浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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驚かない!慣れよう!

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雨が降ってきた。
「傑さん、じゃあ、本当は指名料に使うつもりだったんですが、これで傘ってありますかね」
スタイルコーディネートというものを頼んでみた。
「わかりました、少々お待ちください」
その後、どうぞこちらへと案内されるが、そういえば奥は行ったことないな、あそこはウォーキングクローゼットなんですよってシャンパーの…リーダーか、前にそういってたな。
なんだろうドキドキする。
扉を開くと、そこはトキメキの空間、いや、売り場というか、ショーウィンドゥというやつだ。
キョロキョロとみていると。
「傘、男性のものだとこちらになりますね」
やはりここは売り場だ、並べ方がお店だもの。
「この時期は傘が出るんですよ」
やはり梅雨だからかな?
「紫外線が気になる方々が多いですから」
日傘の方だった。
「なので僕が扱うものは自然と日傘兼用のものになるんですが、このデザインのものは雨傘なのですが、品物が良かったんですよ」
ここからこっちが日傘、あっちが雨傘として分けてある。
「どれにしますか?」
どれ…どれかぁ…とあれだ、ここでセンスのない俺が使える魔法の呪文といこう。
「傑さんのオススメだとどれになりますかね」
「オススメですか?」
「はい、オススメで」
これならばハズレを引くことはあるまい。
「傘は職場の方にも持ってかれますか?」
「たぶんそうなると思います」
それと普段着ている服などを聞かれたので、こういうのですかねとがんばって伝えた。
「ではこれでしょうかね」
ハッハッハッ、大変だぞ、紳士の持ち物みたいなのが来ちゃったぞ。
バサッ
傘を傑は開いてから、こちらに差し出してきた。
トクン…
いや、トクン…じゃねえよ、合わせろってことだろうし、傘を受けとると、室内でかぶってみる、おっ、なんかよくない?
「鏡はこちらです」
スタイルコーディネートを頻繁に頼んでいる人たちが、スタイルコーディネートはいいぞっていう気持ちがわかる気がする。
初めてだよ、傘で幸せな気持ちになるだなんてさ。
「これにします」
「わかりました、傘はお使いなられますか?」
「はい、そうします」
それでルンルンな気持ちで帰ってきたわけですよ、途中でどこかよるか、いや、あそこは傘袋がないから、さっきの今でこいつと別れるのは嫌であった。
そのまま帰ってきて、いわゆる傘についている保管してくださいねの取り扱い説明書というのがあるのだが、そこには値札もついていて、浜薔薇のレギュラーセットメニューと同じ価格を見たとき、血の気が引いた。
ん?ん?んんんん?
それでぱっと思い付いたのがリーダーである。
スタイルコーディネートのヘビーユーザーの一人のリーダーに、お疲れ様です、今日は初めてスタイルコーディネートを頼んだんですが…と文章にするより、これが来ましたと写真を送った。
するとほどなくして返事が来た内容が、浜薔薇はそういうお店です、から始まり。
これがスタイルコーディネートにはまる第一歩なのですに続く。
ここで頼むことにより、予算よりもいいものが手に入ることができる、品物としてはスタイルコーディネートを頼んでいれば結構ある価格帯、これより上があるのにも驚く。
ただ傘でこの値段のものはかなり珍しいので、見てすぐに私もスタイルコーディネートを予約したで終わった。
さすがはリーダーというか、シャンパーは行動力が本当にあるよな。
途中の部面にあった、浜薔薇にはそういうお店だから、驚かない!慣れよう!は真理は、これからの心構えとして肝に命じておこう。
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