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一等~四等までの夢が見れます。
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天地(あまつち)
老舗御菓子司新夜(あたらよ)の看板メニュー、天を餅、餡を地に見立てたものが、新春の祝い折詰にされて、温泉旅館にいるサメたちに向けられて配られた。
「こいらがイサリさんから皆様へと」
「サッサッサッ」
「悪いね、気を使ってもらってだそうです」
この場にはイサリがいないのは。
「いきなりあのサメさん達に可愛い子紹介してとか言いそうだったので」
おっちゃんもいい年だし~やっぱりぃ。
「ほらな、それでどういう子紹介してもらいたいって?」
美人か、可愛くて~性格も良くて~サメメちゃんみたいなのがタイプなんで、紹介してください(必死)
「久しぶりに同族だっけか、会ったのはわかるが、あの状況下でそんなん言われたら、おっちゃん、絶対関係性おかしゅうなるよ」
うっ!
「自覚あるんやろ、疲れたテンションだったからつい、ポロッとはあるかもしれんが、あの時にそんなこというたら、ダメ」
「しかしあっちのサメ、鍛えられてんなって思うたわ」
「トラックがタイヤ落ちても引き上げれるって、どんなバワーやねん」
「あっ、ニュース見た友達から連絡もらったんやけども、そいつな、薪ストーブ使ってるから、薪をもらうときに、サメがいるんやって」
ダムで発生する流木を拾い上げて、それを引き上げ、駐車場まで持っていく。
「そんとき、車に詰めれるだけくれたりするんだけども、サメに手伝ってもらったっていってるから、あのサメの中のうちの誰かなんじゃないかなって」
薪は1トンまでもらえるので、配布日は本当に忙しい。
「ただなんとなく積むと、入らないんだけどもさ」
「メッメッ」
サメが手伝ってくれると、職人技で限界まで積んでくれたりします。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「本日は新春くじを行っております」
浜薔薇駐車場のキッチンカーである。
「はい、ワンコインで一回なので、一等~四等までが食材、または調理して冷凍にお届けになります、そしてはずれでもこのセットメニューが食べれます」
「えっ?つまりこれは普通に頼んだと思えばお得じゃない?」
「一等~四等までの夢が見れます」
「夢、それはおもしろいね」
キッチンカーの新春くじは賑わいを見せた。
(商売上手いな)
傑もそう思ってしまうようなキッチンカーの新春くじ。
「あと少しで終わりですよ」
まあ、このぐらいはいいかなということで、傑も参加。
「ん??」
「どうしました?」
「なんか最後の一枚で」
「それはおめでとうございます」
そういってブランド柑橘類を箱でいただきました。
浜薔薇の年始年末はいつもよりちょっと忙しいかもしれない。
「帰省のお客さんとか、この機会に浜薔薇に来てみたいっていう人たちが多いからな」
商売繁盛というわけである。
特に浜薔薇に来る前に、ベストフレンドの湯など温泉に入ってきているお客さんは、耳の中がとんでもないことになっていた。
「あの温泉、汗が吹き出る」
そして入り、しっかりと肌も髪も乾いた辺りに耳掃除に来ると。
ポロ
少しかいただけで崩れるほどの垢が出る。
(う~ん見事なり)
(我々は定期的に綺麗にしてますから、あそこまではでないんですよね)
耳掃除というのはそういうものである、好きで、すればするほど、耳の中がきれいになり、満足のいく掃除にならないのである。
S席の客もはぁはぁするぐらいの耳掃除が繰り広げられている。
(あんなに黄色く)
(紙の上に圧倒的な存在感!)
コロン
(…まだ出るというのか)
(これは新春から最高ですね)
されている本人はもう蘆根の技でリラックスしすぎて落ちている、このお客さんは渋滞に巻き込まれて大変だったこともあるが、それを加えても、幸せそうな寝顔である。
老舗御菓子司新夜(あたらよ)の看板メニュー、天を餅、餡を地に見立てたものが、新春の祝い折詰にされて、温泉旅館にいるサメたちに向けられて配られた。
「こいらがイサリさんから皆様へと」
「サッサッサッ」
「悪いね、気を使ってもらってだそうです」
この場にはイサリがいないのは。
「いきなりあのサメさん達に可愛い子紹介してとか言いそうだったので」
おっちゃんもいい年だし~やっぱりぃ。
「ほらな、それでどういう子紹介してもらいたいって?」
美人か、可愛くて~性格も良くて~サメメちゃんみたいなのがタイプなんで、紹介してください(必死)
「久しぶりに同族だっけか、会ったのはわかるが、あの状況下でそんなん言われたら、おっちゃん、絶対関係性おかしゅうなるよ」
うっ!
「自覚あるんやろ、疲れたテンションだったからつい、ポロッとはあるかもしれんが、あの時にそんなこというたら、ダメ」
「しかしあっちのサメ、鍛えられてんなって思うたわ」
「トラックがタイヤ落ちても引き上げれるって、どんなバワーやねん」
「あっ、ニュース見た友達から連絡もらったんやけども、そいつな、薪ストーブ使ってるから、薪をもらうときに、サメがいるんやって」
ダムで発生する流木を拾い上げて、それを引き上げ、駐車場まで持っていく。
「そんとき、車に詰めれるだけくれたりするんだけども、サメに手伝ってもらったっていってるから、あのサメの中のうちの誰かなんじゃないかなって」
薪は1トンまでもらえるので、配布日は本当に忙しい。
「ただなんとなく積むと、入らないんだけどもさ」
「メッメッ」
サメが手伝ってくれると、職人技で限界まで積んでくれたりします。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「本日は新春くじを行っております」
浜薔薇駐車場のキッチンカーである。
「はい、ワンコインで一回なので、一等~四等までが食材、または調理して冷凍にお届けになります、そしてはずれでもこのセットメニューが食べれます」
「えっ?つまりこれは普通に頼んだと思えばお得じゃない?」
「一等~四等までの夢が見れます」
「夢、それはおもしろいね」
キッチンカーの新春くじは賑わいを見せた。
(商売上手いな)
傑もそう思ってしまうようなキッチンカーの新春くじ。
「あと少しで終わりですよ」
まあ、このぐらいはいいかなということで、傑も参加。
「ん??」
「どうしました?」
「なんか最後の一枚で」
「それはおめでとうございます」
そういってブランド柑橘類を箱でいただきました。
浜薔薇の年始年末はいつもよりちょっと忙しいかもしれない。
「帰省のお客さんとか、この機会に浜薔薇に来てみたいっていう人たちが多いからな」
商売繁盛というわけである。
特に浜薔薇に来る前に、ベストフレンドの湯など温泉に入ってきているお客さんは、耳の中がとんでもないことになっていた。
「あの温泉、汗が吹き出る」
そして入り、しっかりと肌も髪も乾いた辺りに耳掃除に来ると。
ポロ
少しかいただけで崩れるほどの垢が出る。
(う~ん見事なり)
(我々は定期的に綺麗にしてますから、あそこまではでないんですよね)
耳掃除というのはそういうものである、好きで、すればするほど、耳の中がきれいになり、満足のいく掃除にならないのである。
S席の客もはぁはぁするぐらいの耳掃除が繰り広げられている。
(あんなに黄色く)
(紙の上に圧倒的な存在感!)
コロン
(…まだ出るというのか)
(これは新春から最高ですね)
されている本人はもう蘆根の技でリラックスしすぎて落ちている、このお客さんは渋滞に巻き込まれて大変だったこともあるが、それを加えても、幸せそうな寝顔である。
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