335 / 996
日長魚
しおりを挟む
「というわけで、KCJさんがうちの所の水を買ってくれることになったから」
「KCJさん、太っ腹やな」
「ヨッ!」
「ほんでな、役所でその様子、取材入るんで、うちからは私とイサリ、お前も参加な」
何着ていこう。
「おでんは禁止な」
「先に言われたな」
「どうする?他におっちゃんと言えば」
宇宙を感じさせるキンキラ(サメタイツ)
今日は野生を思い出して豹(サメウェア)
「ぐらいしかないよ」
「さすがに災害救助の時の奴は無理だし」
「ちゃんと用意してある」
おっちゃん用フォーマルと作業ジャケット。
「今度からなんかあったら、これ着てくれ」おおおおおお!
「感激しとる」
「このままやと、おでんで突撃しそうだったからな」
もちろん、作成はおでんを作ってくれたあの人です。
『ここは格好いいサメがいる浄水センターや!』
本日は冬至である。
「どーもKCJです」
炊き出しは本日もきっちり届けられるのだが、キッチンカーでやってきたということは。
「今日は冬至ということもありまして、地域の伝統に則りました(浜薔薇がある地域ではない)」
その地域ではない冬至の日に、対する日、この場合は夏至に仕込みをしたものを食べて、元気にすごそうとする風習があるらしい。
「日長魚(ひながのさかな)というものをそれでお持ちしたんですが、名前だけは聞いたことがある、そちらの地域でのお酒、純米酒の酒粕を使ったものと、天日にさらして旨味ぁぎゅっとつまった干物の二種類をお持ちしたんです」
「ということはまさか…」
「はい、どちらかを選んでもらうと、一方が先に品切になりましたは、残った方で対応させてもらうということで」
「これは争いの予感やで」
「それと確認なのですが、明日はケーキをお持ちすると」
「はいはーい僕です、お願いします」
そうなんです、KCJは誕生日になるとケーキを用意してくれます、しかもホールですよ。
「さすがにこれは全員分はな…」
ただそんな意見はありましたが、部署ごとで食べるということになりました。
血の雨が香る討論、すごかったです。
「でも本当にうれしいわ、クリスマス近いとな、だいたい一緒なんやて!」
そこで同僚の、そういうのとは無縁の毒親持ちと目が合いまして。
「ごめん」
「気を使われると、余計に困るわ!」
「でも、前まではこいつひねくれおったからな」
それがKCJさんから。
「もしもこちらをおやめになりましても、世界の果てまで誕生日ケーキはお届けにあがります」
異世界じゃないでしょ?この世界でしょ?お届けするのは楽だわ(スカイフィッシュを倒しながら)
「そこまで言われてから、ようやくこいつも素直におめでとう言われてから、ありがと返せるようになったんやで」
「あそこまで言われたら、腹くくるしかないでしょ」
ケーキはカタログや今まで作ったものの写真もございますので、こちらを参考にしてご注文ください。
『えっ?こんないい話の後にホラー展開やるんですか?』
キャハハハ
その時確かに波里の耳に笑い声が聞こえた。
波里の耳は普通である、その耳に聞こえたということは。
(確認しないわけにはいかないでしょうよ)
何かが起きてる、たいしたことがなければいいのだが。
チョン!
まず目に入ったのはサメである。
そしてサメはモヤに包まれている、そのモヤは人の顔が浮かんでいるように見えた。
ナンナンダヨテメーワ
サメに向かってそれは言われているようだが、波里の耳には聞こえず、唇を読む。
バシン!
言い終えたあとサメは人霊にビンタした。
ああん?
なんでビンタされたのかわからない、そもそも一方的にこちらが有利なはずと思っているから、状況も飲み込めない。
バシン!
そこでもう一発ビンタが入る。
この野郎絶対に!
ドス
サメの頭突きが入った、モヤは散っていく。
波里を見つけた、目があった。
「サメェェェ」
この種類のサメは発声が苦手であるが、波里はこの鳴き声は友好的なものだとわかった。
「ううううう…」
そこにうめき声。
倒れている人に波里はかけよると。
「ああ、なんかいきなり引き釣りこまれて、サメが助けてくれた」
そのまま警察と救急に通報し、こちらの素性を伝えてから、浜薔薇出張所へ向かった。
「災難というかなんというか」
「まあ、こればっかりはしょうがないですよ」
「しかしサメは頼もしいな」
「はい、本当にそれは思います」
先日のツアーの話で、ツアーに参加しているサメはみな強く好奇心があるという。
「でなければ陸上に来ないだろう」
「ただ彼らの言う、人霊への扱いが、可愛そうになるぐらい圧倒してますもん」
存在すれば鑑賞され、襲ってきたらぼこぼこにする。
「強さで言うなら値は千で、それが30匹か」
「いえ、33匹ですね」
その場にいなかった三匹はオプションのエステで後で合流だそうだ。
「KCJさん、太っ腹やな」
「ヨッ!」
「ほんでな、役所でその様子、取材入るんで、うちからは私とイサリ、お前も参加な」
何着ていこう。
「おでんは禁止な」
「先に言われたな」
「どうする?他におっちゃんと言えば」
宇宙を感じさせるキンキラ(サメタイツ)
今日は野生を思い出して豹(サメウェア)
「ぐらいしかないよ」
「さすがに災害救助の時の奴は無理だし」
「ちゃんと用意してある」
おっちゃん用フォーマルと作業ジャケット。
「今度からなんかあったら、これ着てくれ」おおおおおお!
「感激しとる」
「このままやと、おでんで突撃しそうだったからな」
もちろん、作成はおでんを作ってくれたあの人です。
『ここは格好いいサメがいる浄水センターや!』
本日は冬至である。
「どーもKCJです」
炊き出しは本日もきっちり届けられるのだが、キッチンカーでやってきたということは。
「今日は冬至ということもありまして、地域の伝統に則りました(浜薔薇がある地域ではない)」
その地域ではない冬至の日に、対する日、この場合は夏至に仕込みをしたものを食べて、元気にすごそうとする風習があるらしい。
「日長魚(ひながのさかな)というものをそれでお持ちしたんですが、名前だけは聞いたことがある、そちらの地域でのお酒、純米酒の酒粕を使ったものと、天日にさらして旨味ぁぎゅっとつまった干物の二種類をお持ちしたんです」
「ということはまさか…」
「はい、どちらかを選んでもらうと、一方が先に品切になりましたは、残った方で対応させてもらうということで」
「これは争いの予感やで」
「それと確認なのですが、明日はケーキをお持ちすると」
「はいはーい僕です、お願いします」
そうなんです、KCJは誕生日になるとケーキを用意してくれます、しかもホールですよ。
「さすがにこれは全員分はな…」
ただそんな意見はありましたが、部署ごとで食べるということになりました。
血の雨が香る討論、すごかったです。
「でも本当にうれしいわ、クリスマス近いとな、だいたい一緒なんやて!」
そこで同僚の、そういうのとは無縁の毒親持ちと目が合いまして。
「ごめん」
「気を使われると、余計に困るわ!」
「でも、前まではこいつひねくれおったからな」
それがKCJさんから。
「もしもこちらをおやめになりましても、世界の果てまで誕生日ケーキはお届けにあがります」
異世界じゃないでしょ?この世界でしょ?お届けするのは楽だわ(スカイフィッシュを倒しながら)
「そこまで言われてから、ようやくこいつも素直におめでとう言われてから、ありがと返せるようになったんやで」
「あそこまで言われたら、腹くくるしかないでしょ」
ケーキはカタログや今まで作ったものの写真もございますので、こちらを参考にしてご注文ください。
『えっ?こんないい話の後にホラー展開やるんですか?』
キャハハハ
その時確かに波里の耳に笑い声が聞こえた。
波里の耳は普通である、その耳に聞こえたということは。
(確認しないわけにはいかないでしょうよ)
何かが起きてる、たいしたことがなければいいのだが。
チョン!
まず目に入ったのはサメである。
そしてサメはモヤに包まれている、そのモヤは人の顔が浮かんでいるように見えた。
ナンナンダヨテメーワ
サメに向かってそれは言われているようだが、波里の耳には聞こえず、唇を読む。
バシン!
言い終えたあとサメは人霊にビンタした。
ああん?
なんでビンタされたのかわからない、そもそも一方的にこちらが有利なはずと思っているから、状況も飲み込めない。
バシン!
そこでもう一発ビンタが入る。
この野郎絶対に!
ドス
サメの頭突きが入った、モヤは散っていく。
波里を見つけた、目があった。
「サメェェェ」
この種類のサメは発声が苦手であるが、波里はこの鳴き声は友好的なものだとわかった。
「ううううう…」
そこにうめき声。
倒れている人に波里はかけよると。
「ああ、なんかいきなり引き釣りこまれて、サメが助けてくれた」
そのまま警察と救急に通報し、こちらの素性を伝えてから、浜薔薇出張所へ向かった。
「災難というかなんというか」
「まあ、こればっかりはしょうがないですよ」
「しかしサメは頼もしいな」
「はい、本当にそれは思います」
先日のツアーの話で、ツアーに参加しているサメはみな強く好奇心があるという。
「でなければ陸上に来ないだろう」
「ただ彼らの言う、人霊への扱いが、可愛そうになるぐらい圧倒してますもん」
存在すれば鑑賞され、襲ってきたらぼこぼこにする。
「強さで言うなら値は千で、それが30匹か」
「いえ、33匹ですね」
その場にいなかった三匹はオプションのエステで後で合流だそうだ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる