浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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お肌マグロ

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「お嬢様」
手が回らなくなっていたら、見覚えがある人が腕まくりして、たくさんの物資と共にいた。
「手伝いに来ました」
「あれ?実家から?いや、それはないか」
「自主的な参加です」
「そうはいってもさ、久しぶりすぎて、えっ?前に合ったのって」
「数年ではききませんね」
「だよね、で?」
「そんなのは後々、まずはお客さんを片付けてしまいましょうか」
浜薔薇というところはなかなか繁盛しているという話を聞いて、私の商いとの規模もあっていることもあり、とりあえず出店したら一人では回らなくなり、こうして応援がかけつけてどうにか一日が終わったというところだ。
「それで世間話にはなるけども、本当にどうしたのよ、そっちはそっちで生活しているわけだしさ」
「お嬢様が大変だと聞きまして」
「私が大変なのは相変わらずだよ」
「なんで頼ってくれないんですか?」
「あなたにはあなたの人生があるじゃない」
そういってお茶を煎れようとしたら。
「座っててください」
「これでもお茶を淹れれるようになったんだけども」
「あなたにお茶をお出しするのは私の仕事です」
そういうと、お茶のチェックを始めた。
「お眼鏡にはかなった」
「ちゃんと良いものは使えてますね」
「まあね」
「こちらはKCJの管轄でしたが、KCJの管理からのお話は断ったんですよね?」
「うん、悪くはないが、まだその時ではないって感じ」
「ただのわがままならば、KCJに頭を下げることをおすすめしますが」
「KCJにいると出来ないかな、向こうに所属しちゃうとさ、こっちの目的とKCJの目的がぶつかったとき、向こうのものを優先しなきゃならないじゃん、ちょっとまだそれはまずいんでね」
お茶の香りが漂う。
「もしもこれがですね」
「なに?」
「お嬢様が飲んでいたものと違いすぎた場合、私は泣いてしまっているところですよ」
「そんなに?」
「そうですよ、そう!本当に旦那様がバカな事をしなければ」
「それは本当だよね、今でもあれは悪い夢だったのではないかと思うぐらいだ」
「ちゃんと眠れてますか?」
「眠れているよ」
「今日から私は再びお嬢様にお仕えしますから」
「えっ?なんで?」
「先程のキッチンカーでもわかりました、お嬢様には私が必要なんです」
「でもさ」
「適当な理由つけて断らないでください、どうせお嬢様のことだから、これからの準備をしているでしょうし、私はそれに乗りに来ました」
「…本音は?」
さすがは長い付き合いである、お嬢様は見抜いたようだ。
「なんで私をあの時置いてきぼりにしたんですか、あなたと一緒ならば辛いこと悲しいこともきっと乗り越えれるのに」
「それでも苦労させたいなんて思えないよ、ごめんね、寂しい思いさせました」
「お嬢様…ではこうしましょ、私への報酬はお嬢様を着せ替えするということで」
「着せ替え?」
「お人形さんです、昔のような可愛いらしい格好、今だからこそ着ていただける大人の装いとかも楽しそうですね」
「まあ、それだけなら」
「いいんですね?ではよろしくお願いします」
浜薔薇のキッチンカーに月に一回ぐらい軽食を出しているお店があるのだが、そこに最近スタッフが増えたことで、いつもは早いうちに売り切れてしまうお菓子類も買える人が増えた。
「前まで一人でやってるからブログ紹介はダメだったんですが、okになったそうです」
宰相の元に報告が届いた。
【ではファンクラブ会員に感想を聞いて、ブログを作ります】
1号2号3号がそういい出す。
「ありがとう、そういえば午前中にニュースを見たんだけども、AIの制限についてだ」
ピッ
【はい、制限は本来の能力の3分の1の設定にしてから、一般の人たちに使っていただいています】
「君たちもそうなんだね、良かったよ、三体いるから、10割あるとして、それぞれ均等にして3分の1づつ受け持って九割の力がありますとかじゃなくて」
【つまり宰相はこう思っているのですか?】

1号/1・2・3
2号/4・5・6
3号/7・8・9

「うん、そう」
【違います、4は縁起が悪いので、実際にはこうです】

1号/1・2・3
2号/5・6・7
3号/8・9・10

「それは…元の力そのままじゃ」
【秘密ですよ】
そして若干足りない分は三体が連結していることで出力をだしてるそうだ。
カシャッ
【次の話題に変えてください】
機密に触れたせいなのか、機械的なメッセージが流れてしまった。
その時一瞬空白になった機能は、情報収集を自動的にするのだが。
何かを感じ取った。
「なんだい?河川ザメみたいにギャラクシーハダマグロでもいたのかい?」
【あのようなアルミホイルをくしゃくしゃにしたようなお肌マグロには興味はありません】
じゃあ何に?と聞こうとしたが止めた、確実にとんでもないことに巻き込まれると宰相はおもった。
危機管理としてはそれは正解である。




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