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あなたの同僚がサメになる日
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「おっちゃん、器用やな」
人間が使うキーボードで報告書を作成する河川ザメがおりました。
「お前より頭いいんとちゃうか?」
なんて言われるが。
「イサリ(おっちゃんの本名)は、試験で成績上位者にとれたんだけども、サメなんで、どうしようか?ってなったぐらいやぞ」
「それま?」
「それ…ま」
無理に世代の違う言葉を使うと事故りそうになった。
おっちゃんはサメやしな…でとある資格は渋ったのだが。
「代わりといってはなんだがな」
ススムと職員達によって、なんか賞状をと思ったら、おっちゃんのファンの子に。
「お兄さん、何してるの?」
「おっちゃんになんか賞状あげたいと思っとるねん、なんて名前にしよって」
「さっき『どっこいしょう』って踊ってたから、そのまま『どっこい賞』でいいんじゃないかな」
「それや!」
おっちゃんに『どっこい賞』とケーキでお祝いされました。
「へぇそんなことが」
「後な、今の河川ザメは知らんけども、昔な、サメの間でゲームが、ダンスゲームが流行してな」
タイトルはタイピングステップ。
「まんまタイピングを覚えてもらおうっていうことなんやけども、あるやろ、今でも」
「ありますね」
「あれのダンスゲームでな、人間には難しすぎるっちゅうことで、廃れたんやけども、サメには爆発的に受けてな」
タイピングで入力すると音声が出ることもあり。
「その時代の河川ザメ、日本語とかローマ字とかかなり理解してたんとちゃう」
そやな、水族館でも新入りのイルカが来ると使って、あれそこそこやってると日本語おぼえたんとちゃう。
「ゲームすごいっすね」
それまで河川サメが日本語習得する場合は、50音のひらがな表を指差してました。
「野生の場合はどんな日本語から覚えるか知っとるか?」
「さぁ」
「次は○○前、次は○○前ってバスの案内で覚えるらしいぞ」
河川のそばを走るバスのアナウンスだけを流暢に物真似するのが確認されている。
「タイピングステップって新作発売されるんですね」
若い職員は検索した。
「えっ?」
「今、サメ系の会社が権利持ってるそうです」
「サメには売れるんやろうな、ちゃんと勉強せにゃおっちゃん達に仕事取られるよ」
「わかってますよ」
あなたの同僚がサメになる日も近いかもしれない。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
KCJ浜薔薇出張所がある駐車場に、パン屋の移動販売が来ることになった。
価格としてはKCJの職員狙いですねというちょっとお高い値段なのですが。
「ロングライフのパンは備蓄に回しておきたい」
とか。
「珈琲にはやっぱりパンですよ」
波里なんかは喜んでいる。
パンセットを買って。
「それでこの間食いきれないから、一緒に食べてくださいっていう羽目になっただろうに」
東司に呆れられる。
「誘惑に、誘惑に勝てなかったんです」
期間限定のオレンジと、定番のチョコクリーム、一つづつ買うよりはパンセットの方がお得なお値段となります。
「その時はお願いします」
「ああ、わかった」
しょうがないということで了承した。
KCJはこのご時世でも保有資産などからわかる通り、好調である。
が、周囲は荒れているといっていいので、色んなお話が持ってこられるという。
「KCJさん、うちと取引してください」
とかそういうの。
「地域のお店を守るための発注は増やすとはいってましたがね」
さっそく、クリーム旨!状態の波里。
「何年か前にもあったそうだから」
KCJさんが定期的に大口で注文してくれるおかげで助かりました。
無事にお金の面で家族に苦労させることなく、引退できます。
「こういうパターンは多いんだよ」
「そういえばカスターニャのカレーの話聞きました?」
「いや、知らないが」
「カスターニャってカレーが有名のお店でしたが、職人気質なんで、もうここで店はやめる!っていう感じで閉店になったそうです」
「そうなのか」
「大きな鍋で炒める作業とかありますから、で、ここって独立した人にあのご主人がその人のためにレシピを授けたりするんですよ、オリジナルレシピ、だからカスターニャで働いたことがある人のお店は、そのメニューが注文できたりする」
カスターニャのお客さんが食べに来たりしてくれるので、お客さんがそこで増やせたりする。
「山宮さんがカスターニャのカレー作り手伝ったら、その功績を認められて、オリジナルを作ってくれたそうなんですよ、薬膳みたいなカレーなのかな」
「それはすごいな」
「一緒に働いた期間としては短いんですが、炊き出しとかで忙しくしているのを見たら、何かいいものはないかと、それなら薬膳のような食べた人の活力になるものをと、それでKCJ儀式的なことをするようになりまして」
こういうことをだいたい的にやると、人の心には残るものなので。
「山宮さんがカスターニャのご主人からレシピを授かり、そのレシピカスターニャのご主人のご家族が実際にお食べになるという」
「本当にKCJはそういうの上手いよな」
「勲章などいらないと、いう人は多いですがね、あれは人の心を擽るものなんですよ」
地域のテレビ局の取材も来ることになったそうだ。
「おじいちゃんすごいね」
「うん、本当にすごい」
そこにお孫さんの言葉があればそりゃあ…感無量である。
人間が使うキーボードで報告書を作成する河川ザメがおりました。
「お前より頭いいんとちゃうか?」
なんて言われるが。
「イサリ(おっちゃんの本名)は、試験で成績上位者にとれたんだけども、サメなんで、どうしようか?ってなったぐらいやぞ」
「それま?」
「それ…ま」
無理に世代の違う言葉を使うと事故りそうになった。
おっちゃんはサメやしな…でとある資格は渋ったのだが。
「代わりといってはなんだがな」
ススムと職員達によって、なんか賞状をと思ったら、おっちゃんのファンの子に。
「お兄さん、何してるの?」
「おっちゃんになんか賞状あげたいと思っとるねん、なんて名前にしよって」
「さっき『どっこいしょう』って踊ってたから、そのまま『どっこい賞』でいいんじゃないかな」
「それや!」
おっちゃんに『どっこい賞』とケーキでお祝いされました。
「へぇそんなことが」
「後な、今の河川ザメは知らんけども、昔な、サメの間でゲームが、ダンスゲームが流行してな」
タイトルはタイピングステップ。
「まんまタイピングを覚えてもらおうっていうことなんやけども、あるやろ、今でも」
「ありますね」
「あれのダンスゲームでな、人間には難しすぎるっちゅうことで、廃れたんやけども、サメには爆発的に受けてな」
タイピングで入力すると音声が出ることもあり。
「その時代の河川ザメ、日本語とかローマ字とかかなり理解してたんとちゃう」
そやな、水族館でも新入りのイルカが来ると使って、あれそこそこやってると日本語おぼえたんとちゃう。
「ゲームすごいっすね」
それまで河川サメが日本語習得する場合は、50音のひらがな表を指差してました。
「野生の場合はどんな日本語から覚えるか知っとるか?」
「さぁ」
「次は○○前、次は○○前ってバスの案内で覚えるらしいぞ」
河川のそばを走るバスのアナウンスだけを流暢に物真似するのが確認されている。
「タイピングステップって新作発売されるんですね」
若い職員は検索した。
「えっ?」
「今、サメ系の会社が権利持ってるそうです」
「サメには売れるんやろうな、ちゃんと勉強せにゃおっちゃん達に仕事取られるよ」
「わかってますよ」
あなたの同僚がサメになる日も近いかもしれない。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
KCJ浜薔薇出張所がある駐車場に、パン屋の移動販売が来ることになった。
価格としてはKCJの職員狙いですねというちょっとお高い値段なのですが。
「ロングライフのパンは備蓄に回しておきたい」
とか。
「珈琲にはやっぱりパンですよ」
波里なんかは喜んでいる。
パンセットを買って。
「それでこの間食いきれないから、一緒に食べてくださいっていう羽目になっただろうに」
東司に呆れられる。
「誘惑に、誘惑に勝てなかったんです」
期間限定のオレンジと、定番のチョコクリーム、一つづつ買うよりはパンセットの方がお得なお値段となります。
「その時はお願いします」
「ああ、わかった」
しょうがないということで了承した。
KCJはこのご時世でも保有資産などからわかる通り、好調である。
が、周囲は荒れているといっていいので、色んなお話が持ってこられるという。
「KCJさん、うちと取引してください」
とかそういうの。
「地域のお店を守るための発注は増やすとはいってましたがね」
さっそく、クリーム旨!状態の波里。
「何年か前にもあったそうだから」
KCJさんが定期的に大口で注文してくれるおかげで助かりました。
無事にお金の面で家族に苦労させることなく、引退できます。
「こういうパターンは多いんだよ」
「そういえばカスターニャのカレーの話聞きました?」
「いや、知らないが」
「カスターニャってカレーが有名のお店でしたが、職人気質なんで、もうここで店はやめる!っていう感じで閉店になったそうです」
「そうなのか」
「大きな鍋で炒める作業とかありますから、で、ここって独立した人にあのご主人がその人のためにレシピを授けたりするんですよ、オリジナルレシピ、だからカスターニャで働いたことがある人のお店は、そのメニューが注文できたりする」
カスターニャのお客さんが食べに来たりしてくれるので、お客さんがそこで増やせたりする。
「山宮さんがカスターニャのカレー作り手伝ったら、その功績を認められて、オリジナルを作ってくれたそうなんですよ、薬膳みたいなカレーなのかな」
「それはすごいな」
「一緒に働いた期間としては短いんですが、炊き出しとかで忙しくしているのを見たら、何かいいものはないかと、それなら薬膳のような食べた人の活力になるものをと、それでKCJ儀式的なことをするようになりまして」
こういうことをだいたい的にやると、人の心には残るものなので。
「山宮さんがカスターニャのご主人からレシピを授かり、そのレシピカスターニャのご主人のご家族が実際にお食べになるという」
「本当にKCJはそういうの上手いよな」
「勲章などいらないと、いう人は多いですがね、あれは人の心を擽るものなんですよ」
地域のテレビ局の取材も来ることになったそうだ。
「おじいちゃんすごいね」
「うん、本当にすごい」
そこにお孫さんの言葉があればそりゃあ…感無量である。
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