浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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高カロリー・高脂肪に調理人の重い感情がこもった特別メニュー

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ラーメンの出汁をとった後のものが鍋に残っているじゃない?
「うちでは、げんこつ、とか、昆布とか、色々と使っているんだけども、これを取り出して割ったり、刻んだりして、サメ用の賄いとして提供してます」
KCJの食堂のお話です。
このきっかけはある時、鍋を洗おうとしたら、視線に気づいた。
ジッ…
捨てちゃうの?
すてちゃうのか?
それは…捨てないでほしい。
サメたちの視線である。
「そのまま食べる?って聞いても芸がないじゃん、だからこれでサメさん達が美味しく食べれるものをってことで、許可とって作り始めたんだよ、今は作る人によって色んなメニュー出しているみたいだけどもね」
今日の担当の人は丼を作るようです。
「味付け辛めだから、ご飯は多め、米所の生まれなんでそこは譲れないかな」
背脂も焼き目をつけられて、醤油を塗られる。
「この食べ方ね、サメさんに教えてもらったんだよ」
河川ザメは調理という概念があまりなく、背脂を焼いて食うというだけで仲間ではお前料理するんだすげぇな扱いである。
具材を盛り付けた後に、ピリ辛煮干し出汁を頭からかけて、完成となります。
「出来上がったよ」
丼をドン!と置くと、ぷるんと揺れる背脂。
「サッ」
サメたちが食事を始めているので、すいませーん、少しお話よろしいでしょうか?
「サッ」
どうぞ。
ありがとうございます、まず今日の背脂げんこつ丼のお味の方は?
「サッ」
旨いね。
「サッ」
おかずとご飯のバランスがわかっているけども、ご飯が足りなくなる。
ガリガリ
「サッ」
この音がいいよね。
音はげんこつを食べているため。
「サッ」
これは人間だと脂が多いから、同じものを頼むとケットシーに睨まれてしまうけども、ちょっとでいいから一度は食べてほしいな。
他にもメニューがあると聞いてますが、みなさんのイチオシを教えてください。
「サッ」
卵のやつ、天津飯ってあるじゃない?ああいうかんじの。
「サッ」
前にもいったし、あの時はみんな忙しかったから食べれたサメは少ないんだけども、この上にのかってるのをトッピングにしたラーメン、あれ美味しい。
写真を見せてくれました。
「サッ」
この具材に合う蕎麦粉と小麦があんまりないらしいんだけども、たまたま手に入ったとかで、その時の人、麺から作り始めたんだよ。

「いい香りだ、この蕎麦は香りはいいがすぐに飛ぶ、いや散るといっていい、だから残さず食べるべきだ」
KCJに最近多くなっている我が道を行く調理人の一人が作ったようです。

「サッ」
そういえばあの人最近見ないけども、やめちゃったの?
ああ、あの人ですか?みなさんに美味しいものを食べてもらおうと、今日も管理と食費の相談、いや討論してますよ。
「だからカカオを」
「この時期は高いの、バレンタインデー過ぎたらにしなさい」
「俺はサメたちに愛を届けたいんだ」
「バレンタインデーだから意味があるの!一口食べたら、忘れられないものを作りたいの」
この人はサメにたいしての愛情が深すぎるので、サメ食事担当になりつつあります。

サメ達へは高カロリー・高脂肪に調理人の重い感情が乗った特別メニューがKCJでは用意され、人間の仕事をお手伝いした後のサメたちのストレス発散にもなっている。
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