429 / 995
なんだこの綿棒は
しおりを挟む
コンテストは71位という結果でした。
投票してくださった方、ありがとうございます。
「どうぞ、こちらにお掛けください」
そう促され、鏡の前の椅子に座る。
背もたれは倒され、蒸しタオルがやってきた。
「失礼いたします」
蒸しタオルが触れた瞬間、目は驚きを隠せずにいるのだが、タオルが巻かれると安心したのか表情が和らぐ。
「しばらくこのままでお待ちください」
今日は忙しかった、右へ左へ、ただ凌がなければならない、それだけの時間を過ごした。
ああ疲れた、疲れたと思ったら、浜薔薇が急に恋しくなったのだ。
混んでいるのかと調べてみると、そうでもなく、また本日からシャンプーをご注文のお客様には、綿棒での耳掃除をサービスいたしますとあった。
綿棒の新ブランド「なんだこの綿棒は!」とのコラボらしい。
なので、シェービングとシャンプーを頼んだ。
本当はフルコースと行きたいが、財布の事情もある。
敏感肌も安心なシェービングバブルが顔に均等に伸ばされた、指の腹が額に触れると、シャリ。
間を置いてから、シャリシャリと刃を滑らせていく。
「眉は後で整えさせていただきます」
そこまで言われると、数時間前まであんなに忙しかったのに、幸せを感じてしまうではないか。
厚みのある刃先がまぶたの上をなぞってくるとゾクゾクしながら、そんなことを考えていた。
(思いきって浜薔薇に来て良かった)
そう、浜薔薇は正義である。
それを強く信じれる、これが正義か!
シェービングの後は、肌をモチスベにされた、ついモチモチを触って楽しんでいたら。
「お客様、申し訳ありませんが、シャンプーを致しますので」
「すいません」
髪質に合わせたシャンプーメニューが広げられた。
定番も季節のものもいいが、ここは数量限定で攻めたい。
「いいか、浜薔薇のシャンプーは数量限定が狙い目だぞ」
ファンクラブの一人は熱く語った。
「いいもの使いすぎて、数量限定にしなければならないものが出てくるからな!」
そう勧めた会員の髪は艶めいている。
「明日、シャンプーラッシュ行くけど、その後誰か遊ばん?」
「俺もシャンプーラッシュなんで、どっか行くべ」
浜薔薇のファンクラブは新規会員を常時募集しております、耳掃除、シャンプー、シェービング、パックを愛する者たちが今日も愛を叫んでおります。
ザ~
整髪料や皮脂の洗浄が行われ、地肌ケアまでは共通である。
数量限定は数量限定がつくほど、トリートメント効果が大変に強いもので、浜薔薇から帰った後触りたくなること間違いなし!
「それでは綿棒失礼します」
「これはどこが違うの?」
「そうですね、おそらく見れば一回でわかると思うので、お耳を失礼します」
あっ…
「はい、こちらになります」
「あぁ」
いかん、これで意識飛ぶところだった。
そんな私の目の前に先程まで耳の中をくすぐってくれた綿棒はというと。
「モッサモサ」
「そうなんですよ、この綿棒、耳の毛を取り除く力がすごくて」
綿棒に毛が突き刺さってとれるために、綿棒に毛が生えているように見える。
このサービスは本日からということで、もう体験した組が、現在ファンクラブのコメントで荒ぶっている。
「落ち着け」
その言葉で止まれない体験組は今日も力つきるまで綴ることになる。
投票してくださった方、ありがとうございます。
「どうぞ、こちらにお掛けください」
そう促され、鏡の前の椅子に座る。
背もたれは倒され、蒸しタオルがやってきた。
「失礼いたします」
蒸しタオルが触れた瞬間、目は驚きを隠せずにいるのだが、タオルが巻かれると安心したのか表情が和らぐ。
「しばらくこのままでお待ちください」
今日は忙しかった、右へ左へ、ただ凌がなければならない、それだけの時間を過ごした。
ああ疲れた、疲れたと思ったら、浜薔薇が急に恋しくなったのだ。
混んでいるのかと調べてみると、そうでもなく、また本日からシャンプーをご注文のお客様には、綿棒での耳掃除をサービスいたしますとあった。
綿棒の新ブランド「なんだこの綿棒は!」とのコラボらしい。
なので、シェービングとシャンプーを頼んだ。
本当はフルコースと行きたいが、財布の事情もある。
敏感肌も安心なシェービングバブルが顔に均等に伸ばされた、指の腹が額に触れると、シャリ。
間を置いてから、シャリシャリと刃を滑らせていく。
「眉は後で整えさせていただきます」
そこまで言われると、数時間前まであんなに忙しかったのに、幸せを感じてしまうではないか。
厚みのある刃先がまぶたの上をなぞってくるとゾクゾクしながら、そんなことを考えていた。
(思いきって浜薔薇に来て良かった)
そう、浜薔薇は正義である。
それを強く信じれる、これが正義か!
シェービングの後は、肌をモチスベにされた、ついモチモチを触って楽しんでいたら。
「お客様、申し訳ありませんが、シャンプーを致しますので」
「すいません」
髪質に合わせたシャンプーメニューが広げられた。
定番も季節のものもいいが、ここは数量限定で攻めたい。
「いいか、浜薔薇のシャンプーは数量限定が狙い目だぞ」
ファンクラブの一人は熱く語った。
「いいもの使いすぎて、数量限定にしなければならないものが出てくるからな!」
そう勧めた会員の髪は艶めいている。
「明日、シャンプーラッシュ行くけど、その後誰か遊ばん?」
「俺もシャンプーラッシュなんで、どっか行くべ」
浜薔薇のファンクラブは新規会員を常時募集しております、耳掃除、シャンプー、シェービング、パックを愛する者たちが今日も愛を叫んでおります。
ザ~
整髪料や皮脂の洗浄が行われ、地肌ケアまでは共通である。
数量限定は数量限定がつくほど、トリートメント効果が大変に強いもので、浜薔薇から帰った後触りたくなること間違いなし!
「それでは綿棒失礼します」
「これはどこが違うの?」
「そうですね、おそらく見れば一回でわかると思うので、お耳を失礼します」
あっ…
「はい、こちらになります」
「あぁ」
いかん、これで意識飛ぶところだった。
そんな私の目の前に先程まで耳の中をくすぐってくれた綿棒はというと。
「モッサモサ」
「そうなんですよ、この綿棒、耳の毛を取り除く力がすごくて」
綿棒に毛が突き刺さってとれるために、綿棒に毛が生えているように見える。
このサービスは本日からということで、もう体験した組が、現在ファンクラブのコメントで荒ぶっている。
「落ち着け」
その言葉で止まれない体験組は今日も力つきるまで綴ることになる。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる