浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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六月のメラノイジン

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「これからお仕事でしょうか?お暑いので、頑張っていってらっしゃい」
そこでニコッと笑顔を浮かべて、シャンプー後に送り出されたら、そりゃあもうハマりますわ。
「仕事ない日でもそれを聞くために通ってしまったことがある」
「同士がいた!!」
「あのさ、話は変わるんだけども、浜薔薇のシャンプー後に、今、シュシュってスプレーしてもらうじゃん?あれって何?トリートメントなの?」
「トリートメントでもあるけども、ええっと今の時期、春夏はUVカット付きの洗い流さないトリートメントスプレーかな」
サロン専売品とあるし。
「ちょっと…やっぱり高いな」
「えっ?何?買うつもりだったの?」
「なんかさ、今までさ、頭皮日焼けして調子悪かったんだけど、このスプレーつけてから、パサパサが減ったりもしたんだよね」
「あ~それなら、少々お待ちを」
数分後
「お待たせ、原因がUVならば、ドラッグストアに売っているものでも大丈夫だってさ」
そういって価格を見せてもらうとぐっと安い。
「これなら…いけるな、ちょっと買い物ついでにドラッグストア行ってくるわ」
「行ってら!」
「そういえばさっき誰に問い合わせてたの?」
「傑さんだよ」
「傑さん、よく教えてくれたな?」
「そう?結構聞くよ、重くないワックス欲しいとか、ほら、俺の髪だとペタッとなっちゃうから、聞けるなら聞いた方がいいよ」
やはりファンクラブ内でもシャンパーは特殊な立ち位置にあると思われる。
「自分を出しながらも、世の中と上手いことやっていくのを見ると、奇跡に見えるよ」
「それな」
ドラッグストアではセール中、シーズンケアフェアを開催していた。
UVケアがまずどこに実際あるのかわからないので、まず売り場に案内してもらうところから始まった。
日曜日までお得とか、おまけで『こちらがもらえます』キャンペーンと開催してる割には人がまばらなような気がする。
普段自宅・浜薔薇・職場のトライアングル生活なので、久しぶりにこういうところに来たなとは思う。
(あっ)
ここ支払いのサービスとかやっているのか。元々この支払いのために外に出てきたようなものなので、全部この店で完結できるということに気づくと。
(トイレットペーパーも安い)
あっという間にカゴからカートに買い物がなったが、衝動買いというよりは、いつも買っているものを一気に買ったというところか。
「これに支払い伝票の…」
となると、万単位の買い物になってしまい。
「当店、本日500円以上で一回はずれなしのクジを引いておりまして」
もう夜なのだがくじが結構あったのだが。
(これにプロテイン買うと、もしかしてくじの大人買いじゃないけど、全部引けるやつかもしれない)
となると。
「すいません、プロテインも追加します」
箱の中のくじは全部彼のものになった。
「いつもお世話になってます、昨日このカップ麺箱で当たったんで、よろしければみなさんで」
油そば具なし部門決定戦優勝『六月のメラノイジン』の特製油そば一箱が、浜薔薇に差し入れされた。
「メラノイジン?」
「醤油の、茶色がその物質名ですね、おすすめは家に鰹節があるなら、それバサッ!とかけるといいですかね」
オリジナルで食べて、かつおぶし味変を楽しめる特製油そば。
「カロリーすごいですね、いつもならば間食入れるのに、夜までお腹一杯ですよ」
ただし食べ過ぎには注意。
「けどさ、旨いんだよ、これ」
あまりの旨さに、夜に優が訪ねてきた際にご馳走しようとしたが。
「今何時だと思ってる!」
「ははん、メシテロ?たまには自分にも優しくしてやろうぜ!」
にゃーん
「ほら、イツモもいってる」
笑う蘆根に、イツモは申し訳ない顔をするのだった。
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