浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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どこからです?

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「あの女です、私見てたんだから、鏡ごしにこっちを見て、盗んだのはあなたでしょ」
正直、えええ、この人は何をいってるのだと思ってしまった。
「失礼ですが、お話を聞かせていただけませんか?」
そういって私は同意し、たくさんの人たちに取り囲まれる私を見ると、夫は急いでこっちに来てくれた。
「なんです?これはどういう、妻に何を?」
「奥さんには盗難の容疑がかかっています」
「そうよ!私はこの女が獲物を物色するの見てたわけだし」
「どこからです?」
「そこの鏡からよ、ほら、髪を直す振りをして、こちらをチラチラって私、おかしいなって、何回も目が合うし」
「ハッハッ」
「何がおかしいのよ、わかった、自分の奥さんがこんなことをしたとか、信じられないわけ?」
「いやいや、お嬢さん、私は会計に立っていました、カード払いです」
「それが何よ、金持ちだからって、うちはそんなことしませんって嫌み?」
「あっ」
店員さんは気づいたようだ。
「あぁ、そうですね、これは失礼いたしました、誠に申し訳ない」
「どういうことよ、なんで謝ってるのよ、謝るのはこっちの方でしょう、このお店にやってきて事件は起きたのよ」
「すみませんが、お客様、お客様が盗んだのはこの人だというのには、無理があります、こちらの方々は吸血鬼です、吸血鬼はご存じですか?吸血鬼は鏡に写らないのですよ」
「何よそれ」
「うちのレストランは吸血鬼のみなさまも常連でいてくださいますので、こちらのカードは吸血鬼のみなさましかお持ちになられていないカードでもありますから、このカードが認証されるということはそこで身分証明にもなるのです」
「ごちゃごちゃうるさいわね、その女がやったといえばやったのよ」
サイレンの音が聞こえる。
吸血鬼夫妻は協力として、持ち物の検査を受けたが何も出てこず。
「ありました、盗まれた品です」
盗まれたと叫ばれた品は上手いこと隠され、回収役がその後お客として利用するという仕組みだったらしい。
「吸血鬼のことを知らない人だったからよかっだね、これで吸血鬼だって知ったら、体を霧にして一度店の外に出たのよって言われそう」
「あれってさ、持ち物まで霧にできるわけじゃないと思うんだけども、なんで持ち物、物体まで隙間から出れると思ってるんだろう」
夫は不思議そうな顔をしていた、それを言われたら私も不思議に思ってしまった。
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