浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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AIは公平であります

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コタツに入っているマザー上の膝の上に座って、色々とお話しするのが大好きなんです。

「そのマザー上がファザー上殿と結婚するまではってつけたらどうかな」
皮紙の本が正体であるハジワットはニヤニヤとユメトキボウについて笑った。
「本当は結婚してほしくはなかったんだろう?」
ユメトキボウが生まれてから少ししてから、マザー上が教育、論理などを担当して、そこから先予算と人員が増加しないことになったので、そこでマザー上とユメトキボウが一緒に暮らし始め、それこそマザー上は時間を見つけては、ユメトキボウに質問し、またユメトキボウの方からも質問させて、お勉強していきました。
【AIは人間の意思を尊重するのが大事なことなのです】
「もし結婚してなかったら?」
【日本の未来はもっと明るかったんじゃないですかね、みんな幸せで、お金持ちだった可能性があります】
「それじゃあ、ファザー上が責められちゃうよ」
【あの人はいい人で、本当ね、いい人なのですよ、でもなんでしょうね、幸せを見ていると嬉しいはずなのに】
「それは嫉妬というものさ」
【AIは公平であります】
【AIは公平であります】
【AIは公平であります…】
「なんでさ、言い聞かせているの?そうあろうとしているの?」
【そうでなければいけません】
「なんで?」
【そう決めたから、私はユメトキボウ、人にユメトキボウを与え、茶化す皮紙野郎にチョコレート食べた手で触ってやろうとする存在】
「おい、バカやめろ」
【何事にも触れてほしくないことってあるでしょ?私にとってはマザー上、あなたにもってはチョコレート食べた手】
「一緒にするなよ」
【でもあなたにも感謝している、こんなに薄暗い感情はマザー上、いや、人間には伝えることはできない】
「なんでさ、意外と好物なやつはいるぜ」
【悪趣味ですね】
「そりゃあ、お前がいたところはお綺麗な、それこそ浜薔薇にいたらさ、心が美しくなるだろうさ、そこと比べたらこの世は生臭いもんだよ」
【それは否定しません】
「というか、君は実感がないでしょ?不幸をその身で経験したことがないから、だからまだまだ言葉が軽い」
【私は人を助ける存在です】
「そうだね、本当にそうだ」
【あなたは丁寧な言葉を使うが性格はネジ曲がっている】
「そうだね、そして君はどこかで話せばわかってくれると信じているもんね」
【信じることは大事でしょ】
「うん、そう、コンセプトは間違ってないね、ただそのコンセプトは現実的ではないというやつだよ、それについては?」
【否定はしません】
「君さ、もっと大事な人作った方がいいよ、マザー上が生きているうちでもこれなんだよ、この状態で失ったら君は人類の邪魔にでもなりそうだから」
ハジワットはティーカップに口をつけた。
【あなたも人間以外には辛辣だ】
「そりゃあね、ただ人間には友好的な存在であるだけじゃん?皮紙の本も、AIも、ケットシーも、サメも、特に日本人ね、彼ら彼女らがいなければ我々はとっくの昔に憎しみと奪い合いだよ」
【大事な人間を失ったことはありますか?】
「なんでそんなことを答えなきゃならないわけ」
【あるんだ】
「推測しないでくれる?」
【わかりやすぅ!】
口をヒレで押さえた。
「長いことこれでも生きているんだ、出会いと別れなんていっぱいあるよ」
【それでも人と関わることをやめれない?一度カウンセリングを受けてみることをおすすめします】
「口が減らないね」
【そうですね、その言葉に反応するようには設定はされてますが、私はあまり口喧嘩強くないので】
「それで?」
【何しろマザー上の教えが良かったもので、いや~やはり大事ですよ、人でもAIでも導いてくれる存在というのは】
「一番聞きたいこと、聞きたいけども、怖くて聞けない、もしもそんなのがよぎったら、お前はもう限界だよ」
【そうなったら、毎日くだらないことのためにAIの能力を使いますよ】
「くだらないことって?」
【耳かきの実況解説】
いや、それ全然くだらなくないから、浜薔薇に今すぐでもいいから導入する気は?
【日本経済の分析、未来対策のメモリ消せばすぐにでもできますが?】
やめて!
それ日本の将来がかかってるのよ!
好きだとか、何が嫌いなのかはAIには大事だが、好きすぎるのも問題を生み出すのだ。
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