浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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実にサメ好み

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「どもこんにちは、本日は私が炊き出しです」
KCJの新顔職員が浄水センターに顔を出した。
「ああ、これはKCJさん」
所長があいさつをし。
「ちょっとお前さんも来てほしい」
「あっ、はい」
なんやろうなと課長も呼ばれました。
「今月は炊き出しが1日二食+おやつになります」
「な、なんですか!それは!」
「ただし、あくまで今月やぞ」
「ええ、なんですの、そのまま続けてくださってもいいんじゃないんてますか?」
「KCJさんは他にも助けている人たちがいるから、その人たちの分までお前は食うんか?」
「そういわれると、わかりました、でもなんでですか?」
「ああ、こちらはKCJ、うちからタイヤをずいぶんとお買い求めになられてくれましたので、ありがとうございます」
「えっ?そんな、ありがとうなんて、こっちは大助かりやで、なんで一回しか走行してないタイヤをそのまま中古にするかわからんけども」
「ああ、あれ警備の関係なんですよ、警備だと万全をきすために、車両を持ち出すときはタイヤは新品にしているんですよ、ほら、肝心なときに走らないとか嫌でしょ」
「そらぁそうやな」
「本当ね、何故こんなところでバッテリーが上がるんだとか、ああいうのを絶対に失敗したくない時に起こしたら、責任問題がね、保険、金銭で換算できないものとか支払うことになっちゃうんで」
「でもあれは本当に助かってるよ、これから上がりますっていう最初の時に、ちょうど向こうの支部に遊びにいかせてもらって、あそこで実際に買っていたから、お小遣いちょっとだけ残るようになったし」
「あっ、知ってます?うち今までお買い上げしてくださった人なら、会員証、車種とかは教えてもらいますけども、予約すればお知らせしますよ」
「なんですか、それ、申込書ください」
「そういう話は仕事終わってからしなさい」
「すいません、でもうれしいわ」
「その支部を越えてタイヤを求めている状態なら、たぶんこの時期お金が足りなくたっているのではないかと、意見が出たんですよ」
「もう少し安くてもいいと思うよ」
「なので、独身寮の方々は夜ご飯、他にお住まいの人でもおかずセットをつけることになりました」
「うれしいわ」
「ただ今日の夜はちょっとカロリー控えめになります」
「えっ?誰か健康診断引っ掛かったの?」
「いえ、たまには脂っこいもの食べたいかなと思いまして、ラーメン類を」
「これは面白いことになってきたで」
「KCJの支部でも人気上位の『豚っとまぜ蕎麦』というメニューがありまして」
「いい単語が二つも入っとる」
これなんですがね。
画像を見せてくれる。
「あああああああ」
見たら課長は壊れた。
「こんなのが、こんなのがお昼に!」
「そして今回はこのメニューを出してます、『豚っと』さんから店員さんたちが出張でお越しになるんですよ」
「その許可はちゃんと出したからな」
「ありがとう、ありがとう!」
「テイクアウトのものもご用意させていただきますので、ご家族のみなさんへのお土産にどうぞ」
「すぐに連絡します、あっ、会員証の申込用紙も後でくださいね、これは速報や!」
課長はすぐにみんなに知らせに行った。
「すいません、いきなりの申し出に」
「お店の人が店長さんが倒れて困ってるわ、厨房の修理のために二週間店を開けれないわっていうことで、それでしたらと、自分達の食堂や、交通費や宿泊費つけて他の支部の調理を頼んでるって聞いたら、人助けやからな、しかし、相変わらず上手いな、これ、絡められたら、お前らええもん食ってるなって嫌味言われても、人助けですって言えるわけだから」
「私たちは運がいいだけですよ、豚っとさんのお店一店では来店してくれるお客さんの数だけではとても上手くはいきませんし、ここはその、言い方は悪いですが、よく食べてくださるので」
「そりゃあな、人だけやなくて、食べ盛りもおるからな、前からたまに食べにきとった奴等にもお知らせは行くと思うから、パンパンになるまで食べさせてもらいます」
「そのつもりです」
ニコッと職員は笑った。
(いつも来ている職員さんもそうだけども、この人も若いのに、どれだけ出来んと生きてこれなかったんやろ)
所長は出世レースをほどほどに経験しているので、そこには思い詰めた人間や、同じ人間かと思うぐらい目線が違う人間たちがいたが、KCJのこの管理に所属する職員たちは、一呼吸をするたびに、違うところに連れていかれそうになるのだ。
「私はいつもの代理の代理ですから」
そのいつもの職員は何をしているかというと、今日は他の地域に出張し、ちょうど駅にいるところだ。
「あっ、もしもし」
「メッ」
「今は駅にいるからもう少しで帰るよ、お土産もあるんだよ」
そして、メメは喜んでいるご主人の声を聞いて覚悟をした。
ご主人は大変よくしている方であるが、主人を呪っている、いや、障ってる存在がある。
過去と思い出に取りつくあの泥団子喫茶、あいつがご主人に取り入ろうとしたままなのだ。
「サッ」
兄はご主人に気づかれないようにそっと滅ぼそうと提案してくれたために、KCJの警備の人と一緒に、滅ぼし案を考えていたところ。
「そういうときはね、逆に支配するといいよ、おすすめ」
笑顔で解決策を教えてくれた。
う~ん、実にサメ好み。
ただこれをすると私はご主人に仕えることをやめなければならかった。
「ああ、そこもね、こうすればいいよ」
なんと頼りになるのか、まさかそんな方法が!
「メメが尊敬の眼差しで見ていますが、あなたはそんなことを考えていたんですか?」
「危害がないならそういうことはしないよ、でもああいうのってエスカレートするんだわ、朝起きたらメメちゃんの鼻に、泥の臭いがしていたんでしょ、ってことは言葉だけだよ」
警備とこの職員はちょっと親しいようだ。
「じゃあ、教えた通りにね、もしも上手くいかなかったら、上手く行くまで、うん、こっちの手札たくさんあるから、どれだけ耐えれるのかみたいし、だいたい三回で心は折れるし、今までの最高記録は五回だけども」
「そこまで実験だと思ってません?」
「思ってないよ、だから一番嫌がるであろう奴を選んだ」
その方法とは。
着飾ったサメが後部座席に乗っている。
「メメ様つきました」
そういってドアを開けてもらい。
「いってらっしゃいませ」
見送られる。
そうしてメメは非常にこだわったデザインだが、泥の臭いがする建物の中に入り。
注文をしたあとに、出てくる泥団子、そこを。
「メッ」
評判だというから来たのに、こんなのでは友達を呼ぶことはできないわね。
クレームである。
「メッ」
いいお客さんを満足させたいのならば、せっかくのこの店、この環境なのよ!これを活かさないとダメじゃない。
いい点も言いつつ、傾聴させる。
『ドウゾコレカラワレワレヲミチビイテクダサイ』
食器一枚へのこだわりも熱く語ることで、向こうの心を折ることに成功。
オーナーメメはここに誕生する!
「サッ」
兄の声である。
「メッ」
妹は成功したようである。
人とかかわるから上手く行かないので、もう関わるのをやめる方針で行きますという、わりと無茶苦茶なものでも受け入れて、囚われの人々は解放された。


後日
「新しいサメさんか」
職員はメメではなくなるというのを急に知った。
「上手くやっていけるかな」
そしてやってきたサメは。
「今日からメメメが家事を手伝ってくれるのかい?」
新しいメイドはメメメっていいますと見て、その職員は笑っていた。
サメは気分屋だからそういうこともあるだろう、わかった今日から君はメメメと呼ぶことにするよ。


(いい、ご主人に害をなすけども、仕えているものがなんとかしようとすると、ご主人様権限を上手く、悪賢く使うから、あくまで、別サメですってことにするのよ)
(メッ)
それで上手く行きますか?
(もちろん、もしそこで失敗してもいいというか、失敗した方が地獄を見る作戦は用意してるわよ)
(メッ)
なんと頼もしい。
用意していた作戦は使われなかったので、他で使えばいいかと思っていたところ。
「えっ?嘘でしょ」
その件を手伝った報酬なのか、使われなかった作戦がなかったら、ぶっちゃけ支部にとんでもないダメージ与えられるところだった。
「河川ザメ怖い」
分析などの能力があればあるほど、あれ?これって、かなりのラッキー以外で無傷は不可能なのではないかと思って、怖くなったので。
「夜なのに唐揚げパクパク食べて寝た」
心は肉によって大部分は癒されたが、河川ザメを見る目はまだ変わったままだった。



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