浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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俺の一生の運

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近々また向こう側の、今組んでいる仲間の一人、彼が依頼人としてみんなを集めることになっているので。
手土産をさてどうしたものかとリーダーは思っている。
集合場所は彼の家、寄り合い状態の家族たちが住んでいる地域である。
そこで育った彼は冒険者という俗称ではあるが、その実は何でも屋に近い仕事を引き受けてきたが、コミュニケーションの高さから色んなところに顔が利いた。
子供も多いところなので、ある程度の量と美味しさを確保したいと、リーダーは自分の行きつけの店などがチラシやお知らせが出てないか見ているのだが、安くないだろうか?そんなに安い店が存在するのか?という値段なのだが、品物が悪い?いや、鮮魚コーナーのおすすめの写真を見る限りではそんなこともなさそうである。
「このぐらいで買えるなら、これかな」
その値段、もしくは以下ならばその場で買い、高くても範囲内ならば買おう、もしもそれよりならば今回は縁がなかったということで。
クーラーボックスを用意した。
そしてその店なのだが、建物も普通、店内も普通なのだが、置いているものはみな新鮮で安かった。
「すいません、この鯛を、下処理もお願いしたいのですが?」
海鮮バーベキューでもやるのかな?という注文のため時間はかかるというが、下処理が有料であっても得をした買い物だった。
この下処理は干物を作る時に主に使われるものなのだが、そのまま焼き魚にすると日持ちするのである。
まっすぐ帰って、そのまま焼き魚をひたすら焼いて、冷凍保存した。

「凍らせているからさ、溶けたら食べるといいよ」
「おい、みんな今日のメシは魚だぞ」
「魚って何?」
「美味しいの?」
子供たちが集まってきた。
「魚は贅沢なんだよ」
「ここは海から遠いものね」
「ああ、だから魚を食べるやつは金持っているやつだな」
もう少しで他の仲間が来るはずだが。
「お待たせ」
「相変わらず騒がしいな」
「子供は元気が一番よ」
そしてだ、本日のスペシャルゲスト。
「どうも、KCJです」
職員さんがキノコが生えている原木を持ってきた。
「立派だな、旨そうだ」
「明日ぐらいが食べ頃ですね、このぐらい大きいですと肉厚なので、焼くと美味しいです」
キノコに栄養を与えるため、原木の周囲を朝晩サメにぐるぐる回ってもらいました。
「まずは置き場所ですかね」
「案内するぜ」
キノコ栽培に向いてそうなところを準備してもらい。
「霧吹きとかで水をかけてもらうだけでいいのですが、今回苔も採取してくるので、水分の調整がしやすいようにしましょう、しかし楽しみだな」
KCJの職員さん趣味が高じてキノコ栽培をしているのだが、最近はサメがそばにいるとキノコはよく育つという言い伝えを守りながら栽培していた。
元々今回の話は、市場でリーダーがキノコを見つけたとき。
「こういうのを森に行って取ってくるんだ」
「栽培はしないの?」
「栽培?育てるのか?」
「そうそう、この種類ならば簡単に、こっちでもキットが売っているぐらいだし、水を吹き付けるだけで育つからさ」
それを聞いて、それならば子供でもできる仕事だと購入したいと切り出してきた。
そしてそこで頼ったのがKCJで、相談したらキノコ栽培をしている職員が。
「それならキットはキットで確保しておいて、そちらのキノコを森から木や土も一緒に持ってきて、栽培していったらいいですね」
そこでの打ち合わせで、現地のキノコの栽培は時間がかかるだろうから、その間の食べるぶんは、キットのキノコを栽培して、慣れてもらえばいいということになった。
「足元気を付けてね」
幸い森に詳しい仲間もいた。
「いいですね、こういうの、森の探索からというのは、なかなか難しいので」
「どういうこと?」
「キノコの場所って、親兄弟にも教えないものなんだよ」
「それだと、その人が死んじゃったらどうするの?」
「わからないままだよ、鮭の塩辛、この間持ってきたじゃない?」
「あれは旨かった、もちろん酒もな」
「あそこの近所でもキノコ採りの名人がお亡くなりになって、家族は誰も知らなかったそうだから」
「きっとにょきにょき生えてるよ」
「そう思う」
「この臭い、キノコが生えてそうな湿気ね」
森の奥、キノコが多い地帯は泥が多かった。
そこから食べれる品種のキノコと土をそれぞれ採取、何回か別の場所でも同じことをして、街まで戻る。

「お帰り、みなさんは?」
「ああ、帰ったよ、さすがに泥だらけだからな」
「そうかい、しかし良かったね」
「キノコが毎日取れるとなればメシの足しになる」
「違うよ、あの人たちはいい人たちだから、そんな人たちと巡りあえて良かったねって」
「俺の一生の運使い果たしたかな」
「それなら賭け事はもうほどほどにするんだよ」
「心配性だな、もうしてねえよ、リーダーたちと一緒にいたら、賭け事に面白味を感じねえ」
「そりゃあ、良かった、ああ持ってきた魚、まだ食べてないだろう?きちんと残してあるよ」
「ああ、悪いな…旨いな、これ」
「向こうでも高い魚なんだろ?こんなに美味しいものを食べれるだなんてね、生きてて良かったよ」
大袈裟だなと思ったのだが、ああここはそういうところだった。
夢から覚めたように、鯛の味を噛み締めた。
(もっとちゃんとやんねえとな)
そう、決めた。


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