浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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趣味で生きてるダンジョンマスター

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ホラーの表現があります。
苦手な方はご遠慮ください。


山菜は金になる、熊は出るからと家族には言われるが、ずっとこれで食ってきたのだからといって、山に来た。
いつもと山の様子が違う、それでも気にせずに入ったところ。
ボトッ
その音と共に隠されていたものは、目の前に広がった。
「うわ…」
見たくはないのに、目は離せず、脳裏に焼き付いてしまった光景は、治療を受け、記憶処理となった後でも、恐ろしいらしく。あんなにキノコのシーズンは山に行くからとうるさかった男が、山に行くどころか、窓から山を見るのも嫌がったという。

「うわ…凄惨ですね」
「こういうのはやっかいだぞ、勝っても負けてもどっちでもいいし」
「えっ?負けたら死んじゃうじゃないですか?」
「ああいう奴はね、黄泉送りにしても、何回も帰ってくるんだよ」
ナリタツが先日遭遇した指名手配は、その後まだ遊び足りなかったらしく、気まぐれに山の魔物をけしかけた。
そこそこ満足した彼はその場から立ち去り、魔物の骸と、嵐の痕跡だけが残ったのである。
この事件はすぐに業界のニュースとなった。
全国から屈強な猛者たちが、ニュースを聞いて、名前をあげるために問い合わせがあり、宿泊施設はシーズンオフにも関わらず予約で埋まっていったという。

「そういうことって多いんですかね」
大麓がナリタツに聞くと。
「多いよ、指名手配は多額の賞金がかかるよりも討ち取ることで名前が上がるようなやつの方が人気が高いんだわ、そういう社会なんで、ああいう追いかけるタイプはいつも金ないんだよね」
ナリタツは追わないらしい。
「もっとさ、ビジネスライクにやった方がいいんだって」
こういうが、この手のタイプはとても少ない。
「さっきから気になるんですけども、ナリタツさんの剣、格好良くないですか?」
「そうか?俺はもうちょっとごついほうが好みなんだけども、取り回し考えるとさ、どうしてもこうなっちゃうというか…そういえば聞きたかったんだけども、大麓が落ちたダンジョンってどういうやつ?」
「あっ、それがですね、確かに難易度は高いんですけど、ゲームみたいに何回も挑戦出来ちゃうんですよ」
その話を聞くと、近くにいた腰木と秋澄に説明を詳しくの目線がとんだ。
「ちょっとトイレ行きますね」
秋澄がトイレに行っている間に話をすることになるが。
「簡単にいってるが、諦めると命を奪われるタイプのやつじゃないか」
「はい、そうなんです、しかもダンジョンマスターは、次のダンジョンも作ってるらしく、所在は捜索してますが不明ですが、出来たらクリアしているみなさんに招待状を送りますねっていうメッセージをいただきました

「それいつできるの?」
「調べた結果、十年は同じメッセージらしいので、下手するとこのままずっと先、何十年後とかになりそうで」
「俺もダンジョン走ってこようか?」
「いいんですか?」
「そういうのは参加者が多い方が、趣味で生きてるダンジョンマスターのやる気になるから、たぶんな、俺はそういうやつに好かれると思う」
「なるほど」
「ただいま戻りました、あれ?みなさんどうしました?」
「ナリタツさんもダンジョンマラソンしてみたいってさ」
「なんかここまで行くと、サークルっていうか、部活動っぽくて、お揃いのタオルとか作りたいですね」
「じゃあ、作るか?」
「いいんですか?じゃあ、色々と考えてきますね」
大麓はデザインを考えるといって、その日は早めに帰った。
「ナリタツさん、大麓さんのことすごい気に入ってますね」
「だってさ、あいつさ、すごいですね!とか、もっと聞かせてくださいよって目をキラキラさせていってくるんだもん」
そうなると、そう?それじゃになってしまうらしく。
「これな、気を付けた方がいいと思う。俺でさえこうなるんだぜ、承認欲求が強めのやつだと、たぶんトラブルになるんじゃないか?」
「それはありうるかもな」
「注意したほうがいいですね」
こうして大麓は承認欲求ありの人間とは組むことはなくなる。
「わかりました、で、話の続きなのですが、そうなりますと、任せれる人は限られてくるので、その辺はお願いしますね」
腰木・秋澄・ナリタツが中心となった人員で研修などを受けることになった。

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