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万人が楽しめる耳かき
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浜薔薇特製耳かき(竹)は今日も人気者だ。
細長い柄の先に磨き抜かれた丸みを帯びたサジ、耳の複雑な形にもスッと気持ちよく入り込む。
特に普段光が当たらない場所なんかはお宝がいっぱい眠っているのだ。
耳の中をそんな耳かきを行ったり来たり、ガサリと手応えがある場所があれば、そこをカリカリっと重点的に、ポロリと落としたら取り出しては次へと進む。
そんな耳かきをされている方はどうなっているかというと、耳の中から小気味のいい音がした辺りで…
(この世の辛苦から解き放たれている顔をしている)
と評される。
本人はレビューしようと頑張りましたが、開始後すぐにこうなってしまいましたことをお詫び申し上げます。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
実はタモツと蘆根が使う耳かきは若干違う仕様になっている。
「えっ?そうだったんですか?」
まだこの店では耳かきを担当してない傑は、それを聞いて驚いてしまった。
「俺の方が注文多いんだわ、こうしてくれって」
耳かきを作る職人側がこれでいいだろうなという品物を渡されて、それを使いこなすのがタモツである。
「どんな耳かきでも腕に合わせているってやつだな、逆に俺の場合はそこまでやれるわけじゃないからな」
そこから蘆根の癖に合わせた作りにしてもらってる。
「お持ち帰り用の耳かきはまた別だな、あれはいい意味で万人が楽しめる耳かきなんだわ」
初めて使った際に、おおっと思うものの、そのままどんな使い手でも気持ちのいい耳かきを体験させてくれるのである。
「それに比べると先生は耳かきが減らないんだ、まんべんなくサジの部分を使うからなんだけども、逆に俺は消費がね、激しいんだわ」
そこにニャー~んとイツモが来たので抱き寄せて。
「つまりだな、ずっと俺はここだけ使っているようなものだ」
イツモそのまま胸から首までを撫でられた。
「だから耳かきに角が出来るのが早いって訳だ」
そこでイツモの爪を出してみせる。
「あ~耳かきが上手くなりたいな」
この男、耳掃除の取材を受けたり、お店にファンクラブが出来てもなお、自分の耳掃除は下手だと思ってるようだ。
細長い柄の先に磨き抜かれた丸みを帯びたサジ、耳の複雑な形にもスッと気持ちよく入り込む。
特に普段光が当たらない場所なんかはお宝がいっぱい眠っているのだ。
耳の中をそんな耳かきを行ったり来たり、ガサリと手応えがある場所があれば、そこをカリカリっと重点的に、ポロリと落としたら取り出しては次へと進む。
そんな耳かきをされている方はどうなっているかというと、耳の中から小気味のいい音がした辺りで…
(この世の辛苦から解き放たれている顔をしている)
と評される。
本人はレビューしようと頑張りましたが、開始後すぐにこうなってしまいましたことをお詫び申し上げます。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
実はタモツと蘆根が使う耳かきは若干違う仕様になっている。
「えっ?そうだったんですか?」
まだこの店では耳かきを担当してない傑は、それを聞いて驚いてしまった。
「俺の方が注文多いんだわ、こうしてくれって」
耳かきを作る職人側がこれでいいだろうなという品物を渡されて、それを使いこなすのがタモツである。
「どんな耳かきでも腕に合わせているってやつだな、逆に俺の場合はそこまでやれるわけじゃないからな」
そこから蘆根の癖に合わせた作りにしてもらってる。
「お持ち帰り用の耳かきはまた別だな、あれはいい意味で万人が楽しめる耳かきなんだわ」
初めて使った際に、おおっと思うものの、そのままどんな使い手でも気持ちのいい耳かきを体験させてくれるのである。
「それに比べると先生は耳かきが減らないんだ、まんべんなくサジの部分を使うからなんだけども、逆に俺は消費がね、激しいんだわ」
そこにニャー~んとイツモが来たので抱き寄せて。
「つまりだな、ずっと俺はここだけ使っているようなものだ」
イツモそのまま胸から首までを撫でられた。
「だから耳かきに角が出来るのが早いって訳だ」
そこでイツモの爪を出してみせる。
「あ~耳かきが上手くなりたいな」
この男、耳掃除の取材を受けたり、お店にファンクラブが出来てもなお、自分の耳掃除は下手だと思ってるようだ。
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