浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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節約は正義

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「あれ?」
耳の中がおかしい、でもこういうときにこそあれ!
ジャーンと取り出しましたのは、耳かきでございますが、これはもちろん特別な耳かきであります。
先日ですね、KCJの、理容ルームがある支部に用事があったんでございますよ(日本語変)
その時売店に行ったんですよ、お腹すいたんで、売店から出るとちょうど奥の理容ルームが見えるんですよ、そこでサメの店主さんがドアを拭いてましてね。それを見ながら、買ったものを飲んで、売店の前にゴミ箱あったから、飲むまで、ちょうど見たんですが、気になる一文があったんですよね。
『お持ち帰り 特製耳かきあります』
ふぅんって思いました、でもさ、特製ってことは、かなり気持ちがいいんじゃないかと思ったんですよ。だって特製だぜ!他との違いを見せつけてくれると思うんだよ!
んでもって、あっ、来月のカードの引き落としとかいくらだったかなってちょうどチェックして、そんなに使ってないし、耳かきも高いものではないから、これはちょっと冒険しちゃいますか!
「すいません」
店主に声をかけて。
「この特製耳かき欲しいんですが」
そういうと、ドアをあけて、ヒレで手招き、いやヒレ招きしてくれて、椅子に座ってくれと椅子を出されて、お茶を淹れてくれた。
匂いからして、いい茶葉使ってるぜがわかる。
この店主、自分で扱うものに相当こだわりがあると見た、こいつは買い物として期待できますぜと思っていたら。
「サッ」
どれにしますか?とまるで宝石を選ばせるかのように、耳かきは運ばれてきた。
「いろいろと良いものなんだろうが、耳かきの選び方わからないや」
というと、耳を見てこれだと決めてくれた。
それがこの耳かきではある、耳の中が汚い時の方がおそらく気持ちがいいと思い、その日を待ったが、その日は今日やってきた。
それではさっそく…
がさっ
奥まで入るし、もぞもぞと耳かきを動かすと、何かが取れた感覚があったので見ると。
「うわ…汚い」
それで夢中になって耳掃除をしたのだ。
そしてわかったこと、この耳かきは自分でやるものではないということだ、なんというか、耳かきをすると眠くなる、リラックスしすぎり、これは危ないと思ったほど。
危ない危ない、風呂で溺れるあの怖さ、あっち系である。
というわけで、お店の営業日を調べて。
祝日だが今日は午後からは営業しているということなので、理容ルームに行ってきた。
店主には事前に日本語のメッセージで、前に買った耳かきを持っていくのでこれで耳掃除をお願いしたいとお願いすると、okのスタンプで帰ってきた。
そして今、耳掃除を始める。
クイ!っと首を傾けられ、耳かきが奥に、ゾクゾクっとくる、そうこれ、これが自分で耳掃除をしたときにも起こるのだが、眠くなってしまって、危ないのである。
カリ…カリ…カリ…
こちらな要望からか、店主は耳掃除をマッサージするように気持ち良さを重視してくる。
汚れを取り除くのではない、この耳掃除の時間だけは浮き世を忘れるように、ゾクゾクっと耳から始まる気持ちよさは今まで経験したことがない粋へとつれていく。
トントン
耳掃除が終わり、ツボを押されているときにハッ!と目を覚ます。
あ~やはりこの耳かきは自分で掃除するタイプではなかったかと再確認した。
「サッ」
耳の中から出てきたものを見せようとするが。
「それは捨ててください」
こんなに気持ちいい時に、中から出てきたものを見たら興醒めするというもの。
首を左右に動かすと肩も楽になっている。
「えっ?お釣多くない?」
お会計をすると、お金が多く返ってきたので内訳を聞くと、店主は説明書きを見せてきた、ここで耳かきを買った方が持参すると割引になるらしい。それは良いことを知った。
「また来ます」
「サッ」
割引価格とKCJの支部でお買い得日替り定食を食べれば悪くない予算である。
もう一回計算、うん、やっぱりかなりお得だな。
KCJの食堂、食堂だけの利用もできるっていうけども、なんとなく入りにくいが、この理容ルームに寄った帰りですってなると気分的にも使いやすい、よし、しばらくはこのセットにしよう。
そして四回ほどこのような形で休日を過ごしたところ。
「うわ…いつもよりお金使ってないな」
家計簿見ると、先月と前年同月と比べてみても浮いていることがわかる。
これはもしかして、奨学金の繰り上げ返済もいけるのでは?
しかも無理なくというやつである。
ふっふっふっ、これは悪くない。
悪人面はしてますが、節約は正義、繰り上げ返済も正義!
それに合わせて資格試験勉強して、支払いが終わったらそのまま資格試験!
楽しい未来が描けると、こんなに楽しいものだとは…
くっくっくっ、KCJの一般人でも使えるサービス使い倒してくれるわ!

最近、一般人の常連ができたなと、KCJの職員たちは思っているが。
「ああいう使い方してくれるのが理想なんだけども、意外とみんなしないんだよな」
管理の人間はそんなこと言ってた。
そう!つまりはこういう人の考えはバレバレではあるが、職員たちは素知らぬ振りをしている。
KCJを利用しているつもりが、利用されているんだ!
これがKCJですよ、そして、あなたもKCJの魔の手にはお気をつけください、KCJはあなたも狙っているのですから。
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