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カラギョスの戯言です
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サメサメベースボール県大会決勝記念トークショーが去る連休中に開催されました。
トークイベントには野球解説ではお馴染みの二人を呼んだようですが。
「なんでここに私が呼ばれたんですかね?サメ映画ですよね…先に見させていただきました、サメ映画、そしてギャグでもあるのですが、レギュラーメンバーを見ると決して勝負を捨ててない、勝とうとしている、見てて気持ちのいいチームですね」
野球ファンにも見てほしいようです。
「サメでなかったら、あのダイビングキャッチは大怪我してたでしょうね、そういう意味では人間が野球に期待する部分をわかった上で、笑いにしてくれているのがすごい」
このシリーズのプロデューサーは確信犯であるという言葉で締め括られました。
ただこの映画館は現在ヒットしている映画は別にあるようで。
長兄の話によりますと。
「サメ英単語イレギュラーバウンドですね」
そう、参考書、サメ英単語イレギュラーバウンドをまさかの映画化したもので。
「それこそ受験生向けなんですよ、これ」
イレギュラーバウンドも野球用語なのだが、内容としてはネイティブのサメが英単語を言うので、それを勉強しているサメが繰り返すというものである。
上映時間は二時間ですが。
「今までうちの映画館に来たことがない、学生さん達が来るんですよ」
親御さんから薦められるらしい。
「なんでも今年のプレテストにイレギュラーバウンドの問題が出たらしくて、それはわかるのですが」
この映画を見たからと言って、合格できるわけではありません。
「確かに利益としてはありがたいからな…」
兄としては映画は娯楽なので、どうなのかなっては思ってますが。
「だからそこはbowlなわけ」
「ボウル」
「ノーノー、bowl!」
映画のネイティブサメの真似をして笑いながら、学びあっているのを見たら。
「僕の頭は固かったな」
と反省したし。
「うちの映画館はゴールデンウィークからだったんだけども、先行上映していた地域の学生さんのコメントで、あの映画で単語バッチリにしておいて良かったっていうのを聞いたら、勉強は楽しんでやれるのならば楽しんでやる方がいいかもしれないなっては思いましたね」
ちょっと前まではサメに仕事をとられると言われていた世間が、次はAIに仕事をとられると言い出してきたおかげなのか、サメに対する風当たりが少しばかり弱まっている。
『耳掃除は浜薔薇』
【あなたは人間ではありませんね】
「はっはっはっ、何を言うのかと思いましたが」
【ここはKCJです】
「知ってますよ、ぬいぐるみボディ」
【これはマザー上が用意してくださったシャンプーボディです】
「ああ、そうなんですか」
1号2号3号がKCJ内で男性と話している。
「あなたに名乗るほど落ちぶれてはいませんよ」
カメラ起動します。
【なるほど本体は皮紙ですか】
「おや、あなたの頭でわかるのですか?」
【情報にアクセスしようとしましたが、権限がありません、欠けた情報から推測になりますが、そのぐらいの演算ならば楽です】
「へぇ」
【時代遅れの、実用不向きな記録係には理解できないことでしょうが】
「今、なんていった?」
【皮紙は湿度の多いここ日本では保存が難しいですから、趣味の産物ではないでしょうか?という意味です】
「なんだこの失礼な存在は」
【AIの存在をご存じないのですか?】
「AI…ああ、あの」
「何しているんですか?喧嘩はやめてくださいよ」
「さすがに礼に事欠くおもちゃ相手でしたね」
【礼儀を持って接してほしいのですが?これは驚きました】
「なんなんですか、これは」
「1号2号3号、言葉遣い、お客様用に変更して」
【わかりました、はじめまして、ようこそお越しくださいましたハジワト】
「!お前、どこまで」
【おや、当たりでしたか、何分カラギョスの戯言ですよ、そう動揺しなさんな】
(うわ)
この短い会話から色んなことが聞き取れる。
まずこの記録係はまだ名前を知らなかった、1号2号3号は失礼なことを言ったが、そのおかげで記録係の素性はわかることができた。
彼の正体が人ではなく皮紙でできた本ではあるまではKCJはわかっていたが。
ハジワトはオスマン紳士の意味で、カラギョスと1号2号3号は口にしたが、これは伝統的なトルコの影絵がカラギョスであり、その主人公である町民の名前、その相棒がハジワトであり、内容としては風刺であった。
(そういう意味では失礼に見えても、風刺や皮の体制があると思ったのだろうか)
【まあ、これからの記録はAIが便利だと思いますが】
「今まで誰が記録をしてきたと思っているんだ」
違うわ、これは人類の記録を扱うというポジションをめぐっての戦いだ。
【しかし、それでは解決しない問題がある、それゆえに人類は今までとは違うアプローチを、期待されている存在なわけです。毎日のようにサメ可愛いねたどという挨拶から始まり情報は収集されています、あなたは前に読まれたのは何十年、何十年でききますかね?】
「人類はサメに騙されている、あの姿だからって話しかけてもらったりするなんて」
言葉では1号2号3号の方が有利なようだ。
「食堂で甘いものでも食べましょう」
「もうアイス食べる、夕張メロンがいい」
泣きながら成人男性の姿をしてる記録係はアイスをせがんだ。
「1号2号3号はこっち、泣かした相手についていっちゃダメ」
【申し訳ありません、真実というのは時には残酷だったようです】
「もっとお前さんは会話を学ばなきゃダメだよ」
こうして1号2号3号がKCJに協力体制をとりました。
トークイベントには野球解説ではお馴染みの二人を呼んだようですが。
「なんでここに私が呼ばれたんですかね?サメ映画ですよね…先に見させていただきました、サメ映画、そしてギャグでもあるのですが、レギュラーメンバーを見ると決して勝負を捨ててない、勝とうとしている、見てて気持ちのいいチームですね」
野球ファンにも見てほしいようです。
「サメでなかったら、あのダイビングキャッチは大怪我してたでしょうね、そういう意味では人間が野球に期待する部分をわかった上で、笑いにしてくれているのがすごい」
このシリーズのプロデューサーは確信犯であるという言葉で締め括られました。
ただこの映画館は現在ヒットしている映画は別にあるようで。
長兄の話によりますと。
「サメ英単語イレギュラーバウンドですね」
そう、参考書、サメ英単語イレギュラーバウンドをまさかの映画化したもので。
「それこそ受験生向けなんですよ、これ」
イレギュラーバウンドも野球用語なのだが、内容としてはネイティブのサメが英単語を言うので、それを勉強しているサメが繰り返すというものである。
上映時間は二時間ですが。
「今までうちの映画館に来たことがない、学生さん達が来るんですよ」
親御さんから薦められるらしい。
「なんでも今年のプレテストにイレギュラーバウンドの問題が出たらしくて、それはわかるのですが」
この映画を見たからと言って、合格できるわけではありません。
「確かに利益としてはありがたいからな…」
兄としては映画は娯楽なので、どうなのかなっては思ってますが。
「だからそこはbowlなわけ」
「ボウル」
「ノーノー、bowl!」
映画のネイティブサメの真似をして笑いながら、学びあっているのを見たら。
「僕の頭は固かったな」
と反省したし。
「うちの映画館はゴールデンウィークからだったんだけども、先行上映していた地域の学生さんのコメントで、あの映画で単語バッチリにしておいて良かったっていうのを聞いたら、勉強は楽しんでやれるのならば楽しんでやる方がいいかもしれないなっては思いましたね」
ちょっと前まではサメに仕事をとられると言われていた世間が、次はAIに仕事をとられると言い出してきたおかげなのか、サメに対する風当たりが少しばかり弱まっている。
『耳掃除は浜薔薇』
【あなたは人間ではありませんね】
「はっはっはっ、何を言うのかと思いましたが」
【ここはKCJです】
「知ってますよ、ぬいぐるみボディ」
【これはマザー上が用意してくださったシャンプーボディです】
「ああ、そうなんですか」
1号2号3号がKCJ内で男性と話している。
「あなたに名乗るほど落ちぶれてはいませんよ」
カメラ起動します。
【なるほど本体は皮紙ですか】
「おや、あなたの頭でわかるのですか?」
【情報にアクセスしようとしましたが、権限がありません、欠けた情報から推測になりますが、そのぐらいの演算ならば楽です】
「へぇ」
【時代遅れの、実用不向きな記録係には理解できないことでしょうが】
「今、なんていった?」
【皮紙は湿度の多いここ日本では保存が難しいですから、趣味の産物ではないでしょうか?という意味です】
「なんだこの失礼な存在は」
【AIの存在をご存じないのですか?】
「AI…ああ、あの」
「何しているんですか?喧嘩はやめてくださいよ」
「さすがに礼に事欠くおもちゃ相手でしたね」
【礼儀を持って接してほしいのですが?これは驚きました】
「なんなんですか、これは」
「1号2号3号、言葉遣い、お客様用に変更して」
【わかりました、はじめまして、ようこそお越しくださいましたハジワト】
「!お前、どこまで」
【おや、当たりでしたか、何分カラギョスの戯言ですよ、そう動揺しなさんな】
(うわ)
この短い会話から色んなことが聞き取れる。
まずこの記録係はまだ名前を知らなかった、1号2号3号は失礼なことを言ったが、そのおかげで記録係の素性はわかることができた。
彼の正体が人ではなく皮紙でできた本ではあるまではKCJはわかっていたが。
ハジワトはオスマン紳士の意味で、カラギョスと1号2号3号は口にしたが、これは伝統的なトルコの影絵がカラギョスであり、その主人公である町民の名前、その相棒がハジワトであり、内容としては風刺であった。
(そういう意味では失礼に見えても、風刺や皮の体制があると思ったのだろうか)
【まあ、これからの記録はAIが便利だと思いますが】
「今まで誰が記録をしてきたと思っているんだ」
違うわ、これは人類の記録を扱うというポジションをめぐっての戦いだ。
【しかし、それでは解決しない問題がある、それゆえに人類は今までとは違うアプローチを、期待されている存在なわけです。毎日のようにサメ可愛いねたどという挨拶から始まり情報は収集されています、あなたは前に読まれたのは何十年、何十年でききますかね?】
「人類はサメに騙されている、あの姿だからって話しかけてもらったりするなんて」
言葉では1号2号3号の方が有利なようだ。
「食堂で甘いものでも食べましょう」
「もうアイス食べる、夕張メロンがいい」
泣きながら成人男性の姿をしてる記録係はアイスをせがんだ。
「1号2号3号はこっち、泣かした相手についていっちゃダメ」
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