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お嬢サメ~やべぇ店長がモリモリ食われている~
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「どうも寛永トラジです」
「寛永タカミです」
さぁ、やってきました、映画館イベント。
「本日のゲストは…おや、姿が見えませんね」
『ここですよ』
トラジとタカミの間に置かれた彼らよりも若干大きなサメ人形、その腹の中から声が聞こえるのである。
『すいません、こちらの映画館に向かう途中にサメに食われてしまいまして…』
「それは…仕方がないですね、声を聞いただけでどなたかわかった方も多いかと思いますが、マワリ監督のサメ映画に出演して以来、ここ最近のサメ映画の一番の食われ役、第一犠牲者として有名なあの人ですよ!」
なお、本来は実際に映画館に来る予定でしたが、スケジュールがサメ映画の撮影にぶつかってしまい、音声だけならばというところを、ただ音声だけならばおもしろくないということで、サメに食われた状態での出演になります。
そう、これなら不自然ではない、何しろサメに食われたのだから。
「それではお話を聞かせていただきたいんですが、最初にサメ映画に出るきっかけというのはどういったものだったんでしょうか?」
『マワリ監督が、舞台公演後にいきなりですかね、今からサメに食われる気はないかな?って聞いてきて、疲れもあったからでしょうね、いいですよって答えたら…』
バタン
扉が開き、廊下からサメが登場した。
『それ見たら変な笑いが出ましたよ、そのまま、この公演の再配信するときの広告になるよって言われて噛まれました』
公演は全然サメが関係ありません、関係ないのにポスター類をプロデュースしたマワリ監督はサメにしました。
『そのままその時の役者さんはみんな噛まれて、サメに襲われるキャスト紹介のポスターが完成したんですよ』
聞いてくれよ、なんだかそれが好評で、サメ映画を実際に撮影することになったんだよ。だからまた出てくれないか?特に君がサメに襲われるとみんなワ~って反応するんだよ。君にはサメに食われる才能がある。
マワリ監督はそれまでサメ映画は撮影したことはありませんでした。
『乾いた笑いは、はっはっって出ました、まあ、でもサメに食われる仕事なんてそうそうないだろうなって思われながら、その時は噛まれましたね、そしたら他のサメ映画からも呼ばれるようになっちゃったり、こうして映画館のイベントゲストに招待いただいたりして、サメ映画のおかげで売れっ子にさせてもらいましたよ』
「実は兄、こちらにいるトラジ兄はあなたの大ファンでして、会えるのを楽しみにはしてました」
『それは申し訳ない』
「いえいえ、新作サメ映画の撮影と聞いたのならば折れるのはこちらの方ですし、現在撮影中の映画が公開される時は大々的にまた紹介させていただきますので」
『実はですね、公開が決まりまして』
「えっ?本当ですか?それはおめでとうございます」
『それで監督からこちらで正式タイトルを発表してもいいと許可をいただきました』
「いいんですか?ここ一映画館ですよ」
『何を言ってるんですか、映画にかける執念、お客さんに忘れられない経験をしてもらうにかけては、俳優として見習わなければなりませんからね』
「ありがとうございます、そういっていただけると映画館事業を続けた甲斐があります」
「良かったね、兄さん、それでは最後に現在撮影中の映画、その正式タイトルを教えていただけますでしょうか?」
『はい、わかりました、現在撮影しているサメ映画は【お嬢サメ~やべぇ店長がモリモリ食われている~です、公開されましたらどうぞ映画館に足をお運びください】』
「その時は我々が全力を持って、サメ映画の沼に蹴り飛ばしたいと思います、それでは今回の配信は寛永トラジと!」
「寛永タカミでした、それではまたね!」
「寛永タカミです」
さぁ、やってきました、映画館イベント。
「本日のゲストは…おや、姿が見えませんね」
『ここですよ』
トラジとタカミの間に置かれた彼らよりも若干大きなサメ人形、その腹の中から声が聞こえるのである。
『すいません、こちらの映画館に向かう途中にサメに食われてしまいまして…』
「それは…仕方がないですね、声を聞いただけでどなたかわかった方も多いかと思いますが、マワリ監督のサメ映画に出演して以来、ここ最近のサメ映画の一番の食われ役、第一犠牲者として有名なあの人ですよ!」
なお、本来は実際に映画館に来る予定でしたが、スケジュールがサメ映画の撮影にぶつかってしまい、音声だけならばというところを、ただ音声だけならばおもしろくないということで、サメに食われた状態での出演になります。
そう、これなら不自然ではない、何しろサメに食われたのだから。
「それではお話を聞かせていただきたいんですが、最初にサメ映画に出るきっかけというのはどういったものだったんでしょうか?」
『マワリ監督が、舞台公演後にいきなりですかね、今からサメに食われる気はないかな?って聞いてきて、疲れもあったからでしょうね、いいですよって答えたら…』
バタン
扉が開き、廊下からサメが登場した。
『それ見たら変な笑いが出ましたよ、そのまま、この公演の再配信するときの広告になるよって言われて噛まれました』
公演は全然サメが関係ありません、関係ないのにポスター類をプロデュースしたマワリ監督はサメにしました。
『そのままその時の役者さんはみんな噛まれて、サメに襲われるキャスト紹介のポスターが完成したんですよ』
聞いてくれよ、なんだかそれが好評で、サメ映画を実際に撮影することになったんだよ。だからまた出てくれないか?特に君がサメに襲われるとみんなワ~って反応するんだよ。君にはサメに食われる才能がある。
マワリ監督はそれまでサメ映画は撮影したことはありませんでした。
『乾いた笑いは、はっはっって出ました、まあ、でもサメに食われる仕事なんてそうそうないだろうなって思われながら、その時は噛まれましたね、そしたら他のサメ映画からも呼ばれるようになっちゃったり、こうして映画館のイベントゲストに招待いただいたりして、サメ映画のおかげで売れっ子にさせてもらいましたよ』
「実は兄、こちらにいるトラジ兄はあなたの大ファンでして、会えるのを楽しみにはしてました」
『それは申し訳ない』
「いえいえ、新作サメ映画の撮影と聞いたのならば折れるのはこちらの方ですし、現在撮影中の映画が公開される時は大々的にまた紹介させていただきますので」
『実はですね、公開が決まりまして』
「えっ?本当ですか?それはおめでとうございます」
『それで監督からこちらで正式タイトルを発表してもいいと許可をいただきました』
「いいんですか?ここ一映画館ですよ」
『何を言ってるんですか、映画にかける執念、お客さんに忘れられない経験をしてもらうにかけては、俳優として見習わなければなりませんからね』
「ありがとうございます、そういっていただけると映画館事業を続けた甲斐があります」
「良かったね、兄さん、それでは最後に現在撮影中の映画、その正式タイトルを教えていただけますでしょうか?」
『はい、わかりました、現在撮影しているサメ映画は【お嬢サメ~やべぇ店長がモリモリ食われている~です、公開されましたらどうぞ映画館に足をお運びください】』
「その時は我々が全力を持って、サメ映画の沼に蹴り飛ばしたいと思います、それでは今回の配信は寛永トラジと!」
「寛永タカミでした、それではまたね!」
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