浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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あちらのお客様からです(す~)

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KCJの情報局は個人との依頼を受けることはあまりないのだが…
「大事になっているものって、よくよく見ると、様々なものが重なって、それがいきなりパーン!悲劇が始まってくるのですよ」
なので例えばこの依頼で調査をしていても、実はこれは事件の枝にしか過ぎず、全容の解明をしなければ正確なものにはならない。
「一%でもわからない部分から覆ることはある」
密室で起きた殺人事件に、犯人がワープ使って脱出しました!なんて事があったら興醒めなことかもしれないが。
「その場合はワープできる人が犯人と思われますし、そこから逃げ道を塞いでいくと、あれれ?おかしいな、もう逃げないんですか?になるんですよ」
実際にやったことがあるのかな?この職員の笑顔は…怖くないかな?そして、この職員は同行している職員はおらず単独で動いていることから、確実に戦闘許可証持ちだろうし、相手側にそういう人がいてもおそらく問題がないとされている実力者だと思われる。
そこに電話が…
「あぁ、先日はどうも」
今は時間はあるかね。
「もちろんですよ」
君が動いてくれたおかげで色々と助けられた。
「いえいえ、お仕事ですから」
そういってくれるとありがたい、意外とそういって動いてくれる人は少なくてね、君のような人間は信用できる。
「それならば、これからもKCJをご贔屓ください」
もちろんだよ。それで先日巻き込まれたという…
「はい、この電話はお見舞い金を受け取られましたというメッセージの返信でいただけたのでしょうが、あの時にこちら側といいますかね、こっちの人間がよく利用するようなお店を紹介しましたので、今日も喫茶店にいるとは思いますが、気に入ってくださってます」
そうか、でも正直このぐらいでも済まなくてね、今まで通りの生活を送りにくくなってしまっだけだから。
「本人はエンジョイしてますから、それにたまに様子を聞かせてもらうことにしますよ」
本日のステーキランチがこの価格だって!これは注文しなきゃ。
「それで賠償になるのだろうか」
「今は一般の世界は物価が高いですから、一ヶ月でこっちの世界ではお金がかからないという実感できるとは思うんですよね」
こんなに安くていいのかな、でも行くならば同行者なしの自分だけにしてくださいねった言われているけども、もう人間関係がぶっ壊れている自分には、同行する人いないし。
「先に野菜サラダをどうぞ」
人間のマスターがそういって運んで来てくれるが、その野菜サラダはドレッシングが別添えであり、まずは一口パクリと野菜を食べたところ。
野菜が美味しい!
パリパリとドレッシング無しで食べきってしまった。
普段食べている野菜とは全く違う、驚けるほどの差があった。
もう帰れない…この美味しさを知ってしまったら、もう帰れないよ!!
食べ物に感動しているのは店内唯一の人の客である私、他はみんなサメだったので、サメたちはそんな人間を見ながら、うんうん、わかるよ、その反応と微笑ましく見守られていたらしい。
そしてやって来ましたお肉ちゃん。
焼き目が香ばしさを誘い、柔らかお肉、口に運ぶとブリブリな、美味しいと幸せをずっと噛み締めていた。
鳩時計が鳴る。
鳴ると店内にいたサメたちはお会計を済ませていなくなったあと。
「お客さん、今のサメさんたちが好きな飲み物を飲ませてやってくださいってお兄さんの支払いしていったので、何か飲みませんか?」
これはまさか、あちらのお客様です!(す~)ですか。(す~)!
「じゃあ、アイスコーヒー」
「わかりました」
マスターがアイスコーヒーの準備を始めるために冷蔵庫を開ける音で、ふと緊張から解放され。
(あっ…)
事件に巻き込まれたときは人生終わったかなって思った、あの時KCJさんに助けてもらったものの、それでもあれはとても辛く、あなたは悪くはないといわれても、その言葉が響かなかった。
どこかで自分が悪かったのかなって…
今、こうしてちょっとのことを喜べるという自分がいてとても嬉しかった、なんだろう、当たり前にできてたことができなくなったが、またできるようになった。
出来ればあんな目に合わない方がいいんだけども…今月の収支みるとあきらかに使ってないんだよな。事件前より生活に潤いがあるっていうのは…いや、考えないようにしよう、疑問をいだくな美味しさに集中しろ!
「アイスコーヒーお待たせしました」
「ありがとうございます」
実は飲食店には同行者はつれていけないが、食べたものの写真は撮影し、SNSなどに詳しい情報は伏せた上でならば掲載は可能ということなので、私の新しい趣味になっている。
映えとか全く考えてないが、こう…生活のアクセントとしては楽しい習慣となっていたのだった。
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