718 / 891
この道を極めてやろうか
しおりを挟む
タ…アンセルモさんが理容ルームにいたので。
「耳掃除だけでもいいのでしょうか?」
聞いてみると、こういうメニューは大歓迎だ!といってくれた。
「断られるかと思ってました」
「断る人もいるかとは思うが、私はそういう注文、そこだけやってほしいなという気持ちもわかるし、やはり気になるからやってもらいたいわけだろ?」
「そうですね」
「それならばそれを叶えるが勤めじゃないかと…それで具体的にこれをやってほしい、あれをやってほしいはあるのかね?」
「耳かきにドハマりするほど気持ちよくはできますかね」
「それはなかなかの上級者向けのオーダーだな」
笑いながら準備をする。
「君は耳が狭いのだな、これならば自分で、片手で耳掃除をするというのは少し難しいのではないか」
「そうなんですよね、耳を引っ張ると広がるって聞いたんで、がんばってやってみたけども、そんなボーズでは耳かきができないんですよ」
「なるほどな、それでは出来るだけ気持ちよくなるように勤めよう、ほう!これは!」
耳の中を覗いて見ると声が出た。
「かなり…中に入り込んでいるな、これは思ったよりも長丁場になりそうだが、時間は?」
「ちょうどあるのでどう潰そうかなんて考えていたぐらいです」
「そうか、それならば覚悟をしたまえ、ペリペリと剥がし取られる、抜き取られるのは癖になるぞ!」
そういってアンセルモさんは、もちろんあのマスクをかぶりながらも、耳を掃除し始める。
「君はなかなかに毛も多いのだな」
そういって穴刀でまずは毛の処理をする。
「立派な毛だな、ただこれだと抜け落ちたときに、耳の中で鳥の巣のように固まるかもしれない、定期的に病院で見てもらうのもいいだろう」
「やっぱりそうなんですか?」
「あぁ、やはり生え方、溜まり方は個性があるからな、耳の中の不快というのは自分ではどうしようもない部分がある」
「わかります、イヤホン使うとね」
同僚とイヤホンで連絡しながら現場を管理していくので、仕事終わると耳が蒸れたりする。
「本当はそのたびに誰かに耳掃除をしてもらいたい」
「仕事終わりにはさっぱりしたいものな、おおっと少しの間黙っていてくれるか?奥に色の変わったものが見えてな、これは取り除いてやりたい、…どのぐらいの時間、耳の中にいたんだろうな、汚くべたりとした黒に変色している垢が…」
ポロ
本当にそんな音がした。
「見るかね?」
「後でいいです」
「そうか、気が変わったらいつでも言ってくれよ」
どうもここのお客さんは耳の中から取れたものを見たいというよりも、耳掃除の時間を大事にしたいようである。
「大きいものは取れたかもしれないが、ベタベタが取り除けたわけではない、少しヒヤッとはするがスッキリしてもらおう」
そういって大物が取れた場所に、綿棒につけた耳の中をスッキリ落とす酵素配合の液体、これを含ませて、塗りつけた後に、乾いた綿棒で吸わせると、さっきまでのベトベト感が消えていく。
「これ、足用とかないんですかね」
「あるよ、ドラッグストアで売ってる」
(帰り買ってこう)
綿棒の掃除に移ってから、しばらくたっても終わらないのは、綿棒についている皮脂汚れが取れ撒くってるからだ。
「最近暑いし、あれか、ヘルメットとかつけてたか?」
「そうなんですよ、代わりに仕事は切れませんが、終わったら水風呂にダイブしたくなる」
「サメの気持ちがよくわかるな」
「わかりますよ、さすがに人はそうはいかない」
世間体がある。
「左耳の番だが、こっちもねちっこくいくぞ」
「お願いします」
「わかった、さっきは変色したものがあったせいで洗浄液を使ったが、こっちの耳は…鳥の巣があったな、本当に上手いこと出来上がるものだ、だが耳の中にはこんなのは不要だがな」
スボン
「見るかね?」
「いいです」
「そうか、こちらは薄く、汚れているから、耳掃除するとどんどん、めくれ落ちていくな、本来は君の耳はこのような汚れ方が望ましいが、やはり狭いとな、外に出づらいなんだ」
耳かきの小さいサジが垢に触れ、その衝撃が耳の中に広がる。
「これは固いな、だが…」
バリ
「邪魔になる前に剥がすべきだ、これでベトベト系ならば困っていたが、乾燥タイプならば問題あるまい、こちらも奥が狭いものだな、せっかくのものがかき出せない」
ならばと細い粘着綿棒で、くっつけては外に、くっつけては外にと繰り返す。
「自分で耳かきしているとき、取り外しの出来るパイプ掃除みたいに手元でやりたくなるんですよ」
「おいおい、それは私たちも同じだ、やはり穴の中の仕事だからな」
「カメラは使わないのですか?」
「慣れているものもいるが、これでやってきてしまったから、新しい技術は嫌いではない、ただこれがいいとイホデニコラス初め思っているからな、それならばこの道を極めてやろうか、そんな気分でもあるんだよ」
これで千円でした。
税込でです。
「経営、大丈夫なんですか?」
「それはKCJに聞いてくれ」
「それなら大丈夫ですね」
「あそこは疑いようがないと思いますよ」
「そうだな、私も好きにやらせてもらえるのは、あそこがお金の計算などは私たちにお任せくださいというからな、安心して技術に専念できる、異論はあるとは思うが、私にはこのスタイルがあっている」
さすがこだわりすぎて、月の売上を落としまくったタ…アンセルモさんは言うことが違うぜ。
それが離婚のきっかけになったという噂もあるが、たぶん本当なんだろうなって、夫婦仲は悪くはなかったとは聞いているが。
「どんどん一人のお客さんにかける時間だけは増えていったから」
それでも料金はそのままにしてました、だからこそ奥さんが離婚してになったそうです。
「耳掃除だけでもいいのでしょうか?」
聞いてみると、こういうメニューは大歓迎だ!といってくれた。
「断られるかと思ってました」
「断る人もいるかとは思うが、私はそういう注文、そこだけやってほしいなという気持ちもわかるし、やはり気になるからやってもらいたいわけだろ?」
「そうですね」
「それならばそれを叶えるが勤めじゃないかと…それで具体的にこれをやってほしい、あれをやってほしいはあるのかね?」
「耳かきにドハマりするほど気持ちよくはできますかね」
「それはなかなかの上級者向けのオーダーだな」
笑いながら準備をする。
「君は耳が狭いのだな、これならば自分で、片手で耳掃除をするというのは少し難しいのではないか」
「そうなんですよね、耳を引っ張ると広がるって聞いたんで、がんばってやってみたけども、そんなボーズでは耳かきができないんですよ」
「なるほどな、それでは出来るだけ気持ちよくなるように勤めよう、ほう!これは!」
耳の中を覗いて見ると声が出た。
「かなり…中に入り込んでいるな、これは思ったよりも長丁場になりそうだが、時間は?」
「ちょうどあるのでどう潰そうかなんて考えていたぐらいです」
「そうか、それならば覚悟をしたまえ、ペリペリと剥がし取られる、抜き取られるのは癖になるぞ!」
そういってアンセルモさんは、もちろんあのマスクをかぶりながらも、耳を掃除し始める。
「君はなかなかに毛も多いのだな」
そういって穴刀でまずは毛の処理をする。
「立派な毛だな、ただこれだと抜け落ちたときに、耳の中で鳥の巣のように固まるかもしれない、定期的に病院で見てもらうのもいいだろう」
「やっぱりそうなんですか?」
「あぁ、やはり生え方、溜まり方は個性があるからな、耳の中の不快というのは自分ではどうしようもない部分がある」
「わかります、イヤホン使うとね」
同僚とイヤホンで連絡しながら現場を管理していくので、仕事終わると耳が蒸れたりする。
「本当はそのたびに誰かに耳掃除をしてもらいたい」
「仕事終わりにはさっぱりしたいものな、おおっと少しの間黙っていてくれるか?奥に色の変わったものが見えてな、これは取り除いてやりたい、…どのぐらいの時間、耳の中にいたんだろうな、汚くべたりとした黒に変色している垢が…」
ポロ
本当にそんな音がした。
「見るかね?」
「後でいいです」
「そうか、気が変わったらいつでも言ってくれよ」
どうもここのお客さんは耳の中から取れたものを見たいというよりも、耳掃除の時間を大事にしたいようである。
「大きいものは取れたかもしれないが、ベタベタが取り除けたわけではない、少しヒヤッとはするがスッキリしてもらおう」
そういって大物が取れた場所に、綿棒につけた耳の中をスッキリ落とす酵素配合の液体、これを含ませて、塗りつけた後に、乾いた綿棒で吸わせると、さっきまでのベトベト感が消えていく。
「これ、足用とかないんですかね」
「あるよ、ドラッグストアで売ってる」
(帰り買ってこう)
綿棒の掃除に移ってから、しばらくたっても終わらないのは、綿棒についている皮脂汚れが取れ撒くってるからだ。
「最近暑いし、あれか、ヘルメットとかつけてたか?」
「そうなんですよ、代わりに仕事は切れませんが、終わったら水風呂にダイブしたくなる」
「サメの気持ちがよくわかるな」
「わかりますよ、さすがに人はそうはいかない」
世間体がある。
「左耳の番だが、こっちもねちっこくいくぞ」
「お願いします」
「わかった、さっきは変色したものがあったせいで洗浄液を使ったが、こっちの耳は…鳥の巣があったな、本当に上手いこと出来上がるものだ、だが耳の中にはこんなのは不要だがな」
スボン
「見るかね?」
「いいです」
「そうか、こちらは薄く、汚れているから、耳掃除するとどんどん、めくれ落ちていくな、本来は君の耳はこのような汚れ方が望ましいが、やはり狭いとな、外に出づらいなんだ」
耳かきの小さいサジが垢に触れ、その衝撃が耳の中に広がる。
「これは固いな、だが…」
バリ
「邪魔になる前に剥がすべきだ、これでベトベト系ならば困っていたが、乾燥タイプならば問題あるまい、こちらも奥が狭いものだな、せっかくのものがかき出せない」
ならばと細い粘着綿棒で、くっつけては外に、くっつけては外にと繰り返す。
「自分で耳かきしているとき、取り外しの出来るパイプ掃除みたいに手元でやりたくなるんですよ」
「おいおい、それは私たちも同じだ、やはり穴の中の仕事だからな」
「カメラは使わないのですか?」
「慣れているものもいるが、これでやってきてしまったから、新しい技術は嫌いではない、ただこれがいいとイホデニコラス初め思っているからな、それならばこの道を極めてやろうか、そんな気分でもあるんだよ」
これで千円でした。
税込でです。
「経営、大丈夫なんですか?」
「それはKCJに聞いてくれ」
「それなら大丈夫ですね」
「あそこは疑いようがないと思いますよ」
「そうだな、私も好きにやらせてもらえるのは、あそこがお金の計算などは私たちにお任せくださいというからな、安心して技術に専念できる、異論はあるとは思うが、私にはこのスタイルがあっている」
さすがこだわりすぎて、月の売上を落としまくったタ…アンセルモさんは言うことが違うぜ。
それが離婚のきっかけになったという噂もあるが、たぶん本当なんだろうなって、夫婦仲は悪くはなかったとは聞いているが。
「どんどん一人のお客さんにかける時間だけは増えていったから」
それでも料金はそのままにしてました、だからこそ奥さんが離婚してになったそうです。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お兄さんの子供を妊娠したの!旦那を寝取った妹からの反撃が怖い!血を分けた家族からの裏切りを解決したのは…
白崎アイド
大衆娯楽
「お兄さんの子供を妊娠したの」と妹がいきなり告白してきた。
恐ろしい告白に私はうろたえる。
だが、妹が本当に狙っているものを知って怒りが湧き上がり…
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう
白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。
ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。
微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…
お尻たたき収容所レポート
鞭尻
大衆娯楽
最低でも月に一度はお尻を叩かれないといけない「お尻たたき収容所」。
「お尻たたきのある生活」を望んで収容生となった紗良は、収容生活をレポートする記者としてお尻たたき願望と不安に揺れ動く日々を送る。
ぎりぎりあるかもしれない(?)日常系スパンキング小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる