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乗られる車も喜ぶから
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「呪いの対象者というのは、生活が制限されてしまうものだから」
覆木(おおうき)がそんな話をし始めた。
「ああ、今日の授業が取り止めになったのは」
螺殻(らがら)ミツは助手席で話に付き合う。
「そうだ、詳しい連絡ももらっているが、やはり嫌になるものだな、ミツは同級生のお友だちと話はしているだろうが」
「してますね、この間、好きなアイドルなんているの?とか聞かれましたけども、私はあまりわからないんですよね」
「呪いが向けられている人間というのはそんな楽しい話もできないんだよ」
「よってくるんですよね」
「そうだ、楽しそうにしているのをぶち壊したくなるらしい、だからそういう話もしなくなるんだよ」
「今、仲良くしている子がいるんですけども、もうちょっとしら契約できるかもしれないって、サメさんなんですけども」
「河川ザメは呪いの類に強いからな」
「なんかサメの女の子が来るとかで」
「えっ?」
「いつもうちにお持ち帰りに来るのは男の子ですよね、『サッ』って鳴いてますから」
「うん、そうだ、サメは性別によって鳴き方が違うから」
「見た目そっくりだから、わかりやすいですよね」
「サメの女の子か…」
「何か問題でも?」
「問題というか、サメの女の子は敵対相手を絶滅させる恐れがある危惧種なんだ」
「メッ」
「それはちょっと過激ですね」
「話を聞く限りでは、そこまでの契約になるとは思えないところはあるんだがな、こちらが知らない話もあるんだろう」
「呪いは難しいですからね」
「そうだな、うちで預かっているものも、解決まではいってないから、あくまで部外者が入り込まないようにとか、そういうものだからな、でもミツやうちの人間が被害に合いそうならば、やはり河川ザメの女の子に守ってもらうは考えちゃうだろうな」
「メッ」
「そういえば、同級生のみんなとプリンの話はしたんですよ」
「プリン?可愛いじゃない」
「喫茶店というのに行って、そのうちプリンアラモードを食べるという約束はしているんですよ、だからその時まで私はプリンアラモードを食べないつもりでいようかと思ってるんですよ」
同級生の中でミツは呪いにかかってないので、喫茶店にはいけるのだが、他のみんなは喫茶店に行きたくてもいけないなら、そんな約束をしたようだ。
「うちで出せればいいんだがな」
「やはり難しいですよね」
現在第15事務所が本拠地になっているのだが、ワケありでもなんでもないビルなので、霊的防御としてはあまり期待できない。
「旧校舎にテイクアウトも考えたんですけども、こう…何て言うのでしょうか、行ってて楽しいお店ってあるじゃないですか、ああいうところで、好きなもの食べて、プリンアラモードも楽しみにしてとかがいいんじゃないかなって」
「それは素敵なことだよ」
「ですよね、だから何時になるのかわからないけど、私はとても楽しみなんですよ」
覆木は少しばかり考えていたが、知っているお店は守るとなると少し心もとなかった。
「ミツ、せっかくだからプリンアラモードは食べないけども、俺の行き着けの喫茶店に案内しよう」
「どんな素敵なお店なんですか」
「行けばわかるよ」
私はただいま、ずっと憧れだったレトロ喫茶店に来ておりますが、この服で良かったのかとただいま後悔しております。
気軽には入れるとはありましたが、スタッフのみなさんとかね、もう制服ピシッとしているし、お客さんたちも常連の人たちって感じ、好きな席にどうぞって言われるけども、なんかこう、実はここは俺の席だったとか言われないよね?大丈夫だよね。
するとそこに。
「いらっしゃいませ、これはこれは、ようこそおいでくださいました」
「久しぶりだね、マスター、ボックス席空いてる」
「はい、空いておりますよ」
連れの女性は内装を見て、おお!と驚いている、わかるわ、ガイドブックにはない、この内装の圧力ってあるよね。
「ミツ、こっちへ」
「はい」
何この人の立ち振舞い、喫茶店に合いすぎて、私は場違いすぎるよ。
すると男性は、ここに来たならばこれを頼めばいいよという話をしていた。
しまった、私はここはケーキセットだと思っていたが、まさかのおすすめは「和」だとは…次に来たとき参考にしよう。
マスターはボックス席からの声が聞こえないように、消音のスイッチを押した。
「そういえば、水芭(みずば)さん、車、代車についてはご機嫌ななめになってましたね」
「水芭はな、そこはしょうがないというか、あいつの目から見ると俺のこだわりは無駄遣いにしか見えないだろうし」
事務所四人の持ち物、装備類の趣味としては、覆木・瀬旭(せきょく)・螺殻ミツ・水芭の順でこだわったりする。
そのため先日足代わりの愛車をKCJの整備に預けたときに、代車をどうするかという話になった。
「覆木なら、乗られる車も喜ぶから、好きなの選びなよ」
といってKCJの整備のおやっさんから、KCJが引き取った、それこそ名車を見せ、覆木が少年に戻ったあと、憧れの名車に決めた。
「乗り心地は良かったですね」
「だろ?あんな綺麗な状態だったら、そのままうちで引き取れないかな…まあ、そうしたら水芭は怒るだろうが」
整備が自前でできない場合の維持費がとても高いお車になります、ただ乗ってるとすんごい気持ちいいんだけどもね。
「運転が必要になるお仕事する場合は、瀬旭さんが運転しますけども」
「あいつはな、馬力、力の強い車であっても、乗りこなせることが出きるからさ」
そのためドラゴンだけとは限らないが、対象の存在を車で追いかけるドラゴンチェイスの場合は、瀬旭運転、覆木が精密射撃と固定されている。
「ミツは水芭と組んだ場合も、射手だろうね、動きの先を読んで当てれるから、これからもとても楽しみだよ」
「ありがとうございます」
「お待たせしました、季節のモンブランになります」
「ここのは美味しいから、たくさん食べなさい」
「はい!あぁ、おいひぃ」
このお店もそのうち同級生たちと来たいなと思ったという。
覆木(おおうき)がそんな話をし始めた。
「ああ、今日の授業が取り止めになったのは」
螺殻(らがら)ミツは助手席で話に付き合う。
「そうだ、詳しい連絡ももらっているが、やはり嫌になるものだな、ミツは同級生のお友だちと話はしているだろうが」
「してますね、この間、好きなアイドルなんているの?とか聞かれましたけども、私はあまりわからないんですよね」
「呪いが向けられている人間というのはそんな楽しい話もできないんだよ」
「よってくるんですよね」
「そうだ、楽しそうにしているのをぶち壊したくなるらしい、だからそういう話もしなくなるんだよ」
「今、仲良くしている子がいるんですけども、もうちょっとしら契約できるかもしれないって、サメさんなんですけども」
「河川ザメは呪いの類に強いからな」
「なんかサメの女の子が来るとかで」
「えっ?」
「いつもうちにお持ち帰りに来るのは男の子ですよね、『サッ』って鳴いてますから」
「うん、そうだ、サメは性別によって鳴き方が違うから」
「見た目そっくりだから、わかりやすいですよね」
「サメの女の子か…」
「何か問題でも?」
「問題というか、サメの女の子は敵対相手を絶滅させる恐れがある危惧種なんだ」
「メッ」
「それはちょっと過激ですね」
「話を聞く限りでは、そこまでの契約になるとは思えないところはあるんだがな、こちらが知らない話もあるんだろう」
「呪いは難しいですからね」
「そうだな、うちで預かっているものも、解決まではいってないから、あくまで部外者が入り込まないようにとか、そういうものだからな、でもミツやうちの人間が被害に合いそうならば、やはり河川ザメの女の子に守ってもらうは考えちゃうだろうな」
「メッ」
「そういえば、同級生のみんなとプリンの話はしたんですよ」
「プリン?可愛いじゃない」
「喫茶店というのに行って、そのうちプリンアラモードを食べるという約束はしているんですよ、だからその時まで私はプリンアラモードを食べないつもりでいようかと思ってるんですよ」
同級生の中でミツは呪いにかかってないので、喫茶店にはいけるのだが、他のみんなは喫茶店に行きたくてもいけないなら、そんな約束をしたようだ。
「うちで出せればいいんだがな」
「やはり難しいですよね」
現在第15事務所が本拠地になっているのだが、ワケありでもなんでもないビルなので、霊的防御としてはあまり期待できない。
「旧校舎にテイクアウトも考えたんですけども、こう…何て言うのでしょうか、行ってて楽しいお店ってあるじゃないですか、ああいうところで、好きなもの食べて、プリンアラモードも楽しみにしてとかがいいんじゃないかなって」
「それは素敵なことだよ」
「ですよね、だから何時になるのかわからないけど、私はとても楽しみなんですよ」
覆木は少しばかり考えていたが、知っているお店は守るとなると少し心もとなかった。
「ミツ、せっかくだからプリンアラモードは食べないけども、俺の行き着けの喫茶店に案内しよう」
「どんな素敵なお店なんですか」
「行けばわかるよ」
私はただいま、ずっと憧れだったレトロ喫茶店に来ておりますが、この服で良かったのかとただいま後悔しております。
気軽には入れるとはありましたが、スタッフのみなさんとかね、もう制服ピシッとしているし、お客さんたちも常連の人たちって感じ、好きな席にどうぞって言われるけども、なんかこう、実はここは俺の席だったとか言われないよね?大丈夫だよね。
するとそこに。
「いらっしゃいませ、これはこれは、ようこそおいでくださいました」
「久しぶりだね、マスター、ボックス席空いてる」
「はい、空いておりますよ」
連れの女性は内装を見て、おお!と驚いている、わかるわ、ガイドブックにはない、この内装の圧力ってあるよね。
「ミツ、こっちへ」
「はい」
何この人の立ち振舞い、喫茶店に合いすぎて、私は場違いすぎるよ。
すると男性は、ここに来たならばこれを頼めばいいよという話をしていた。
しまった、私はここはケーキセットだと思っていたが、まさかのおすすめは「和」だとは…次に来たとき参考にしよう。
マスターはボックス席からの声が聞こえないように、消音のスイッチを押した。
「そういえば、水芭(みずば)さん、車、代車についてはご機嫌ななめになってましたね」
「水芭はな、そこはしょうがないというか、あいつの目から見ると俺のこだわりは無駄遣いにしか見えないだろうし」
事務所四人の持ち物、装備類の趣味としては、覆木・瀬旭(せきょく)・螺殻ミツ・水芭の順でこだわったりする。
そのため先日足代わりの愛車をKCJの整備に預けたときに、代車をどうするかという話になった。
「覆木なら、乗られる車も喜ぶから、好きなの選びなよ」
といってKCJの整備のおやっさんから、KCJが引き取った、それこそ名車を見せ、覆木が少年に戻ったあと、憧れの名車に決めた。
「乗り心地は良かったですね」
「だろ?あんな綺麗な状態だったら、そのままうちで引き取れないかな…まあ、そうしたら水芭は怒るだろうが」
整備が自前でできない場合の維持費がとても高いお車になります、ただ乗ってるとすんごい気持ちいいんだけどもね。
「運転が必要になるお仕事する場合は、瀬旭さんが運転しますけども」
「あいつはな、馬力、力の強い車であっても、乗りこなせることが出きるからさ」
そのためドラゴンだけとは限らないが、対象の存在を車で追いかけるドラゴンチェイスの場合は、瀬旭運転、覆木が精密射撃と固定されている。
「ミツは水芭と組んだ場合も、射手だろうね、動きの先を読んで当てれるから、これからもとても楽しみだよ」
「ありがとうございます」
「お待たせしました、季節のモンブランになります」
「ここのは美味しいから、たくさん食べなさい」
「はい!あぁ、おいひぃ」
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