浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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年寄りの楽しみ

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浄水センターでおっちゃんと職員の漫才、いやコント、あるいは何時ものをみていただいた後は…
「何やら先ほどから腹の虫がぐー~なるようないい匂いがしてくれますが、本日はKCJさんのご協賛いただきまして、カレーを用意しております」
「はよ、食べさせぇな!」
小学生男子はお腹が減っているようだ。
「食の調査も兼ねておりますんで、おやつと一緒にアンケート渡します、まず一杯目はそれ書いてからお願いします」
ただのアンケートではこのカレーに待ちきれないものが出てくるということで、最初は飴ちゃん渡すかという話も。
「じゃあ、クッキー出しますか」
「それ、サクサクな奴やん」
「どうする!絶対に旨い」
と打ち合わせの段階で言われたので、二日後にはなるが、浄水センターにメレンゲのクッキーが届けられた。
「あれやろ、山宮さんがいるとこの支部って、タイヤ交換するときとかも美味しい珈琲が出るんやろ」
「あそこはお冷やも旨いのよ、これが」
「ほんま?」
「そういえばお前、タイヤ買うてきたもんな」
先日浄水センターからやってきた人たちは、浜薔薇出張所でおりるカットや温泉楽しむ組と支部にてタイヤなどのカー用品を整備から安く買い込む人、ないし支部近辺で散策を楽しむ人に別れた。
(おっ)
散策した職員なんかは旨そうな店を見つけた、近所のサラリーマンが昼御飯を食べに来ているのと美味しそうな匂いでここに決めた。
「焼き魚の脂がはじけてるわ、店長が蕎麦打つんやて、そこに新そばありますって見たら、それやな」
「そこなんて店」
「それがな、見てもその地域のブログに載っとらんかった」
「夢見たか?」
「いや、店は存在するよ、ちゃんと店のホームページに値段とかあるし、後でKCJさんに聞いたら」
あそこ昼は本当に混むのと、元々ケータリング、仕出し、会議のお弁当もやっているので、お客さんに困ってないから…
「更新せんとか」
「え~この値段、700円でこんなに旨いもの出していいのぅ?料亭やん」
「腹パンパンになりましたわ」
そしてその帰りに、KCJ支部に向かう前にあったホームセンターをぶらついたときに。
「それか、その時買ったの」
「濡れたサメもガシ!と掴めるポップあってな」
「濡れたサメなんてそこらにいるんかい」
「水産会社御用達みたいよ、でもそうそう掴わん…」
そこに今日のおやつはオハギですよ準備が始まり、濡れたサメが飛び込んできたので。
ガシ!
「なるほどこう言うときに使うんやな」
アンコに夢中になるサメというのは…大変醜いものでございました(時代劇風ナレーション)

アンケート

ここ3日何を食べたか書いてね。

そしてそれを渡すと、まずはカレー一皿。
「おかわり」
「おかわりなら、これも書いてください」
駅やスーパーなどに、おっちゃんの写真で吹き出しに『来てや』と炊き出しするよと無料バスの時刻表が貼り出された。
そのため色んな人が来たが、混乱があるかと思われるが、静かなのは黙食ではなく。
(両端にごっつい兄ちゃんがおる)
(すごい筋肉や)
(俺らは礼儀正しい人って知っとるけども、これ効果すごいな)
人々が殺到しないように、仕切りとして警備と防犯カメラが臨時で設置された。
(東司さんもすごいときありますけども、これはその上ですかね)
戦場帰りといわれても…まあ、実際にそういう方々も混ざっているので、特に問題もなく過ぎ。
おかわりのアンケートもどんどん溜まっていく。
そのアンケートの内容としては、次、炊き出しをやるとしたら、メニューは何がいいですか。
・カツ丼 
・やっぱりカレー
・両方や!
この両方やだけ、手書きっぽいのは…
チラッ
おっちゃんが書き足したようですね。
「アンケートの結果はカレーが一位でしたが、全部僅差でした」
「それと浄水センターの職員が、地域の行政職員たちと比べて、健康診断において血糖値やコレステロールの改善が見られ、これは1日一食ではありますが、塩分や脂質を非常に考えられた食事を取っているからと見られます」
「これは…浄水センター以外も炊き出し頼めへんかな、タダやし」
「そうはいいますが、そうなりますと、いろいろと、浄水センターは周囲に飲食店やコンビニも歩いていける範囲にありませんし、それこそ最寄りの公共交通機関からもかなり遠いところですからね」
「そうなると、近所のお店があるところは難しいな、まあ、でも甘えれるだけ甘えとったらええよ、健康にもええと出たら、そう反対する人はおらんでしょ」
「反ザメ派ですか」
「そっそっ、サメを職員として採用するだなんてって昔から言われているし、不況になるたびにそっちに金を使うなんてガンガン言うて来るけども、今回はイサリの手柄やない、けど
イサリがいなかったら無理やしな、ああ、そこん所もKCJさんわかっとるんじゃないか?」
「あちらの所長さんはイサリさんの知己でもありますし」
「自分がいなくなったら、どうなるかわからないっていうのを込みで、KCJさんによろしく言うてるわけやから、ススムくんも相変わらず食えん子やけども、今の世の中、そのぐらいはしてもええんちゃう」
「これから嵐でも来るかのような口ぶりですか」
「来るでしょ、そりゃ、来ないわけがない、でもまあ、それはそれで面白い、若い人たちが右往左往するのを安全なところから見るのは年寄りの楽しみですからね」
この一時間後、KCJから浄水センターに電話。
「ああ、こんにちは、いつも美味しいものお世話になっております、今日はなんです?」
「そちらで災害備蓄用のペットボトルのお水があると思うのですが、一部の支部でそちらを採用したいので、担当者の方に取り次いでもらえますか?」
「は、はい!主任、主任、電話変わって!」
「ちょっと待ちぃ、今な、珈琲を…」
「早く変わって、珈琲あとあと!」
「アツ!アツ!溢した」
「ふきん、ふきん」
大慌てで保留にしないままなので、ドタバタもKCJに聞こえてきた。
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