浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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医療用ポップコーン

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「相変わらずクズはクズだったよ」
笑顔で自分の親の話をするこの人は名前を伏せられた管理部門の職員で。
「ケーキは何にします?」
「ティラミスあるんでしょ?」
「ありますよ」
その話に付き合うのは、浜薔薇出張所である。
「お茶は?」
「ほうじ茶は?」
「任せてくれ、時間はあるよな?」
とフライパンを用意する。
「まさかそこから!」
「それがうちらしいでしょ?」
「そうなんだけどもさ」
こういう職員が多いように見えますが正解、他から見ればどっちも似たようなものと思われますが、属性が違えば驚いたりはする。
「やはり最近は時間があるから」
「そういえばもう西日本でゾンビ確認されたってよ」
「あ~もうですか」
花粉と共に訪れるゾンビシーズン。
「それで河川ザメが噛まれて」
「怪我?それとも」
「歯形はついたけども、それぐらい、で、情報共有ってことで報告書読んだわけでさ」
その川ではイタズラするとサメに追いかけられると昔から言われており、悪さをするものはそういないのですが(それでも年に何回か起きる)
「それがゾンビで、当たり前だけどもゾンビだからこっちが怒っていても、わからないじゃん」
それで緊急連絡したが、その間に襲われ、被害は噛まれたサメのみとなった。
「河川ザメは病気にも怪我にもなりにくいから、あまり診れる獣医さんとかいないわけですよ」
ティラミス入ります。
「濃い味が旨い!でさ、KCJの方に問い合わせ来たわけ、入院におけるノウハウとかね」
水の中で眠るのが河川ザメ、陸上でもオフトンで寝ることは寝るんだが。
「水の中には戻れないぐらいちょっと弱っていたから」
まずはみなさま、河川ザメを、河川ザメの姿を思い浮かべれない皆様は、アザラシを一匹思い浮かべてください。
そしてそれが入る大きな箱、そちらに梱包のソフトパイプの資材をザラザラ、そこにアザラシを立たせて中に、こうすることで体圧を分散させることができます。
「横になるより、縦にした方が治りが早いらしいんだよ」
昔は竹かごに入れた状態で、弱ったサメを水の中に入れた話があり、またツボなどでも縦にすると良いと言い伝えがございました。
「魚市場の歴史みたいな」
竹かごに魚を縦につめて出荷。
「検査入院の姿も出荷にしか見えないから、それで梱包材もソフトパイプではなくて、ポップコーンだったんだよ」
「それだと食べちゃいません?」
火を通した茶のいい香りが漂ってきた。
「うん、食べてた」
適当な素材がなかったので、口に入れても安全だろうと医療用ポップコーンを使用、もちろん塩など味付けはなし。
翌朝。
(減ってる)
様子を見ると、箱の中のポップコーンが目減りしていたという。
「体圧を分散させるためにポップコーン入れても、尾ビレがついちゃうぐらいは食べちゃうから、別の素材を…ってことになって、まあ、今の今までそれのお世話になってないから、生体分解してくれる素材になったんだけどもね」
実はこの医療用ポップコーン、まだ製造はされ続けていた。
「メイン用途は幻想種への医療資材なんだけどもさ、今はちょっと余裕なくなって来たじゃん、それで医療用ポップコーンの在庫があったんでさ」
その話を前から知っていた管理職員、そうポテト富豪は手配した。
このポップコーンはコンスターチを製造するためのコーンが使われており、河川ザメがつまみ食いするならいけると踏んだのである。
「そういえば知ってる?この間ぎっくり腰やらかしちゃった、うちに来た営業さんのところに、一級河川 家政 保育協会から応援に行くことになったんだよ」
「本当、こういう機会を逃しませんね、うちの管理」
「隙あらば狙わないと、お金なんてたまらないよ、だからクズ親に目をつけられるんだけどもね」
と管理の職員はハハッと笑ったところに、美味しいお茶の蒸らしは始まった。

『こちらは浜薔薇の耳掃除です』

「本当にありがとうね」
感謝の気持ちを春隣に伝えるのは、いつかの営業さんです。
「腰の調子、マシだけど、響くようになっちゃってさ」
そのため耳が痒くて、耳かきをしようとしたら、腕と背中が痛くて、出来なかったそうです。
「耳かき好きなんだけどもさ、まさか楽しめなくなる日が来るだなんて思わなかったよ」
この営業さんななんでこちらにいるかというと。
「では理容室をご利用の間、河川ザメでよろしければお子さまの面倒と家事をいたしますが」
管理部門が気を回して連絡を入れてきた。
「仕事の内容は申し分ないのですが、サメだと嫌がるかたもおられますので、奥様と十分お話をして…」
その話を営業の奥さまにいたしますと。
「是非!是非!お願いします、むしろあなたはゆっくりして来てください」
「はい…」
事前に河川ザメの仕事ぶりの資料を送ったのだが、その前に来てくださいとなった。
「すいません、一級河川 家政 保育協会から来ました」
と引率の職員とサメが二匹来てくれた。
そこで奥さんと打ち合わせして、さてどうなったかというと。
「あなた…KCJに転職する気…いえ、私が転職しようかしら」
奥さんから営業さんはそう言われたそうだ。
「二ザメじゃなくても一ザメでも違うと思うの」
一週間に一回でもお願いしたいわとのこと。
育児と家事の他に、現在整備からもハウスキーピング術を習い、魔改造の精神を注入、いえ研修を受けているので、これからどんどん便利になっていくと思われます。
「ただそういうのを利用するやつとかは必ず出てくるからさ、そこをきちんと線を引かなきゃいけない」
「KCJの出番というわけですか」
「そういうこと、出番がないのが一番いいんだけども、クズっているからね、うちの親みたいにさ」
「そのおかげでKCJ、夜逃げ方面にもかなり詳しくなっちゃってますけどもね」
「警察の出番にギリギリならない民事の辺りをウロウロしてるから、困るんだよ」
「でも一度戦闘職に間違って喧嘩うったと見なされて、大変なことにならなかったか」
「プライドを重んじる流派の方にもいける!って思ったっていうのがすごいですね」
膝が飛びました。
「あれでも自分が悪くないって言えるからすごい」
「なんかこう、最近苦労はしたけども、管理部門に所属できるまで頑張って良かったわって思うことはあるよ、自分で努力しないで、うちみたいに金蔓にされるのもあるけども、承認欲求のために人生台無しにするパターンみたらさ、幸せじゃないよね」
「お茶できたぞ」
「なんか話をするとあっという間に時間は過ぎちゃうもんだね」
「まっ、そういうものだ」
ティータイムはゆっくりと過ぎていく。


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