってきますから」
日本人とサメは映画業界ならず、生活的にもずっと長らく身近であった。
人間の前だと喧嘩をするのを抑えたり、後悔なんかをする姿を見ることができる。
これは彼ら彼女らの方が人間が大好きで、彼ら彼女らからすると、人間が悲しい顔をしているで止まるらしい。
「サメくんがうちに来るまで、サメは一度喧嘩を始めるとトコトンやるのは知らなかったからな」
「サッ」
「それがサメだからって言われちゃうと、弱いけどもさ、俺からするとそこまでは喧嘩しないでほしい、もしもそれでサメくんがいなくなったりしたらさ…あ~考えるだけでダメだわ、俺はこの世界に関わったときから、あまり長生きはできないと思ってるんだ」
「サッ!」
「そんなにびっくりしないでくれよ、でもさ、自衛が出来る力が身に付いてないならば、やっぱり長期生存率っていうのかな、低かったりするもんなんだよ」
「サッサッ!」
「大丈夫、命を捨てる真似はしないからさ」
「サッサッ!」
「あ~こういうことさ、あんまり他の人には言えないんだよな、心配させちゃうっていうのかな?でもそれが俺の紛れもない現実なんだよねな」
怪異からの頼みごとが始まり、そこから能力に目覚め、生活のためにこちらの世界に生きていくことを決める。
「もっと自衛できるミラクルパワーが備わってくるのかと思ったんだけどもさ、それは残念ながらなさそうだ」
「サッ!」
「転職は考えてないな、居心地いいし、俺いないと友達困るし、心配してくれてありがとうな」
「真中さんどうしたんですか?」
螺殻(らがら)ミツがbarにやってきた真中に尋ねるのは、真中にぴったり引っ付いて離れなくなっているサメくんのせいである。
「ちょっとご機嫌ナナメなところがあってね、こんな日もあるさ」
その後、他の忍ジャメたちにも伝わったところ。
「サメくんがいない時にも必ず他の忍ジャメ達が…なんかこう、知らない間に酒で失敗したのかな?」
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