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山マントラゴラは丸飲みが基本
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ホラーがあります、ご注意ください。
アァァァァァ!
真中(ただなか)はそんな悲鳴が聞こえたために、仮眠から目を覚ました。
(えっ?何?何があったの?)
ここら辺が能力はあるが戦い向きではない差であろう、戦えるのならばそこでそのまま切りつけにいくぐらいはしている。
キョロキョロ見回しても、いつの間にか帰ってきたサメが部屋の中にいるだけで。
(寝ぼけたのかな?)
そう思ってると。
アァァァァァ!
また聞こえた、聞こえた場所はサメのお腹からであった。
「どういうことなんだろう?」
今までそんな絶叫はサメの腹から聞こえたことはない、どこか悪いのか?と思ったところサメは目を覚ました。
「サッ」
おはよう。
「おはよう、お腹の調子悪いの?」
「サッ?」
お腹の調子?
アァァァァァ
「サッ?」
これ?
「これ」
「サッ」
これは余った山マントラゴラを食べたんだよ、その声。
「マントラゴラ?聞いたら人間は死んでしまうやつでは?」
「サッ」
サメのお腹越しなら大丈夫、もっと聞く?
「聞かない」
「サッ」
そう?かなり珍しいんだよ、品評会に出すような山マントラゴラなんて食べれないそうだし。
「まず品評会があることの方が驚きだよ、なんか食べようよ、そのまま胃から聞こえると落ち着かない」
「サッ」
わかった。
そういって食事の準備はするから、その前にプロテインドリンクを渡された。ストローで器用にサメは飲む。
「水芭(みずば)さんが作ってくれたものの残りもあるけど、もう一品なんか作ろうか」
「サッ」
楽しみ。
「それで話の続きなんだけども、山マントラゴラを食べた理由は?」
「サッ」
兄さん姉さんにハムサンドは美味しいよって教えてくれた人が、喋っている最中に人霊にやられたの、そいつは楽しそうにしているのが許せないやつで、そのまま教えてくれた人咳が止まらなくなったんだよ。
ここでいう兄さん姉さんは、このサメの兄姉ではなく、忍術を習った先の兄弟子姉弟子のことです。
「ああ、大丈夫、いつものことだから」
そういって咳止めを使う。
「その人ってこの辺の人?」
「サッ」
そう、川向こうのお屋敷の人。
「えっ、あそこって」
「サッ」
そういう屋敷の血縁者。
「覆木(おおうき)さんとかは知ってるの?」
「サッ」
知ってると思う。あそこの娘さんと同じ学校に通ってるから。
「同級生?」
「サッ」
そこまでは知らないが、顔見知りだとは思う。
「まあ、あそこは異世界関係か、こっちの世界でワケアリかのどっちかだからな、で目の前でそれやられたので怒ったわけか」
「サッ」
そりゃあ、人間に悪さする人霊を好きなサメはいないでしょ。
「そういうものなんだ」
「サッ」
人霊ってさ、元々人だったんだけどもね、それはわかるよ、それは、でも人だったときからサメに嫌われるタイプなんだよね。だからサメというものをあんまりよく知らないんじゃないかと思う。
「つまりそこでサメの恨みをかったのか」
「サッ」
兄さん姉さん、その人から許可とって、屋敷の人霊をどうにかしていいかって聞いたら。
「それが出来たら良いことなんだけどもね」
って答えて、サメたちはそれを肯定表現と受けとる。
「サッ」
この時期、山マントラゴラは旬を迎えるので、この時期まで待った上で、品評会に今年は出さずに、それを使うことを決めたんだ、それで午前中に兄姉がプランターで山マントラゴラを持ってきたんだ。
許可はおりていたために、どの部屋に奴がいるのか、外から窓を上げて、山マントラゴラを投げ、すぐに窓を閉めると中から山マントラゴラの悲鳴が聞こえた。
「サッ」
そしたら思った以上に弱くて。
「あっ、ご飯できたよ、手を洗って」
「サッ」
じゃあ、いただきます。
「んで話に戻るけどもさ」
「サッ」
野菜炒め美味しい、それで一体目のマントラゴラが鳴き切るまで待ってたんだけども、これがどうもおかしいと、想像以上に人霊が弱かったんで、どうする?せっかく用意してきたマントラゴラが無駄になりそうってことで、ここにいるサメで食べたことないのもいるからと、窓の外でマントラゴラを食べてきたんだよ。
「もしかして丸飲みしたの?」
「サッ」
山マントラゴラは丸飲みが基本、じゃないと外に悲鳴が聞こえちゃうから。
「それでか、サメのお腹からなら無害ならそうなるか」
「サッ」
思ったよりもサメの胃腸よりもマントラゴラは強かった。
「知らなかったら、何事かって思っちゃうよ、病気とかじゃなくて安心したけどもさ、しかし、そういう呪い系もさ、無くなってほしいもんだよね」
「サッ」
本当にそう。
「だってさ、呪った理由聞くと、えっ?何を言ってるの?それが今も通ると思ってるの?みたいな理由だし、楽しいことを許さないタイプの人霊だと、自分に仕えさせようとしているやつでしょ」
「サッ」
そうそう、生きている人を自分に従わせたりする、支配しようとするタイプだね、だからまず幸せとか楽しいって言うことから奪うんだよ。
「そこしか生きる道はないって教えるのがな、でもなんでそれでお屋敷に?」
「サッ」
藩政時代の関係、川の向こうは他領の関係者が住んでいたから、ただ本当にサメにもわからないぐらい不思議なんだけどもさ、故郷にずっといたらこういう呪いの解かれ方はなかったと思うんだ、それこそそっちのサメが解くならばまだしも。
「なるほど、わざわざこっちに引っ越してくる理由がわからないか」
「サッ」
だってそうじゃん?向こうじゃ自由に呪えた支配できてたわけなのに、土地が変わったらそうもいかない、少なくともこの地はもう忍ジャメが人間と協力しているわけだからね、そんなところに人霊が人を支配し、縛ってますが来ちゃったら、サメからすると、へぇ?ってなるじゃん。
「そのへぇ?は怖いんだけどもね」
相手の強さを計ってる『へぇ?』である。
「サッ」
それでも俺なら大丈夫って思ってるのならば、忍ジャメがいつでも相手になりますよって話ですよ。ごちそうさま、洗い物はやっておきます。
「はい、ごちそうさま、でも俺からすると人霊でサメに勝てる存在はいないとは思うよ」
何しろKCJの戦闘許可証が取れる人間にまとわりつく人霊ですらいないのだから。
「自分が好き勝手できるような相手しか選んでないんだもんな」
しかし、それ故に厄介とも言える。
アァァァァァ!
真中(ただなか)はそんな悲鳴が聞こえたために、仮眠から目を覚ました。
(えっ?何?何があったの?)
ここら辺が能力はあるが戦い向きではない差であろう、戦えるのならばそこでそのまま切りつけにいくぐらいはしている。
キョロキョロ見回しても、いつの間にか帰ってきたサメが部屋の中にいるだけで。
(寝ぼけたのかな?)
そう思ってると。
アァァァァァ!
また聞こえた、聞こえた場所はサメのお腹からであった。
「どういうことなんだろう?」
今までそんな絶叫はサメの腹から聞こえたことはない、どこか悪いのか?と思ったところサメは目を覚ました。
「サッ」
おはよう。
「おはよう、お腹の調子悪いの?」
「サッ?」
お腹の調子?
アァァァァァ
「サッ?」
これ?
「これ」
「サッ」
これは余った山マントラゴラを食べたんだよ、その声。
「マントラゴラ?聞いたら人間は死んでしまうやつでは?」
「サッ」
サメのお腹越しなら大丈夫、もっと聞く?
「聞かない」
「サッ」
そう?かなり珍しいんだよ、品評会に出すような山マントラゴラなんて食べれないそうだし。
「まず品評会があることの方が驚きだよ、なんか食べようよ、そのまま胃から聞こえると落ち着かない」
「サッ」
わかった。
そういって食事の準備はするから、その前にプロテインドリンクを渡された。ストローで器用にサメは飲む。
「水芭(みずば)さんが作ってくれたものの残りもあるけど、もう一品なんか作ろうか」
「サッ」
楽しみ。
「それで話の続きなんだけども、山マントラゴラを食べた理由は?」
「サッ」
兄さん姉さんにハムサンドは美味しいよって教えてくれた人が、喋っている最中に人霊にやられたの、そいつは楽しそうにしているのが許せないやつで、そのまま教えてくれた人咳が止まらなくなったんだよ。
ここでいう兄さん姉さんは、このサメの兄姉ではなく、忍術を習った先の兄弟子姉弟子のことです。
「ああ、大丈夫、いつものことだから」
そういって咳止めを使う。
「その人ってこの辺の人?」
「サッ」
そう、川向こうのお屋敷の人。
「えっ、あそこって」
「サッ」
そういう屋敷の血縁者。
「覆木(おおうき)さんとかは知ってるの?」
「サッ」
知ってると思う。あそこの娘さんと同じ学校に通ってるから。
「同級生?」
「サッ」
そこまでは知らないが、顔見知りだとは思う。
「まあ、あそこは異世界関係か、こっちの世界でワケアリかのどっちかだからな、で目の前でそれやられたので怒ったわけか」
「サッ」
そりゃあ、人間に悪さする人霊を好きなサメはいないでしょ。
「そういうものなんだ」
「サッ」
人霊ってさ、元々人だったんだけどもね、それはわかるよ、それは、でも人だったときからサメに嫌われるタイプなんだよね。だからサメというものをあんまりよく知らないんじゃないかと思う。
「つまりそこでサメの恨みをかったのか」
「サッ」
兄さん姉さん、その人から許可とって、屋敷の人霊をどうにかしていいかって聞いたら。
「それが出来たら良いことなんだけどもね」
って答えて、サメたちはそれを肯定表現と受けとる。
「サッ」
この時期、山マントラゴラは旬を迎えるので、この時期まで待った上で、品評会に今年は出さずに、それを使うことを決めたんだ、それで午前中に兄姉がプランターで山マントラゴラを持ってきたんだ。
許可はおりていたために、どの部屋に奴がいるのか、外から窓を上げて、山マントラゴラを投げ、すぐに窓を閉めると中から山マントラゴラの悲鳴が聞こえた。
「サッ」
そしたら思った以上に弱くて。
「あっ、ご飯できたよ、手を洗って」
「サッ」
じゃあ、いただきます。
「んで話に戻るけどもさ」
「サッ」
野菜炒め美味しい、それで一体目のマントラゴラが鳴き切るまで待ってたんだけども、これがどうもおかしいと、想像以上に人霊が弱かったんで、どうする?せっかく用意してきたマントラゴラが無駄になりそうってことで、ここにいるサメで食べたことないのもいるからと、窓の外でマントラゴラを食べてきたんだよ。
「もしかして丸飲みしたの?」
「サッ」
山マントラゴラは丸飲みが基本、じゃないと外に悲鳴が聞こえちゃうから。
「それでか、サメのお腹からなら無害ならそうなるか」
「サッ」
思ったよりもサメの胃腸よりもマントラゴラは強かった。
「知らなかったら、何事かって思っちゃうよ、病気とかじゃなくて安心したけどもさ、しかし、そういう呪い系もさ、無くなってほしいもんだよね」
「サッ」
本当にそう。
「だってさ、呪った理由聞くと、えっ?何を言ってるの?それが今も通ると思ってるの?みたいな理由だし、楽しいことを許さないタイプの人霊だと、自分に仕えさせようとしているやつでしょ」
「サッ」
そうそう、生きている人を自分に従わせたりする、支配しようとするタイプだね、だからまず幸せとか楽しいって言うことから奪うんだよ。
「そこしか生きる道はないって教えるのがな、でもなんでそれでお屋敷に?」
「サッ」
藩政時代の関係、川の向こうは他領の関係者が住んでいたから、ただ本当にサメにもわからないぐらい不思議なんだけどもさ、故郷にずっといたらこういう呪いの解かれ方はなかったと思うんだ、それこそそっちのサメが解くならばまだしも。
「なるほど、わざわざこっちに引っ越してくる理由がわからないか」
「サッ」
だってそうじゃん?向こうじゃ自由に呪えた支配できてたわけなのに、土地が変わったらそうもいかない、少なくともこの地はもう忍ジャメが人間と協力しているわけだからね、そんなところに人霊が人を支配し、縛ってますが来ちゃったら、サメからすると、へぇ?ってなるじゃん。
「そのへぇ?は怖いんだけどもね」
相手の強さを計ってる『へぇ?』である。
「サッ」
それでも俺なら大丈夫って思ってるのならば、忍ジャメがいつでも相手になりますよって話ですよ。ごちそうさま、洗い物はやっておきます。
「はい、ごちそうさま、でも俺からすると人霊でサメに勝てる存在はいないとは思うよ」
何しろKCJの戦闘許可証が取れる人間にまとわりつく人霊ですらいないのだから。
「自分が好き勝手できるような相手しか選んでないんだもんな」
しかし、それ故に厄介とも言える。
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