浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

文字の大きさ
上 下
352 / 891

一級河川 家政 保育協会

しおりを挟む
「問題あるところは先に手を打ってしまった方がいいね」
なんてことを、管理部門の職員は口にする時がある。
「一般的な方法が自分を助けてくれない場合は特にさ」
何かを思い出してるのだろうか、ああこの人も生き残った人達と呼ばれる存在だから、経験則なのかもしれない。

『お知らせ』
KCJの職員の皆様へ、パパママさん、お孫さんがいる家庭に朗報です。
一級河川家政 保育協会とこの度提携し、現在の休園や休校ももちろん、病児対応、掃除などの家事のサービスが始まります。

という知らせが全職員、もちろん浜薔薇出張所にも届いたのだが。
「一級河川家政 保育協会何てありましたっけ?」
波里が疑問に思っていたら。
「作った」
東司が教えてくれた。
「子供一人につき、2ザメ体制、掃除などもしてもらえるから、独身者にもそのサービスをという話が出てるそうだ」
何でもポテト富豪と呼ばれる職員のおかげらしい。
「ありがとうポテト富豪」
「うちの元気すぎる子が眠ってるなんて」
テスト導入したところからはこんな喜びの声が!
「これ、他の企業等が導入したら、サメが足りなくなるのでは?」
「それも考えたが、昨今の事情を省みて、よそにも話を持っていったことには持っていったが」
サメでしょ?何をいってるの?
「人類になまだサメは早かったと」
「通ったらいいだろうなと思われていたが、かなり辛辣だったらしい」
「でもこのパターン前にもありませんでしたっけ?」
「あったな」
今では一般的なシステムをちゃんと裏付けして導入するのが、KCJだったりするので、便利なものに対してはとても早かったりする。
「シエルティもそうだな」
社用車となったレトロな車である。
「当時のデザインだか、他の装備をのせるために、あれより一回り以上小さい名車の設計を借りて、中をうまく使ってるんが、そういうのも昔はいやがったと、おやっさんがいってたな」
おやっさんは、整備の長老と言った方がいい。
「前の経歴が生きてくるとは思わなかったな」
整備部門は様々な経験者採用も行っていて、おやっさんは、あまり自分の事は語らないが、かなり大きい会社に長年いたようだ。
「ここは気持ちがいいからよ、昔の話はするだけヤボってもんさ」
整備は四輪、二輪、むしろ車両問わずだし、なんだったら建築や設備の人間も支部によってはいるのである。
「建築ってね、お金のやりくりがうまくないとね、成り立たないんですよね…」
実家がそうだったので、そのまま店を継ごうかといってたところ、借金などが発覚し、叫びたくなった。
「じゃあ、KCJ来る?」
いろいろ言われたのだが。
「お金かつかつが今まで経験してないから、もうずっとここにいる!」
そう決めたのである。
「ポテト富豪に関わらず、管理部門の兄ちゃん姉ちゃんたちはよくやってくれているからよ、他のところの話聞くと、景気の悪い話ばっかだわ、お通夜みたいに静かなもんだぜ」
管理と整備はこちらの世界で生まれ育ってはいるが。
「またシエルティみたいに、好き勝手やっていいなら、いくらでもやっちゃうよ!」
整備はこのように我が道を自分で走りすぎてからKCJにやってくるような気がする。
「うちの整備部門って景気がいい時代のモータースポーツを知っている方々が多いので、そこまで腕がいいとね、本来はうちに所属しないでもやっていける道もあるんですよ」
それでも集まる理由は。
「そりゃあ気持ちがいいのよ、ちゃんと理解してくれる、腕はいいが偏屈でも、居やすいなら、そこを選んじゃうものよ」
そして整備部門には一般のお客さんも来るようになるが。
「みんなこだわりの多い人だね、愛車を任せられるって見られているのが嬉しいね、これは多少サービスしねえと」
こういうことも自分達のところではなかなかできなかったのだが。
「ついでにそれもつけちゃう」
「えっ?いいんですか?」
「いいって、どうせこういうものは生物だからね」
おやつの話ではない、オイルなどの話である。
シエルティをレストアしてくれた整備のところから、バスにつけて、タイヤを買った浄水センターの職員もいたし。
「こっちの支部でも整備部門やんないかな」
場所が確保できなくて、整備部門が整備部門としてノビノビできないので、タイヤ交換ぐらいはしてくれるが。
「あれは俺の好きな整備部門やない」
「何をいってはりますの」
同僚に突っ込みは入れられたが、車の維持費がそのままで下がるので、こういった感じで買っていくと、一年ほどでお金がしっかりと見える形で残るであろうと思ってる。
「そういうところで浮かせないと、奨学金がキッツいんじゃあ!」
奨学金あるあるである。
浄水センターの場合は一食+おやつ等がKCJからやってきますが。
「スパ銭いけないから、浜薔薇出張所の方に素を頼んだわ」
素?
ドン
大きなボトルにはベストフレンドの素と書かれている。
「これでお家でも温泉気分や」
「そういえばおっちゃん、ベストフレンドでおっちゃんデザインのアイス売り出したでしょ?ずいぶん儲かってるんじゃないの?」
ああ、そやな、おかげで小児科のみなさんが喜んでおったわ。
儲かっているならば奢ってもらおうと言う目論みも、サメのきれいなお金の使い方で、そこでお話は終了でありました。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう

白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。 ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。 微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…

お尻たたき収容所レポート

鞭尻
大衆娯楽
最低でも月に一度はお尻を叩かれないといけない「お尻たたき収容所」。 「お尻たたきのある生活」を望んで収容生となった紗良は、収容生活をレポートする記者としてお尻たたき願望と不安に揺れ動く日々を送る。 ぎりぎりあるかもしれない(?)日常系スパンキング小説です。

お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。 私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。 見た目は、まあ正直、好みなんだけど…… 「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」 そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。 「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」 はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。 こんなんじゃ絶対にフラれる! 仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの! 実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。 

処理中です...