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初雪 初恋 初のハグ
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ケットシーのイツモは、家の中ではよく鳴くので。
「あまり家の中での様子は撮影しない方がいいかもしれませんね」
KCJの職員さんがそういうのである。
「外では縄張りでボスしているからな」
蘆根はイツモの頭を撫でた。
「そういえばみなさんのことを呼んでいる時があるのは知ってますか?」
職員いわく、固有名詞が存在するらしい。
にゃ~
「これはタモツ先生ですね、ジジっていってますね」
にゃ~
「俺だな」
「そうです、蘆根さんです」
にゃ~
「これは…」
「傑のことだな」
「最近こういう鳴きかたして、『あにに』
『あにに』と言ってるから、最初は蘆根さんのことかな?でも視線の先は違うしなと」
「あにに?」
「あににだぞ」
「ど、独特のセンスですね、ケットシーってみんなそうなんですか?」
「いえ、そうじゃないんですが、なんででしょうかね、イツモ様」
イツモと傑はその時蘆根を見ていたという。
「あっ、そういえばネットで見たんですけども、浜薔薇の新しいシャンプーあるじゃないですか?」
初雪・初恋・初のハグのことだと思うじゃない?
「『パーフェクトおでん』ってまだありすかね」
ちらっ
傑は蘆根を見ました。
「ありますよ」
「それでシャンプーしてもらえたらなって」
「かまいませんよ」
「じゃあ、お願いします」
そう先に出たおでんの香りがするシャンプーは、『パーフェクトおでん』っていうんだ。
浜薔薇には若干入荷しているから、お早めにね!
「なんや、今日もおでんか!」
昨日も、今日もそして明日もおでんや!
「最初はなんやおもろいことをしとると思ったんですが、最近ではちょっと楽しみになりまして」
「ブログ読んだんだけども、前に一度反対くらってこのラインが出なかった時期があったんだそうや」
「どないしたん?」
「そしたらな、あんたん所の物を入れさせてもらっとるのは、そこんところが気に入ってるし、うちのところのお客さんが毎回、次はどんな来るのかな?って楽しみにしていたのに、普通になってどうするの?っていう取引先に言われまくったようや」
「うわ、それは大変やな」
「今回もそやけど、おでんの香りはそのままに茹で玉子の気分にさせてもらってますから、悪いものやないけどもな」
寒いときのおでん、あの気持ちがようわかるわ。
「ワシはこんなアホな話にいつまで付き合えばいいんやろな」
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「それではシャンパーの協力のもと、朝起きてからの頭皮と、洗ったあと、そしてお仕事終わってからの頭皮と洗ったあとの写真を撮影して公開することになりました」
「でもシャンパーでいいの?それこそ、そういうのをしたことない人にお客さんを頼んで、こんなに汚れ落ちてますよとか、そういう方がいいんじゃない?」
「それは…」
「それは場合によっては、センシティブ映像になる恐れがあるので」
リーダーが代わりに答えた。
「あ~」
納得。
じ~
すると視線が、シャンパーの今回の担当者に向けられた。
大公がこっち見てるよ。
「今回は一般の人が見るんで、今回は一般の人が見ますので!」
呪文のように唱えると、視線が逸れていった。
「申し訳ありません、大公、今回のコンセプトとしては、いかにして浜薔薇のファン、そしてこういったジャンルの裾野を広げるかというのが大事でして、ライトな撮影にさせてもらいます」
「それはわかってるよ、不特定多数の人が見れるところにたまたまそういった画像が流れてしまって、気持ち悪いというのは見たことはあるからね」
「ただ確かにファンも満足するものは増やしていかないとダメというのはありますが、きちんと管理されたスカルプ、頭皮の皮脂も見ごたえがある物にしてみたいと、シャンパーの代表としてここに誓います」
ファンクラブの証である手帳に手を置いた。
この最初の手帳はケットシー三匹だが、台座の上に三匹がいる。
台座には春夏秋冬が描かれているが、それぞれの代表の手帳、一頁目にはその春夏秋冬の描き方がちょっと違っていて、大きく下に自分の所属、シャンパーならば春の紋章があり、その上を三分割で他の季節の紋章が乗っているという構成にしている。
またその春夏秋冬、アルケー以外のファンもいるので、そちらのファンは春夏秋冬の紋を持ってはいない、こういった決まりごどある程度自分達の好みで作ればいいし。自分達の次代でさえ、紋章のある無しでさえも、その時決めればいいと思っているが。
「やべぇ、カッケー」
そんな感想が出ている限り、おそらくその伝統は引き継がれることになるだろう。
「会員の中には、その功績を称えられて、是非とも紋章を持ってほしいと言われた人もいるんだってさ」
原初の春夏秋冬、それぞれの代表が出席する中、紋章の認定式というのを行い。
「浜薔薇という素晴らしい店がきっかけで、我々は出会い、人生をいい方向へと変えてくださいました、その事に報いるためにも、これからもシャンパーとして、皆様にシャンプーの素晴しさを伝え、世のため、人のために私は生きたいとここに誓います」
初めての認定式がシャンパーだったため、これがシャンパーの誓いと呼ばれるようになる。
「あまり家の中での様子は撮影しない方がいいかもしれませんね」
KCJの職員さんがそういうのである。
「外では縄張りでボスしているからな」
蘆根はイツモの頭を撫でた。
「そういえばみなさんのことを呼んでいる時があるのは知ってますか?」
職員いわく、固有名詞が存在するらしい。
にゃ~
「これはタモツ先生ですね、ジジっていってますね」
にゃ~
「俺だな」
「そうです、蘆根さんです」
にゃ~
「これは…」
「傑のことだな」
「最近こういう鳴きかたして、『あにに』
『あにに』と言ってるから、最初は蘆根さんのことかな?でも視線の先は違うしなと」
「あにに?」
「あににだぞ」
「ど、独特のセンスですね、ケットシーってみんなそうなんですか?」
「いえ、そうじゃないんですが、なんででしょうかね、イツモ様」
イツモと傑はその時蘆根を見ていたという。
「あっ、そういえばネットで見たんですけども、浜薔薇の新しいシャンプーあるじゃないですか?」
初雪・初恋・初のハグのことだと思うじゃない?
「『パーフェクトおでん』ってまだありすかね」
ちらっ
傑は蘆根を見ました。
「ありますよ」
「それでシャンプーしてもらえたらなって」
「かまいませんよ」
「じゃあ、お願いします」
そう先に出たおでんの香りがするシャンプーは、『パーフェクトおでん』っていうんだ。
浜薔薇には若干入荷しているから、お早めにね!
「なんや、今日もおでんか!」
昨日も、今日もそして明日もおでんや!
「最初はなんやおもろいことをしとると思ったんですが、最近ではちょっと楽しみになりまして」
「ブログ読んだんだけども、前に一度反対くらってこのラインが出なかった時期があったんだそうや」
「どないしたん?」
「そしたらな、あんたん所の物を入れさせてもらっとるのは、そこんところが気に入ってるし、うちのところのお客さんが毎回、次はどんな来るのかな?って楽しみにしていたのに、普通になってどうするの?っていう取引先に言われまくったようや」
「うわ、それは大変やな」
「今回もそやけど、おでんの香りはそのままに茹で玉子の気分にさせてもらってますから、悪いものやないけどもな」
寒いときのおでん、あの気持ちがようわかるわ。
「ワシはこんなアホな話にいつまで付き合えばいいんやろな」
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「それではシャンパーの協力のもと、朝起きてからの頭皮と、洗ったあと、そしてお仕事終わってからの頭皮と洗ったあとの写真を撮影して公開することになりました」
「でもシャンパーでいいの?それこそ、そういうのをしたことない人にお客さんを頼んで、こんなに汚れ落ちてますよとか、そういう方がいいんじゃない?」
「それは…」
「それは場合によっては、センシティブ映像になる恐れがあるので」
リーダーが代わりに答えた。
「あ~」
納得。
じ~
すると視線が、シャンパーの今回の担当者に向けられた。
大公がこっち見てるよ。
「今回は一般の人が見るんで、今回は一般の人が見ますので!」
呪文のように唱えると、視線が逸れていった。
「申し訳ありません、大公、今回のコンセプトとしては、いかにして浜薔薇のファン、そしてこういったジャンルの裾野を広げるかというのが大事でして、ライトな撮影にさせてもらいます」
「それはわかってるよ、不特定多数の人が見れるところにたまたまそういった画像が流れてしまって、気持ち悪いというのは見たことはあるからね」
「ただ確かにファンも満足するものは増やしていかないとダメというのはありますが、きちんと管理されたスカルプ、頭皮の皮脂も見ごたえがある物にしてみたいと、シャンパーの代表としてここに誓います」
ファンクラブの証である手帳に手を置いた。
この最初の手帳はケットシー三匹だが、台座の上に三匹がいる。
台座には春夏秋冬が描かれているが、それぞれの代表の手帳、一頁目にはその春夏秋冬の描き方がちょっと違っていて、大きく下に自分の所属、シャンパーならば春の紋章があり、その上を三分割で他の季節の紋章が乗っているという構成にしている。
またその春夏秋冬、アルケー以外のファンもいるので、そちらのファンは春夏秋冬の紋を持ってはいない、こういった決まりごどある程度自分達の好みで作ればいいし。自分達の次代でさえ、紋章のある無しでさえも、その時決めればいいと思っているが。
「やべぇ、カッケー」
そんな感想が出ている限り、おそらくその伝統は引き継がれることになるだろう。
「会員の中には、その功績を称えられて、是非とも紋章を持ってほしいと言われた人もいるんだってさ」
原初の春夏秋冬、それぞれの代表が出席する中、紋章の認定式というのを行い。
「浜薔薇という素晴らしい店がきっかけで、我々は出会い、人生をいい方向へと変えてくださいました、その事に報いるためにも、これからもシャンパーとして、皆様にシャンプーの素晴しさを伝え、世のため、人のために私は生きたいとここに誓います」
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