浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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すぐ空になる

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暑い日が続く。

そんな日になんか耳が痒いなと思ったのだ。
汗もかいているしな…なんて、しょうがない、そこで浜薔薇から前に買った特性の耳掻きをちょっと出してきて、そういえば最近は耳掃除していないし、痒みさえ取れたらいいな。
そんな気分で、耳掻きを使ってみたら大変。
バリッ
破れた音なんて聞いたことがなかった。
耳から出てきたものは、こびりついていた垢が汚い薄皮であった。
これは…とんでもなく耳の中が汚れているのではないか。
ああ、でも今日は浜薔薇にいけない。
けど、我慢できない。
とりあえず耳掃除である。
穴の入口から、耳かきでホリホリ、そして紙の上に拭うのだが。
汚すぎではないか、V字になっている毛がに一緒についている。
生やした覚えがない毛が生えているようだ。
家賃でもとったら、浜薔薇の耳掃除の代金の足しにでもなるのだろうか?
そしたらもっと高頻度に通えるだろう。
シャンプーラッシュでもいいな。
毎日シャンプーラッシュするほどの余裕はない、確かにシャンパーは言う。
「これはね、贅沢品ではないんですよね」
仕事柄にもよるとは思う。
シャンパーのリーダーなんかは、それこそ仕事でもファンクラブでも人と接することが多い。
そのためにいつもピッシリした格好で、浜薔薇にもやってくる。
「夏場だとベタベタしたりするのですが、KCJの炊きだしとか、シャンプーラッシュによって、ベタベタがある程度以上に抑えられています」
シャンプーはメニューにある場合になるが、リーダーはGO毛がお気に入りのようだ。
「これ、洗い上がりが全然違うんですよ」
確かにあのメーカーは品質とネーミングには力を入れている。
それはよくわかるのだが。
「イツ毛と成分は近いんですけども、イツ毛はダメージブロック成分が強いんですよ、GO毛はダメージへの回復力を重視しているんですよ」
そこはお好みでになる。
「見えないけども髪が疲れているんでしょうね、GO毛の効果がある成分見ていると、効いているので、キューティクルが荒れている、中も痛んでいるっていうことなんでしょう」
「この真夏に、出歩く仕事をしていたら、そりゃあ紫外線とか熱で、髪が傷みますよ」
「以後気を付けます」
「出掛けるなら、そういうブロック成分が、ええっとイツ毛じゃなくても、他の会社からいろいろ出てますから」
「おすすめは?」
「おすすめですか、おすすめ…」
リーダーの髪を見ながら、傑は考えている。
「予算はおいくらですか?」
さすがはおしゃれ番頭、先に予算を聞いてくる。
「コスパが、こんな世の中ですからね」
「それならば」
と製薬会社系のスプレーをすすめてくれる。
「まず値段は安いです」
「使い方が面倒くさいとか?」
「いえ、面倒じゃないです、外出する前と、戻ってきたあとにスプレーするぐらいでいいです」
お値段もプチプラといっていい。
「効果はどのように」
「普段GO毛でヘアケアしてますから、これはGO毛にはない成分で髪を守ってくれます、なので使うことによってたぶんいつも…」
にゃぁ~
ここでケットシーのイツモが呼んだ?と浜薔薇の窓の外に姿を現すが。
違ったわとすぐにどっかいった。
「ええっと、今、ご自宅でお使いのシャンプーで洗ってみた感じが変わるかもしれません」
結構自宅で使っているシャンプー類にもリーダーはこだわっていたのだが。
実際にそのスプレーを使ってみて、約三日後にわかった。
(あれ?)
今のシャンプーだとこだわりすぎてない?ただ洗って、…忘れた時にたまたま買った市販のダメージケアとか潤い重視ではない、レギュラー、デイリーケアのもので確かめたのだが、特別な品ではないもので髪が決まった。
「傑さん、あなたは恐ろしい」
シャンパーからシャンプーを奪うではないが、機会を減らせるのか。
しかし、洗い上がりがこれ以上は余分だと思う仕上がりには満足してしまう。
「思わずこのヘアスプレーはもっと早くしまいそうですけども、これ二年ぐらい前に出たんですね」
最近のヘアケア業界は進化が著しい。
「やっぱり臭いのケアは、ありがたいっす」
シャンパーはファンクラブの中でも、人と合う機会が多いからこそ、悩みを解決するアイテムについては、定期的な議題になる。
「リニューアルしたこの化粧品がすごいんだけども、その話していい?」
素晴らしさをシャンパーが訴えたりする。
「これね、まずね、クール成分もあるのに、体臭も消える」
「ということは汗でベタベタの時すごい便利じゃん」
「スプレーのやつおすすめ、ガスじゃないやつ、服の上から吹き付けられるから、吹き付けたあとに、くんくん嗅いでも汗臭くならないし、後さ、洗濯物が違う」
「どう違う?」
「汗を分解する成分が入っているのか、服に臭いがつかないんだよね、だからさ、シミにもならないから、汗なんてかいてませんよ顔ができるよ」
「さすが黙っていればモテる奴は違うぜ」
この会員、身なりも気を付けているせいか、一般社会でもそこそこ楽しんでいける人生の持ち主なのだが。
「モテるかどうかはわからないが、俺はそんなことより、シャンパーであることが大事だぜ」
目覚めてしまいました。
「だってさ、こんなシャンプーを知ってしまったら、忘れて暮らせるわけがないよ」
スッキリ爽やかな生活。
「人と合わせるのは無理だね、もうここまで来ちゃうとさ」
「ええ」
「同僚とかは普通にご家庭持ってますが、そこは否定はしません、そういう人生もあるでしょう、立場的に結構ブラック、忙しいのもあるからかもしれませんが、仕事のバランスを取るんだったら、シャンプーは必須」
転職する気もならないのは、資格とかの関係で生活に必要不可欠なお仕事をしているため。
「浜薔薇来るのは、自分を甘やかすためだよ」
「マッサージの準備ができましたのでどうぞ」
「あっ、じゃあ行ってくるから」
やってられるか!と言いたくなるぐらいプレッシャーが強い職場の人ほど、浜薔薇のこのサービスははまると思われる。
「パック民の一部とシャンパーはそういう人多いからな」
だから趣味に散財するタイプ。
ただその趣味というのが問題で。
「心の底でこれは散財じゃないと言えるものじゃないと、お金使うのに抵抗はあるんですよね」
だから浜薔薇はちょうどいい。
「金額より上の価値を提供してくれるから」
ドはまりしてしまうそうだ。
「義理で買った馬券とか、そんな臨時収入の使い方考えるときも、傑さんにスタイルコーディネートの問い合わせするタイプですね」
その場で即決はしない、とりあえず今あるものはなんですか?と見せてもらってから、それこそ今逃すと次はないなと思ったら、結構高めでも買っていく。
「その瞬間が面白いんですよ」
おおっと傑さんも悪い顔してますよ。
こういうときの傑さんはいい仕事するからさ、あんなにいっぱい用意したのにすぐ空になる。
「これからも末永いお付き合いをよろしくお願いします」
シャンパーにそこまで言わせるだけの、物欲を満たす技がここにはあった。


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