浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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六道輪廻天道突破者0人

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「子供を見てくれるのはありがたい、ただ場所柄買い物に行くのが大変で…」
一級河川保育家政協会ではさらなるサービスの向上に務めるため、利用者様であるKCJ職員、家族から様々な意見を頂戴しておりますが…
「これって、運転免許ないからか、車だと…う~ん、ここで悩んでもあれか、聞くか」
整備部に聞くと。
「前もって言ってくれれば車出すよ」
KCJは通常から余力をもって稼働しているので、車両とドライバーの確保は簡単にできてしまった。
「商業施設も連絡して、許可とれるかだな」
書類をまず作成、通らないかもなと、さすがに新しすぎるだろうと思ったら。
「二件、商業施設がok出たんで、まずはこの2つを利用してもらってから、問題点を洗い出すか」
入館の際に子供の面倒を見る2匹のサメには、別に受付をしてもらう。
「お子さんはいつもの河川ザメのみなさんに見てもらうので、買い物した居場所があればそちらをゆっくり見てもらえば…」
今回は初期なので、KCJ内一級河川保育家政協会の職員も一緒に来ている。
「いいの!」
「ええ、そのためのサービスなんですが、どちらか行かれたい」
「100円ショップ…あとは…」
「こちらが館内の案内です、連絡さえサメさん達ととれる状態にしておけば、それこそ我々が迎えに来る時間まで自由ですよ」
「自由…」
久方ぶりの自由のためにわからなくなってるようだ。
しかしだ、そこはKCJである。
「それとこちらを…」
「何かしら」
それは館内で使える2000円お小遣いチケットである。
「有効期限は当日なんで、使わないと損ですよ」
損ですよ……
損ですよ…
損ですよ
そう、損なのよ!
「何かあったら、連絡してちょうだい、楽しんでくる」
じゃ!といって楽しむために走り出した。

『んほっ!ミルク』

シャンプー前にまず一杯、浜薔薇では水またはノンカフェインのお茶をご用意しております。
「他のお店ではそういうのないと思うんですが、なんでなんですか?」
「それはだな」
シャンプー応援隊の一人からの質問に。
「まずお客様のシャンプーする前に、浜薔薇ではツボを押してから行う」
お手元のシャンプー応援隊マニュアル、3ページをごらんください。
「その一つに耳の後ろがあるので、ちょっと押してみてくれ」
「あっ、唾液が出ます」
「そうなんだよ、これで体から老廃物を流すんだ」
体には他にもツボはあるのだが、シャンプーにおいてはまずここ。
シャンプーラッシュ以外だと、ブラッシングやトリートメントなどのサービスがあるので、そちらを目当てにして行くシャンパーも多い。
ブラッシングは蘆根にしてもらうと。
「王子は毎日これを受けている、僕もケットシーになりたくなった」
「ケットシーになったら?ケットシーでも王子以外はブラッシングしてもらえないんだぞ」
その会員さんは、KCJでは蘆根のことが忘れられないケットシーがいるらしい。
「ええ、そんなに大人気なんですか?」
「もしもケットシーが浜薔薇に予約入れれるようになったらどうなる?俺らの予約受けれなくなるぞ」
「それは…嫌だな」
「王子というか、ケットシーって、あまりケットシー同士は仲良くしないものらしいから、最初の方は大変だったらしいよ」
新入りか?へぇ~
ここがケットシーとして上手くやれるか壁という奴である。
ジャパニーズスモールール、それはケットシーが仲間だと認めたものにしか適応しない。
スタスタ
一匹が前に出てかた。
ジロジロこっちを見て、前足を出そうとした瞬間。
ガッ
イツモはブロックした。
続けて連打しようとするが。
ガッ
イツモはブロックした。
やるじゃん。
ども。
と見せかけて、後ろから新手、奇襲が来るが。
スッ
力を抜いて切り返し、マウントを取り、じっと襲ってきたケットシーを睨んだ。
ここはそういう礼儀知らずの集まりならば用はない。
にゃ~
ごめんなさいね、久しぶりに新しい子が来たもんだから、ちょっと遊んでみたかったみたい。
鳴き声がすると、襲ってきたケットシーは急いで、振りほどき、イツモから離れる。
ようこそ、歓迎するわ、あなたの名前はイツモでいいのね。
その時三毛のケットシーが姿を現した、このケットシーがミュー、この支部内で仕切りをしている女ボス。
そんなに警戒しないで、私はただのおばあちゃんよ。
相方の戦闘職が、引退し幹部になるまで、様々な戦場を練り歩いたという。
そのため今ではケットシー連れの職員がいると、再来として敬いと恐れが発生しているぐらいの存在。
「戦場で見つけて、そのままついてきたんだ、そん時名前知られるようなことしちゃったんでな、ミューをそこから一緒に連れて歩くようにはなったんだけども、引退するきっかけ?ミューがいないとただのジジイになったからさ」
そうは言ってますが、今も戦場職の試験の監督をし、楽しくなってくると参加したりする喉、現役は十分出来ると思われます。
「今回の試験は簡単だぞ、六つのコースを用意した、それを選んでそれぞれ用意されている課題をクリアしたら、資格の取得、更新が出来るからな」
試験名は六道輪廻という、だから天道もあるので楽そうだから、そんな理由で選んだ受験者は。
「ようこそ、天道へ」
そこにはマスク・ド・シャンプーであるアンセルモさんと、スタードエル(星が宿る)イホ デ ニコラスがいるのだが。
「えっ?」
この受験者は二人を知らなかった。
「プロレス?」
『ああ、天道を選んだ、そこのあなた。及び全受験者に、他の支部から特別ゲストであるアンセルモさんとイホ デ ニコラスに来てもらった』
「イホ デ ニコラスはまだしもアンセルモさんだと」
「何、髪でも切ってくれるの?」
知ってる人は知ってる知名度。
『天道はこの二人からのシャンプー、耳掃除、パックの間、寝落ちしない試験である』
「いやいや簡単でしょ」
「バカヤロー!」
「そうだ、そうだ!この二人だぞ」
「なんであの人たち騒いでるの」
『おおっと、そんなことを言っている間に最初の挑戦者はシャンプー前のツボ押しで、緊張感が解けて落ちたようだ、失格だな、それでは次に挑戦するものは、その扉から入りたまえ』
そこで挑戦者同士がじっと視線をかわしていたところ。
「まだ期限あるので、噂の技、体験させてもらいます」
失敗を恐れぬものはこの時強い。
一人が扉の中に入っていく。
「なお、天道は挑戦人数も施術の関係で限らせてもらった」
なんという恐ろしい試験をKCJは用意するのだろうか、六道輪廻天道突破者0人という結果を生み出したが…
挑戦者の顔はみな安らかなものだったという。
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