浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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不死に良く効くメデューサの瞳

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「メデューサの瞳は、不死を硬直させるもの全てのアイテムにそういう名前がついて」
本家メデューサの瞳、元祖メデューサの瞳、不死によく効くメデューサの瞳などがある。
「俺はメデューサの瞳増量中とかよく持ち歩いてるな、あれ結構安くて」
ジェネリックアイテムになりつつあります。
硬直中は寝るということができないし、目を開けたままだと情報がそこからゆっくり入り込むらしく。
件の不死くんは、クソ映画と合間に時間をもて余したサメ兄弟の小芝居練習を見せられているという。
「兄さん、もっとこうした方が」
「そうだな、しっくり来るかもな」
ここで洗練されたものが、映画館を盛り上げるイベントに繋がるのだ!
ただ付き合わせている不死くんは地獄だろうか、もしもこれでそれすらも楽しくなったら?
そしたら次の地獄にご案内である。


『ここは浜薔薇の耳掃除です』

「やめてくれよな」
珍しくタモツが嫌がった。
嫌がった理由はというと。
「恥ずかしい」
KCJの理容ルーム、春隣のお店が繁盛してきたため、回転率をあげるためにチケット制に切り替える話が出ており。
「その高額チケットのデザインにタモツ先生をっていいじゃないですか」
「恥ずかしいっつーの、お前がやったらどうだ」
「先生を差し置いてそんな真似は」
でも蘆根自体は自分のデザインは使ってもいいといっている。
何とかなだめて、一番高い、あまり出ないであろう高額チケットがタモツとなり、標準メニューは春隣、マッサージのチケットは蘆根となった。
「何故に俺も呼ばない」
それを知ったシャンプーの腕を認められた12使徒、その1人であるタキはそういった。
「えっ?」
「KCJに出張とかするから!」
家族である娘さんに相談しないで言っております。
「そんなにチケットのデザインになりたいんですか?」
「なりたい、なんかこう…偉くなった気がするし、いいじゃん!」
「一応聞くだけ…」
okです。
「おっしゃ!」
シャンプーチケットのデザインはタキ先生になり、この事が縁で、タキはちょくちょくKCJに出張に行くことになりました。
「おはようハルサメちゃん!」
ビク!
ただ河川ザメ春隣はタキのテンションにまだ慣れてないようである。

『ここはKCJ支部です』

電話をしながら女性が歩いていく、ヒールの音をカツカツさせているようだ。
「銀行?の人じゃないね」
「金融だとドレスコード決まってるから、あれだと注意されるかな」
「じゃあ、営業?」
「だろうね、遠回りして戻ろうか」
名前を伏せられた職員たちはそういって迂回した。
迂回してから自分達の区域に戻ると、1人はホッとした。
「ああいう人苦手」
「何嫌な思いであるの?」
「まあ、あれだ、家庭の事情を思い出させるってやつ」
「カウンセリングとか気になるなら受けた方がいいよ」
「そうなんだけどもね、自分でも驚いているんだ、ああ忘れたつもりでもまだ覚えているんだなって」
「家庭の事情ってそんなもんさ」
もしも彼ら彼女ら名前を伏せられた職員の存在が外部に知られると、そこに営業がかけられるのは目に見えているので、こんな風な行動になる。
「今日は外に出ないでおこう」
「それがいいって」
代わりに仕事しようなんて話をしていた。
「結果を出せない自分に価値がないと思ってるので」
「そういう難しい子が管理には多いんですよね」
子と言われてもいいぐらいの年齢から、KCJにいる職員もいるので、名前を伏せられた職員は、人によっては兄弟姉妹、子供みたいな関係になることも多かった。
「戦闘職は逆にそういう信頼関係がなければ生きていけないところがあるので、特に」
今すぐ手続きして、独立しろ、後は俺に任せろ。
「そんな勢いとノリで上手く行くはずないでしょって断るぐらい、あそこに管理の子はね、幼いうちから達観してるんだよね」
生きていくために、大黒柱やってました。
「だからこそ、他では浮くような異世界帰還組とも上手くやれるから、複雑ではありますがね」
名前伏せ達が騒いでる。
「豊作だぁぁぁ」
「ひゃっはー熊本産は最高だぜ」
大金は動かすくせに彼ら自体の金銭欲というと、何十円か安く買えたでお祭り騒ぎが始まるのである。




                                              
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