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一番おとなしいのがケットシー
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戦闘許可証持ちが必須の依頼というのは、もちろん荒事である。
命がけのやり取り、その終わりにはさっぱりしたいものなのだが。
「なんかさ、それでいつも利用していたところが、利用終わった後に、依頼の後のまますぐに来ないでくださいって言われたんだよね」
「サッ!」
これには理容ルームの店主である春隣もびっくりである。
「ひどい話だよなって、一言口にしようかなって思ったが、やめたんだ、理容ルームあるし」
「サッ」
「ごめんね、少し俺もモヤモヤしてる、あの地域でしばらく頑張ってたもんだからさ、その態度はちょっと辛かったんだわ」
「サッ」
「たぶん、これ知ったらあの店を利用していた戦闘職みんな引き上げてくるんじゃないかな、あそこの責任者は知らないんだよね、戦闘職の人間が仕事終わりにそういう話されて、不快になって、他の店、春ちゃんところに来てるって」
「サッ」
「もうあそこら辺の仕事受けないつもり、たぶん大変なことになるけどもさ、それは向こうで負担して、負担しないかもしれないけどもさ」
「サッ」
相槌を打ちながらも春隣はブラッシングに移っていく。
「俺さ、結構頑張って戦闘職の許可証とってさ、困っている人たちのために仕事をきちんと受けようと思ったわけよ、それなのにさ」
キュ
ちょっと横向いてと顔を抑えられた。
「この辺が春ちゃんだよね、なんていうの、人間の苦悩なぞサメには知らん!みたいな、ああこういうのが嬉しくなるだなんて、疲れているよね」
そこにスプレーでトリートメント液を吹き付けられた。
「歯磨きのイチゴの匂いする」
「サッ」
「前髪はここまでで、こういう感じに」
「サッ」
「うん、お願い」
チャキチャキ
ボサボサになった髪が次々と切り落とされていく。
「場所によってはさ、水とか大切にしなきゃいけなくてさ、身なりとかに回せないとかもあるんだよ、だから髪を切ったり、髭を剃ったりは結構贅沢な話なんだって思うわけよ」
「サッ!」
「あっ、はいはい、耳掃除もお願いします」
竹の耳かきが耳の中を大胆に掃除をする。サメの目には見えているからこそ、このような掃除が可能になる。
(雑かと言われるとそうでもないしな)
パリ
要点を見抜いている。
ここから剥がせば、みな落ちる、的確なのである。
(あああああああああああ)
見た前、これが癒しだ。
(本当に何であんなこと言われなきゃならないんだよぉぉぉぉぉ)
バリっ
耳の中を念入りに掃除されながら、愚痴、本音がこぼれてきた。
「サッ」
お疲れ様でした。
「ありがとう、春ちゃん」
「サッ」
「俺、思った以上に落ち込んでいたわ、春ちゃんはさ、戦闘職がお仕事帰りすぐの仕事とかも受けたりするけども、嫌じゃないの」
「サッ」
かまわぬ、みなすっきりさせて見せよう。
「男前な答えだ、なんていえばいいんだろう、さっきまでそれこそ死ぬかもしれないって仕事をしてて、それで守っていた、守らなければならない人たちからあの扱いされたらな、こう…自分がなんのためにやっているのかわからなくなるよね」
「サッ」
「そういうところは、不快にさせるから不快手当ても+してもらったら?」
「いいな、それ、お金はもらわなくても、断れるものな」
すぐに導入されることが決まった、もちろん払う方からは不満があって、もうKCJには頼まないといったが。
「回りに回ったものがまた来ちゃったんですけども、この話どうしますか?」
「うちの職員とそうだし、許可証出している人たちの保護のためには受けたくはないよ」
他にもいい仕事がある、ないし管理の名伏せの職員たちによる経済基盤の安定の2つがあるおかげで、問題がある仕事は積極的に受けなくてもいい状態である。
「問題はなくても金銭的に弱いところは、そっちの支援も入れるから、資金力あげたりもするし、ただこれはあんまりうまく行かないこともあるから」
人間、欲が出ると変わるものである。
「KCJと上手く付き合える、付き合い続けられる人間というのは、そういないものなの、それは我々が一番よく知っているので、向こうにも長らく存続、繁栄してもらいたいわけよ、だから気を回すぐらいはするよね」
その昔、KCJが職員募集をした際は、よくわかってないところだからやめなさいと親から止められるという話もあった。
「うちはそういわれたりもするんだけども、大丈夫かな」
「あっ、うちの親も言われしたが、でもうちの親口ばっかりだし、それで生活安定してないんですよ、だからたぶん、KCJに勤めたら、また何か言ってくるかと思いますが」
「その辺は任せておいてくれる?うちは手慣れているからさ、じゃあ今日からうちでってことで」
「説明会に来たのに、採用!」
「ダメ?」
「ダメじゃないけども、いいのかな?」
「家族が寄生しようとしても、うちだと何とかなるけども…」
「寄生…あるんですか?」
「あるよ、社会人になって、給料出ると、お金かしてって」
「そ、そうなんですか」
「わりと初期のKCJの職員、そういう家出身で、自力でどうにかしてたところを、うちがスカウトしたわけ、そういうノウハウがほしかったから」
「よく入庁しましたね」
「なんかね、彼らがいうにはね」
そういう子を助けているときにだけ、自分が救われているような気がするんだ。
「っていってた、だからそういうことを親が必ずやるかはわからないけども、そうなったらそっちの職員呼ぶから、大丈夫。その人たちは引かない、逃げたり、言い訳はしないから」
その話を鵜呑みできるほど、信じていたわけではなかったが。
「やめろ!お前らみたいなのがいるからダメなんだ、なんで弱いのだけ狙った、それが許せない」
起きたくないことが起きたとき、その人達は自分が言いたくても言えなかった拒絶の言葉を口にして、間に入ってくれた。
「あなたはなんですか?これは家族の問題です」
(あっ、スギさんの虎の尾踏んだ)
「じゃあ、あなたも彼と同じぐらいの時に、親御さんがこうしてお金かしてくださいって来たのですか?」
「…来てはいませんが…ほら、うちの子、お金持ちですから」
「その借りたお金は何に?」
「生活費です!ほら、今はいろいろと足りてないので」
「金曜日ずいぶん楽しい飲み会でしたね」
「!?」
「あそこ高いですよね」
「たまの気晴らしは必要でしょう」
『足りなくなったらうちの子に出させるわ』
『よっ!クズ親』
『でもわざわざ頼まなきゃ借りれないから、使えない金蔓よね』
録音された声が流れる。
「お母さん、今の何?」
「今の?今のね、お母さんね、友達と一緒にいるのが楽しいの、わかるでしょ?だからね」
「これを自分の親にされたことは?」
「ないわよ、あるわけないでしょ!空気読みなさいよ、親と子の会話に入ってこないでよ」
「どうする?」
「どうするって」
「あなたは入ってこないでよ」
「警察呼んで対応はできるよ」
「それは…」
母は怯んだ。
「ちょっと可哀想かな」
「でしょ、お母さんはね大変なの、だから」
「お母さん、今まで言えなかったけども、そういう生き方は決して誉められたものじゃないよ」
「あんたまで、誰がそこまで育てたと」
「お母さん、家にあんまりいなかったじゃないか、隣の家の人とか、同級生のお母さんがご飯作ってくれたりしたんだよ」
「でもあなたは私の、生んで悪かったわね」
そこで悪態をついてその場から去っていった。
「すいません、母が」
「気にしない、仮眠室でゆっくり今日は休みなさい、お母さんが帰ってくるかもしれないから、情報と警備に話を通しておくから、君の安全は我々が守るよ」
仮眠室のベット間で来ると、とんでもない疲れが襲ってきた、そのままごろんと横になると、にゃーん。
いつの間にかケットシーが入ってきてた。
「君はミューだったかな、名前」
優しく撫でて、そのまま膝を抱えるように寝た。
仮眠室にコール音。
反射的に飛び起きる。
「起こしてしまったかな、食事どうするかと思って」
用意してくれるものなんだなこういうときってと思っていたら。
「もしかして今まで用意されたことはなかったとか?」
「あの親ですよ、あるわけがない」
「食堂まで来るかい?それとも部屋で食べるかい?」
「ミューがいるので部屋でお願いします」
「彼女の食事も用意するよ」
消化に優しい食事を、ミューに邪魔されながらも食べきることができた。
(温かいものって上手いんだな)
冷えて固いものをかじるような生活をしてきた、それがKCJに来たらなくなると思ったのに…
「僕はどうすればいいんだろうね」
ミューを抱っこしながら今後について考えようとしたが、全く浮かばなかった。
「大体自分の問題が解決しても、心に穴が開いているので、他の大変な人を助けることによって充実を感じるようになっていきます」そうこの時の新人さんでもである。
「君は今は将来のことは考えることはできないかもしれないけども、より良い未來のためにKCJはあなたに協力します」
見込みのある人間をスカウトする権限を持った人事さんになりました。
「後、こちらはうちのサメ」
「サッ」
戦闘職許可証もサメの手、いやヒレを借りることで無事に取得した。
サメには前衛としても優秀だが、人間を信じられなくなっている状態の人間とコミュニケーションを取るときも優秀である。
「サッ」
「きちんと寝てくれたか、明日は健康診断の予約も入れたし、しばらくは面倒見てやってくれ」
「サッ」
人間の心を傷つけるのは人間だったりする、傷ついた心はなかなか治りはしない。
そういった人間を抱えるバカな団体ともKCJは思われているのだが。
「そういう人って、復帰するととんでもないスキルに目覚めて、バリバリ働いたりするんですよね」
苦しいぶん、辛かったぶんだけ目覚めてしまう。
「この世界で起こりうる能力の発言、日本はこのパターンとんでもなく多いんですよ」
うちに籠っていたものが花が咲く。
「元々異世界帰還者を引き受けていましたから、そちらも問題なく引き受けることができてますが、能力が高くても今の日本では採用されることが本当にないんですよね」
全くないわけではないのだが、話を聞くと、いいところだけの使い捨てがほとんどなので、ほぼこの辺の選択肢は資格や企業に務めるに関しては、KCJ方面一択である。ただ数年に一回大企業がこちらに手を広げようとしても。
「あそこは一番おとなしいのがケットシーだとは思わなかった」
煮込んだら灰汁がたっぷり出そうな職員たちに疲れて、撤退の報告をあげるのがオチなのである。
命がけのやり取り、その終わりにはさっぱりしたいものなのだが。
「なんかさ、それでいつも利用していたところが、利用終わった後に、依頼の後のまますぐに来ないでくださいって言われたんだよね」
「サッ!」
これには理容ルームの店主である春隣もびっくりである。
「ひどい話だよなって、一言口にしようかなって思ったが、やめたんだ、理容ルームあるし」
「サッ」
「ごめんね、少し俺もモヤモヤしてる、あの地域でしばらく頑張ってたもんだからさ、その態度はちょっと辛かったんだわ」
「サッ」
「たぶん、これ知ったらあの店を利用していた戦闘職みんな引き上げてくるんじゃないかな、あそこの責任者は知らないんだよね、戦闘職の人間が仕事終わりにそういう話されて、不快になって、他の店、春ちゃんところに来てるって」
「サッ」
「もうあそこら辺の仕事受けないつもり、たぶん大変なことになるけどもさ、それは向こうで負担して、負担しないかもしれないけどもさ」
「サッ」
相槌を打ちながらも春隣はブラッシングに移っていく。
「俺さ、結構頑張って戦闘職の許可証とってさ、困っている人たちのために仕事をきちんと受けようと思ったわけよ、それなのにさ」
キュ
ちょっと横向いてと顔を抑えられた。
「この辺が春ちゃんだよね、なんていうの、人間の苦悩なぞサメには知らん!みたいな、ああこういうのが嬉しくなるだなんて、疲れているよね」
そこにスプレーでトリートメント液を吹き付けられた。
「歯磨きのイチゴの匂いする」
「サッ」
「前髪はここまでで、こういう感じに」
「サッ」
「うん、お願い」
チャキチャキ
ボサボサになった髪が次々と切り落とされていく。
「場所によってはさ、水とか大切にしなきゃいけなくてさ、身なりとかに回せないとかもあるんだよ、だから髪を切ったり、髭を剃ったりは結構贅沢な話なんだって思うわけよ」
「サッ!」
「あっ、はいはい、耳掃除もお願いします」
竹の耳かきが耳の中を大胆に掃除をする。サメの目には見えているからこそ、このような掃除が可能になる。
(雑かと言われるとそうでもないしな)
パリ
要点を見抜いている。
ここから剥がせば、みな落ちる、的確なのである。
(あああああああああああ)
見た前、これが癒しだ。
(本当に何であんなこと言われなきゃならないんだよぉぉぉぉぉ)
バリっ
耳の中を念入りに掃除されながら、愚痴、本音がこぼれてきた。
「サッ」
お疲れ様でした。
「ありがとう、春ちゃん」
「サッ」
「俺、思った以上に落ち込んでいたわ、春ちゃんはさ、戦闘職がお仕事帰りすぐの仕事とかも受けたりするけども、嫌じゃないの」
「サッ」
かまわぬ、みなすっきりさせて見せよう。
「男前な答えだ、なんていえばいいんだろう、さっきまでそれこそ死ぬかもしれないって仕事をしてて、それで守っていた、守らなければならない人たちからあの扱いされたらな、こう…自分がなんのためにやっているのかわからなくなるよね」
「サッ」
「そういうところは、不快にさせるから不快手当ても+してもらったら?」
「いいな、それ、お金はもらわなくても、断れるものな」
すぐに導入されることが決まった、もちろん払う方からは不満があって、もうKCJには頼まないといったが。
「回りに回ったものがまた来ちゃったんですけども、この話どうしますか?」
「うちの職員とそうだし、許可証出している人たちの保護のためには受けたくはないよ」
他にもいい仕事がある、ないし管理の名伏せの職員たちによる経済基盤の安定の2つがあるおかげで、問題がある仕事は積極的に受けなくてもいい状態である。
「問題はなくても金銭的に弱いところは、そっちの支援も入れるから、資金力あげたりもするし、ただこれはあんまりうまく行かないこともあるから」
人間、欲が出ると変わるものである。
「KCJと上手く付き合える、付き合い続けられる人間というのは、そういないものなの、それは我々が一番よく知っているので、向こうにも長らく存続、繁栄してもらいたいわけよ、だから気を回すぐらいはするよね」
その昔、KCJが職員募集をした際は、よくわかってないところだからやめなさいと親から止められるという話もあった。
「うちはそういわれたりもするんだけども、大丈夫かな」
「あっ、うちの親も言われしたが、でもうちの親口ばっかりだし、それで生活安定してないんですよ、だからたぶん、KCJに勤めたら、また何か言ってくるかと思いますが」
「その辺は任せておいてくれる?うちは手慣れているからさ、じゃあ今日からうちでってことで」
「説明会に来たのに、採用!」
「ダメ?」
「ダメじゃないけども、いいのかな?」
「家族が寄生しようとしても、うちだと何とかなるけども…」
「寄生…あるんですか?」
「あるよ、社会人になって、給料出ると、お金かしてって」
「そ、そうなんですか」
「わりと初期のKCJの職員、そういう家出身で、自力でどうにかしてたところを、うちがスカウトしたわけ、そういうノウハウがほしかったから」
「よく入庁しましたね」
「なんかね、彼らがいうにはね」
そういう子を助けているときにだけ、自分が救われているような気がするんだ。
「っていってた、だからそういうことを親が必ずやるかはわからないけども、そうなったらそっちの職員呼ぶから、大丈夫。その人たちは引かない、逃げたり、言い訳はしないから」
その話を鵜呑みできるほど、信じていたわけではなかったが。
「やめろ!お前らみたいなのがいるからダメなんだ、なんで弱いのだけ狙った、それが許せない」
起きたくないことが起きたとき、その人達は自分が言いたくても言えなかった拒絶の言葉を口にして、間に入ってくれた。
「あなたはなんですか?これは家族の問題です」
(あっ、スギさんの虎の尾踏んだ)
「じゃあ、あなたも彼と同じぐらいの時に、親御さんがこうしてお金かしてくださいって来たのですか?」
「…来てはいませんが…ほら、うちの子、お金持ちですから」
「その借りたお金は何に?」
「生活費です!ほら、今はいろいろと足りてないので」
「金曜日ずいぶん楽しい飲み会でしたね」
「!?」
「あそこ高いですよね」
「たまの気晴らしは必要でしょう」
『足りなくなったらうちの子に出させるわ』
『よっ!クズ親』
『でもわざわざ頼まなきゃ借りれないから、使えない金蔓よね』
録音された声が流れる。
「お母さん、今の何?」
「今の?今のね、お母さんね、友達と一緒にいるのが楽しいの、わかるでしょ?だからね」
「これを自分の親にされたことは?」
「ないわよ、あるわけないでしょ!空気読みなさいよ、親と子の会話に入ってこないでよ」
「どうする?」
「どうするって」
「あなたは入ってこないでよ」
「警察呼んで対応はできるよ」
「それは…」
母は怯んだ。
「ちょっと可哀想かな」
「でしょ、お母さんはね大変なの、だから」
「お母さん、今まで言えなかったけども、そういう生き方は決して誉められたものじゃないよ」
「あんたまで、誰がそこまで育てたと」
「お母さん、家にあんまりいなかったじゃないか、隣の家の人とか、同級生のお母さんがご飯作ってくれたりしたんだよ」
「でもあなたは私の、生んで悪かったわね」
そこで悪態をついてその場から去っていった。
「すいません、母が」
「気にしない、仮眠室でゆっくり今日は休みなさい、お母さんが帰ってくるかもしれないから、情報と警備に話を通しておくから、君の安全は我々が守るよ」
仮眠室のベット間で来ると、とんでもない疲れが襲ってきた、そのままごろんと横になると、にゃーん。
いつの間にかケットシーが入ってきてた。
「君はミューだったかな、名前」
優しく撫でて、そのまま膝を抱えるように寝た。
仮眠室にコール音。
反射的に飛び起きる。
「起こしてしまったかな、食事どうするかと思って」
用意してくれるものなんだなこういうときってと思っていたら。
「もしかして今まで用意されたことはなかったとか?」
「あの親ですよ、あるわけがない」
「食堂まで来るかい?それとも部屋で食べるかい?」
「ミューがいるので部屋でお願いします」
「彼女の食事も用意するよ」
消化に優しい食事を、ミューに邪魔されながらも食べきることができた。
(温かいものって上手いんだな)
冷えて固いものをかじるような生活をしてきた、それがKCJに来たらなくなると思ったのに…
「僕はどうすればいいんだろうね」
ミューを抱っこしながら今後について考えようとしたが、全く浮かばなかった。
「大体自分の問題が解決しても、心に穴が開いているので、他の大変な人を助けることによって充実を感じるようになっていきます」そうこの時の新人さんでもである。
「君は今は将来のことは考えることはできないかもしれないけども、より良い未來のためにKCJはあなたに協力します」
見込みのある人間をスカウトする権限を持った人事さんになりました。
「後、こちらはうちのサメ」
「サッ」
戦闘職許可証もサメの手、いやヒレを借りることで無事に取得した。
サメには前衛としても優秀だが、人間を信じられなくなっている状態の人間とコミュニケーションを取るときも優秀である。
「サッ」
「きちんと寝てくれたか、明日は健康診断の予約も入れたし、しばらくは面倒見てやってくれ」
「サッ」
人間の心を傷つけるのは人間だったりする、傷ついた心はなかなか治りはしない。
そういった人間を抱えるバカな団体ともKCJは思われているのだが。
「そういう人って、復帰するととんでもないスキルに目覚めて、バリバリ働いたりするんですよね」
苦しいぶん、辛かったぶんだけ目覚めてしまう。
「この世界で起こりうる能力の発言、日本はこのパターンとんでもなく多いんですよ」
うちに籠っていたものが花が咲く。
「元々異世界帰還者を引き受けていましたから、そちらも問題なく引き受けることができてますが、能力が高くても今の日本では採用されることが本当にないんですよね」
全くないわけではないのだが、話を聞くと、いいところだけの使い捨てがほとんどなので、ほぼこの辺の選択肢は資格や企業に務めるに関しては、KCJ方面一択である。ただ数年に一回大企業がこちらに手を広げようとしても。
「あそこは一番おとなしいのがケットシーだとは思わなかった」
煮込んだら灰汁がたっぷり出そうな職員たちに疲れて、撤退の報告をあげるのがオチなのである。
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