浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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一級河川 家政 保育協会

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「問題あるところは先に手を打ってしまった方がいいね」
なんてことを、管理部門の職員は口にする時がある。
「一般的な方法が自分を助けてくれない場合は特にさ」
何かを思い出してるのだろうか、ああこの人も生き残った人達と呼ばれる存在だから、経験則なのかもしれない。

『お知らせ』
KCJの職員の皆様へ、パパママさん、お孫さんがいる家庭に朗報です。
一級河川家政 保育協会とこの度提携し、現在の休園や休校ももちろん、病児対応、掃除などの家事のサービスが始まります。

という知らせが全職員、もちろん浜薔薇出張所にも届いたのだが。
「一級河川家政 保育協会何てありましたっけ?」
波里が疑問に思っていたら。
「作った」
東司が教えてくれた。
「子供一人につき、2ザメ体制、掃除などもしてもらえるから、独身者にもそのサービスをという話が出てるそうだ」
何でもポテト富豪と呼ばれる職員のおかげらしい。
「ありがとうポテト富豪」
「うちの元気すぎる子が眠ってるなんて」
テスト導入したところからはこんな喜びの声が!
「これ、他の企業等が導入したら、サメが足りなくなるのでは?」
「それも考えたが、昨今の事情を省みて、よそにも話を持っていったことには持っていったが」
サメでしょ?何をいってるの?
「人類になまだサメは早かったと」
「通ったらいいだろうなと思われていたが、かなり辛辣だったらしい」
「でもこのパターン前にもありませんでしたっけ?」
「あったな」
今では一般的なシステムをちゃんと裏付けして導入するのが、KCJだったりするので、便利なものに対してはとても早かったりする。
「シエルティもそうだな」
社用車となったレトロな車である。
「当時のデザインだか、他の装備をのせるために、あれより一回り以上小さい名車の設計を借りて、中をうまく使ってるんが、そういうのも昔はいやがったと、おやっさんがいってたな」
おやっさんは、整備の長老と言った方がいい。
「前の経歴が生きてくるとは思わなかったな」
整備部門は様々な経験者採用も行っていて、おやっさんは、あまり自分の事は語らないが、かなり大きい会社に長年いたようだ。
「ここは気持ちがいいからよ、昔の話はするだけヤボってもんさ」
整備は四輪、二輪、むしろ車両問わずだし、なんだったら建築や設備の人間も支部によってはいるのである。
「建築ってね、お金のやりくりがうまくないとね、成り立たないんですよね…」
実家がそうだったので、そのまま店を継ごうかといってたところ、借金などが発覚し、叫びたくなった。
「じゃあ、KCJ来る?」
いろいろ言われたのだが。
「お金かつかつが今まで経験してないから、もうずっとここにいる!」
そう決めたのである。
「ポテト富豪に関わらず、管理部門の兄ちゃん姉ちゃんたちはよくやってくれているからよ、他のところの話聞くと、景気の悪い話ばっかだわ、お通夜みたいに静かなもんだぜ」
管理と整備はこちらの世界で生まれ育ってはいるが。
「またシエルティみたいに、好き勝手やっていいなら、いくらでもやっちゃうよ!」
整備はこのように我が道を自分で走りすぎてからKCJにやってくるような気がする。
「うちの整備部門って景気がいい時代のモータースポーツを知っている方々が多いので、そこまで腕がいいとね、本来はうちに所属しないでもやっていける道もあるんですよ」
それでも集まる理由は。
「そりゃあ気持ちがいいのよ、ちゃんと理解してくれる、腕はいいが偏屈でも、居やすいなら、そこを選んじゃうものよ」
そして整備部門には一般のお客さんも来るようになるが。
「みんなこだわりの多い人だね、愛車を任せられるって見られているのが嬉しいね、これは多少サービスしねえと」
こういうことも自分達のところではなかなかできなかったのだが。
「ついでにそれもつけちゃう」
「えっ?いいんですか?」
「いいって、どうせこういうものは生物だからね」
おやつの話ではない、オイルなどの話である。
シエルティをレストアしてくれた整備のところから、バスにつけて、タイヤを買った浄水センターの職員もいたし。
「こっちの支部でも整備部門やんないかな」
場所が確保できなくて、整備部門が整備部門としてノビノビできないので、タイヤ交換ぐらいはしてくれるが。
「あれは俺の好きな整備部門やない」
「何をいってはりますの」
同僚に突っ込みは入れられたが、車の維持費がそのままで下がるので、こういった感じで買っていくと、一年ほどでお金がしっかりと見える形で残るであろうと思ってる。
「そういうところで浮かせないと、奨学金がキッツいんじゃあ!」
奨学金あるあるである。
浄水センターの場合は一食+おやつ等がKCJからやってきますが。
「スパ銭いけないから、浜薔薇出張所の方に素を頼んだわ」
素?
ドン
大きなボトルにはベストフレンドの素と書かれている。
「これでお家でも温泉気分や」
「そういえばおっちゃん、ベストフレンドでおっちゃんデザインのアイス売り出したでしょ?ずいぶん儲かってるんじゃないの?」
ああ、そやな、おかげで小児科のみなさんが喜んでおったわ。
儲かっているならば奢ってもらおうと言う目論みも、サメのきれいなお金の使い方で、そこでお話は終了でありました。

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