617 / 934
男心は七不思議のうちの一つ
しおりを挟む
「あら?どうしたの?急な仕事?」
「昨日まではね、何もなかったし、時間があいたんでさ、顔を…いや、会いに来た」
「えっ?」
「あんまり嬉しそうじゃないね…」
「いえ、まさか来るとは思わなかったから」
「ひどいな、まあ、今まではっきりしなかった俺も悪いんだけどもさ」
「来てくれて嬉しいわ」
「そういってくれると、あっ、これね、そのお土産」
「ずいぶんと遠いところまで行ってきたのね」
「うん、でも何もなかったから、延長もなしで戻ることにはなったんだ」
「何もない方がいいわよ」
「そうだね、もしも、は、あるからね」
ここ来るまで、それこそ馴染みの景色が見えた辺りでほっとした。
「お土産これで良かったかな、なんて考えてたんだ」
「一緒に食べましょうよ、お茶を淹れるわ」
「少し離れていたつもりだったんだけども、町中の病気、薬もないみたいだな」
「ここは街から離れているもんだから、聞こえているのは話だけだし、ほら私自身はお店ではないから、薬がないから代わりに何を使えばいいのかって、そういう話の相談にはのったりするぐらいね」
「頼りになるよね」
「それだと嬉しいわ」
「もらったクリームもつかったんだけども、あれのおかげで肌ツルツルだよ、いつもは真っ赤になるのにさ」
「ああ、それは結構いいものなのよ、ご婦人の肌の悩みを、それこそ若々しくってやつね、そのまま使い続ければあなたもそのままよ」
「…」
「あら、どうかした?はい、お茶」
「ありがとう、いや、男としてはいつまでも見た目が若いというのはね」
「下に見られちゃうから?」
「それは…少しあるし、君の隣に立ったときに、釣り合いがとれるぐらいの方がいいよねって」
「私は見た目と年齢離れているし」
「30年変わらないって、30年前知らないけども、そういうことってあるの?」
「あるみたいね、上手くいっちゃったみたいなもんよ、まあ、だから故郷から離れて、こっちに来たんだけども、あっちだと、二十歳越えた女で未婚はね、居づらいから」
「それもどうにかしていると思うんだけども」
「あなたはそうは思うけども、それこそこちらの男性はとても優しいと思うわ」
「俺だけじゃなくて」
「親切ね、あら、どうしたの?拗ねた?」
「あんまり面白くはないかな、時間がさ、できたから、どっかいかない?そのデートで」
「いいわね」
「じゃあ、この後とか」
「早い、早い、歩くための格好してないから、疲れちゃうわ」
「お姫様抱っこでもいいよ」
「力持ちなのはわかってるけどもさ」
二の腕はたくましい。
「その腕は絡ませるだけにさせてちょうだい」
「…はい」
「女の子ともちゃんと話せるはずなのに、なんでかしらね、たまにそうなっちゃうの」
「君だからだよ」
「私だからなの?」
「そうです」
ふさぎこんでしまった彼を、彼女は覗きみる。真っ赤で、いつもとは本当に違う。
「デートはどこに行くの?」
「どこにする?」
大分調査したのか、パンフレットずらっと見せる。
「俺はどこでもいいよ」
「そういえばクリスマスも近いし 」
「定番がいい?混まないところがいい」
「混んでない時間に定番はどうかな?」
「水族館でいいん」
「そういえば行ったことないわね」
「じゃあ、水族館へ」
「ペンギンとか可愛いわね、水族館って一回ぐらいかな、行ったことがあるの、修行の研修で」
サメを見よう、わかるかな?サメだよ、サメ、サメは再生と力の象徴なんだよ。
「サメのお話の記憶しかないわね」
「サメ好きにサメの話をさせると、止まらないからな」
「そうなのよね、大抵、先生、サメの話はわかりますが、今日はみんなの骨休めも兼ねてますって、早々と食事に行ったわよ、でもそっか、水族館か、ちょっと楽しみね」
待ち合わせ場所に彼女がいると。
「ねえ、お姉さん、遊ばない?」
(私の子供ぐらいの年かしらね)
「ごめんなさいね」
実はこのとき彼氏は見かけて、急いで近づいていたのだが。
「これから大好きな人に会うのよ」
「それはお幸せに」
と声をかけた男も本気ではなかったようで、さっさと離れ。
「あのさ」
「あら、来たのね」
「大好きな人って本当?」
「嘘の断り文句としては適当だったかしらね」
「そこは嘘って言わないでよ、あれ聞こえたらすんごい嬉しかったのに」
「じゃあ、本当で」
「本当?嘘じゃなくて?」
「どっちがいい?」
「そりゃあ、本当の方がいいな、それなら舞い上がっちゃうよ」
「舞い上がると、失敗しちゃうから、どうしようかな」
「…そこを言われると弱いかもしれない」
「じゃあ、失敗しない程度に、今日のデートは楽しみましょ?」
「あぁ」
「本当に、照れ屋さんね」
「君は俺の心をいつもえぐるんだよ」
「えぐったつもりはないのよ」
「それが嬉しいんだけどもさ」
「男心は複雑ね」
「知らなかった?男心は七不思議のうちの一つに入ってるぐらいだよ」
「それは知らなかった、この辺はよく知らないの」
「ここら辺は俺は子供の頃から来てるからさ」
そういって二人は町を歩いていく。
「昨日まではね、何もなかったし、時間があいたんでさ、顔を…いや、会いに来た」
「えっ?」
「あんまり嬉しそうじゃないね…」
「いえ、まさか来るとは思わなかったから」
「ひどいな、まあ、今まではっきりしなかった俺も悪いんだけどもさ」
「来てくれて嬉しいわ」
「そういってくれると、あっ、これね、そのお土産」
「ずいぶんと遠いところまで行ってきたのね」
「うん、でも何もなかったから、延長もなしで戻ることにはなったんだ」
「何もない方がいいわよ」
「そうだね、もしも、は、あるからね」
ここ来るまで、それこそ馴染みの景色が見えた辺りでほっとした。
「お土産これで良かったかな、なんて考えてたんだ」
「一緒に食べましょうよ、お茶を淹れるわ」
「少し離れていたつもりだったんだけども、町中の病気、薬もないみたいだな」
「ここは街から離れているもんだから、聞こえているのは話だけだし、ほら私自身はお店ではないから、薬がないから代わりに何を使えばいいのかって、そういう話の相談にはのったりするぐらいね」
「頼りになるよね」
「それだと嬉しいわ」
「もらったクリームもつかったんだけども、あれのおかげで肌ツルツルだよ、いつもは真っ赤になるのにさ」
「ああ、それは結構いいものなのよ、ご婦人の肌の悩みを、それこそ若々しくってやつね、そのまま使い続ければあなたもそのままよ」
「…」
「あら、どうかした?はい、お茶」
「ありがとう、いや、男としてはいつまでも見た目が若いというのはね」
「下に見られちゃうから?」
「それは…少しあるし、君の隣に立ったときに、釣り合いがとれるぐらいの方がいいよねって」
「私は見た目と年齢離れているし」
「30年変わらないって、30年前知らないけども、そういうことってあるの?」
「あるみたいね、上手くいっちゃったみたいなもんよ、まあ、だから故郷から離れて、こっちに来たんだけども、あっちだと、二十歳越えた女で未婚はね、居づらいから」
「それもどうにかしていると思うんだけども」
「あなたはそうは思うけども、それこそこちらの男性はとても優しいと思うわ」
「俺だけじゃなくて」
「親切ね、あら、どうしたの?拗ねた?」
「あんまり面白くはないかな、時間がさ、できたから、どっかいかない?そのデートで」
「いいわね」
「じゃあ、この後とか」
「早い、早い、歩くための格好してないから、疲れちゃうわ」
「お姫様抱っこでもいいよ」
「力持ちなのはわかってるけどもさ」
二の腕はたくましい。
「その腕は絡ませるだけにさせてちょうだい」
「…はい」
「女の子ともちゃんと話せるはずなのに、なんでかしらね、たまにそうなっちゃうの」
「君だからだよ」
「私だからなの?」
「そうです」
ふさぎこんでしまった彼を、彼女は覗きみる。真っ赤で、いつもとは本当に違う。
「デートはどこに行くの?」
「どこにする?」
大分調査したのか、パンフレットずらっと見せる。
「俺はどこでもいいよ」
「そういえばクリスマスも近いし 」
「定番がいい?混まないところがいい」
「混んでない時間に定番はどうかな?」
「水族館でいいん」
「そういえば行ったことないわね」
「じゃあ、水族館へ」
「ペンギンとか可愛いわね、水族館って一回ぐらいかな、行ったことがあるの、修行の研修で」
サメを見よう、わかるかな?サメだよ、サメ、サメは再生と力の象徴なんだよ。
「サメのお話の記憶しかないわね」
「サメ好きにサメの話をさせると、止まらないからな」
「そうなのよね、大抵、先生、サメの話はわかりますが、今日はみんなの骨休めも兼ねてますって、早々と食事に行ったわよ、でもそっか、水族館か、ちょっと楽しみね」
待ち合わせ場所に彼女がいると。
「ねえ、お姉さん、遊ばない?」
(私の子供ぐらいの年かしらね)
「ごめんなさいね」
実はこのとき彼氏は見かけて、急いで近づいていたのだが。
「これから大好きな人に会うのよ」
「それはお幸せに」
と声をかけた男も本気ではなかったようで、さっさと離れ。
「あのさ」
「あら、来たのね」
「大好きな人って本当?」
「嘘の断り文句としては適当だったかしらね」
「そこは嘘って言わないでよ、あれ聞こえたらすんごい嬉しかったのに」
「じゃあ、本当で」
「本当?嘘じゃなくて?」
「どっちがいい?」
「そりゃあ、本当の方がいいな、それなら舞い上がっちゃうよ」
「舞い上がると、失敗しちゃうから、どうしようかな」
「…そこを言われると弱いかもしれない」
「じゃあ、失敗しない程度に、今日のデートは楽しみましょ?」
「あぁ」
「本当に、照れ屋さんね」
「君は俺の心をいつもえぐるんだよ」
「えぐったつもりはないのよ」
「それが嬉しいんだけどもさ」
「男心は複雑ね」
「知らなかった?男心は七不思議のうちの一つに入ってるぐらいだよ」
「それは知らなかった、この辺はよく知らないの」
「ここら辺は俺は子供の頃から来てるからさ」
そういって二人は町を歩いていく。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる